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Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 彩 シェットランド ツィード 】

    2024.08.06 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 彩 シェットランド ツィード 】

          明日の8月7日には『立秋』を迎えます。 しかし、厳しい暑さは暫く続きそうですが、、、 この暑き最中 洋服業界は次第に秋冬へシフトして参ります。   暑い夏だからこそ、涼しい秋、そして寒い冬が恋しくなります。 寒い日々は必ずやって参ります! 今週は買い付けていた生地が早々に届きましたので ご紹介させて頂きたいと思います。     皆様の頭の中を強引に秋冬へ‼                       =立山黒部アルペンルート=   正に錦秋、言葉を失うほど壮観な景色は自然の織り成す芸術です。 美しき色付いた山肌、透き通った空気、魂が洗われる様です。 標高も高いので 秋の季節では気温も10℃を切ります。   色鮮やかな山肌は正にツィードの様、 ツィードの生まれた背景が分かるというものです。   どうでしょう、少しは気持ちが涼しくなったでしょうか(笑)。                   = SHETLAND TWEED =   今度は人間が生み出したカントリーサイドの彩を ツィードで表現した美しい生地達です。   シェットランドツィードとは、スコットランド北端の シェットランド島に生息する羊毛で織られたツィードです。 ここの羊さんは海辺では海藻も食べるそうであり、 とても柔らかい羊毛で糸に膨らみがあり、軽量ながらも保湿性が高く、 古より親しまれてきました。 この羊毛はシェットランドセーターや フェアアイルセーターなどでも超有名ですね!   それにしても、セーターの様に美しいカラーバリエーション、、、 軽くて軽快なシェットランドセーターを纏う様に このツィードを楽しんでみませんか⁉   こんなにも色とりどりな素晴らしいツィードたちを、 生地の高騰やむなし昨今では有難い『出物』での仕入れです。 改めて言っておきますが、かなりお得で嬉しいお値段となっております!                       BATLE & ROBINSON   1950年創業のメーカーであり、ノースヨークシャーに御座います。 始めて耳にしたメーカーですが、このネームでこれら生地が展開されています。               Abraham Moon & Sons   1837年創業の老舗ミル、同社は英国の織元工場としては欠かせぬ存在です。 この年はビクトリア女王が英国王位を継承した年でもあるのです。   同社は原毛を仕入れ、糸に紡績して生地に織り上げ、 仕上げに至るまで全て一貫して行える工場を持ちます   ミルは黒子的でもありましたが、昨今では洋品小物でも ネーム含めて扱われていますから知っている方も多い事と思います。 長き歴史の中では軍服地も沢山供給してきましたので、 同社のヘリテージコレクションは圧巻でありつつ 正にリアルでもあるのです。   今回のシェットランドツィードは、信用高きこのムーン社が織り上げています。 では じっくりとご堪能下さいませ。                   FOREST GREEN   平織地のホームスパン、フォレストグリーンは正に深き森のよう。 中にはカラーネップがツィードらしいアクセントに! 落ち着きと共に安心感さえあるアースカラーで是非如何でしょうか。                         MOSS GREEN   苔の様な緑色、ツィードでは様々な色糸で織られるので 黄味が良い塩梅で出ていますね。 ド定番のヘリンボーン柄でモスグリーン、 正に鉄板ツィードです。                           GOLD   これも美しい! 金色の麦畑が目の前に広がるようです。 複雑に絡む色味は深みを与え、イエロー系ながらも 大人の落ち着きさえ感じさせてくれるのはツィードならではですね。   経糸にダークな色味、緯糸にゴールドでの交織なので クラシックなピンヘッド調な表情がまた素晴らしい。                           RUSSET   ラセット、赤褐色や朽葉色という意味であり、 正に紅葉と共に英国カラーには欠かせぬ色味。 しかし、、、、これは特に写真での色出しが難しい! 写真では鮮やかさが見受けられますが、 もう少し落ち着きと赤茶味が現物では感じられるでしょう。 先のゴールドに兄弟の織地で ピンヘッド調な顔立ちは とても表情豊かです。   紅葉にも欠かせぬ色ながら、レンガ色にも通じ とても魅力的な暖色です。 日本の紳士方にもこういった色をもっと楽しんで頂きたい!                             PURPLE   ツィードのパープル、魅惑的でハートを撃ち抜かれたようです。 まるでラベンダー畑に足を踏み入れたかの様ですね。 知的で高貴な紫のツィードをどんなコーデで楽しみましょうか! 紫は赤と青で構成される色なので、 その両色は相性が良いですが黄も頗る映えてくれます。                               DUCK BLUE   これもなんて綺麗なダックブルーなのでしょう。 とても魅力的な中間色ですが、生地の色味としてはあまり見ませんよね!   MADE IN GREAT BRITAIN この生地だけ上記生地達とは出どころの違う生地ですが、 同じくシェットランドツィードで御座います。 ダックブルーとは鴨の羽の色とされていますが緑の混じった明るめな青を指します。   クラシックなヘリンボーン柄ですが、 この生地を見れば正に明るい青と緑で構成されているのが分かるでしょう。 なんてシャレオツな‼                                   如何でしたでしょうか。 計6色の彩鮮やかなシェットランドツィードは まるでニットのカラーバリエーションを見ているようですね。   ソフトで軽く、カーディガンを羽織るかのように優しく纏うツィード、 それがシェットランドツィードの特徴であり魅力です。 皴にも強くこんなツィードを羽織って紅葉でも見に行きたいですね。               シルエットが細くないトラウザースであればスーツでも良いですが、 メインは上物用が無難なところです。 故に下物はフラノやキャバルリーツイル、 ホイップコードなどもお勧めながら ここはカラーバリエーション豊富でタフな コーデュロイで色を楽しむのも素敵です!   http://dittos.seesaa.net/article/502491190.html 【 2024 / brisbane moss 】             シャツの受注停止まであと僅か、皆様のお陰により目も回る忙しさですが、、、 落ち着いた頃に店頭の生地も入れ替えたいと思っております。   暑き最中では御座いますが、涼しい店内で秋冬へのご構想を膨らませましょう。 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。          

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  • 【 LINEN SUITS 】

    2024.07.30 Bespoke Tailor Dittos. STYLE

    【 LINEN SUITS 】

              IRISH LINEN : 3P-SUITS   起伏に富んだ立体感、カットと仕立て術の賜物ながら 写真で見ると質感と色味も相まって 何だか粘土細工か、 木彫りにも見えますね(笑)。             亜麻 (FLAX:フラックス)           酷暑の候、皆様もこの厳しい暑さにお疲れの事と思われます。 ここまで暑ければ もう何を着ても暑い、 むしろ長袖などで強き日差しを防御した方が良いくらいです。 せめて涼を感じられる 『リネン』 へと手が伸びるのはむしろ本能でしょう!   麻には色々な種類がありますが、麻と言えばリネンと思う方も多い事でしょう。 リネンは麻に属する一種に過ぎず、他にはヘンプ、ラミー、ジュートなどが挙げられます。   リネンの原材料となるのがフラックスという植物であり、 そこから紡績されて糸や織物となってから リネン と呼ばれるようになります。                   (1942年:Belfast Tlegraphより)   主に欧州で生産され、アイリッシュリネンやフレンチリネンは質も高く有名処ですね。               (1945年:Belfast Tlegraphより)   実を付けたフラックスは根っこから引き抜かれ、そのまま放置します。 水溜りに浸して茎の樹皮を腐らせ、太陽光、そして雨や風を受け、 熟成発酵した辺りでロールにして収穫されます。 そして種や樹皮をはじめ不要な部分を取り除き、 リネンになる為の内部繊維を取り出して参ります。   このフラックス、日本語では亜麻、実は食用にもなり アマ二油を採取する事も出来ます、 フラックスの生産は非常に時間のかかる膨大な農産業でありながら、 一度収穫すると6~7年は同じ畑でフラックス栽培は出来ないそうです。 それはフラックスが土の栄養分を全て吸収して立派に育つからこそなのですが、 次は小麦やトウモロコシ、ジャガイモなどを育てて土に 改めて栄養を蓄える必要があるとの事です(輪作)。     膨大な時間と手間をかけ、初めてリネンとなった糸からやっと私たちの服、 そしてクロスや寝具、ファニチャーなどへ加工されるのですね。                     あっ、左の紳士も冒頭写真の様に粘土っぽい(笑)!   もうこの季節はリネン、昔ながらに愛される理由があるわけです。 日本でも明治時代から大正、昭和の初期までは 夏のスーツといえばリネンが多く愛用されていました。                       Spence Bryson   IRISH LINEN TROPICAL 370g     = Buff =  淡い黄褐色を指します。   この色には深い想い入れと共に意図もあって選びました。 エッジなどのステッチは手縫いによるハンドステッチではなく、 敢えてミシンステッチにしています。 ナチュラルで素朴な色味、質感、 植物繊維独特の落ち着く感じが本当に心地よい。 因みに、H.S.ORDERもBESPOKEも 地衿の芯は贅沢に ずっとIRISH LINENの芯地を使用しています。   このトロピカルというド定番シリーズは地厚で確りと打ち込まれ、 正に一生ものです。 確かに重くて大して涼しくない、されど この昔ながらの品質だからこそ味わえる 迫力とリネンらしいエイジングは不朽の定番に相応しい。   昨今では有名なIRISH LINENでもアイルランド産のリネン(FLAX)ではありません。 もうほぼ生産されておらず、原材料としては 品質高きフレンチリネンより織られています。 現在アイルランドには IRISH LINEN GUILD という組合があり、 原材料を輸入していてもアイルランドで昔ながらに拘った製法で 織り上げられているリネン地であればIRISH LINENと定義されています。                     リネンは人類が生み出した最古の繊維とも言われ、 発祥は紀元前8000年頃とされています。 では改めてリネンのもつ驚きの特徴を挙げてみましょう。   ■ リネンは他の自然由来な天然素材に比べても圧倒的に丈夫で長持ちします。 水に濡れると強度が更に増すので洗濯にも強いですね。   ■ リネンにはペクチンという多糖類が含まれており、 汚れが染みにくく落ちやすい上、抗菌性も持っています。   ■ リネンはコットンの4倍ともいわれる程に高い吸水率があり、 通気性や発散性にも優れているので乾きも早い。   ■ 繊維の中は空洞になっており、その空洞部分には空気が含まれています。 余分な熱を逃がす放熱効果が高い上に、冬は中の空気が熱を保持してくれるので 温かく感じられます。高い通気性と保温性にも優れているので 実は夏以外にも一年を通して使用できる素材でもあるのです。       この様な高い性能もあり、古代エジプトではミイラを巻く為の布としても 使われていた歴史がありますが、例えば寝具、そしてカーテン含め ファニチャーにも適した素材である事も垣間見る事が出来ますね。 リネンを夏に特化した素材に限定してしまうのは 本来勿体無いという事が明白ですね。   そんなスペック高きリネンで仕立てられたテーラードをもっと、 もっと見直し、身近に愛用されてみては如何でしょうか。   先人たちが愛し続けてきた理由が着れば分かります。                   折角 誂えるのであれば是非とも三つ揃いがお勧めではあります。 クリームやバフを筆頭に、スカイブルー、時にはピンクなどの ウエストコートはモーニングやブラックラウンジなどのデイ・フォーマル、 そしてダークスーツなどにも合わせる事が出来ます。   夏場での着用や、その日のシーンに合わせ、三つ揃いであれば ウエストコートを着るか否か選択する事が出来ます。 着用を前提とした場合、トロピカルのウエイトを考慮し ウエストコートはバックレススタイルを採用しました。   上記フォーマルに合わす事も想定の上、取り外し式のスリップ! 古なセンターシームを設け、アルバートチェーンホールも空けてあります。   春夏でのイメージが強い事から、一般的には清涼感もある 涼し気なシェル釦が多く使われている事でしょう。 しかし、私は美しき希少な淡黄色のホーン釦にしています。 それは私にとって リネンに同じく丈夫さを優先、 光沢強きシェルより合うと思う事、 極め付けはリネンを夏色(夏服)にしたくないからとなります!                 仕立てあがったばかりのトロピカルはパリパリです(笑)。 ここから私色に染め上げていくのです!   高すぎず、引きすぎないゴージラインは首を縁取る襟ぐり線である事 直線的でシャープなフロントカットは イタリアンなカットに見慣れた方には新鮮でしょう。 キュと絞り込まれたウエストシェイプはアワーグラスを彷彿させ、 釦位置、ポケット位置などに至るまで 英国的クラシックの拘りぬかれたカットです。 興味のない方から見れば単に本返りな三つ釦の上着ですが、、、 『神は細部に宿る』は手作りの品だからこそ。       リネンはハリ・コシが強く、かつ皴になるのが特徴ですね。 先にも触れましたが、リネンは繊維の中が空洞であり、 まるでストローに同じです。 ストローはパキっと折れ曲がりますが、それがリネンの皴に同じなのです。   しかし、ハリ・コシ強きリネン地は、エイジングにより かなり柔らかくなってグッと雰囲気を変えて参ります。 その頃には相棒としての絆は相当深くなっている事でしょう。                               リネンの本当の魅力は新品では上面を見ているだけに過ぎず、 リアリティーに掛けますね。 今度は着込んでシワシワで小慣れたリネンたる 本質的な魅力のでている顔もお見せ出来ればと思っております。 いや、見なくてもご自身で育てた方が何倍も良いですね!               愛すべきリネン、世界最高峰とまで言われたアイルランド産の フラックスはもうほぼ栽培されておりません。 しかし、コットンも同じく エジプト綿、スーピマ綿、新疆綿や海島綿など、 優れた高品質な原材料があれば、それを高次元で紡績し、 織り上げる蓄積されてきた技術があればIRISH LINEN自体は手に入ります。 されど いつまで手に入るのでしょうか、、、。   近年 リネン地の価格は高騰しており、その手間や収穫を増やしにくい生産背景には 農作物としての生産量に限界がある事も起因しているのですが、 実は欧州の気候変動も大きく影響しております。   その気候変動の影響により、2022年・2023年はフラックスの大不作が起こり、 ストックも底を尽きてしまいます。 追い打ちをかけるように、フラックス栽培をされる農家さんは減る一方、 世界的に見れば生産量は以前の約半数まで落ち込んでいるそうです。     多くの素晴らしきものが手に入らなくなってきています。 ゼロにはならなくても、気付けばリネンは超高級素材になっているかも知れませんね、、、。   先ずはもっと、もっと皆様にリネンの魅力を理解し、愛してもらいたいのです。 そして、これからの日本では特に優れた素材であるという事。 安価な化繊に頼らず、昔ながらに先人方にも愛され続けてきたリネンに 今一度 目を向けるべきできなのではないかと考えるこの頃で御座います。         皆様も是非 素敵なリネンのテーラードを嗜まれてみては如何でしょうか。 私にとってのIRISH LINEN SUITSは(リネン混を抜かし)約30年振りになります。 改めてよい歳になり、やはり付き合いたい素材でもあったのですね、、、 構想自体は随分と前から。   ジジイになる頃にはどんなエイジングを、顔を見せてくれているでしょうか。 今から楽しみでなりません!                     ・・・・・7月もそろそろ終わります。 重衣料の早期受注キャンペーンはお陰様で無事に終了となり、 沢山の方々に光栄なるご注文を頂戴致しまして 誠に有難う御座いました。     また、当店シャツの一時終了に伴い 本当に沢山の方々より膨大なご注文を頂いております。 もう私は既にパンクしており、嬉しい悲鳴ながらも全く追いつきません(笑)。 こんな有り得ないほどの受注量、、、シャツ専門店でもあるまいし、 それだけ多くの方々にご支持を頂いているという事に対し 心よりの感謝と敬意を示すと共に、改めてお詫び申し上げます。 そして常に極上レベルで仕立てて下さる工場さんの方々にも改めて心からの感謝をしつつ、 皆様の想いが詰まったシャツ達をどうか宜しくお願い申し上げます。   8月9日の受注停止まで もう僅かで御座います。     因みにですが、最後に英国シャツ地フェスの在庫状況をご連絡させて頂きます。     ACORN:ストライプ・・・LAST 1着分         RINGHART:タッターソールチェック(NAVY/PLUM)・・・LAST 1着分     膨大に仕入れたので心配しておりましたが、 本当に皆様のお陰によりあ僅か2着分を残すのみとなります。 これら以外にも定番シャツ含め 是非今一度 ご検討頂けましたら幸いです。         では、この暑すぎる夏 どうかご自愛くださいませ。 今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。            

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