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Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 ADAM 】

    2024.03.05 Bespoke Tailor Dittos. 日記

    【 ADAM 】

        皆様 こんにちは。 早くも3月に入りました、天候も安定しませんが、 少しずつ春に向かっているという事でしょう。   本格的な春の到来を前に、当店では HOUSE STYLE ORDER限定 による 早期受注フェア を開催中で御座います。 ご注文内容は季節を問いませんので、 リネンからツィードまで幅広くご注文を頂いております。 3月20日(水)までとなりますので、 どうかこの御機会を有効利用して頂けましたら幸いです。     また、シャツの今期シーズンファブリックが 3月中旬以降を目途に配布される予定で御座います。 そのタイミングに合わせ、新型オープンカラーシャツも受注開始とさせて頂きます。 また改めてご紹介させて頂きますが、こちらも合わせて宜しくお願い申し上げます。               さて、今週も当店BLOGにお立ち寄り頂きまして誠に有難う御座います。 楽しみにして下さる方々が居られるからこそ続けられております。   TAILORのブログですから生地や作例のご紹介がメインとはなりますが、 たまには少し目先を変えてみましょう。     今週は ほんの少しタイムトラベルな気分を如何でしょうか。 エレガントなクラシックスタイルをお気楽にご覧頂けましたら幸いで御座います。                 ・・・・・長きに渡る紳士服の歴史の中で、スーツという括りで見ると 紳士達が一番エレガントであった時代であり、現代的なスーツというスタイルが 確立された時代、それが1930年代のあたりになります。   紳士服の歴史は大英帝国に行きつき、 英国のテーラーリングが率いてきたとも言い換えられます。   1930年代のスタイルというのはクローズアップを受ける事が少なくありません。 それだけ無視できぬ時代でありスタイルであるに他ならず、 他の国々でも英国スタイルへの憧れと共に同じようなスタイルを形成していました。             ハットを被り、三つ揃いにステッキまでと 英国紳士を彷彿させるエレガントな紳士達。 このイラストの出どころ、実はフランスなのです。   シングルブレストは三つ釦でピークドラペルも見受けられますが、 ラペルは本返りが主体ですね。   独特で美しきシルエットの上着、ドレープ豊かな股上深きトラウザース。 イラストとはいえ、襟ぐり線であるゴージラインの位置にも注目されてみて下さい。 本来あるべき美しきクラシックスタイルたるバランスは存在します。                 まだ写真が今のように手軽でなかった時代、人々へ伝えるのは文字と共にイラストでした。 当時のスタイルを学ぶ上で欠かせぬ メンズマガジンは世界中で豊富にありました。 アメリカにはEsquireが有名なように、フランスでは【 ADAM 】が筆頭となりましょう。   1925年~1973年  2か月に一度発刊されていたそうです。 服飾関係者にとっては大変貴重な雑誌でもあり、 特に20~30年代の古いものはかなり高値が付けられています。     ここに4冊、1929/1934/1934/1938の4冊がありますが、 もう表紙からカッコ良すぎますね! 当時の生でホットな情報であり、その時代の方々が目にしていた紙面を 一部だけご紹介させて頂きます。   では早速 私と一緒に覗いてみましょう!             雑誌ですから広告は付き物です! 今でも現存するブランドも多く、こんな広告を見るだけでも楽しくなります。   エルメスのグローブも手首を確りとホールドするレングスに釦留め。 コレですよね、クラシックなグローブとは!                             OLD ENGLANDは昔 青山:外苑西通りに大きくて重厚で、 高級感あふれる素晴らしいお店がありました。 フランスブランドであるこの素晴らしいSHOPの存在こそ、 当時の英国スタイルがどれだけ影響が強かったのかが分かりますね。 アメリカのPaul Stuart に然りです。   WESTONや、SPORTEXも! 当然フランスブランドが多いのですが、 KYNOOCHはご存知でしょうか、スコットランドのメーカーであり ツィード好きな方はご存じの事でしょう。 キャラクターであるワンちゃんが有名ですね!   そして バーバリー(ズ)、昔は最後にSが付いていました。 最近はそのSが無くなっているのを御存じでしたでしょうか!                     イラストなので定かではありませんが、 パドックカットのピークドラペルでしょうか、、、まるでA.イーデン氏の様です。 足元にはスパッツ、エレガントで優雅な “ビジネスマン” ですね。                               左の紳士は3釦の段返り、しかし昨今の見慣れた段返りとは一線を画します。 確りとした肩回り、キュっと絞られたウエストに向かい 優雅な胸部のドレープが見て取れますが、 正にイングリッシュドレープなスーツです。 ラペルの返りは計算・設計され、狙った芯使いにより返されています。 イタリアの様に返り線付近の増芯を省き、 センター(第2釦)まで返る(事が出来る)手法とは違います。   使われている芯地自体も昨今の価値観から見れば かなり確りとしていると言えます。   イラストだし、、、とも言えますが、リアルをもとに描かれているのですから プロらしく特徴を上手く捉えているのであろうと思います。                 そそられますね~! 単なるイラスト、されどイラスト、本当に味わいがあり、 雰囲気あって気分も盛り上がります。 様々なディテールデザイン、今では見かけないファブリックデザインも、、、 どれも格好良く素敵! 当時の読者も同じような気持ちでご覧になっていた事でしょう。                 写真だって勿論御座います。 国王ジョージ六世も紙面を飾ります。                           2面2ダーツで裁断されたイングリッシュドレープスーツ。 ラペルの返りから見れば3釦の様ですが、第1ホールが見当たりません! 昔の上着はかなり甘めに返らされた設計や仕立てのラペルも多く見受けられますが、 これは3釦にした方が素直に見えそうですね。 釦数はさておき、胸部のボリューム感は凄いですね。 この服の持ち主が着ている所を見ないと分かりませんが、 厚みある豊かな鳩胸に見せるべく、意図した裁断である可能性も!   袖口に4つ並んだ釦が見えますが、慣れ親しんだスタイルでもあります。 ですが、一番下の袖口に近いホール位置をご覧下さい。 昨今の見慣れたバランスより低い位置で設定されているのが分かるでしょうか。 古着をお好きな方々から見れば通常運転ですよね。   袖口は捲くれるように開閉式にされ、開きがあるからこそボタンで留めます。 にも拘わらず目にする昨今の袖口ホールは 随分と高い位置より第1ホールが設定されていますね。 これでは釦の意味が⁉ と矛盾に感じますが、袖丈直しを前提に考えると 多少詰めた位で丁度良い という見方が出来ますね。 素直ではない不自然なバランスですが、誂えであれば その方に合わせて袖丈を設定するので 無用に高い設定の釦位置では 矛盾とアンバランスだけが残る事となってしまいますが意図する狙いは、、、?                                   不自然に見えるくらい 皴も皆無に綺麗で固まっているかのようです(笑)。 丸みと共に立体感に溢れ、高度なテーラーリングが施されているのが分かります。   カットも仕立ても素晴らしい事は前提ながら、当時の生地ですから今では驚くほどに 密でヘビーウエイトな生地ばかりでもあるという事です。 この時代にはまだスーパー表記すらありませんし、 今の様な細い高番手の糸・生地を生み出す技術もない時代です。   高価な誂え服がそんなペラペラでは直ぐにダメになりますし、 今の様に空調設備も整いませんので普通に寒い、、、 洋服の前提たるは防寒具でもある訳です。   だからこそ、、、誂えスーツは子の代、孫の代までと言われ、 それに耐え得る確りとした生地であったという事です。               ガウンのバリエーション、凄いですね。 私が修業時代にはカシミア地でガウンの注文がボチボチありましたが、 今ではどうでしょうか。   ご要望下さるお方がおりましたら是非お声かけ下さい。 シルクでも、カシミアでも 最高のガウンをお仕立て致しますので!   ですがお若い世代の方々はガウンを見た事が無い方もおられるのではないでしょうか。 日本では老舗の百貨店に探しに行くくらいしか最早目星がつきません。                 この時代のニットやカットソーは私にとって大変魅力的で素敵なのです。 今の価値観で比べれば見るからにショート丈に見えますね。 勿論短い訳ですが、それだけトラウザースの股上が深い事に起因します。   そして裾リブの幅、これが広い! 短めの丈と共に、スーツに同じく高いポジション(ハイウエスト)でクビレを形成するのです。   当たり前な事ですが、軽衣料含め周辺アイテムも全て トラウザースの設計価値観に連動していると言えます。 タイも短く、ブレイシーズも支点は低く、ニット類は見た通り。   これが当たり前であった時代から見ると ウエストコートが省かれ、ローライズへとトラウザースが移り変わると共に 全てのアイテム達も連動してビヨ~ンと長くなって参ります。   こういった昔の服を見ると随分と移り替わってきた様が見て取れる事でしょう。 昔の方々から見れば今の丈設定(ベスト、ウエストコート、ニットやカットソーの類)は、 なんて胴長・短足に見える・見せる丈バランスなんだ! となる訳ですね。   当時と今の当たり前は当然違いますが、随分と色気は無くなり ルーズに無難 へと落ち着いたという結果論であり、 それがリアルな時代の流れであると言えます。 カジュアル化も含め、寂しい事ながら男性の装いに対する エレガントさは求められなくなりつつあるのかも知れません。   だからこそ、余計に紳士服の黄金期が輝いて見えるという事もあるでしょう。 衣食住の『衣』に関しても、もっと拘り、追求し、楽しむ事が出来たなら より充実した人生になるのではないと思います!                     ・・・・・以上となります。 如何でしたでしょうか、当時の雰囲気を少しでも感じられましたら良かったです。   フランスのテーラードと言えば 『フィッシュマウス・ラペル』 を イメージされる方も少なくないでしょう。 こう見ると そのディテール自体はそれほど古くない事も分かりますね。     日本では洋装社が 1932年に【 洋装 】という月刊誌を創刊しました。 主にテーラー業界向けであり、英国のTAILOR & CUTTER に近いと言えます。 そんな洋装の内部にもT&Cの記事や技術的事柄が沢山記載されています。   この洋装もまたもの凄く渋くて格好良いので、別の機会にご紹介できればと思います。 皆様もきっと『これが日本製か?』と疑う程に素敵なTAILOREDが満載でした。 これもある意味では当然の流れでした、、、。         漢字含め日本語自体も古いですよ(笑)! やはり英国スタイルを推していますね。       今回のフランスだけではなく、日本でも、いや世界的に見て 英国のスタイルは憧れと共に見本でもあったのです。 これは揺るぎない事実であり、歴史でもある というお話でした。         では、今週もお付き合い頂きまして誠に有難う御座いました。 是非また来週もお立ち寄りくださいませ。       何卒宜しくお願い申し上げます。                

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  • 【 News from Dittos. 】

    2022.09.06 Bespoke Tailor Dittos. 日記

    【 News from Dittos. 】

          こんにちは。 9月に入りました。 秋雨前線に台風と 湿度も高く雨の多いこの頃では御座いますが、 帰路の夜道では、虫たちの涼し気な鳴き声が大合唱で聞こえて参ります。 セミから秋の虫たちへ、少しずつ秋の到来を感じます。       さて、今週は 皆様へお伝えしなければならぬ事もあり 『 お知らせ 』 を主体に書かせて頂こうと思います。 とても切ない事も含まれますが現実から目を背ける訳には参りません。   暫しお付き合い頂けましたら幸いで御座います。               【 CHESTER JEFFERIES 】   1936年に設立された最高級の英国製グローブメーカーです。 王室御用達の老舗であり、最高品質のレザーと共に、 手作りで作り上げられるクラシックなグローブは紳士にとっても欠かせぬアイテムです。   国内での一般的な知名度で言えばデンツ社が有名だと思われますが、 私個人にとってグローブと言えば同社のグローブとなります。   当店におきまして、2013年に、そして2016年に『 BESPOKE GLOVES 受注会 』を 開催させて頂き、沢山の方々へ極上なグローブを御用意させて頂く事が出来ました。   http://dittos.seesaa.net/article/440640193.html 【 BESPOKE GLOVES 受注会 】           本当に沢山の方々に、様々なモデルや仕様、そしてレザーをリクエスト頂きました。 なかには顧客様の奥様用など婦人物も作って頂いておりました。   基本全ての方々へ私自身が採寸させて頂き、明確で的確な採寸指示書を作成致しました。 グローブのフィッティングにはコツもあり 既製品サイズに慣れた方々におかれましては、 あるべきサイジングの御提案から始まります。 同社には本当に素晴らしいグローブを仕立てて頂きました。   グローブは冬だけのアイテムでもあり、レザーゆえ持ちも良いですから 3回目の受注会まで時間を空けておりました。 時の流れは速く、そうこうしていたら新型ウイルスですよ、、、 もう3年目ですか。             グローブの受注会については、随分とお問い合わせも頂いておりました。 顧客様方からのご要望もあり、そろそろ開催させて頂こうと思い 先方様へ昨今の状況と共に確認をさせて頂く運びとなりました。   しかし、恐れていた心配が的中してしまう事に、、、、。   1936年から続けてきた 最高のグローブ:CHESTER JEFFERIES  は 誠に残念ながら閉幕!? とのニュースも。             ・・・・・以下 英国のメジャー新聞社に掲載されたニュースを ざっくり訳してお伝えさせて頂きたいと思います。 ( もう2か月以上も前のニュースとなります。 )       85年に渡ってC.ジェフリーズは女王に相応しいグローブを作り続けて参りました。 しかし今、王室へ製品を供給していた同社は閉鎖されようとしています。 経営者いわく、多くの若者は『昔ながらの工芸品』に取り組む 興味や忍耐力を持ち合わせていないと語っています。   C.ジェフリーズの創業者である父と共に 14歳から働いてきた マーク・ピアース氏(現社長)は、 ビスポーク産業は英国内において10年以内に 消滅するかも知れないと予測しているそうです。 氏いわく、若者の訓練(修行)に対し本当に多くの事を費やしたにも関わらず、 一人前になるまでにかかる時間の長さ、そして見習いゆえの薄給により 殆どの若者は長くとどまる事を望まなかったと言います。 低賃金でも職人になりたい という覚悟を持たぬ若者たちを 引き留めることが出来なかったのです。   創業当時は 52人 ものスタッフがおり、 その雰囲気は「活気に満ち溢れていた」という。 しかし、現代では若者を採用しても 技術を習得しようという気概も、 工場で働こうという気概も感じられないという。 また、家業として働いていた従業員が退職を希望した事も廃業の理由だそうです。 「 手作りのグローブ作りは時代遅れの技術である事は理解しています。 正直なところ 若い人たちは他の分野でもっと多くの収入を得る事が出来ますし、 最終的には自分達にとって最善の決断をしなければ成らないのです。」     1777年創業の老舗グローブメーカーである、デンツ・グローブ社において、 今年の業績は好調だったものの、英国各地で急速に工場閉鎖が進んでいるという。   同社の社長である デボラ・ムーア氏は、縫製師や裁断師になるには4~5年かかる所を、 短縮して3年で職人になれるトレーニング・スキームを立ち上げ 提供してきたという。 社長曰く 「私はこの仕事を32年やっていますが、 手袋工場は激減しました。とても悲しい事です。 若い人たちはこの業界へ入りたがらないし、資格を得る為に学び続ける事も無い。 訓練に時間を掛けたくないという理由から留まらないのです。」     ニュースの引用はここまでとなります。         ・・・・・残念でなりません。 内容はとても良く分かりますし、日本でも同じ事が言えるでしょう。 物作りに携わる若い人材確保、、、大きな課題です。   手作りが織りなす温もりのこもった最高品質。 使えば使う程に味わいが増し、掛替え無き物になる。 長きに渡って愛用し、愛着もわき、メンテナンスやリペアを重ね 自身と共にエイジングを楽しめるのです。   服でも手袋でも、多くは最大公約数によるサイジングに置き換え あるべき工程を省き、大量生産される既製品。 大きなメリットもある反面、それなりに断念・妥協する必要がある事も事実です。   そんな服や手袋での既製品では、あるべき理想たるその物自体の 品質的・本質的な魅力を十分に反映出来ませんので、 それらを理解出来ないとも言い換えられます。 ですが、時代と共に多くの方々がそれを受け入れているからこそ今に至るのですね。 時間と手間をかけた逸品は どうしても値が張る事も揺るぎない事実です。     卓越した能力・技術を身に付けるには相応の努力と時間が必要です。 本当に好きでなければ続けられないでしょう。 しかし、その身に付けた能力・技術は一生ものであり、 さらに磨きをかけ いくらでも昇華させる事が出来ます。   技術に終わりはありません、一生勉強です。 やればやる程に血となり、肉になります。 この部分を上手く評価に繋げていけると良いのですが、 口で言うほど簡単ではない部分も御座います。   挑戦する・出来る 若者がいなくならないで欲しいです。           ・・・・・つい昨日の話になりますが、 現社長のM.ピアーズ氏との連絡が取れました。 本当に幸いにも閉幕は免れる事が出来たそうです!! 先ずは本当に何よりで御座います、、、、。   しかし、既に英国での生産は終了しているとの事。 同社のMADE IN ENGLAND はもう手に入らないのかも知れません。   同社は英国内の同業であるグローブメーカーと提携し、 ヨーロッパでの生産を継続する予定だそうです。 同時に様々な条件や事柄が変わってしまいます。 落ち着かれるまで少し時間がかかるかも知れませんね。   結論的に今期 C.ジェフリーズ社による BESPOKE GLOVE受注会は見送る事とさせて頂きます。 先ずはもう少し先方様と打ち合わせが必要です。     現時点では、2回に渡る受注会にて お作り下さった顧客の皆様方は もう手に入らぬ同社の英国製:最高級なBESPOKE GLOVESを 是非大切に御愛用頂けましたら幸いに思います。                 【 ALBINI 】   1876年創業の高級シャツ生地メーカーであるアルビニ社は、 イタリア3大生地メーカーの一角を担う大手の老舗で御座います。   英国の THOMAS MASON や、DAVID & JOHN ANDERSON も傘下におき、 これらブランドの『らしさ』も引き継がれております。       新疆綿(中国)による問題から原綿の高騰、 そして世界的なエネルギー価格の高騰、 更にイタリアでは人件費なども上がっているとの事で 製造コストが何倍にも膨れ上がり、いよいよALBINI社も赤字!? との事。   という事でシャツの値上げ改定も記憶に新しいにも関わらず、、、、 追い打ちが掛かります。   仕入れ輸入元のシャツ生地問屋さん経由により一回値上げが成されましたが、 実はそれ以降も本国からは何度か再値上げが入り 随分と我慢していたそうです。 いよいよ卸値にも再度値上げがされる事になりました。     T.MASONでは人気のJOURNEY 等も含め、D.J&Aは勿論の事、 ALBINIグループで展開されている生地のお代が再度改定されます。 ( 私が言うのも恐縮ながら、ほんの少しです。 ですが、2回目でもあります。)     9月16日~     こんな話ばかりで困りますね。 また、生地にお詳しくない方々におかれましては どの辺りが値上げになるのか分かり辛い事と思われますので、 どうかお気軽にお問い合わせ下さいませ。   もし同社管轄のシャツをご検討されておられましたら、 今月15日(金)までにご注文頂けましたら幸いです。 ( 型紙ホルダーの顧客様におかれましては、メール注文も承らせて頂きます。 )         このモンスター級の生地 MILLENNIUM STAR ですが、 今年ご注文下さった顧客様方は大正解だったのかも知れません!? http://dittos.seesaa.net/article/488287264.html 【 至高のシャツ地フェア② 】   これ、、、来年は幾らに !? 普段は生地見本帳に入っておりませんので 来年まで確認しない事にします(汗)。               【 キュプラの裏地 】   キュプラは植物性繊維から生み出される再生繊維であり、 化学繊維であるポリエステルとは全然違うものです。 シルクに変わる素材としても使われ、高級な裏地としても広く認知されております。   スーツに付いて、上着の裏地や下物の膝裏など 様々に多用されていますが かなり安価な価格設定で作られているスーツ等は裏地もポリエステルであったりします。 ポリと比べ、滑りの良さや静電気防止、更に私達に関すると耐熱性も違いますので 当店の全商品においてポリエステルの裏地を使う事はありません。   ( 因みに、トラウザースの膝裏は 上着の裏地と違って肌に直接触れるものですね。 キュプラの膝裏に慣れ過ぎていたので、 試しにポリの膝裏が付けられたトラウザースを穿いてみた時 あまりの違いに驚いたものです。)             ・・・・・2022年4月、旭化成さんの紡績工場で火災が発生しました。 国内市場におき、旭化成さんが糸を生み出さなければキュプラの裏地を作る事が出来ません。   現在 旭化成さんでは火災の原因追求、 そして対策を講じる為にも 再生産まで時間がかかるそうです。 となると、各社それなりに在庫していた裏地は枯渇し、 特にネイビーやグレーなどの人気色は厳しい状況になっております。   こういう時、既製品を扱う大手メーカーさん等は力を元に大きく確保されますので なかなか縫製工場さんへ回り辛く、この状況は当分続くと思っておいた方が良いとの事です。           当店で考えますと、BESPOKEで頂いたご注文の裏地は 殆どが英国より取り寄せているビスコースがメインとなっていますので 知るのに時間がかかってしまいました。 ( 膝裏や袖裏などは品質が頗る良い国産を使用しています。 )   大きな影響を受けるのは HOUSE STYLE ORDER です。 ご協力工場さんより このお話をお聞きしましたが、 レギュラー料金内でお選び頂く沢山のキュプラの裏地たち、、、、 これが人気色より品切れが出始めております。 工場さんも確保していた人気色在庫は、 仕入れ先さんでさえ持ち合わせていないのが現状です。           ・・・・・それは困りますので、 現在 似寄りでの品質や色で別のキュプラ調達に御尽力くださっております。 とは言うものの、H.S. ORDERの顧客様方には 大変なご迷惑をお掛けする可能性が出て参りました。 出来る限り困る状況にはならぬよう全力で避ける努力を致しますが、 極一部の品番や色の御変更を相談させて頂くかもしれません。   これは当店に限った話では無く、国内製キュプラ裏地を使用する全ての所に関係します。 国内のキュプラ(人気色)が無いのですから、、、、 これから徐々に影響が出てくるのではないでしょうか。   誠に心苦しく 恐縮では御座いますが、どうかお汲み取り頂けましたら幸いであり その際にはご相談をさせて頂けるよう 宜しくお願い申し上げます。               【 Genuine Horn Buttons 】         ABBEYHORN はご存知の方も多い事と思います。 角を手作りにて加工する英国の超老舗ブランドは、 なんと1749年から続いているそうです。   水牛などの角となりますが、様々な色味があり 勿論全てが天然ものですから同じ色柄が二つとして存在しません。   濃い色も魅力ながら、この美しき『 飴色 』がまた そそられるのです! サイズが大きければ それだけ大きな個体からしか取れませんから価値も上がる訳です。   こんな立派な角を削り出して 紳士服のリアルなホーン釦となるのです。           様々に削り出された釦を 細かく規格に合わせて色分けされます。 今までは当たり前にあったもの、、、、。   実は 美しい飴色が枯渇しはじめております。 紳士服では あまり薄い色は多用されませんが、 キャメル系などには欠かせません!   今後は廃盤色が増え、 色味によりお値段が変わる可能性すら出てきたという事です。 故に、どれも、全てがリアルなホーンですが 実は飴色系の価値が上がってきてしまっております。   特にコート用などの大きなサイズになると、 やはり角も大きくて取れる場所も限定されてきますから高価なのですが、、、 メーカーさんも在庫を抱え辛くなってきています。               ・・・・・ご連絡は以上となります。 裏地は既に実害レベルであり、ホーンはその内に、、、といった所です。   『 いつかは、、、』 気楽に構えていられない昨今の状況下、 当たり前に使っていた物が少しずつ高騰したり、最悪無くなってきております。 行動力が必要になってきているとも言い換えられます。     VINTAGEの素晴らしい生地達も有限在庫です。 今 価値ある御縁を大切にされて頂けましたら幸いに思っております。     様々な問題が連なる中、私達で出来得る最大の努力を講じ 皆様より頂戴致しました大変貴重で光栄なるご注文の品を 全力持ってお仕立てさせて頂きます。 どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。               ・・・・・渋いお話が続きましたので、 少しでも楽しみをお持ち頂ければ、、、   今年の秋に向け、2020年以来となる 当店オリジナルタイ が着々と進行中で御座います。 今年は長きに渡り念願であった BUSH JACKET を具現化する事が出来ました。 http://dittos.seesaa.net/article/488475454.html 【 BUSH JACKET⑤ 】   ご購入下さった方々のBUSH JKは味が出て来ましたでしょうか! 暑過ぎた夏も終わり、ご購入下さったものの 秋口までお待ちになられる顧客様もおられますが、 そろそろ活躍出来るのではないでしょうか!     そのBUSH JKに同じく、ずっとずっと具現化したかったネクタイがあります。 厳密に言えば 生地 ですね。 これがとうとう具現化に漕ぎつけるのです!   こちらも心底お勧めであり、自信作となる事でしょう。 当BLOGでも進捗含め御紹介して参りますので、是非とも宜しくお願い申し上げます。     では、今期買い付けた秋冬地も入荷してきておりますし 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。   今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。            

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