1926　BENTLEY       1936　MORGAN       1953　JAGUER       皆様、車はお好きでしょうか。 英国のクラシックな名車（ビンテージカー）をご覧頂きました。 美しきそのフォルム、そしてグリーン（RACING GREEN）に心を奪われます。   車にとっての『色』とは とても重要であり、印象強きものです。 伊国と言えば やはりフェラーリに代表されるイタリアンレッドの印象が強い様に、 英国では正にブリティッシュグリーンですよね！   実は4輪モータースポーツを統括する国際自動車連盟が 国別に車両の塗装色（ナショナルカラー）を指定していた時期があるそうです。 元々は1900年に開催された大会で国別に色が決められ事に端を発するとの事。   イタリアは赤で、イギリスは深緑です。 他には フランスは青、ドイツはシルバーといった感じであり、 そのイメージは今でも引き継がれているのが印象深いです。 ベンツは確かにシルバーが一番らしさを感じます。         ・・・・・Goodwood Festival of Speed   イングランドのグッドウッドでは、リッチモンド公爵家が主催する モータースポーツのイベントが年に一回 開催されています。 世界各国のレーシングカー等が集結し、 多くのモータースポーツ愛好家たちで大賑わいだそうです。 そのイベント会場では、ビンテージカーのコンクールや オークションも行われているとの事、、、いつかは行ってみたいものです。         さて、前振りはこの位に致しまして 本業たる 生地の御紹介へと繋げて参りましょう。           ・・・・・1772年創業の老舗ミル 【 FOX BROTHERS 】は今期も様々な企画を打ち出し、魅力的な生地を展開しております。 しかし、個人的にみれば全てが良い訳ではありません。 心がときめき、自分自身でも仕立ててみたいと思わせる様な 魅力的な生地のみ 買い付けさせて頂いております。   そんな中で、正に心を打ちぬかれた幾つかの企画生地より 英国らしさ漂う魅力的なスーチングを御紹介させて頂きます。             PRINCE OF WALES からの、、、 PRINCE OF WALES CHECK によるダブルのスーツ。 皺加減からも軽やかで通気性が良さそうなスーツ（生地）である事が伝わって参ります。 爽やかですね。   ソリッドのダークスーチングなどと違い 適度な明度で、 かつ格子柄となればポジション的には かなりカジュアルとも言えます。 タイドアップは勿論、ノータイでも様になり、 スーツをバラして上下単品使いにもいける優れたクラシックプレイドです。   昨今の流れや状況下を考えれば、 改めて見直されるべきスーチングである事に間違い御座いません！             FOX RACING GREEN GLEN CHECK   先に少し触れましたが、グッドウッドで行われる世界的なクラシックカーイベント。 そのイベントに集うファッショナブルな紳士達への オマージュとして企画された【 限定ファブリック 】となります。           グレンチェックをベースに、 色糸によるオーバープレイドを重ねられた生地は良く見受けられます。 レッドやブルーが一般的ですね。 しかし、ダグラス社長はそこに 【 BRITISH RACING GREEN 】を重ねました。 それは 1920年代のレーシングベントレーからインスピレーションを得たそうです。 今一度 冒頭の写真を思い出してみて下さい。   重ね格子の配色 こんなにも単純な事で、ここまで心が躍り そそられるのが不思議ですが、、、、 踊るのですよ！ かなり新鮮でもあります。           『 FOX CITY 』　　100%：WOOL   このシリーズは、300gでまとめられた基本平織の 3シーズン生地となります。 程好いシャリ感は皺にも強く、通気性にも優れています。   夏物としてみれば少々肉があります。 だからこそ、それなりの耐久性もあり 使いやすく頼りになるという事です。 日本で言えば、春・秋をメインにお楽しみ下さいと言うスタンスで御座います。     では、じっくりとご覧下さいませ！！           オーバープレイド（ウインドペーン）をレーシンググリーンにしただけですが、 この配色デザインが仮にイタリア製の生地で展開されていても全く魅力を感じません。 英国のFOXが企画し、英国製の生地であるからこそ その意味合いと背景に説得力が備わるのです。 無骨で中途半端な300gの平織というのも英国『らしい』ですね。                     なかなか写真では伝わらないと思いますが、もっとじっくりと良く見てみましょう。 モノトーンベースのグレンプレイドと思いきや、 何故かどことなく優しさや柔らかさをも感じさせてくれています。   それは絶妙な色出しにあるのです。   白は白ですがアイボリー（生成り）、 そして黒糸では無く 深い焦げ茶でグレンチェックを構成しているのです。 だからこそ印象も変わりますし、レーシンググリーンとも程好く調和するのですね。   流石はプロと言ってしまえば終わりですが、ニクイ演出であり センスが光ります。 と、、、私が勝手に感じた次第です（笑）。             クラシックなシングルの3釦、間違いありません。 タイはやはりグリーン系かブラウン系を締めたくなります。           勿論ダブルも魅力的です。 チェックONチェックのタイも乙ですね。           暖かくなれば、オフホワイトやクリームのコットントラウザースに ノータイでスカーフやストールをサラリというのも素敵ですね。 やはりグリーンを意識したい所です。             ・・・・・如何でしょう、この企画生地の魅力が伝わりましたでしょうか。 因みに、この生地によるFOX：ダグラス社長お勧めの料理法とは！？   『 シングルの上着はスラントポケットにて三つ揃い、 靴はチョコレートブラウンのスエード！ 』   がお勧めだそうです。     カジュアル化の進む昨今、勿論ビジネススーツとしても問題無いでしょうし タウンスーツ（普段着）としても間違い無きポジションを築いてくれる事でしょう。     先ずは春夏生地のお勧め第一弾、 リアルな質感と色味を見に 是非足をお運び頂けましたら幸いで御座います。   HOUSE STYLE ORDERでは、早期受注キャンペーンも開催中ですので 少しお得にご注文頂けるのも嬉しいポイントで御座います。   BESPOKEであれば お早めのご注文を頂戴頂けましたら幸いです。   この生地ですが、直ぐに無くなる事はないとは思いつつも 定番では無く　一応 限定企画生地である事も御念頭に願います。             当店 目の前にあるコインパーキングです。 大変御贔屓頂いておりますS様の愛車： MORGAN　で御座います。 お見送り時に思わず写真を撮らせて頂きました！！   当店で誂えて頂いた ツィードのジャケットにフラットキャップを被り、 颯爽とモーガンを走らせご来店。 チャコールグレーの三つ揃いをご注文され、サラリとお帰りに成られました。   なんて素敵で、、、格好良いのでしょう。   S様、このFOX RACING GREEN GLEN CHECK は 愛車MORGANの為にも如何でしょうか！ 是非 ご覧に成られてみて下さいませ！！           では、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。 今週もお付き合い頂きまして 誠に有難う御座いました。             ・・・・・年明け早々 誠に恐縮ながら 来週のBLOG更新はお休みを頂戴致します。 その間に 店内生地も春夏へと入れ替えておきます！   次回は　2月2日（火）の更新を予定しておりますので どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。              

    明日の20日は【大寒】であり、一年で一番寒い頃という事になります。 とは言え、先週の土曜日には東京で 単日のみ気温18度まで上がりましたので驚かされましたね。 乾燥もしておりますし、ご体調管理には十分にお気をつけ下さいませ。               ご兄弟 仲良くクラシックなダブルブレストのスーツをお召しで御座います。 ケント公はロングターンでは無いところもミソですね。 6釦2掛け、御二人ともに確りと全留めされています。   お身体にピッタリと合い、 シルエットやバランス美しきダブルのスーツは重厚感のある独特な魅力があります。         皆様もダブルブレストのスーツやジャケットをご堪能されておりますでしょうか。   今週は激レアな VINTAGE MOXON のスーチングにて ダブルの三つ揃いをご注文下さった U様のスーツを紹介させて頂きます。         1970年代頃の生地だろうと言われております。 泣く子も黙る VINTAGE MOXONより、特にレアな極上ネタです。   SUPER 120 のウーステッドは当時としては最高レベルなスペックです。 SUPER換算で見れば100～120レベルが耐久性と共に美しいドレープを生みつつ、 皺にも比較的強くて一番実用的であり、お勧めな品質でもあります。 この原毛へ更に 最高級獣毛である VICUNA をブレンドしているのです。 当BLOGでも この当時の素晴らしいVINTAGE SUITINGを紹介して参りましたが、 やはりこちらの生地も耳には金糸使いであからさまなゴージャス感をアピールですね。   古着などはブランドネームやロゴ文字などの移り変わりで製造時代が分かりますが、 生地に置き換えるとミミがそんな役割をしている部分もあると言えます。           コントラストの効いたクレリックシャツに深い赤色のタイが凄く映えますね。 この仮縫い時は約半年前となります。 フィッティングも慣れ親しんだサイジングであり申し分御座いませんね。         打ち合いを確り重ね、ダブルブレストらしい重厚感、 そしてコンパクトなVゾーンが『らしさ』をそそります。   グレーの色加減も強過ぎず弱過ぎない ほど好さが使いやすそうです。 このくらい離れると微妙な織り柄は全て溶け込み、ソリッドのスーツに見えますね。             さて、昨年は例のウイルスのせいで諸々御座いました事もあり 仮縫いより更に半年が経っての御納品となります。   御体型を維持されていると良いのですが、、、、。           このVINTAGEであるスーチングの柄ですが、ご覧の様にヘリンボーン柄をベースに 目の細かなピンストライプを重ねてあり、とても奥ゆかしい表情を持ち合わせます。     低速織機でじっくりと織られ、風合いも豊かに素晴らしい生地である事は間違いありません。             いよいよご来店頂きました！ 今回の裏地は、やや薄目のブロンズ色がVINTAGEの渋さにとてもマッチしています。 ペイズリーの織り柄も入り、とても優雅でゴージャス感が漂います。       ここまで綺麗にフィットしています、背ベルトなどいりませんね。               U様はとにかく動きます（笑）。 様々な動作、ポーズで御確認されて下さいませ！！             昨年より様々なイベント含め行事が無くなり、 めっきりスーツ着用の機会が減ってしまったと残念がられておりました。   ジャケットスタイルならまだしも、三つ揃いはかなりお久しぶりとの事ですが 大きな体型変化も無く良かったです！   慣れ親しんだ革靴を半年間履かずにスニーカーで過ごしたとします。 久しぶりに履いた革靴、随分とキツくカタく感じられるのと同じように、 三つ揃いのスーツに対しても同様な感触がある事と思います。 人間は（身体は）楽であればある程 そちらに慣れてしまうので当然な感触でもありましょう。   如何ですか、三つ揃いのお味を改めてご実感され、噛みしめられて下さいませ。 こんなにもクラシックスーツがお似合いになるのですから是非ご堪能頂けましたら幸いです。           最後にはいつも通りモデルばりのポージングで決めて下さりました！ いつも感心してしまう程に素敵ですし様になります。 流石です、、、、滅茶苦茶にエレガントで本当に格好良いです！   U様、この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。                 1933年　LONDON   88年前です、カジュアル化が進んではいるものの この紳士が今もそのままロンドンの街を歩いていても何の違和感もありません。 女性服と比べれば それだけテーラードの紳士服は既に完成されており、 クラシックなスタイルは長きに渡り練り上げられて現代に至ります。   シングルブレストよりも誤魔化しが効かぬダブルブレストは 既製服が主体となった昨今では難しいデザインでもあり、随分と影を潜めて長いですね。     恰幅が良い方が似合うなども誰が言ったのでしょう。 身体（体型）は個性であり、お一人お一人に見合う、似合うダブルブレストを 御用意させて頂くのがTAILORの仕事でもあります。   写真の紳士も決して恰幅が良い方では無いのですが本当に素敵に着こなされております。 TAILORの腕次第で御座います！     御自身の為だけに誂えられたスーツだからこそ、身体に合っていて当然です。 何度も何度も御着用されていれば着馴染み、 慣れと共に御自身の良き相棒となって寄り添い 溶け込みます。 この紳士にとっても単なる普段着であり、良き相棒であるという事です。   より多くの方々がダブルブレストもご堪能頂けましたら何よりです。             では、今月末頃には店頭の生地も春夏に切り替えようと思っております。 早期受注キャンペーンも御座いますし、 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。   今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。