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【 COUNTRY STYLE 】
2023.11.21
お勧め情報
自然の織りなす美しき情景には言葉さえ失い、 ただただ感動と癒しをもらい受けます。 無限に広がる自然界のカラーパレットはなんて奥ゆかしいのでしょう。 動植物の彩には訳があり、そして紅葉含め変化も致します。 昨今では春秋を感じ辛くなりつつも、 日本の四季を堪能し 食や衣を楽しんで参りたいものです。 都会にいると無駄に高層ビルばかり建て続け、 これから本当に必要でしょうか。 風向きも変わり、空も益々見えなくなるばかり。 たまにはそんな日常から離れ、自然に触れあいに出向きたくなるのです。 ただただ好きなのですが、 本能として英気を養いにと求めているのかも知れませんね。 カントリーウエアと言えばツィードは欠かせません。 草木のグリーン、大地のブラウン、そして空のブルー、 そして草木や花、実の織り成す様々な色たち。 昔はそれらから色をもらい 糸を染めていました。 カントリーウエアは自然と融合しますが、そんなシーンを妄想しながら 生地を選び、ご着用頂けたなら その服は何倍にも魅力を増して 愛着を感じる事が出来るのではないでしょうか。 今週は美しき紅葉の風景と共に、カントリーサイドが似合う スポーツスーツやコートをご覧頂きたいと思います。 私の無粋な言葉は少なめに、 ご覧下さる方々が色々と感じて頂けましたら幸いです。 BESPOKE SPORTS COAT(JACKET) VINTAGE HOLLAND & SHERRY Pure Cashmere BESPOKE TWEED:SPORTS SUITS LOVAT MILL:KIRKTON http://dittos.seesaa.net/article/486092629.html 【 LOVAT TWEED① 】 BESPOKE TWEED:SPORTS SUITS Poter & Harding HARTWIST http://dittos.seesaa.net/article/477758968.html 【 TWEED:HARTWIST 】 HOUSE STYLE ORDER TWEED:SPORTS COAT(JACKET) DASHING TWEED by Harris Tweed http://dittos.seesaa.net/article/461462399.html 【 DASHING TWEED 】 箱根の寄せ木細工の様に複雑で美しい小格子柄。 ベースはブラウンながら、目を凝らして見れば 赤や黄、緑や橙、、、、、 とても複雑に絡み合った色たちが混ざり合って この形容しがたい表情を奏でるのです。 とても手の込んだツィードであり、100% ブリティッシュ―ルで織られた別注品です。 こんなポテンシャルを持っているのですから 合わせるアイテムは何色でも許容し、調和をもたらせてくれるのです。 HOUSE STYLE ORDER TWEED:SPORTS OVER COAT DASHING TWEED by Harris Tweed シングルのポロコートをイメージにご注文頂きました。 O様の素晴らしいセンスが光ります。 ・・・・・如何でしたでしょうか。 今週は皆様それぞれが頭の中でイメージを膨らませて頂けましたら幸いです。 ツィードをはじめカントリーテイストな服は本当に何でも合いますので、 デニムからコーデュロイ、モールスキン、勿論フランネルから キャバルリーツイルなどのトラウザースも欲しくなります。 インナーもブラッシュドコットンでのソリッドからカントリーチェックの シャツは欠かせませんし、色目の綺麗な薄手のニットなどで差し色使いも素敵です。 靴だって幅広いですよね、コーデを考えるだけでワクワクします。 悩みに悩んで選び抜いた生地でご注文を仕込まれたら 後は待つばかり。 仕立て上がれば次は着る楽しみ、育てる楽しみ、 そして付随アイテムの誂え足しを考えるのも一興です。 装いを楽しむべく、カントリークロージングを着て是非お出かけしましょう! 今回の写真は10月末撮影なので、今では紅葉も一層進んでいる筈です。 お近くの公園でもカントリーでも、 街中でさえも些細なところに気付きや小さな幸せがある筈です。 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。 ・・・・・大切なご連絡が御座います。 当店 HOUSE STYLE ORDER につきまして、 大変多くの顧客様方にご贔屓を頂戴しておりまして 日々心よりの感謝しております。 さて、皆様もご存じの様に 昨今の様々な値上げは本当に痛いばかりです。 しかし、実は2024年1月1日 より また改めて少しだけお値上げをさせて頂かなくてはなりません。 ご協力工場さんも本当にご努力を続けられてはいるものの、 度重なる付属類の高騰やエネルギー代、人件費など要因はキリがなく追いつきません。 だからと言って度重なる値上げばかりももどかしく、 生産効率の見直しを図られるとのご判断になりました。 存続を前提に至極当然の考えでもあり、工場さんだけには限られません。 値上げを取るか 品質を下げるか、、、 皆様でしたら どちらを選ばれるでしょうか。 HOUSE STYLE ORDERにおいて、私にとって後者はあり得ません。 当店でも出来る限り吸収して参りましたが、 心痛くもこの様にお願いさせて頂かなければなりません。 一つの工場さんという括りの中では、沢山のメーカーさんや当店の様な 小さい個人経営店も含め 様々な品質やデザイン、 そして縫製仕様の服作りをしている訳です。 ですから間違えないように区別するだけでも大変なのです。 その服(作り)は『〇〇の工場製だから』なんて判断は全くのナンセンスです。 お店(メーカー)が違えば型紙や縫製工程数、そして付属など、、、 要は設計や縫製仕様に伴い 中身や仕立てでの手間の掛け方が全然違うからです。 故に型紙然り、仕立てあがる品質的レベルも 対価となる工賃も様々なのです。 私は迷う事なく品質を守り続けたいです。 当店HOUSE STYLE ORDERはご協力工場さんと共に もっと発展出来ると信じていますので品質的後退は考えられません。 また改めてご連絡させて頂きますが、ご迷惑、ご負担をお掛け致す事となり 誠に恐縮で御座います。 手に入らなくなってしまった物、品質は 今も、そして今後も増えるばかりであり 無くなれば復活はかなり厳しいのが現実です。 イージーオーダー範疇の枠に収まらぬHOUSE STYLE ORDERだからこそ 今後とも皆様のご期待・ご要望にお応えさせて頂きたいと思っております。 何卒ご了承いただけましたら幸いで御座います。 どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。
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【 CARLO BARBERA 】
2023.11.14
生地に付いて
=箱 根= 先月の末 当店は14歳となる誕生日を迎える事が出来ました。 偏に皆様のお支えによるものであり、心よりの感謝を申し上げます。 そんな折、まだ暑さも残る10月末でしたが 妻と箱根へ行って参りました。 カントリーに行くのですからツィードやコーデュロイを! この日は曇り 時々小雨、早く馴染ませたくもあってコーデュロイを着ていきましたが、 まだ暑さの残る10月ですから弱気に2Pで出向いたのです。 ですが朝晩は寒くて宿では暖房を入れる程であり、都会とは全然違いました。 もし今であれば3Pにカバートコートが欲しいかも知れませんね。 ドラブ、良い色でしょう‼ 自然に溶け込みます。 流石は箱根、既に紅葉も始まっていました! 美しい情景にどれだけ心を癒されたでしょうか、、、 素敵な写真が沢山あるので改めてご紹介したいと思います。 ヴィンテージカーフのチェスナット、外羽根・外ハトメのフルブローグ。 カントリースタイルには欠かせぬポジションですが、 普段はタウンユースばかりなので今回のカントリーでは張りきってもらいましたよ。 紫の実がとても綺麗だった こんな植物も! シソ科の落葉低木であり、名は【 紫式部 】といいます。 高貴な紫、粋なネーミングですね。 とても大好きな色の一つでもあり、今週ご紹介のネタにも。 ・・・・・さて、前置きが長くなりましたが 今週は期中仕入れがありましたので 早速ご紹介させて頂きたいと思います。 当店では取り扱いが本当に少ないイタリア製の生地です。 CARLO BARBERA 1949年 イタリアはビエラの地で創業されたミルです。 このメーカーは厳選された最高の原毛を使う事は勿論の事、 生地を織る為の糸作り自体に独特の製法を駆使してきた事に拘りがあるそうです。 Carlo Barbera 1911年生まれの創業者カルロ・バルベラ氏 圧倒的な自信と存在感、そして貫禄を兼ね備えた魅力的な紳士で御座います。 素敵に歳を重ねられ、長生きされた事でしょう。 馴染んだ上着の着用歴はどの位でしょうか。 クラシックなシングルの三つ釦ですが 今では右を見ても 左を見ても三つ釦は段返りばかりになってしまいましたが、 時代も含め 御仁は王道 本返りの三つ釦ですね。 Luciano Barbera 父より引き継いだ二代目、とてもエレガントで品のある御方であり 日本においても かなり高き知名度を誇る事でしょう これはスウェーデンで創刊されたカルチャーマガジンの表紙を飾った時の一枚です。 氏は英国へも留学されていたそうであり、その影響は多分にあるようです。 二代目はクラシコイタリアの大いなる波を支え続け、 KITONでは特に同社の生地を大いに扱われていたとの事。 そしてもう一つ 私がお伝えしたいのは、英国の名門マーチャントである H.Lesser&Sons。 H.Lesserは当BLOGでも沢山出て参りますが、 同社のスーチングは王道で最上級な英国地そのものを生地で語ります。 そのH.Lはマーチャントです。 スーチングではなくジャケッティングは、、、よりカジュアルでリラックス、 英国にはない魅力をカルロ・バルベラ社へ見出し ダブルネーム にて別注を掛けていました。 国内外含め 多くのテーラーや顧客の方々にとってH.Lesserへの信頼度は抜群であり、 そのH.Lが見込んでの別注ですから逆の見方でも質とセンスの高さが伺えるというものです。 そんなカルロ・バルベラ社が織った今回の英国ライクなスーチング生地、 廃版となるOLD STOCK品を出物として買い付けました。 先ずは渋み溢れるダークグレーから。 クラシックなヘリンボーン柄にストライプが重ねてあります。 イタリア生地にありがちな軽くてソフトな、、、 打ち込みも甘目であったり、単糸使いの生地さえ少なくありません。 そんな生地は肌触りも着心地も良いでしょうが耐久性は低く、 皴になりやすく型崩れを起こしやすいのですね。 正にファッション的な生地であり、長持ちしたら次が売れません⁉ 片や英国地の多くは経緯共に双糸使いでハリコシがあって弾力性に富み、 皴になり辛くて耐久性も高くなります。 ファッションを楽しむのか、それともスタイルを形成していきたいのか 生地を織る側の企画や価値観も変わるでしょうし、 それに伴ってお客様方の目線も違う事でしょう。 イタリア国内のサルトリアは英国地を好むと言われるのはそういう事であり、 アパレルメーカーとは価値観が違うという事ですね。 ただ、お客様方だって時には逆の味をつまみ食いもあるでしょう! この生地は正に英国地の様なハリコシ、 当然 経緯共に双糸使いで確りと打ち込まれており、 触っただけではイタリア製とは思わないかも知れません。 こういう生地だからこそ喜んで仕入れたのです。 グランドの深いダークグレーは程好くメランジ調で ヴィンテージにあるかの様な顔立ちです。 ヘリンボーンに重ねられた縞柄ですが色は同じでの2種、 それぞれ入れ方が異なりオルタネートの様でもあります。 これまた色が紫式部の様な綺麗なパープルで粋ですよね。 そのパープルは 縞自体が細く弱めなので目立つ事なく控えめなのも品があります。 100% WOOL 350g これは仕立て映えしそうです! いや、します。 350gといえばイタリア生地好きにとっては正に秋冬地ですが、 イギリス生地好きにとっては秋冬地の範疇でありつつも、 3シーズン用として捉えられる方も沢山おりましょう。 イタリアのセンスと顔立ちながら、 質はめっぽうイギリスで、、、、これが魅力なのです! グレーに変わって、次は欠かせぬネイビー地です。 柄のデザインはグレーに全く同じでの色違いとなります。 勿論 品質、ウエイトも変わりません。 良い意味で印象が随分と変わりますね! 深く魅力的なネイビー地、グレー程にメランジ調が見受けられません。 単色糸使いではないメランジ調を生み出す際、 糸色の配色コントラストがグレーは強め、ネイビーは弱めにされています。 ヘリンボーン柄特有な縞柄での陰影がエレガントに浮き出ます。 縞柄のパープルもグレーに同じです。 パープルは青と赤で構成される色ですからネイビーとの相性は抜群です。 本当に素晴らしい生地であり、うっとりレベルで御座います! グレーとネイビー、重ねて色の感じをご覧下さい。 もう このくらい離れるとパープル味さえ優しく溶け込むかのようです。 生地はバンチを見るかのように目近での印象だけで判断してはなりません。 纏って、離れて、、、、数メートル離れたら? と 『 仕立て上がったスーツを着たら 』 を想定してご覧下さいませ。 だからこそ、バンチでの判断は難しく、 こういった現物は欠かせぬ強みと説得力を兼ね備えているのです。 パープルの縞柄に使用されている色糸は同じでしょう。 デザインも同じ、だからこそグランドが違うだけで随分と印象も変わるのが分かります。 グレー派? それともネイビー派? どちらもそれぞれの魅力がありますが、皆様はどちらがお好みでしょうか。 ・・・・・以上となります。 写真はあくまでもイメージ程度に収め、是非 現物を見にお越しくださいませ。 この品のある顔立ち、弾力あるハリコシ、現物が放つ存在感と説得力。 英国の良さをも理解された当主だからこそ、こういった生地の表現が上手いのでしょう。 H.Lesserも信頼した CARLO BARBERA の生地を是非お勧めさせて頂きます! では 急に冬へシフトしたように寒いですが、むしろ嬉しくなりますよね。 急な気温の変化にご体調を崩さぬよう 是非冬の装いを存分に楽しみましょう。 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。 今週も誠に有難う御座いました。
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