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Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 Ginger Tweed 】

    2025.12.09 Bespoke Tailor Dittos. STYLE

    【 Ginger Tweed 】

              見事に熟れた柿がたくさん!   美しき柿色、この色は英語ですとオレンジになってしまいますが 柿色とは橙色と朱色の間に位置し、果物からなる和の伝統色です。 若干の茶味が含まれ、良い意味で作物には欠かせぬ 土の温もりを感じさせてくれます。             さて、自然由来といえばツィードは 正にナチュラルなアースカラーより生まれていました。 主に植物の色を借りて糸を染めていたのですね。 草木のグリーン、大地のブラウンは欠かせぬ鉄板色、そこに様々な花などの色も。   今ではどんな色でもありますが、やはり素朴で野趣に富んだ毛織物が 自然由来のベースであるからこそ落ち着きと共に愛おしく、 惹かれる要因の一つになっているのではないでしょうか。   あるツィードのバンチには、淡い紫色のツィードがありました。 単に紫色と言えば尖がったお洒落色的な見方も有り得ますが、 スコットランドのヒースに彩るヘザーが一面に咲き誇った紫の絨毯のような景色を見れば スッと腑に落ちるのではないでしょうか。                       今週は そんな味わい深きツィードの色を語る上では どうしても避けては通れぬ 不朽たる定番色であり続ける GINGER TWEED をご紹介させて頂きます。                         GINGER TWEED     ジンジャー色、まぁ生姜な訳ですが そのまま生姜をイメージすると案外違うのですね!   名作『赤毛のアン』は御存じでしょうか、 赤毛の方を表してジンジャーという言葉が使われる事があるそうです。 実在する有名人ではハリーポッターのロンさんは有名のようですね。 髪色で言うジンジャーカラーは、生姜の根の様に赤みがかったオレンジ色を指します。       では、Ginger Tweed とは 赤味のあるブラウン、赤土色と言いますか オレンジ味が混じったウォーム感溢れ 温もりのあるブラウン系の総称と言えます。 故にそんな赤味が感じられるアースカラーなブラウンはジンジャーと認識下さい!     1930年代以降 ツィードでカントリースーツやジャケットを誂えられる際、 とても人気の高かった色味と言えます。 今でも沢山のヴィンテージがありますし、確固たるご自身のスタイルを お持ちである有名な方々の多くも愛用されていました。   ツィードの魅力は広く、そして深い。 ハリスやドネガル、シェットランドやチェヴィオットなどは産地での区分けが代表的ながら、 Ginger Tweedは正に色による区分けですね。   格好良すぎますので是非皆様にもご覧いただきましょう。 貴殿もきっと着たくなってしまうかも知れませんよ!                         吉田茂さんの側近としてご活躍された白洲次郎さんの 3P-SPORTS SUITS。 1934年 ロンドンのテトリー&バトラーというテーラーで誂えられたそうです。 確固たるスタイルを持たれた氏は本当に魅力的で格好良く、 男が男に惚れてしまうような日本男児でした。   正にジンジャー、大胆に表現されたダイナゴナルはハリスツィードでしょうか。 高めな2釦に見えますが、パドックカットかも知れません。 ウエストコートはカラーレスでクラシックな6釦5掛け、 トラウザースはプラスフォワーズです。   カントリージェントルマンに憧れ こんなツィードが着たい、、、ずっと思い描いていたものです。                     ロンドンにある夢の宝箱みたいな “THE VINTAGE SHOWROOM” は 所謂古着屋さんなのですが、その枠に留めるにはいささか狭さをも感じさせる程の名店です。 希少、貴重すぎるVINTAGEばかり、、、圧巻の品揃えであるその名店は博物館の様です。 同店のコレクションは有難くも書籍化され、 リアルから学ぶ大いなる機会を与えてくれています。 (コチラは第二弾目、貴重な日本語訳バージョンです。)   この奇跡な一着であるGinger Tweedは ヴィンテージであって新品でもあるBESPOKE SUITSだそうです。   1939/11/14 ロンドンのとあるテーラーで仕立て上がりました。 実はこのスーツを頼んだ注文主は二か月前に勃発したWW2により徴兵され、 そのまま引き取りに来る事が出来なかったそうです、、、。     ジンジャーのハリスツィードは大好きなヘリンボーン。 ピークドラペルのパドックカット、ウエストコートは5釦全掛けスタイルで 前中心にはアルバートチェーンホールが縦に開けられていますよ。 ゆったりとしたハイライズなトラウザースはとても優雅でエレガントです。 当時のリアルなカットが冴えわたり素晴らしく 最高のジンジャーツィード スポーツスーツです。                       ウインザー公のワードローブにもGinger Tweed がありますよ。 これまたパドックカットですね! 生地もダイナゴナルと 白洲次郎さんのスーツに似ています。   目を引くオレンジ味強きその色は やはり独特の存在感があります。                             北郷 真澄さんが運営されるヴィンテージスーツを専門に扱う “NORTHLAND CLOTHES”という素敵なオンラインストアがあります。 これまた正にお宝の山であり、サイトを見ているだけで眼福なひと時を過ごせるのです! その貴重すぎる沢山のVINTAGE SUITSの中にも 結構なGinger Tweedを垣間見る事が出来ます。 北郷さんに御許しを得て商品の写真をお借りしましたのでご覧いただきましょう。     この逸品は1930年代製 イギリスで仕立てられたスポーツジャケットです。 とにかく美しい、、、博識な氏の解説も分かりやすく、本当にお好きである事が分かります! 北郷さんのコメントを少しだけご紹介しますね!     『 男らしさの象徴である肩、胸にゆとりを持たせ、 それを強調する為にグッと絞られたウエスト。 この特徴的なシルエットはイングリッシュドレープと呼ばれ、 製法が確立されたばかりの1930年代~40年代の物は現代のそれと比較すると より顕著でとても美しい曲線を描いています。 コチラの一着はおそらく1930年代中期~後期頃の物で、 正に全盛期といった素晴らしいウエストシェイプが目を引きます。 更に後年ではあまり見られない古い仕様が随所に見受けられ、 中でも配置間隔の狭い3ボタン・・・・・・・』     オタクにはオタクが分かります(笑)!   細くてシャープな胸のウエルトポケット、ゴージラインの角度や位置、こ れはお身体にも準じますが、ゴージラインは襟ぐり線でもあります。 高すぎず、低すぎない、これがクラシックです。   本返りラペルの衿幅、詰まった3釦で打ち合いは深め、体系的差は勿論ありますが 胸部と共に前幅広く脇に配置される腰ポケットは2ダーツの止まり位置で そのボリュームを一身に受け、丸く弧を描き 腰骨を優雅にホールドします。 直線的でありながらも緩やかなカーブと共にコンパクトなRのフロントカット、 目を引くエレガントなシェイプのウエスト、緩やかな くの字 で前降りな袖、、、、、 とにかく全盛りな当時の一着は見本の様でもあり、 それが ジンジャーブラウンのヘリンボーンで! あれ、気付けばコレって、、、。     特徴を書けば書くほどに 昨今見受けられるテーラードとは まずカット(型紙)が全然違います。 もう今の時代はTAILORでさえ上着は3面カットばかりで色気に掛ける、、、 つまらないですよね、北郷さん!     この完成された揺るぎない究極の美、当時のカット、仕立ては常に私の脳裏にあります。                         これも素敵ですね、、、惚れ惚れします。 赤味が強めなジンジャーブラウン。   この逸品ですが、本来は三つ釦仕立てらしのですが 後付けで胸部にホールと釦を足して強引に4釦風アレンジが施されているそうです。     NORTHLAND CLOTHESさんのお店は勿論ツィードだけではありません、 沢山の眼福なVINTAGE SUITSをご覧頂けますので お好きな方は是非ご覧になってみて下さい!                     英国にて2006年に設立された やはりオンラインのヴィンテージショップであり、 イギリスものを中心に揃えられた膨大な物量はフォーマルからスポーツまで多岐に渡ります。 名店 “SAVVY ROW”  ネーミングさえチャーミングですね!   このGinger Tweedはよりスポーティーにパッチ&フラップポケット、 革バスケット釦が良いアクセントですね。   このお店さんは日本への発送も大丈夫そうなのでお勧めです! ご興味があれば是非覗かれてみて下さい。       如何でしょう、一部ですがこれだけリアルな現物があるのですから 当時のイラストだって、、、。 ジンジャーブラウンの色範疇という事で見てみましょう!                                 沢山ありますよね、まぁ各イラストの中にはウーステッドもありそうですが。 Ginger Tweed はブラウン範疇の中で 赤味、オレンジ味が感じられるかどうかが決め手です。                       当店在庫のシェットランドツィードより、 ジンジャーらしいジンジャー色。 温もりを感じますよね、間違いなく格好良い、、、、。     では また続編を書かせて頂きますね。             今年も残り少なくなりましたが 当店は 12月28日(日)が最終営業日となり 年明け 1月4日(日)よりの営業スタートとなります。   ギリギリまで 皆様のお越しを心よりお待ちしておりますので 何卒よろしくお願い申し上げます。   今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。                

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  • 【 CHESTERFIELD COAT:T様のご注文 】

    2025.12.02 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 CHESTERFIELD COAT:T様のご注文 】

                    皆様 こんにちは。 先月末はイレギュラーなお休みを頂きまして、大変ご迷惑をお掛け致しました。   遅い夏休みを頂き、温泉と共に見事な紅葉を満喫して参りました。 自然の美しさに感動しつつ穏やかで豊かなひと時を過ごす事が出来ました。                                     さて 12月を迎え、そろそろ本格的にオーバーコートが活躍してくれる時期となって参りました。   ベーシックで素敵なチェスターフィールドコートをお召しで御座います。 打合いは深く仕立てられておりますが、下前端が内側に折れ曲がっているので見えませんね。 御仁はやはりシガーが欠かせぬようです!                   エレガントな美しきシルエットのチェスターフィールドコートは シングルブレストのピークドラペル、腰ポケットは片玉縁で仕立てられているようです。 A.イーデン氏のスタイルは本当に見事で学びが多く、 特にこのコートはイメージされる顧客様も少なくありません。     氏は背も高くスラっとスタイルも良いので羨ましい限りですが、 体型は皆様それぞれがお持ちである個性でもあります。 どんな方でも その方なりの魅力や「らしさ」を感じられるような洋服を 誂えて参りたいと思っております。   今週はやはり氏のチェスターFコートも意識しつつ ご注文下さりました T様のオーバーコートをご紹介させて頂きます。                               Leichtfried Loden (ライヒットフリード)   1884年創業 オーストラリアの老舗ミルであり、 特にローデンクロスに関しては専門となります。       LODEN COAT(ローデンコート)、皆様は耳にされた事がありますでしょうか。 その歴史は オーストラリアの貴族たちが狩猟用に着ていた防寒コートに始まります。   ポジションはイギリスでのカバートコートにとても近く、 カバートコートは主にカバートクロスで仕立てられます。 ローデンコートにはローデンクロスという生地があるのですね。 LODENの語源は LODA=獣毛で織った毛布 からきているそうです。             LODEN CLOTH   防寒性と保温性、耐久性もねらい とにかく縮絨させます。 強い圧力と蒸気により繊維が絡んで結合し、 フエルトの様になるウールの特性が利用されています。 本当に密でギュッと目が詰まっていますから防風性にも優れていますし、 ウールの毛に含まれる油脂は撥水性もあるのです。   昨今のフランネルなんて子供かと言わんばかりの密度(ウエイト)は強いハリコシがあり、 生地がハードな分 着る方もハードですよね、それがローデンクロスです。 近年では高級なるアルパカもブレンドされ、その高き性能を持つアルパカが加わって より盤石なCOATINGに昇華され、カラーバリエーションも 定番のローデングリーンを筆頭にかなり広がりをみせています。                 LODEN CLOTH 80% WOOL 20% ALPACA 540g     毛足も滑らかで艶やかさがあり、生地厚はイメージより分厚く感じられないでしょう。 圧縮しているので それだけ密度が高いのですね。 品を感じさせるチャコールグレーをお選び頂きました。   もともとT様は打ち込みよく、ハリコシのある英国地が大変お好きであり このローデンクロスは正に打ってつけでは無いでしょうか。                               とても体格の良いT様、長きに渡り誂え服を御愛用されて参りました。 光栄にも当店BLOGよりご興味をお持ち下さり、 先ずはH.S ORDERよりお付き合いが始まりました。   此度のコートは当店でのBESPOKEでは2着目となります。 長き誂えの御経験もあり、既にカシミアのコートはお手持ちが御座います。 故にデリケートとは真逆にタフでラフな環境(天候)にも気にせず着用出来るコートという事で ご紹介させて頂いたのがローデンクロスとなります。   先にも触れましたが、もともと打ち込みの良い確りとした英国地がお好みですので このローデンクロスも直ぐにお気に召して頂きました。   お手持ちのカシミアコートと比べ、よりクラシックでエレガントに、 そして重厚感のあるチェスターフィールドコートをご所望下さりました。       腰ポケットは片玉縁、チェンジポケットも携えたスラントでのご注文となります。 チェスターFコートは丈も重要な要素であり、膝丈から膝ホールド丈で誂えられ レングスは防寒性についても直結致します。 同時に本来ではチェスターFコートはフォーマルウエアの上から着用出来るコートですから テールの付いたモーニングコートやイブニングテールコートなど ドレスコートの裾がはみ出してしまうようではなりません。                           背面と比べ前面はボリュームがある分 取られて前裾丈が 不足がちになりますので確りと見合った算出が必要です。   着丈が長くなればなる程に足さばきに必要なケマワシ分量が必要となります。 確かにセンターベントは有効に機能しますが、 この優雅な分量はシルエットと共に美しきドレープをも生み出すのです。   ただし、前面にボリュームがある場合は前裾が跳ねやすくなりますので 補う為のカットと共にテクニックが必要となります。 外観からでは分からぬよう既に内蔵されておりますよ!                 T様の 当店1st BESPOKEは本日ご着用下さっている三つ揃いです。 インナーより展開したオーバーコートですから肩傾斜や非対称度合い、 AHの深さや幅、位置、更にネック周り、 そしてウエスト設定のラインに至る全てがインナーに準じています。   インナー型紙の精度が高ければオーバーコートは仮縫いを省いても 十分なんレベルで仕立てる事が可能ながら、やはり生地の特性やお好み加減含め 仮縫いたる役目を確りと果たしてもらいます。     さぁ、微調整を加えていよいよフィニッシュへと進めて参ります。                     お仕立て上がり、早速 ご足労下さりました。 上襟にはベルベットを掛け、袖口はターンバックカフにてご注文です。   T様、凄くお似合いで風格もあり 本当に素敵です。   外套ですからインナーであるスーツの上着が見えるようではなりません。 全てをホールドし、シングルブレストでも風の侵入を防ぐため 打合いは深めに取られます。 それが第一釦の位置(下衿返り止まり)だけではなく、Vゾーンがコンパクトになる要因です。 改めてになりますが、外套であり防寒着なので必然たる考慮となります。   あとは必要であればストールとグローブを!                       背中のラインへ綺麗に寄り添うフォルムはクセ取りの賜物です。 右肩下がり度合いがやや強めですが、実は私の方が更に強めです! このレベルの度合いであると左右対称に作られた洋服では どれだけ歪が生まれるか安易に想像がつく事でしょう。   T様におかれましては誂え服のご着用経験も長く、 御理解もされておられる事でしょう。       しかし、、、重厚感と存在感もあり 頼りになる『漢の背中』ですね。                         良い構図にも関わらず、、、大変申し訳御座いません! オートフォーカスなカメラながら、いつものように顔をフレームから外すと カメラはどこにピントを合わせれば良いのか、、、となってしまってピンボケです。   T様、すみません(涙)‼                       ・・・・・如何でしたでしょうか。 最後の写真は誠に恐縮ながらも、、、素敵なオーバーコートをご注文頂きまして 誠に有難う御座いました。   そろそろ本格的に活躍してくれる時期となりましたので、 気遣いなくドシドシご着用頂き馴染ませて下さいませ。   来店の春夏に向け、次注文のリネンスーツも是非ご期待くださいませ。                   近年 夏は強く、春秋短く、冬はどうなのか⁉ とは言え、紳士にとって スタイルとしてもオーバーコートは 魅力的であり欠かせぬアイテムでもあります。   仮にチェスターフィールドコートを仕立てるにしても、 カシミアからローデンクロスまで生地の個性は様々です。 皆様の価値観ではどんな生地が宜しいでしょうか。   是非とも素敵なオーバーコートを仕立てるべく、 個性豊かなコーティングをご覧になりに来てくださいませ。 先日 素敵なコーティングの出物も買い付けましたので、 こちらもそのうち届く事でしょう。   皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。                  

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