-
【 H.S ORDER:TWEED JACKET 】
2024.11.12 お客様のご注文
先週には立冬も迎え、冬の始まりとともに気温も急に下がりましたね。 帰宅する頃はもう寒いです! 過ごしやすき秋は短くなってますから紅葉も遅れてしまいますよね。 2024/11/5 昭和記念公園 その日はボチボチ紅葉も始まった頃、緑の葉が黄色に変色し始め 全体感で見れば丁度 黄緑色 といった感じでした。 場所により黄味具合が違いますが、 今頃は丁度 見頃を迎えているのではないでしょうか。 ゴロゴロと足の踏み場もない程に銀杏ですよ! その密度に驚きました。 公園入り口付近の銀杏並木では銀杏拾いの方々も見受けられましたが、 奥まった所では手付かずでこの密度です! この写真より独特な匂いも感じられるのではないでしょうか(笑)。 モミジの葉も色付き始め、可愛らしい柿の実も! 何て美しい色なのでしょう。 こんな美しき自然の織りなす彩を見れば、 やはりカントリーサイドではツィードを着たくなるものです。 ツィードはカントリーウェア(の生地)であり、スポーツウエアでもあります。 英国貴族にとってのスポーツと言えば、ハンティングやシューティング、 フィッシングなど生存手段と結びついていました。 なかなか日本では嗜みたくても難しいですが、 乗馬やフライフィッシングなどは愛好家も多い事でしょう! =北海道にて= 正に感動・感激‼ この時期はTWEEDではなく、 まだBUSH JACKETで丁度良かったです! http://dittos.seesaa.net/article/488475454.html 【 BUSH JACKET⑤ 】 お陰様でコンスタントにお問い合わせを頂戴しております。 沢山作りましたので まだ全サイズが揃います。 当店自慢の既製服も是非お試し頂けましたら幸いです。 さぁ、冬です! 顧客様方が仕込まれたツィード達が仕立て上がってきております。 今週は HOUSE STYLE ORDER よりご注文頂きました 素敵な装いをご紹介させて頂きます。 紅葉の季節となれば こんなにも美しき彩のシェットランドツィードが頭に浮かびます。 http://dittos.seesaa.net/article/504244658.html 【 彩 シェットランドツィード 】 http://dittos.seesaa.net/article/504862683.html 【 2024AW : Other recommended fabrics 】 = HOUSE STYLE ORDER : O様よりのご注文 = シングルブレストの2釦、とてもクラシックなスタイルですが 当店で2釦と言えばパドックカットの方が多いので新鮮味があります! 腰のみパッチポケットに、スポーティーでアクティブな印象を与えてくれますね。 色目は王道たるアースカラー、混ざり合わされた独特なグリーンです。 当店H.S ORDERでは、レギュラーと設定した芯地を使ってお仕立てする御対応の他に、 アンコン仕立てもご用意があります。 後者は芯地や裏地さえ排除し、ブルゾンやカーディガンを羽織るかのように 軽快な着心地をお楽しみ頂く仕様です。 実は更に レギュラー仕立ての範疇ながら、芯地自体を柔らかい芯にする事も可能です。 O様のこのお仕立ても柔らかな芯で仕立てられています。 これはカシミアなどのソフトな生地を一層引き立てるという側面と、 単純に着心地自体をソフトにしたい場合などにお勧めです。 シェットランドツィードはソフトなツィードですからお勧めさせて頂きました。 見た目に変化は殆ど感じられませんが、 着ればその違いに驚かれるのではないでしょうか! 高貴なパープル、一見するとファッショナブルなイメージや、 派手ささえ感じられる方もおりましょう。 そんな紫は自然界でもたくさん現存しておりますが、 紫の植物と言えば どんな草木や実をイメージされるでしょうか。 ツィードと言えばスコットランド、ヒースの花が咲き乱れる丘です。 辺り一面に染まったパープルの絨毯、本当に美しい自然界の一コマですね。 では、魅力的なパープルのツィードで仕立てて下さった T様のご注文をご覧下さいませ。 今回のご注文も含め、秋冬には欠かせぬカントリーチェックで シャツもお仕立て頂いておりました。 シャツの方が先に上がりましたので、重衣料のお仕立て上がり待ちです! T様にお越し頂きました。 まだ夏日さえ観測されていた頃であり、この時は 「TWEEDなんて当分先になるかな⁉」といった感じで御座いました。 シャツ、そしてトラウザースも合わせてご注文下さり デビュー前に店頭にてご試着頂きました。 T様は本当にスタイルもバランスも良いので既製服も問題なく着られる事でしょう。 しかし、既製服では得られぬフィットしたサイジングや着心地、 エレガントなシルエット、そしてお好みに応じた生地、、、となれば誂えとなります。 シェットランドツィードに合わせるトラウザースとして ARTHUR HARRISON より、交織のキャバルリーツイルをお選び頂きました。 http://dittos.seesaa.net/article/490247786.html 【 H&S : JACKETING,and MORE!】 サイドアジャスターを携えたベルトレススタイル、 2-プリーツながら太過ぎず、細過ぎない大人のテーパードシルエットにて! 工場さんよりお仕立て上がりで届けば、 上着と共に必ず検品し クセ取り2次プレスを掛けます。 人間の脚は案外真っ直ぐではないですし、筋肉もあり起伏があります。 そして その方の姿勢にも結構左右されます。 余程 太いシルエットでない限り、ストローのように 真っ直ぐな筒ではベストではないですね。 ご注文主様の姿勢や脚、そして そのシルエット(太さ)に応じて 度合いも変えながらアイロンで立体的にクセ取りして参ります。 一番分かりやすいクセ取りながら、 そのテクニックは多岐に渡って施されております。 T様、脇ポケットに手を突っ込む その自然な所作が既に格好良いです、、、。 実に良いですね、大変お似合いで御座います。 インナーのプラム色の入ったタッターソールチェックも効いています! デビューの折にはネックウェアやチーフなどで差し色を入れれば更に引き立ちますね。 3釦の段返りは程好く力の抜けた軽快さも特徴であり、 T様のスタイルにも相性が良いでしょう。 そして 腰のハッキングポケットはチケットポケット付き、 一層カントリーな雰囲気を醸し出してくれています。 コテの効いた背中、後姿も魅力的ですよ。 T様は当店にてノーベントデビューされました。 既製服ではセンターかサイドでほぼベントが切ってありますので、 ノーベントは欲しくても売っていないですよね。 ノーベントはヒップ周りが合っていないと成り立ちません。 ベント(ベンツ)が切られていると既製服的にはフィッティングにおき 逃げ道 があるという側面もあります。 ただ、ベントが異様に開いていれば それはそれでダメですが、 ヒップが収まらなければそもそも着られないのがノーベントです。 既製服の範疇ではお尻周りのサイズアップ直しを想定された作りには ほぼなっていませんので、ご自身が見えぬ後姿は注意が必要です。 既製服には既製服のメリットとデメリットがあり、 誂えにもメリットとデメリットがありますので 皆様の価値観にてご選択されるのです。 T様、そろそろデビュー出来ますね。 御来店下さる当店顧客様方もツィードの着用率がかなり上がっております! この度も素敵なご注文を誠に有難う御座いました。 HOUSE STYLE ORDER では、まだまだ秋冬の仕込みが間に合います。 年明けの1月、そして2月なんて一番寒いですから! 旬の食材をすぐに楽しめる事は H.S ORDERの大いなる強みです。 是非皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
Read more -
【 24ct GOLD:Y様のご注文 】
2024.10.29 お客様のご注文
手持ちのポケットウオッチにアルバートチェーンです。 やはりシルバー系とゴールド系を持ち合わせ 使い分けたいものです。 人類を魅了し続けるゴールドの価値は、この10年で約3倍にも上がりました。 イギリスのホールマークを御存じでしょうか。 貴金属を検査し、純度を証明していた刻印がそれに当たります。 1300年代 ロンドンのGoldsmith’s Hall で行われていた事から HALL MARK という言葉が生まれたと言われているそうです。 このホールマークは、金属類の素材や純度だけではなく、 検査された年代や場所、製造元まで細かく分類され刻印されています。 故に英国のアンティークなどは正確に年代表記などが把握出来るのですね。 375 と刻印がありますが、見えますでしょうか。 これは K9(9金) を表し、古より英国では多くの9金が使われて参りました。 (因みに、18金:750 24金:990 となります。) 英国王室のジュエリーはデザイン性が重視され、日本ではメジャーな18金よりも 高度のある9金が好まれ使われていた背景があります。 英国には優秀な金細工職人が集まり、作られた作品を大切に愛でる文化が根付き、 強度優先の9金が英国ではメジャーになったそうです。 故に欧州では9金の事を『BRITISH GOLD』や『ROYAL GOLD』とも呼ばれているほど 多くの国民に愛され続けているという背景が御座います。 さて、今週は中国よりのお客様をご紹介させて頂きます。 珍しくもあり、かつ高級なラグジュアリーファブリックをお選び頂きましたが はたして どんな生地をお選び下さったのでしょうか⁉ 私自身 存在自体は知りつつも、初めて扱わさせて頂きました。 ネービーベースの極上なウーステッドに、クラシックなピンストライプ。 実はそのピンストライプ自体に 何と 24金 が使われているのです。 ピカピカです‼ 青に反対色の黄、より目立ちますね! この生地のデビューはそれなりに前となります。 高級マーチャントでもあるスキャバルでも展開していた記憶がありますが、、、 この度は 英国を代表する高級マーチャント、赤いバンチでお馴染みの HARRISONS よりラグジュアリースーチングたる GRAND CRU よりお選び下さりました。 スーパー150の高番手なウーステッド、シットリとして肌触りも最高です。 ウエイトは 330g ですから3シーズン範疇であり、幅広い期間お楽しみ頂けます。 そして、、、装飾的なストライプは 確りと 『 24ct Gold 』と書いてありますね。 この生地、実はシルバー系もあり そちらは 何と PLATINUM で御座います。 どんなシーンでのご着用を想定されているのでしょうか⁉ 今度聞いてみましょう! やると思われましたでしょうか(笑)⁉ ピンストを外し、24金、、、、 残布の金を全て外して熔かしたら、、、やりませけど! (厳密には芯糸になるものが存在するでしょう。) ですが、職人として懸念点がありまして本国へ問い合わせを入れました。 金属糸はアイロンで無駄に熱伝導が良すぎたり、生地への干渉は⁉ サビルローでも今まで特に何の問題も上がっていない との事だそうで心配し過ぎなようです。 ですが、鋏で切るのも金属ゆえ なんか気が引ける、、、。 裁断も覚悟を決めて切った訳ですが、特に問題もなく 縫製(アイロン)も特にこれといってなく、 気を使う程度でほぼいつも通りでした。 Y様はとても胸板が厚く、前も後も立体的です。 ご注文時はお母様と来られ、とても仲が良さそうでした! お母様もしきりに御子息の体型的個性を語られていたのが印象的でしたが、 是非お任せ下さいませ! いよいよ 2ND仮縫いまで到達して参りました。 此度は 2P-SUITS でのご注文、上着はエレガントなシングルのピークドラペル、 2釦にバックはサイドベンツをお切りになります。 しかし、SNSの類も一切行っていない当店へ 良くぞお越し頂き光栄な限りで御座います。 光っていますね~。 組み上がりからY様が御来店されるまで店頭にて保管していましたが、 御来店下さる顧客様方も興味津々で御座いました。 確かに珍しい生地ですから、「こんな生地もあるのか~」と驚かれる御方ばかり! ラグジュアリーな生地では他にもとんでもないような生地が実際に織られており、 まだまだ凄い生地は存在致します。 超富裕層向けなのでしょうが、仕立ててみたい興味は御座いますよ。 Y様は普段より 2Pが主体で あまりウエストコートは着られないようですが、 トラウザースはブレイシーズを御愛用です! 初回の御来店時もベルト用のループ付きトラウザースでしたが 吊って穿いておられました。 スタイルは2プリーツにされておりますが、 シルエットはシャープなテーパードをご所望です。 たまに吊らず、ベルトレススタイルでのご着用もあるとの事で ウエストサイズはほぼジャストで合わせます。 尻ポケットは両側に付けられ、なんか逆に新鮮に見えます。 何とも目を引く個性的な靴をお履きですね! 私にはこのカラーは選べません! Y様のお好みやセンスが光りますね。 胸周りも良い感じ、着心地は如何でしょうか。 では 釦もお選び頂きましたし、微調整を加え FINISH へ進行いたします。 是非ご期待くださいませ。 こう見てみると、金糸はそんなに目立ちませんね。 Y様におかれ、これが良いのか悪いのか分かりませんが、 生地とは別に 釦も個性的なセレクトです。 胸ダーツは『通しグセ』を採用しています。 バストとウエストの差寸が大きく、絞りきる為の分散やバランスを考えれば 脇線だけではなくダーツも重要なパートです。 これは絞り込みが多きく鳩胸系の方には有効なカットであり、 通しグセは腰ポケットより下は裾まで縫い込まれます。 このシームを失くそうと思うえば、マニピュレーションといって 腰ポケットを利用して展開する方法もあり、目的と結果は基本的に同じと言えます。 技術にはなかなか100点となる回答は存在せず、メリット・デメリットが存在します。 通しグセのメリットは素直なライン出しと処理、 そして腰ポケットの上下で柄が揃います! が、余計なシームが発生します。 片やマニピュレは腰ポケットの上下で柄がズレるデメリットが大きい反面、 無駄にシームを発生させません。(腰ポケ下のシームが無い) 今回の場合、メインはゴールドのストライプですね。 どちらが綺麗に見えるか、、、好みはあるでしょうが私はこちらの方が 綺麗だと思い選択したという事になります。 技術はとても深く、そこに美意識も含め 採用する手法を選択しながら 皆様の一着一着が設計・仕立てられているのです! 釦は黒蝶貝をお選び頂きました 私のご提案はシンプルにホーンかナットのダーク系でした。 『 シェルはありませんか? 』 Y様より。 御座います! 貝が宜しいですか⁉ 貝釦は光沢が強く、それも大いなる魅力であり清涼感もある為 多くは春夏服に採用されていますね。 光沢が強いので自ずと主張も強くなりますが、それが良いのでしょう! 金糸と共に釦もピカリとですね。 因みに、天然由来の釦では ホーンやシェル、ナットなどが一般的ですが 貝釦の高騰は随分と前から進行しており、 圧倒的に他を圧倒した高級釦にもなっております。 特に この釦は横から見るとお椀型をしており余計に高級です! 何故なら、、、そのお椀型を補える貝殻の厚さが必要となり 大きな貝で更に厚みのある部分でしか取れないからなのです。 光に当てると 24金の輝きがゴージャスですね! ライニングは シャンパンゴールドのペイズリー柄をお選び頂きました。 ちょっと色味が上手く出ていませんが、、、。 トラウザースも勿論仕立て上がりです。 裾はダブルに仕上げてあります。 なんか、、、このゴールドストライプの写真を 撮るのが楽しくなってきています(笑)。 Y様にご足労頂きました。 偶然なのか分かりませんが、白シャツにシャンパンゴールドのタイは 今回のスーツにとても合い凄く素敵です。 本日の靴も個性的、ベルルッティですね! キリっとテーパードで裾口もシャープに、 股下レングスの加減も絶妙に。 あまり見えませんが、、、サイドアジャスターを御依頼頂いております。 英国より取り寄せたこの金具は見えないところで 波型ギザギザがあってグリップ力が高くて性能が良いのです! ですが、インポートでもあり贅沢付属にもなりますので H.S ORDER でのレギュラー使用が出来ないのが難点です。 Y様、とてもお似合いで御座います。 その笑みが最高の報酬でもあります! どんなシーンでご着用を想定されているのかお聞きさせて頂きました。 「このくらい、別に普段使いですよ。」 との事でした! 「日本では、貴店ではこの様な注文がはいりませんか?」 そうですね、金糸使いは初めてです! 日本人の多くは実用ベースが主体でもありつつ、 シャイな所もあり目立つ事をしたがらないかも知れません、、、 とご返答させて頂きました。 とても楽しかった一着となりました。 次のご注文は春夏用の淡い色目でご検討中との事、 いつでご相談くださいませ。 Y様、素敵なご注文を誠に有難う御座いました。 お仕立て上がりを楽しみにされておられた お母様にも是非見せてあげてください。 ・・・・・如何でしたでしょうか。 皆様のお身体や価値観、好みは その方々の個性でもありますが、 お国違えば更に その様々な個性が幅広く御座います。 そういう意味でも BESPOKE は飽きません。 皆様の個性に寄り添い、最高の一着をお仕立て致しますので どうか宜しくお願い申し上げます。 ・・・・・来週のBLOG更新は恐縮ながらお休みとさせて頂きます。 次回は 11月12日(火) を予定しておりますので どうか引き続き 宜しくお願い申し上げます。
Read more