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Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 TWEED / SUPERFLEECE:4P-SUITS ⇒ ODD!? 】

    2020.11.03 Bespoke Tailor Dittos. STYLE

    【 TWEED / SUPERFLEECE:4P-SUITS ⇒ ODD!? 】

        本日は『文化の日』という事で国民の祝日となりますが、 皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか。 そして今週の土曜日には立冬を迎え 暦の上ではいよいよ冬が始まる日となります。 2020年もあと約2か月です、気持ちははやるばかり、、、。             やはり TWEED は滾りますね~! 左の紳士はピンチバックのジャケットとフラットキャップが同じ生地で仕立てられています。 右の紳士はプラスフォワーズでの三つ揃い、足元はエプロンフロントダービー(Uチップ)、 1920年代から30年にカントリーシューズとして今の原型が完成したそうです。           さて、前回は 4P-TWEED SUITS を御紹介させて頂きました。 そんなカントリースーツ(スポーツスーツ)の類は、三つ揃いで仕立てておけば 様々に着こなしが楽しめると当BLOGでも書いて参りました。   今週は、その4Pを元に 様々な着こなしの例をご覧頂けましたら幸いです。 一応 生地の色味なども改めてご理解頂き、ご覧頂ければと思います。               ・・・・・ベースはブラウンとグリーンで交織にされたカーキであり、 マルーン×ネイビーでのウインドペーン柄が施されております。 ( 気付けば今回の写真ではバックスタイルが1枚も無かったので今一度! )     前回 既にご覧頂きましたが、バックスタイルは背ベルトが付き 優雅なプリーツが機能として作用する仕様で仕立てられております。 これらのアクションプリーツ含めピンチバック等のバリエーションは多々御座いますが、 HUNTINGにFISHING、GOLF含め運動量確保が前提にも考えられておりますので、 当然 普段使いでの御着用でも大変動きやすいディテールとなります。 車やバイクなどの運転、そしてPCでのタイピング等も含め 腕を前に出す行為にも適する仕様と言えますね。             では、先ずはネクタイを締めず シャツさえ着ぬリラックスした着こなしと致しまして。     JOHN SMEDLEY のハイゲージニットを着用致しました。 パープル色の長袖であり、首元はスカーフでアクセント! 三つ揃いというと重厚過ぎると感じられる方もおられましょう。 ニット類でもハイゲージでサイズが身体に寄り添うサイジングであれば インナーとして十分に楽しめますし、むしろお勧めです。   タートルネックも鉄板ですね。 軽快でガラッと柔らかく、良い意味で砕けた印象になります。   また、更に軽快に着るのであればウエストコートは排除し、2P での御着用も勿論 アリです! スロートタブも外しておりスッキリとさせております。                 首元は差し色としてのアクセント含め この様にネックウェアがあると 華やかさや装いとしてのバランスが全然変わって参ります。 シルク物であれば保温力は高いですし、エンドを垂らさず首元に IN しても良いですね。   イラストの様に夏場にはコットンやリネン系、暑い最中 汗止めにもなりますし、 汗を拭いても構いません。 洗濯すれば良いですから!   冬場はシルクやカシミアなど含め種類も豊富であり、 首元の保温含め 素敵な差し色をチョイスされて下さい。 首に直巻きしますので こちらも汚れたら洗えば良いのです。 (御自身で簡単に洗えますので店頭にてお尋ねくださいませ!)               足元は小奇麗にDOVER を合わせました。 Uチップの類はどこの靴屋さんでも作っていますが、カントリー出身にも関わらず 英国物は結構 綺麗目な顔立ちでまとめられている印象ですよね。   『 キミとの付き合いも優に20年越えだ! 』 そう考えると自分も随分と歳を重ねて参りました。           お次は軽めに崩して ウエストコート を変えてみましょう。 ODD WAISTCOAT はお持ちでしょうか。 これ等があると 装いの幅はかなり広がり、楽しめます。 目にも眩しいスカーレット、所謂ハンティングレッドです。   かつて英国では狩猟を行う権利は全て王室に帰属しており、 狩猟に参加する時はスカーレット色の制服を着用していました。 その伝統は乗馬用コート含め今にも受け継がれていますね。   英国スタイルを贔屓な御方には欠かせぬアイテムではないでしょうか。 私のHUNT WAISTCOAT(SCARLET)は二代目となります。     (あらっ、、焦っていたのか写真を見て気付きましたが、 アルバートチェーンが第5ホールに掛けられていますね。 専用チェーンホールを開けない場合、フロント6釦スタイルでは 第4ホールが私にとってBESTです。)             当BLOGでも 沢山御紹介させて頂いてきました POSTBOY WAISTCOAT。 このマスタードは私にとっても鉄板です。   http://dittos.seesaa.net/article/450128554.html 【 POSTBOY WAISTCOAT② 】      因みにWCだけでは無く、このダイヤ柄のTWEED JACKETも最高ですね。 MARLING & EVANS のTWEEDで正に同じ生地が御座いますので是非!   http://dittos.seesaa.net/article/444627343.html 【 H.S.  S様のTWEED SUITS 】           シャツは CARLO RIVA:INDIGO TELA、 これ一押しなのですが前回のフェアでは無かったので次回は是非にとリクエスト済みです! 仕様は釦ダウンカラーにしており、カシミア×レーヨンのスカーフでノータイにて。   マスタードのPOSTBOY WAISTCOATに、グレーフランネルのトラウザース。 このトラウザースはODDですが、SUITSで仕立てておけば 今回のスーツに同じくバラしての御着用も出来ますね。   4PスーツはODD JKとしての使用ですが、FLAT CAPを被れば2Pですね。           カントリーな装いには欠かせぬ TRICKER’S です。 グレインレザーのフルブローグはコンビで! グローブは以前BESPOKE で誂えた CAPPINCHO(カピパラ)の革、 お客様への見本を兼ね 実験的にステッチは配色でオレンジにしてみたグローブと共に。   あまり見えませんが、、、そんな配色もこんなコンビとの靴には正に相性抜群ですね。 スーツに限らず、お手持ちの愛用品に合せたイメージで 小物を増やす楽しさもご堪能下さいませ。   http://dittos.seesaa.net/article/440640193.html 【 BESPOKE GLOVES 受注会 】                 ツィードを筆頭にスポーツスーツの類では、プラスフォワーズは欠かせぬ存在であり 写真の様にGOLFにも当然重宝されていました。   この写真、良くご覧下さいませ! 左から3番目の紳士、上着のラペルを閉じ 首元はスロートタブで留めての御着用です。 説得力ありますよね、リアルガチなディテールなのです。   皆様揃って天衣の広きFLAT CAPが素敵です。 日本ではハンチングとの呼称が一般的ですが、LOCK&COやBATESでもワンピースの天井物は FLAT CAPであり、形が既にそうですが 名の如くフラットに潰れるからでしょうかね。 保管にも場所を取らずに最高ですよ!     ( 当店では、FLAT CAP単品でも喜んで御注文を受け賜っております。 生地値により価格が変わりますが、始値である20,000円+TAXで御注文頂ける 沢山の端切れの御用意もしております。 カシミアからツィード、コーデュロイ、ヴィンテージ、 春夏物から秋冬物まで様々ですので是非お気軽にお声掛け下さいませ。)   http://dittos.seesaa.net/article/428951218.html 【 FLAT CAP 】           では、原型の4Pに対し トラウザースを変えてみました。 このODD TROUSERSはご覧の通りプラスフォワーズであり、 色はプラム(濃い赤紫色)のコーデュロイです。   コーデュロイと言えばBRISBANE MOSSですね。 コットンが故に汚れれば水洗いも出来ますし、ODDとしては欠かせぬ存在です。 雨でも雪でも気兼ねなくご利用頂けますし、ツィードとの相性の良さは言うまでもありません。 1本仕立てれば必ず違う色も欲しくなる筈です。   パープルのギンガムチェックシャツにウールシャリーのバーガンディー・タイ、 ウールのアーガイルソックスも勿論パープルです。   ツィードはフラットキャップ合わせて3P使いですね。 このTWEED(SUPERFLEECE)を仕立てる際、トラウザースは +4と迷った挙句 このプラム色の +4 が手持ちにあったのでレギュラースタイルのトラウザースにしました。 このTWEEDの配色と滅茶苦茶に合いますからね!         プラスフォワーズと言えばGOLF、GOLFと言えば J.M.WESTON パターンオーダーでは細かなサイズ対応をしてくれるので私もお世話になれます。   やはり好きなグレインレザーを選びキルト付きに! キルトはもともと砂や小石などが入らない様にする為のパーツであり、 特にゴルフシューズでは良く見受けられる事と思います。 このキルトに控えめなアクセントとして 同系色で同じくグレインレザーでのコンビにしてみました。   プラスフォワーズ + キルト付きエプロンフロントのダービーシューズ、 ずっとやりたかったので このGOLFで成就です。           次は軽くインナー(WC)を変えてみました。 これも欠かせぬアイテムですね! フェアアイル柄のニットベストです。 VINTAGEですが、手持ちが何枚もありますので コーデの色味などでチョイス致します。   手持ちは全て古着ですが、 現行品と比べればサイズバランスとクオリティーが全然違います。 この愛着ある欠かぬアイテムも以前には Jamieso’sに別注を試みましたが、 私の求める品質は現行では対応不可との事でした、、、。 良い品物(手間のかかる高品質)はどんどん手に入らなくなっており、寂しい限りです。               ゴルフクラブでの一コマでしょうか。 ニットと言えば、英国贔屓な皆様にも欠かせぬ シェットランドセーター があります。 色味も豊富で何色かはワードローブに入れておきたくなります。 ニットの製法にも色々御座いまして、仮に手編みが最高とするなら そのあるべき姿に沿って作られる程に着心地も良く風合いも増します。   右側の紳士は 正にキルト付きの靴を履かれていますね!           ネイビーのシェットランドセーターにて。 品質も然る事ながら、サイジングはとても重要です。 『 キミとの付き合いも20年超えるよね!』 昨今のニット類はとにかくサイズバランスがデカい!!   今度はかなりポップで大きめなライトブルーのギンガムチェックシャツに、 ブルーとは反対色であるイエロー系の映えるキジさんのモチーフタイ。   トラウザースが TWEED(SUPERFLEECE)となります。         足元はTRICKER’Sのダービーブーツで! またグレインレザーですね、、、こう見てくると本当に好きなんでしょうね。 汚れにも傷にも雨にも強く、 カントリーなテイストには欠かせぬレザーであるという事です。           ・・・・・皆様、、、私はこのまま紅葉狩りへ行って参ります(笑)。   このキルティングジャケットも20年以上の付き合いであり、 一時はかなり流行ったLAVENHAMではなく BARBOURなのがミソです! 内側裾部にファスナー付きの小物入れがもともとありますが、 胸部には無かったので自分で拘りの二重式内ポケットを作って縫い付けました。   若かりし頃、初めての英国旅行の際に持参する予定で上記内ポケットを! スリ防止を兼ねて素晴らしき性能ながら、簡易に盗難出来ぬという事は 私自身も出し入れが面倒という事になりました(笑)。 懐かしい思い出です。   コルク色のペッカリーグローブ、ブリッグの傘、コテコテで楽し~~っ!! FLAT CAPとTROUSERS でTWEED(SUPERFLEECE)は2P使いとなります。               ・・・・・取りあえず以上で御座います、如何でしたでしょうか。 少しでも楽しんで頂けましたら幸いで御座います。 しかし、短時間で何通りも着替えて、、、、暑かったです(笑)。   今回のコーディネイトはほんの一例であり、いくらでも考えられますよね。   私がお伝えしたかったのは、3Pや4Pなど 揃えて誂えておけば装いの幅は相当広がり、 そのお気に入りな一着を何倍にも増幅して楽しめ 愛用出来るという事です。   シャツやニット類は勿論の事、テーラードアイテムとしては ODD WAISTCOATやODD TROUSERSを増やし充実させる事は とても素晴らしい事でありメリット尽くしです!   コーディネイトの広がりだけでは無く、スーツはどうしても下物からダメージが来ます。 スーツを崩し たまにODD TROUSERSで着こなす事により、 組下トラウザースの休憩=延命にも繋がるのです。   折角誂えた相棒達と少しでも長く付き合えるようにしてあげる事も愛情です。     皆様、どうか素敵な生地と巡り合い、惚れこめるスーツを御誂え下さいませ。 そして着る事により育てつつ、長きに渡り愛情を注いであげて下さい。 それには質の高い仕立てが必要だからこその誂えです。   欲しい服を探すのではなく、生み出すのがTAILORであり 誂えです。 BLOGでは未紹介の素晴らしいTWEEDも含め、 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。   では、今週も最後までお付き合い頂きまして誠に有難う御座いました。           ・・・・・毎週楽しみにお待ち下さる方々におかれましては大変申し訳御座いません。 来週もう一度 BLOG更新のお休みを頂きたく、お願い申し上げます。 今でなければ成らぬ仕事がかなり重なっておりまして恐縮な限りです。   次回の更新は、11月17日(火)となりますので どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。          

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  • 【 TWEED / SUPERFLEECE:4P-SUITS 】

    2020.10.20 Bespoke Tailor Dittos. STYLE

    【 TWEED / SUPERFLEECE:4P-SUITS 】

        今年は確りと秋が感じられ、一カ月くらい前倒しで寒さも到来しております。 皆様 秋冬の装いを楽しまれておられるでしょうか。   もうTWEEDもイケますね! 今週は私事ながら BESPOKE 4P-TWEED SUITS の御紹介をさせて頂きたいと思います。   (先に申し上げますが、今週はかなりのボリューム量です。 来週のBLOG更新はお休みを頂きますので2週に渡り ゆっくり、じっくりとご覧頂けましたら幸いです。)             気持ちと装いだけでもカントリージェントルマン! 三つ揃いのスポーツスーツにフラットキャップを合わせての4Pとなります。     William Bill SUPERFLEECE 100% WOOL 375g   先週 御紹介させて頂いたツィードのシリーズとなりますが、出会いは早くも2年前です。 ツィード好きな私が一目惚れし、有無を言わさず自分用にも買い付けておりました。 2年の歳月をかけ、やっとデビューを果たす事が出来ます。   緯糸にブラウン系、経糸にグリーン系、正に主体となるアースカラーです。 ブラウンとグリーンを掛け合わせると何色になるでしょう!? …イメージ出来ましたでしょうか?  答えは カーキ色 となります。   軍服でもカーキ色は欠かせぬ存在ですが、何故だかお分りですね。 そのカーキ、男なら誰しもが愛着感じる好きな色ではないでしょうか。   縦にマルーン、横にマルーン×ネイビーの親子縞でのウインドペーン柄を重ねてあります。 そそる色味と配色です。         シャツは 英国:RINGHARTのブラッシュドコットン、 クリーム色のベースにプラム×ネイビーでのタッターソールチェックとなります。 ツィードで使われているウインドペーンの配色とも抜群に合います。   シャツの格子色であるプラム×ネイビー、これを掛け合わせると深いパープル色になります。 タイは 正にその配合たる深いパープル地のウールタイ、フォックス君のモチーフ柄です。   スロートタブを携える事により、更にカントリー色も濃くなりますね。 上着はプリーツ入りの 3-パッチポケット、 背中にもそれぞれ統一したインバーテッドプリーツが施してあります。               スロートタブは飾りでは無く機能としてのディテールであり、 ゴージラインが衿ぐり線であるという事が分かりますね。 歴史たる紳士服のクラシックなバランスは完成されておりますので、 著しく位置が高かったり角度の特徴的なゴージラインはクラシックでは無く ファッションである事がお分かり頂ける事と思います。   このスロートタブは取り外し自在です。 上衿と繋がって作られるのもありますが、分断できる事により気分やテイストに合わせて 自由に着脱が出来る事、そして分断する仕立て方だからこそ 上衿をクセ取りして成形し、折代である『ヒゲ』も付ける事が出来ます。 このヒゲこそ、長きに渡り着用される誂え服たるポテンシャルを持たせる事になります。   その服を存分に堪能でき、行く末まで見越した仕立てに対し 惜しむ事無く手間と目的が凝縮されているのです。         上着の腰ポケットであり、インバーテッドプリーツはデザイン的なポイントであると共に 立体物を入れても体積が広がる様に設計された機能美たる意匠です。 英国らしさ溢れる この口布のカーブ線の在り方までもが拘り所です。 生地が相当重なり合いますが、見えない所でも様々な計算とテクニックにより 出来る限りサッパリと仕上げます。 見えない裏側ここそ技術が隠れ潜んでいるのです。           身頃に確りと柄合わせされた腰ポケット。 これ、、、気付かれぬでしょうが本来では柄合わせに矛盾が生じます。 センターのプリーツ線で生地が畳まれていますが、実はその折線自体 ポケットのバランスにより緩い傾斜(縦縞に平行では無い)が付けられています。   普通に畳んでしまえば プリーツ線を挟んで前面側は身頃に合わせた通りに柄が合いますが、 後半側(脇側)は縦・横共にウインドペーン柄の線がズレる事になるのです、、、。 横縞だけを意識すれば、畳む際に多少捩り込む事で何とかなりますが、 縦縞はどうしてもスタンス(格子柄幅)が合いません。   故に、全てを完ぺきに合わせようとすると 各パートで切り替えて繋げ合わせる事により ここまで完璧な柄合わせが可能となります。 口布・前布・後布、奥襞となる向布、そして裏布と計5パーツから構成されているのです。 格子柄だからこそでもあり手間と共にこういった柄合わせをする為生地も沢山必要になります。   上記写真のプリーツが開いた時、奥襞(向布)の横柄も合わせて裁ち合わせするので、 極自然に見えますが 作り手の手間がこんな所にも内蔵されているのです!         背ベルトの付いたピンチバック スタイル、 背中から裾までインバーテッドプリーツが畳まれています。 実はこれもウエストシームを敢えて施す事で、 上部・裾部とでプリーツの襞幅を意図的に変えています。 ですが、縦柄は完璧に縞が合っていますね! 全て計算の上で正確な裁断・縫製が行われているのです。 ベルト然り縦縞を合わせています。         このウインドペーン柄、やや縦長の長方形です。 背中心のセンターシームが中心となり、左右の柄が合う様に裁断されます。 上衿をご覧下さいませ。 マルーン色の縦縞が確りと合っていますね。 格子柄の横幅が正確に合っているという事です。   更に 今度は横縞であるマルーン×ネイビーの親子縞、 身頃ネック部分の縦方向に格子柄の縦幅を合わせて 上衿パーツは計算の上で柄合わせされています。 故に、折り返った上衿とネック部分の身頃での格子柄が 縦横完璧に揃うよう柄合わせされているのです。 結論的に言えば上衿パーツも残布の取りたい所で取って良い訳では無い という事になりますので、やはり要尺は嵩むわけです。           上記 背中周りの柄合わせやポケット類、 ここまでは それなりに高級な服であれば考慮された裁断が成されている筈です。 しかし、次は考慮に入れた裁断をしたTAILORED(上着)は案外少ないのが現状です。   フロントの釦を閉じます。 左右の前身頃が重なり、釦で定まりますね。 その時に、先ほどの背中心線同様にフロント側でも打ち合いが定まれば 格子柄が確りとその比率を正確に合わさる様に裁断されているのです!   3釦の真ん中、これは製図上のウエストラインであり 基本的には一番シェイプされる位置となります。 ここに格子柄のセンターを持ってくると一番美しく理想的です。   最優先に前身頃をベストポジションで定め、 後身頃は前身頃の脇の横縞に合わせつつ、背中心を縦縞に合わせて取ります。 山袖は前身頃のアームホールにポジションを柄合わせ(横縞)、 谷袖は山袖に連動、、、こういった具合です。   昨今では世界中のテーラーやサルトリアの仕立てた写真が インスタで簡単に見る事が出来ます。 グレンチェックでもウインドペーンでも この縦幅方向の柄合わせを施された裁断、、、見つけてみて下さいね! 格子柄だけでは無く縞柄(STRIPE)でも バンカーストライプクラス以上なら考慮の上 裁断します。   柄合わせは拘れば拘る程に時間と手間、 そして生地要尺が掛かるという事になります。 知ってしまえば こんな所からも そのお店の物作りへの熱意や拘り、 コストへの意識などをも垣間見る事が出来るとも言えてしまうのですね。           今回は衿付き仕様でポケットは腰のみフラップ付きです。 各ポケットやフロント打ち合いの柄合わせもバッチリですよ!           ウエストコートの衿、これはジャケットの様に身返し側が返るタイプの本返り仕様、 そして今回の様に衿のみ独立して作り 後付けされる仕様のタイプと2種類あります。   双方にメリット・デメリットがあります。 サビルローでも昔から伝統的に採用されてきた後者である この後付け仕立て、 これはインナーとして衿周りが嵩張る事無く 本返りに比べ薄くすっぺりと出来る事、 要尺が本返り程 掛からない事が挙げられます。 そして意図すれば身頃自体に柄合わせで作る事も可能です。   ( お店には C.ビートン卿がタッターソール柄の ダブルブレスト・衿付きのODD WAISTCOATを着用された写真があります。 これは後付け仕様:身頃合わせで衿柄が裁断されています。)   肩線をご覧下さいませ。 お皿の底の様に反ったインカーブで仕立てられているのが見てとれますね。 首元であるシャツのカラーへ寄り添い登る様に、 そして前肩考慮で立体的に仕立てられております。   一般的には手抜きをされがちなウエストコートというアイテム、 こちらも妥協は一切ありません。 拘りまくった上着(ジャケット)のインナーです、 スーツ(三つ揃いでセット)としてのクオリティーバランスは大変重要な事であり、 疎かなアイテムがあれば その拘りは本末転倒となります。           今回のライニングは大正から昭和にかけて主に愛用されていた ノスタルジックなアルパカ裏地を使用しました。 経糸にコットン、緯糸に昔はアルパカ、、、後期はモヘアなどが使用されています。 高級裏地の代表格でもあったアルパカ裏地、大いなるメリットは丈夫さです! 落ち着きと渋みがあり、獣毛が故の柔らかさ、 温かさも兼ね備え、表地とのマッチングは抜群です。 その代わりデメリットは いまいち滑りが良いとは言い難く、、、、 これは着心地や動きやすさに直結致します。   アルパカ裏地は滑り含めた性能の良いビスコースやキュプラなどの 台頭により姿を消してしまいました。 コスト面も否めぬ所でしょう。   フラットキャップのライニングも勿論合わせてアルパカ裏地です。 薄い中綿を噛ませ、キルティングステッチが掛けられます。 保温性も格段に上がりますよ。         トラウザースはプラスフォワーズと迷いましたが、、、 クラシックな IN・2-PLEATSのハイバックスタイルにしました。           当店ではBESPOKEは勿論の事、HOUSE STYLE ORDERでも 折り返しの付いたダブルの裾上げには傾斜を付けており、 これも斜めに織り上げると矛盾が生じますが 技術で解決します。 BESPOKEで前後差3㎝、HOUSE STYLE ORDERの方で2㎝弱といった所です。 柄があるので傾斜が付いているのが分かり易いですね。   ダブルの傾斜付き、これも行えるお店は限られます。 BESPOKEであればシングルでもダブルでもリクエスト頂ければ 傾斜度合いさえご希望に伺えます。 その度合いにより裾上げの手法も変わります。   何故傾斜を付けるのか、、、圧倒的に見栄えと収まりが良いからであり、 手間をかける価値がそこにあります。           腰部内側です。 腰幕という深めの綿裏が名の如く幕の様に付けられます。 トラウザースの裏地であり、保護的な役割と共に 業界用語では『ボロ隠し』とも言われ、縫代など含め様々な物を覆い隠しています。   マーベルトを使用せぬ当店HOUSE STYLE ORDERのトラウザースにもお付けしています!           足筒を裏返した内側、各縫代は手縫いによるカラゲ縫いで解れ止めです。 裾につく靴擦れは伊製の専用コットンテープを使用し、一周ぐるりと付けます。 これも様々な理由や意図(メリット)があるからであり、 工夫が内蔵された付け方をしています。   長く着用すれば膝裏も擦り切れます。 膝裏修理はロックミシンよりも数段交換が楽でもあり、 長く着て頂く事を考えればこそでもあると言えますね。 ロックミシン始末、手かがり始末、 双方にやはりメリット・デメリットがあります。                 お疲れ様で御座いました、、、、 余程好きで興味がないと付き合い切れぬ文量ですね(汗)! お付き合い有難う御座います。   では、誂え服ですから 最後に本人の着用した姿をご覧頂いて終了となります。           なんか 反省して しょんぼり しているみたいですが、 帽子を見えやすくしようとしまして、、、。 心は大満足のウキウキで踊るくらいに嬉しいのです(笑)!                 このバックスタイルですよ! センターのインバーテッドプリーツを挟む様に両側には ダーツ式プリーツ(=タック)が畳まれており、こちらも当然動きにより開きます。                       やはりツィードに合せるブレイシーズは クラシックなBOX CLOTHが相性良いですね。 このALBERT THURSTON は随分と古い VINTAGEです。 現行品と比べ、設計バランスもハイライズ(深い股上)前提であり かなり手縫いが多用された芸の細かな手法で作られております。 これも復刻を相談しましたが、現在使われていない材料や 職人さんのレベルや確保により無理との事でした、、、寂しい。           靴は私の 1st-BESPOKE SHOES となる福田さん製の外羽フルブローグ、 外ハトメがポイントです!   靴下はダークオリーブにマルーンのジャガード織による柄が入ります。 NEW&LINGWOOD製であり、顧客様よりロンドンのお土産として頂戴致しました。 こういったエグいセンスは国産はおろか他では探せぬ英国らしさがありますよね。 N様、お気に入りであり大切に愛用させて頂いております!               ・・・・・如何でしたでしょうか。 薀蓄や技術論など制限はあれど 語りだせばキリがありません。     何故 BESPOKE SUITSが高額であり、掛替え無き最高ステージなのか、、、 ほんの少しでも感じて頂く事が出来ましたら幸いです。         秋冬はやはり楽しく心が躍ります。 TWEEDを見れば、着れば気持ちも高揚するばかり! 仕立て上がった服を今度は愛用しながら育てて参ります。   これも遣り甲斐ある楽しきお付き合い、 5年後、10年後にはどんな味わいが出ているでしょうか。 誂えたスーツに対し、シャツやタイ、ストールやグローブ、ソックス等 小物類に至るまで どんな物が合うかなと楽しみは広がるばかりです。   是非皆様も魅力的なツィードと巡り合い、服である相棒と共に歳を重ねられて下さいませ。 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。           ・・・・・誠に恐縮ながら、来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。 次回は 11月3日(火)の更新予定となりますので、 どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。     では 装いを楽しみつつ、急な寒さには十分にお気をつけ下さいませ。 今週も誠に有難う御座いました。            

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