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Bespoke Tailor Dittos.

【 T様のご注文:HARTWIST 】

2024.01.23お客様のご注文

 

 

 

 

1th

 

エドワード8世は愛する女性と結婚する為、

王位を退位し 1937年にウォリス・シンプソンさんと結婚致しました。

とても有名なラブストーリーの一つですね、

当店に飾られている素敵な写真の一枚です。

 

 

シンプソン夫人の右隣には

英国王室の宮廷写真家としての顔を持つ多才なC.ビートン卿。

ストライプのスーツに

タッターソールチェックのウエストコートを合わせています。

ウインザー公の左隣には親密なE.メトカーフ少佐、

コンビの靴にパドックカットのスーツを着ておられますね。

本当におめでたい幸せそうな一枚です。

 

後ほど C.ビートン卿には再度 ご登場をお願いします!

 

 

 

 

 

 

さて、今週は素敵なツィードスーツをご注文下さった

T様のご注文 をご紹介させて頂きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

2th

 

 

1920年代のサイレント期を代表するイタリア出身の俳優 ルドルフ・ヴァレンティノ氏。

今でも2枚目俳優として語り継がれる才能に満ちた方でしたが、

残念ながら31歳という若さでこの世を去ってしまわれました。

 

http://dittos.seesaa.net/article/413401655.html

【 RUDOLPH VALENTINO 】

 

何ともう9年前となる掲載、、、、BLOGは570話を超えています!

 

 

 

 

 

3th

 

段返り風な3釦はピークドラペル、端正な三つ揃いです。

シャツのカラーはピンで絞り込まれ エレガントな雰囲気を一層盛り立てます。

 

 

 

 

 

4th

 

ダブルのウエストコートと共に、

20年代らしいシャープな印象を感じさせるカットのスーツです。

この写真でもカラーピンをされていますが、後にタブカラーの誕生へと繋がります。

 

T様はR.ヴァレンティノ氏のスタイルがとてもお好きです。

こんなにもエレガントな方ですから当然でもありますし、今回もイメージを念頭に!

 

 

 

 

 

 

5th

 

段返りの三つ釦はピークドラペル、

ダブルのウエストコートでリクエスト頂きました。

ご自身のスタイルを形成されていく過程におき、

憧れる方や歴代のお洒落な方々を真似する事は一番手っ取り早く、効果も大きいのです。

『 自分もこんなに格好良く着こなしたい!』

誰しもがそんなところから始まりますが、

自分は自分でありつつもイメージされた匂いも感じたい、、、。

 

そんな想いを込めてご注文される方は少なくありません。

 

T様はとてもスリムで正に二枚目、そして体型もそれぞれに個性ですから

既製品という枠に収まる方ばかりではありませんね。

誂えスーツはご自身の為だけに仕立てられた MY SIZE を前提に、

初めてスーツのもつ本当の着心地や魅力に気付き、

そしてテーラードのもつ魅力に染まってゆくのです。

 

 

 

 

 

6th

 

色味が絶妙で複雑、その凄く綺麗なツィードのスーツは

まるで金色の銀杏並木やススキの草原、

はたまたお米の収穫時期をも彷彿させてくれますね。

美しきカントリーカラーであり、ナチュラルカラーです。

 

PORTER & HARDING

HARTWIST

100% WOOL

560g

 

 

 

http://dittos.seesaa.net/article/477758968.html

【 TWEED:HARTWIST 】

 

 

 

 

 

 

7th

 

筋肉質で立体的なお尻が格好良いT様!

日本人には比較的に多い平尻な私には本当に羨ましい限りです。

 

 

 

 

 

8th

 

だからこそ、腰の括れとのギャップは自ずと大きく

ハイバックスタイルでの馴染みは重要なポイントです。

 

仮付けですが吊り釦の色が濃いですね、

仕上げでは変えますのでご安心下さい(汗)。

 

 

 

 

 

 

9th

 

T様も襟付きのダブルブレスト、ウインドーペーン柄が魅力的ですが

どこかしら見慣れない⁉ かも知れません。

 

ポケットは勿論なのですが、身頃と襟が柄合わせされています。

 

ウエストコートの襟には2種の仕立て方があり、

コート(ジャケット)の様に内側の身返しから直に折り返す仕様。

そして襟を独立して作り、身頃に後付けで乗せる仕様です。

 

この後者たる仕立て法は歴史的にも、サビルローでもむしろ一般的でもあります。

大きなメリットとしては、アウターとインナーで 襟on襟となりますので

嵩張らずにすっぺりと収まりが良い事が挙げられます。

その他にも幾つか挙げられますが、、、

襟を別途作るからこそ この様に柄合わせ出来るのですね。

前者でいう身返しから返す手法だと有り得ない柄合わせでもあります。

(絶対に不可能という訳ではありません。)

 

 

 

 

 

10th

 

ここでC.ビートン卿に今一度ご登場してもらいます。

タッターソールチェックで仕立てられた襟付きのダブル型ウエストコート。

 

確りと身頃を意識した裁断による後付け襟仕立てですね。

納まりもスマートであり、見栄えも落ち着いて見えます。

 

そして格子柄なので分かりやすいですが、前中心にセンターシームを設け、

ここでクセ取り(ダーツ)も施されている事が読み取れます。

 

今回のT様は ウインドーペーン柄 が凄く綺麗で私も大好きな生地であり、

こんな所にも職人の自己満と拘りを入れさせて頂きました。

 

 

 

≪ この裁ち合わせ(衿)はストライプでも見受けられます。

この柄合わせがご希望であれば是非リクエスト下さい。 H.S ODERでも可能です。

T様におかれましては、R.ヴァレンティノ氏が着用する

高度で卓越したテーラードに私が想いを馳せて、、、。≫

 

 

 

 

 

 

11th

 

いよいよ仕立て上がりです。

T様が来られる前に 少しご覧いただきましょう。

 

下衿も、上衿も全て合っているので

この手法を知らぬ方におかれましては不思議に見えますよね。

それだけの高い正確性と苦労も内蔵されております(笑)!

 

 

 

 

12th

 

格子裁断での前身頃は このレイアウトが一番美しい。

T様のスリムな御体型、そしてやや小ぶりでシャープなピークドラペルは

三つ釦の軽めな段返りで仕立てられています。

ラペルのエッジカーブ線は控えめに、

そして尖り過ぎていな剣先、ここ ポイントです!

 

 

 

 

 

 

13th

 

トラウザースも勿論柄合わせが意識されています。

外脇のシームは綺麗に前後で繋がっていますね。

フラップだって当然意識され 裁ち合わせが成されます。

 
14th

 

外脇に付くストレートなシームポケット。

スラントと違い、口が閉じていれば目立ちませんね!

 

ですがポケット口を開けてみると、、、、

向こう布というパーツ、そして口布というパーツも

それぞれ身頃に合わせた柄合わせで仕立てられています。

 

特に配色ウインドーペーン柄などでは

『チラッ』と見えた時にズレていると凄く目立つはずです。

 

 

 

 

15th

 

何ならこんな所も、、、

フロントを開ければ天狗(ファスナー奥の持ち出し)というパーツも横柄が!

 

 

 

 

16th

 

であれば、、、

左上前フロントの裏、前立てというパーツだって身頃に柄合わせです。

ここまで、、、こんな所まで、、、

私達には当たり前なので意識しませんが、今回は敢えてお見せさせて頂きました。

 

【 柄合わせ 】

当たり前の事ですが 着心地には全く関係ありませんね!

むしろ職人の自己満 と言われればそれまでの事です(笑)。

 

 

ただし、これはどれだけ贅沢に意識して、

丁寧に仕立てられているのかを図る目安と成り得ます。

既製服で見ればお値段なりに柄合わせは省かれて参りますので、

安ければ安い程に シャツの脇縫い目さえ柄合わせされぬ物も少なくありません。

 

これは流石に驚きましたが、女性の格子柄オーバーコートで

背中心縫い目さえ柄合わせを省かれた服を見た事があります。

どんだけコスト重視⁉

 

それだけ 柄合わせ には多くの生地と余計な手間がかかりますが、、、、

着心地やシルエットの美しさだけではなく、更にディテールだって見た目は美しく。

職人の心と技術が昔から宿っているのですね。

 

シャツでも柄合わせのグレードがありますので

ご自身のお手持ち服で格子柄があれば、お値段と

柄合わせ精度を比べてみると面白いかも知れません(笑)。

 

そういう意味では BESPOKE は服作りでの最上級ステージなので

見本となるレベルでなければなりませんね。

 

 

 

 

 

17th

 

無駄な雑談をしていたら T様の御来店で御座います!

 

何とも凛々しきお姿

昨年ご納品のスーツは少しずつ馴染みはじめ、

T様らしさが満点に感じられる正に素晴らしくエレガントなスタイル。

思わず嬉しくなって写真を撮らせて頂きました。

 

生地も最高であり、やはり滲み出ますね、、、、オーラが!

 

http://dittos.seesaa.net/article/498354262.html

【 DOBCROSS 】

(廃版が確定している生地です、頼めるうちに是非お勧めで御座います。)

 

 

 

 

18th

 

早速 ご試着頂きましょう。

大変お待たせいたしました、一番寒い時期に間に合って良かったです。

今頃はご着用を楽しまれておりますでしょうか。

 

19th

 

20th

 

 

 

 

 

 

 

 

 

21th

 

22th

 

腹部の釦配列はやや縦長なレイアウト、R.ヴァレンティノ氏の20年代調を意識。

肩が個性的なT様、逆三角形な体型が羨ましいです。

 

 

 

 

 

 

 

23th

 

とても素敵です!

T様は この色味自体に思い入れもあられ、本当に喜んで下さりました。

 

このツィードを馴染ませるには結構な時間も必要です。

もう近所のコンビニへ行かれる時も上着を着ていって下さい(笑)。

 

24th

 

 

25th

 

26th

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

27th

 

実はこの三つ揃いに追っかけの注文にて、

オッド・トラウザースもリクエスト頂いておりました。

 

ド定番であるグレーのフランネルはFOX BROTHERS より

ライトネイビーをお選びいただきました。

 

FOX BROTHERS

Classic Flannels

100% Wool

400g

 

 

三つ揃いを崩してのご着用と共に、

お手持ちの様々な上着へと万能に会うスペシャリストな1本です。

明るめなライトグレーでもあり、ネイビーブレザーがとても映えますね。

 

 

 

 

28th

 

 

完璧です、、、、、。

 

T様、この度も素敵なご注文を誠に有難う御座いました。

温かくなるギリギリまで着込んでください、

HARTWISTにローテーションなど軟な気遣いは不要です。

 

とてもT様らしい上品な雰囲気がでており本当に素敵で御座います。

 

今後の誂え足しには C.ビートン卿の様なタッターソールチェックの

ウエストコートも欲しくなりますし、この精度で誂えられた

更なるアウターとしてカバートコートもお勧めです。

しかし、ご検討されておられるBLACKLOUNGEがお先でしょうか!?

御着用を堪能しつつ、次なるをお楽しく悩まれて下さいませ。

 

既にご注文へまわっている分も 是非ご期待頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・如何でしたでしょうか。

御納品されれば 次は着込み 着こなす楽しみが待っています。

誂え服との付き合いは長く、

エイジングは何よりの喜びであり、相棒との軌跡でもあります。

 

皆様も是非 冬の寒さをご堪能下さいませ。

今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。

 

 

 

 

・・・・・【 ご注意願います ‼ 】

当店HPをご覧くださり誠に有難う御座います。

ボチボチ前より HP内『CONTACT』のお問い合わせフォームに不具合が生じております。

現在確認・復旧中では御座いますが、暫くお時間がかかります。

 

もし 『 問い合わせを入れたのに返答・返信が来ない!』 とのお方がおりましたら

大変申し訳ございません。

それは実情 私の所まで届いていない事になります。

改めて下記へ直接 ご連絡頂けましたら幸いです。

お詫びと共に、直ちにご対応させて頂きます。

 

info@dittos.jp

 

大変ご迷惑をお掛けしておりますが、

お手数ながら宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 
Bespoke Tailor Dittos.