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Bespoke Tailor Dittos.

【 2024 SS / お勧めスーチング 】

2024.03.12生地に付いて

 

 

 

 

先週の夜には東京でも雪が降りましたね。

3月も中旬に差し掛かりますが、季節の変わり目ですから天候も安定しない時期です。

 

そんな時期ではありますが、

洋服業界はいよいよ本格的に春夏商戦へと準備が整って参ります。

街中のディスプレーも随分と軽快で華やかな色味が増えて参りました。

 

 

 

 

 

 

 

1fsh

 

FOX:ダグラス社長のインスタより拝借です。

いつも素敵な投稿ばかりで 特にご自身自らモデルとなり

FOXの服地を纏う様は説得力が高いですよね。

 

FOX JORNEY 春夏地での魅力的なシリーズです。

配色が素敵で大き目なウインドーペーン柄にとてもそそられます。

 

 

 

 

当店でも買い付けた生地が届いておりますので、

今週はその中よりお勧めの出物生地を3種ご紹介させて頂きたいと思います。

全て特別価格で数量限定の仕入れとなります!

 

 

 

 

 

 

2sfh

 

FOX BROTHERS &CO

FOX JORNEY

 

100% WOOL

ABOUT 300g

 

 

とても通気性に優れた平織地であり、所謂フレスコのシリーズとなります。

フレスコとは本来 MARTIN&SONS の商標でもあります。

 

フレスコ ≒ ポーラ という類の生地ですが、かなり強く撚った糸

(強燃糸)を撚り合わせ、やや存在感のあるその糸で平織地にした生地です。

気孔がふんだんに空いているので大変通気性の良い織地である事が特徴です。

 

糸の存在感もあり、ツルっとしたトロピカルと比べ

ザラッとしてジャリジャリした感じになります。

300g級であり ウエイトはさほど軽い訳でもない分

耐久性にも優れ、皴に強く、復元力も高い春夏の代表的な生地の一つです。

スーツとして、もしくは上下オッドアイテムにもご利用いただけます。

 

生地自体はそんなに薄くない分 通気性が優れているので夏でもご利用頂けますし、

生地が薄く成れば耐久性も下がりますので

そういう意味ではヘタらない生地としてタフにご利用頂けます。

 

ご出張やご旅行にもお勧めであり、だからこそ 『 JOURNEY 』 なのですね。

 

 

 

 

 

 

3sfh

 

ご覧の様に絶妙な色味、くすんだグリーン系ですね。

ダークオリーブ、ドラブ 辺りの色味であり、

そこにシャキッと清涼感のあるネイビーのウインドーペーン柄を加えます。

 

英国地らしい本当に素敵な色、、、

素朴でとても爽やかでありつつ 落ち着きもあって英国地らしい

あか抜けない感じがまた旨い具合に表現されています。

これがイタリア製だともっと鮮やかで別の価値観になりますよね。

 

 

 

 

4sfh

 

このウインドーペーン柄、やや大きめです!

存在感と迫力もありますが、枠色がベースとそこまで

配色コントラストが強くないので良い感じに調和しています。

この大きさこそダグラス社長の狙いがあるのでしょう。

 

 

 

 

 

5sfh

 

色目はさておき、実際に着用すると 格子サイズはこの位のバランスになるでしょう。

こんなお洒落なおじ様が歩かれていたら 付いて行ってしまいそうです(笑)。

 

 

 

 

 

6sfh

 

スーツで持っていれば崩して単品使いも出来ますし、

そもそもオッドコート(ジャケット)としても勿論お勧めで御座います。

 

 

 

 

 

 

7sfh

 

ツブツブした気孔が見えますね、これだけ通気性があれば放熱効果も高いのです。

ザラッとした肌触りなので表情はマットで素朴、落ち着いた感じが魅力です。

 

暑ければ脱げば良いですし、皴に強いですからバサッとバッグに入れても大丈夫!

アンコン仕立てにすれば更に生地の特性も活きそうです!

 

 

フレスコは春夏系スーチングでネイビーやグレーのソリッド、

もしくは控えめなストライプなどは見慣れています。

ですが、こういったスポーツ系でもフレスコの特性が活きるのですから

ソコをついてくる辺りがまたダグラス社長のセンスですね。

 

 

これは普通に欲しい、、、絶対に重宝するでしょう!

 

という事で次に参ります。

 

 

 

 

 

 

 

8sfh

 

 

ライトウエイトなスーツをお召しな英国王、

ネイビーも明るめでキングが着れば正にロイヤルブルーですね。

春夏の強い日差しを避ける為にもダークスーツはお休みです。

 

計算され、完成されたキングのスタイルは学ぶ事多しで御座います。

 

 

 

 

 

9sfh

 

2014年 コロンビア大統領と。

ネイビーでの色味の違い、印象の違いが良く分かりますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

10sfh

 

SMITH WOOLENS

GILT EDGE

 

100% WOOL

ABOUT 250g

 

ネームが新しくなっています。

この配色はかなりH.Lesserに似ていますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

1921年 ロンドンで創業されたマーチャントです。

あの SOLARO の商標を持つ事でも有名なメーカーであり、

オリジナルソラーロと言えば同社製となります。

 

S.ウーレンズの生地は世界各国のTAILORだけではなく、

ラルフローレンやホールスミスなどのデザイナーを始め、

エルメスやYSL、グッチなどの様々なメゾンにも使われているだけではなく、

007やハリーポッターなどの映画衣装にも幅広く使われているそうです。

 

 

 

11sfh

 

 

手持ちの生地ネームですが、最新が一番左側。

ネームを見るだけでも織機の技術的発展が垣間見れますが、やはり昔の方が魅力的!

 

今では SMITH WOOLENS ですが、昔は SMITH &Co でした。

昔のネームはロールで織られてそのまま、都度切り離して使います。

今のネームはご丁寧に一つ一つカットされ、裁ち切部は既に折られていて

直ぐに付けられるよう二次加工されています。

 

なんか象徴であるライオンさんが随分と抽象的に、シンプルになってきましたね!

 

 

 

 

 

 

12sfh

 

典型的な ウールトロピカル 、春夏系スーチングの顔です。

こちらも強撚糸を使った平織地ですが、糸も細く、

ツルっとしてサラッとしているのが特徴です。

生地が薄い分、分かりやすく涼しい、、、強撚糸が皴を抑えると共に、

ややハリコシが生まれるので汗ばむ肌身にもサラッとして爽やかに着て頂けます。

 

盛夏を含む春夏地では一番代表的なスーチングでもあり、マストでもあります。

特徴が酷似するフレスコですが、これの織り糸がもっと太くて

ザックリとさせたのがフレスコです。

 

 

 

 

 

 

 

 

13sfh

 

凄く綺麗な顔立ち、肌艶良く色気もありますね。

盛夏となれば何を着ても暑い訳ですが、

こんな素敵なスーツを纏い 涼しい顔してやせ我慢して下さい!

 

 

では次のご紹介がラストとなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

14sfh

 

 

1936年 ボギーの着こなす上品なグレナカートチェック。

上衿のエッジも綺麗に横地が通され、仕立て良き誂えスーツですね。

 

打合いも深く、Vゾーンはとても狭め!

上襟のFITTINGに対する価値観も影響していますね。

 

 

 

 

 

15sfh

 

1940年 C.グラント氏はシングル 3釦のピークドラペルでグレナカートチェック。

40年撮影という事は、このスーツは30年代製となりますが

既に40年代的な特徴が見受けられます。

兎に角エレガントで明るめなスーチングが故、ダークなタイがとても効いています。

 

また、ボギーと比べれば 上襟のFITTINGに対する価値観の違いも見てとれます。

英国的と言えば この感じが多いとも言えるでしょう。

 

 

 

 

では最後に名門より入手した極上な グレナカートチェック をご覧下さい。

 

 

 

 

16sfh

 

H.Lesser & Sons

= SUPER 150‘s =

 

8ozs-240g

 

 

 

 

私の信頼する大好きな名門H.Lesserより、極上のシリーズを入手しました。

 

現在はHARRISONS傘下でひっそりとし、大きく動くことはありません。

ジェームズ社長がリスペクトしているからこそ、愛情もって傘下に収められたのです。

そんな名門ですが実は静かに廃版も増えてきています、、、。

 

 

この名門H.Lesserですが、実は日本では展開されていないシリーズ(バンチ)があります。

その名はシンプルに 【 SUPER 150‘s】との名を冠した分かりやすいバンチが存在します。

 

このシリーズは古くは無いでしょう。

一時期の高番手競争はほとぼりも冷め 実用品ではない超高番手の生地は単なる贅沢品です。

 

私個人ではSUPER 100~120で十分であり、むしろ実用ベースでみれば理想だと思います。

強いてMAXな許容範囲で150までですね。

既にコットンで言えば 超長綿 の域に達していますよ!

 

 

 

 

17sfh

 

ミミには TWO FOLD とあります。

全てではありませんが、イタリアの生地は薄くて軽くてソフト、、、

緯糸に単糸を使ったりします。

 

その点 英国地は経糸 緯糸共に双糸を使うのが基本です。

だからこそクセ取りも効き、型崩れせずTAILORED向きなのです。

 

勿論H.Lesserも双糸使いはマストであり、

その中でも厳選された原毛から贅沢に織られている事でしょう。

触ってみて下さい、、、ため息が出る程に説得力があります。

 

 

≪ FOR THE DISCERNING MAN ≫

http://dittos.seesaa.net/article/499684657.html

 

ヘンリー・レッサー氏の想いは引き継がれているのでしょう。

 

 

 

 

 

18sfh

 

控えめに表現されたグレナカートチェック、

ブルーのオーバーペーンが重ねられています。

 

クラシックでベーシックなスーチングですから格子サイズも控えめであり、

シャドウチェックの様にひっそりとしています。

原毛が細いので 柄出しはより密で鮮明、繊細に表現されます。

こういう生地柄こそ 質の違いが出るのです。

 

爽やかなブルーのペーンが効いていますが

線は細いので これもあまり目立ちません。

何事も控えめで奥ゆかしいグレナカートチェックとなります。

 

 

 

 

 

 

19sfh

 

正に別格、別嬪さんです。

この細かく綺麗に表現されたグレナカートチェックをご覧下さい。

もう言葉でのご説明は不必要でしょう。

 

 

 

 

 

20sfh

 

綾織りの 240g ですから盛夏を含めた春夏地であり、

冬は頑張って頂き オールシーズン用というべきでしょうか。

 

高貴なオーラを感じます。

 

グレナカートチェック、別名 プリンス・オブ・ウェールズ チェック。

 

 

 

 

 

21sfh

 

 

ブルーのオーバーペーンも同じく、かなり似ている生地ですね。

国王と共に、やはり品のあるグレナカートチェックです。

 

 

22sfh

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

23sfh

 

 

以上で御座います、如何でしたでしょうか。

生地値も高騰する中、特別な価格で仕入れる事の出来たかなりお得で優秀な逸材ばかりです。

数量も限られておりますので、気になったお方は是非とも現物へ会いにいらして下さいませ。

 

特に HOUSE STYLE ORDER であれば、今月20日受注分までキャンペーン中で御座います。

 

 

好きで仕入れた生地であり 自分も欲しいと思った生地でもありますので、

嫁がれたら それはそれで寂しいのですが、、、

皆様の良き相棒になって頂ける事を願い 心よりのお勧めを申し上げます。

 

では皆様とお会い出来る日を楽しみにお待ち申し上げております。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・恐縮ながら 来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。

次回は 3月26日(火)を予定しております。

 

どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 
Bespoke Tailor Dittos.