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Bespoke Tailor Dittos.
  •  【 BUSH JACKET ② 】

    2021.12.14 Bespoke Tailor Dittos. STYLE

     【 BUSH JACKET ② 】

          クリスマスを目前に、 新橋駅前のSL列車もイルミネーションで盛り上げてくれています。 様々に変わる光の色を纏うSLの運転席にはサンタさん!               今週は英国のサープラスガーメントである BUSH JACKET:第二弾をお話させて頂きたいと思います。 皆様、、、ついてきて下さっているでしょうか!!     = 初回をお見逃しの方は 是非下記リンクよりご覧下さいませ。= http://dittos.seesaa.net/article/484599000.html 【 BUSH JACKET ① 】           軍服は様々な環境や試練により次々と進化をして参りました。 現代のスーツもルーツは軍服です。   さて、WW2時含めKHAKI DRILL という カテゴリーの中にBUSH JACKETが存在し、 これから御紹介するのは主に暑き地方に適するよう特化した進化を成し遂げたモデルとなります。 おさらいからご覧頂きます。         1940年 KHAKI DRILL:BUSH JACKET   ある程度のバリエーションも存在しますし、自身用に仕立てられたオフィサー仕様とも成れば より広がるとも言えますが40年代では大体 上記写真の様な仕様となるでしょう。 合わせるトラウザースやショーツの多くは、かの有名なグルカショーツ型も多く存在しました。   上着の特徴ですが、これはかなりのTAILOR MADEです。 当時は現地での仕立て屋さんで誂えられていた事実もあります。 ノッチドラペル(下衿)に第一釦は無く、留める仕様にはなっていないものの 留めた場合に学ランの様な詰め衿型(スタンドカラー)になるのが 垣間見る事が出来るでしょう。 返り衿の原型を彷彿させてくれるバランスです。   フロントは4釦、肩章が付き袖は比較的に現代的なジャケットスタイルですね。 袖口には装飾カフが付けられた筒型の袖です。   顎ダーツ、そして胸・脇ダーツによりウエストを絞り込み、 シェイプの効いた立体的なカットが施されています。 胸にはアイコン的なカモメ型フラップ、 そのポケットにはボックスプリーツが畳まれています。 とても大きな腰ポケットには、横と底辺にマチが設けられた ベロウズポケットに釦付きのフラップが付きます。   生地はとても丈夫なコットンドリルであり、 過酷な環境にも適応し、洗濯にも適していますね。 同時に軍服には多いのですが、釦も全て安易に取り外す事が可能です。         では、これらをベースに 1950年代へ進みます。 どの様な変化・進化があったのでしょうか。           KHAKI BUSH JACKET 1950 PATTERN     これは英国の官有物として開発・生産された既製服であり ブロードアロー物となります。 先ず大きく違っているのは素材です。 トロピカルユニフォームの素材として軽量かつ 通気性に特化したセルラーコットンが採用されています。   『 セルラーコットン 』 セルとは細胞との意味があり、 規則的に空いている穴の様を指したメッシュ系のコットン地の総称と御理解下さい。   衿は所謂オープンカラーになり、 同じく第一釦は無いですから締めることを想定されていません。 肩には肩章が付き、袖付けは折り伏せ縫い、ある意味 より簡易で丈夫になっています。 胸のポケットは40年代とほぼ同じですが、生地が薄くなった為 身頃のポケット口付け部の裏側に『力芯』となる 共地の帯を宛がい二重にして補強されています。 腰ポケットに付いてはマチが排除され、釦も省略されました。 力芯となる裏帯は胸に同様です。   袖口の仕様はシャツの様な形態となり、ケンポロを付け、バレルカフスが付きます。 これで何倍も腕がまくり上げやすくなり 大変重宝されたそうです。   胸・脇の各ダーツはありますが、顎ダーツのみ省略されています。 また、腰をキュッと締めるベルト、、、 大きな特徴として、このベルト自体が後身頃に縫い付けられています。 外れませんから無してしまう心配がないですね!   こうして見ると よりシャツジャケットに近付いたとも言えます。 正にその通りであり、着用される環境と着用者の声がそうさせているのです。         1971年 かの御方も着用されておりますね。 正に1950 PATTERN型です。 この様にインナーや地肌へシャツの様に着ても快適なのであり、 それだけ環境が暑いとも言えるでしょう。 同時に、この1950型がそれなりに長きに渡り着用されていた事も窺えますね。           では、リアルなVINTAGEを前に より具体的にディテールなどもおって参りましょう。           全貌です、、、、私には格好良さを通り越し、美しささえ感じられます。 この類では正に究極の完成度だと思っています。 こう見ると、世間的なサファリJKと同じに見えるでしょう。 用途や意味合いは同じですが、私にとってBUSH JACKETはBUSH JACKETなのですね。   パッカリングが雰囲気をより盛り上げます。 パッカリングとは縫い目部分の縮みによるシワシワです。 これは意図的にミシンで出す方法もありますが、 そもそも粗く高速で縫うとなりがちでもあります。 そしてもう一つ、洗いによる縮みが原因により更にパッカリングが大きくなります。 生地が薄ければより顕著であり、エイジングの歴史を感じさせてくれます。   これらのサイズ感は新品時から相当縮んでいる筈であり 見越した設定が成されていなければ サイズ設定の意味が無くなってしまいます。           この個体(VINTAGE)のタグです。 1950 PATTERN KHAKI BUSH JACKET SIZE 7   型は1950年型の型紙(モデル)ですが、1967年:F.FRYER製である事が記載されています。 ブロードアローのマークも確りと付いていますね。 かなり程度の良い古着であり、サイズ感も私自身にピッタリの適合サイズです。       余談となりますが、、、1957 PATTERN というものありまして、 このBUSH JKは更にどの様な変化をしたのか!? 当時 このシャツジャケット型BUSH JKは裾をトラウザースに仕舞って 本当のシャツの様にも着用されていたそうです。 1957年型では そういった部分も踏まえてでしょうが、腰ポケットが排除され、 ウエストのベルトは取り外しができる様になりました。 それはそれでも別に良いのですが、シャツも有りましたし、半袖のBUSH JKもあります。 しかし、古着での半袖は長袖をお直しでカット・処理した可能性もありますね。   ( 全てを詳しく追いかけられるほど詳しくはないので その辺りはご了承頂けましたら幸いです。 )       1940年代から この様な流れを見た時に、 1950年代モデルが私にとって一番琴線に触れ ツボにはまると言う訳で御座います!             ・・・・・では生地から見て参りましょう。 分かり易く言えばメッシュ地ですね。 かなりの通気性を誇り、とても軽いです。 この写真は、左胸部の裏面です。 右端にフロントの釦ホールが見えますね。 そのフロント部分は身返しがあるので、生地は2重になります。 横方向にも2重部分がありますが、ここが胸ポケット口部であり 力芯として裏当てがされている所になります。   英国に AIRTEX社 というメーカーがあり、 70年代位までかなり幅を利かせて活躍していたメーカーです。 同社の優れたAIRTEXという素材(生地)は、下着からスポーツウエア、 そしてこの様に軍服まで多くに採用されていました。           ・・・・・少し寄り道を致します。 私物の古着は 英国製の半袖スポーツシャツです。 昔のシャツはプルオーバー型が主流であり、 被りますから身幅もゆったりとしていなければ成りません。 シャツは被り仕様(プルオーバー)をやめ、現代の様なフロント全開きに移行し 身体のサイズに合わされる様になりました。   着丈も長いです、長いのが普通であり 今のシャツは異様に短すぎですよね。 着用スタイルの想定が違う訳ですが、、、この変にしておきましょう。       生地をご覧下さい。ザックリとしたメッシュ地ですがカノコ編みとかでは無く織物です。 所謂セルラーコットンであり、これもAIRTEX社の生地ではないでしょうか。   タグをご覧下さい。 パックマン兄弟が見えますね! パックマンにしか見えませんが、 CC41 と記載されたマークなのです。   WW2の最中、物資不足を危惧した政府が物作りへの制限を掛けました。 1941年から始まった Controlled Commodity=管理された商品 という事で CC41 です。 1941年から1951年まで続き、審査を通った物が このマークを付けて販売されていたという歴史があります。   もう20年くらい前に購入したとても大事なシャツですが、 自ずと40年代製という事がはっきりと分かる訳です。           ・・・・・では、本題へ戻ります。 じっくりと味わい深きリアルをご覧下さいませ。                           2-PRONG BUCKLE ウエストベルトに付く 2爪タイプの真鍮製バックル、とても英国らしさに溢れます! ゴツくて確り、とても丈夫で壊れる事も無さそうです。 しかし、このバックルは BUSH JKの素材がDRILLならまだ良いのでしょうが、 軽量化されたAIRTEXには重過ぎ、強過ぎるのですね。   腰のベルトは身頃に縫い付けられていると説明しましたが、 この縫い付け止まりに重さと力が掛かりますので直ぐにミシンが解れたり、 切れたり、生地にダメージを与えたりとしてしまう難点があります。   ただ、流石と言うべきは バックル自体もベルトから釦で取り外しが 出来る様になっていますが、当然ながら洗濯への考慮ですね。 ですが、多くの古着ではバックルが無くなっているものが多い事もよくある事実なので、 自分で適したバックルを探して付け直す事も安易に楽しめるでしょう。         袖口は限りなくシャツ型に近付きましたが、 袖自体はスーツの上着の様に2枚袖を採用しており、 緩やかな『 く 』の字のシルエットを描きます。 またケンポロに釦が付きますが、 一応カフスの形態なので袖丈直しも安易に行えますね。         美しい背中のデザインを見てみましょう。 緩やかなカーブに描かれた肩ヨーク、 両サイドにはアウトプリーツが畳まれ これは裾まで続いています。 (途中 ウエストベルトの縫い付けで縫い止められます。)   とてもエレガントな後姿であり、サイドのプリーツはアクションプリーツの役目となって 腕の可動範囲を広げ より動きやすくなっていますし、 裾部でも動きに対し追従できる分量が多いという事になります。       写真センターの縦襞が上記プリーツにあたります。 その左には折り伏せ縫いされた 脇縫い目が見えます。 小ぶりなサイドベンツもついており、裾周りは両サイドの襞分、 そしてベンツの開閉により機動力が更に増されています。             ・・・・・如何でしたでしょうか。 この名品は 多くのブランドやメーカー、デザイナーにサンプリングされ 市場にはイメージを寄せた似寄りが溢れております。 それだけ機能的で格好良く、完成されたデザインだという事です。     サープラスガーメントは既に民間でも普通に愛用される様になり トレンチやダッフルコート、数々のフライトジャケットや軍パン、 セーラ―カラーなどは女子の学校制服にまで、、、挙げればキリがありません。     そして、日本の夏を考えて下さい。 最近ではリモートワーク含め更にカジュアル化は進み、地球は温暖化と言われ、 年々夏が長く辛くなる昨今 これほどに適した洋服はありません。             ・・・・・これはリアルなヴィンテージ衣料です。 リアルが持つ迫力と説得力に勝るものはありません。   まだ私が若かった頃、歴史と共に紳士服を学ぶ上で 紳士服の黄金期とも言われる1930年代の美しきスーツ達へ辿りつきました。   様々な古着を見てきましたし、購入して喜んで着てもいました。 ですが、所詮自分のサイズでは無く、中古であり、、、、 これら美しきスーツを自分のサイズで、自分の手で、 技術で忠実に生み出したいと当時は強く誓ったものです。       そして1950 PATTERNのBUSH JACKETが欲しい、、、、、   リアルな古着は愛用しつつも、自分のフィルターを通し そのリアルに忠実で説得力の頗る高い服を仕立てたい。   サンプリングされる方々の多くは技術者ではありませんので、そ れこそ服を自分で生み出せるオタクなテーラーが復刻したら 如何でしょうか。       構想10年、やっと着手し 新たに生み出します!!       軍服ですからそれなりのタイドアップも似合う訳ですし、 ジーンズなどにも気軽に合わせられます。 天候を気にせず、汚れを気にせず、汗も気にせず 手軽にご家庭で洗濯できてしまう事。 これこそある意味では究極な春夏服でもあるでしょう。               たくさん見て頂いて参りましたが、このBUSH JKは芯で成形もされていませんし、 むしろシャツに近く、ある程度身体に合っていなくても一向に構いません。   だからこそサイズ展開はあれど 大量生産にも向く訳ですね。   便利な内ポケットなどもありません、少しでも薄く、軽く、そして安価に作る事、 これが課され デザインされたこの服のポジションなのです。     自分で仕立てたなら ある意味オフィサー仕様ですね(笑)。     先ずはAIRTEXなる素材、、、、、 そしてサンプル兼 自分用に仕立てて検証、改めて設計(型紙)展開です。   準備は着々と進んでおります。         2022年 BESPOKE TAILORである当店が 初となる既製服を展開致します!!   御共感下さる方々がおられましたら心底お勧めさせて頂きたく、 自信を持って御提案させて頂きます。       デビューは来年春頃です。   皆様、どうか何卒宜しくお願い申し上げます。              

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  • 【 H.S ORDER:N様の御注文 / 10th-ANNIV 】

    2021.12.07 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 H.S ORDER:N様の御注文 / 10th-ANNIV 】

          落ち葉の絨毯、、、、冬景色ですよね。 紅葉も見頃が過ぎ、段々と冬は深くなります。 直ぐにクリスマス、そして年越しとなりますが、どんなご予定がおありでしょうか。   新型ウイルスの影響により、働き方含め 生活スタイルが 随分と変わられてしまった方々も多い事と思います。 通勤がほぼ無くなり、食事含め生活スタイルが大きく変わった事に伴い 御体型にも変化が及ぼされる方々も少なくないでしょう。 太られてしまった方、痩せられた方、そしてジムへ通いトレーニングに勤しまれる方、 最近はサイズ直しのご要望がかなり増えている事からもうかがい知る事が出来ます。             さて、長きに渡り御贔屓を頂戴しておりますN様は外見も内面も全てにおいて 『 NICE GUY 』 という言葉が合い過ぎる素敵な紳士です。   今週はそんなN様よりHOUSE STYLE ORDERにて 最高のスーツをお仕立て頂きましたので御紹介させて頂きます。       N様はジム通いにより、ガッツリとパンプアップされました。 今回はその見事に立体的なお身体に対し、 再補正により新しく型紙を引き直してお仕立てさせて頂きました。 もともと体型バランスも羨ましい程に整っており、もう何を着ても格好良いN様が 今回は MARVEL に出てくるヒーローの様になられ、、、、 もう本当に誂えなければ既製服やパターンオーダーの類では賄いきれぬ逞しいお身体に!               ≪ 10ht-ANNIVERSARY CLOTHS ≫   Taylor & Lodgeへ別注で織って頂きました当店のオリジナルスーチングです。 最高のウール(原毛)である GOLDE BALE で織り上げられた PINHEAD STRIPE をお選び頂きました。   http://dittos.seesaa.net/article/463655660.html 【 10th ANNIVERSARY CLOTHS 】             10th-ANNIVシリーズでは一番人気の生地であり、 僭越ながら私自身も誂えさせて頂いたスーチングです。 お気に入りの超一軍である事は言うまでもありません(笑)。 2反あった生地もそろそろ先が見えております。 ご検討されておられた方々は是非お早目なご相談を頂けましたら幸いで御座います。   http://dittos.seesaa.net/article/468986091.html 【 10th anniv,PINHEAD STRIPE 】   シングルブレストのピークドラペルはお好きですか?                 HOUSE STYLE ORDER でお仕立て頂きました エレガントで クラシックな三つ揃いは、シングルのピークドラペル。 ハンド仕立てによるオプションも加えられ、 H.S ORDER最高スペックにて御用意させて頂きました。             とてもエレガントで綺麗にフィットしております。 写真では分かり辛いのですが、胸板厚く、、、 腕も、肩も筋肉によるボリュームアップにより肩幅も広げる必要があります。 背中も凄いですから!   ただ、スーツは洋服でもあり そもそも欧米人体型に近い程 似合うとも言える訳であり、 確りとサイズが合えばそれこそ魅力的にTAILORED CLOTHINGをお楽しみ頂ける事でしょう。   PINHEAD STRIPE独特のかすれた様な縞柄が薄らと見え、 シャープな印象へと昇華させてくれます。             2-PLEATSのトラウザースはやはりクラシックであり優雅でエレガントです。 今回はブレイシーズも追加にてお求め頂きました。 シャキッとしたストライプのリボンが控えめなスーチングに映えます。           素敵な色味のフルブローグは福田さんの所で! 薄過ぎず濃くない このミディアムグレーのスーチングは、 黒靴だけでは無く この様に茶靴も本当に合いますので、 その お履きになる靴色でVゾーンコーデを考えるのも楽しいですね。           ハイバック仕様で尾錠もお付けになられました。 大殿筋も凄く プリッと引き上がったお尻が格好良く、 デニムなどもお似合いな事でしょう。 平尻な私には羨ましい限りです。           ウエストコートはダブルブレストを御選択です。 シングルの上着に凄く映えるダブルブレスト、 鋼の様な肉体美を優しく包み込みます。         写真では伝わりませんが、とてもベーシックで ごく普通に着こなされているように見えます。 ですが、N様を目の前にすると立体感が凄いですから迫力があります! クラシックで普通に見える様に、、、、人それぞれに体系的個性があっても、 それを尊重しつつ自然でベーシックなクラシックスーツに見える事、 とても重要な事で御座います。           凄く綺麗ですね、UPになると 胸板が感じられるでしょうか!? カットと共に、クセ取りが山谷の起伏を立体的に生み出します。           ご覧下さい、背中の立体感もパンパではありません! 広背筋や僧帽筋、、、腰の括れからの立体的な大殿筋、、、、。   御当日は日が暮れ、天井からの照明による光は 肩甲骨周りのボリュームを屋根に、腰の括れが陰る程です!   スマートなノーベントはエレガントに尻を包みこみます。 正にどの向きから見てもアワーグラスの様な美しきシルエットです。 これはN様の体形がそうであるからに他ならず、 洋服はなぞる様に仕立てられているのです。           近付き、角度を少し変えると立体度合が感じられるでしょうか。   BとWサイズの差寸をドロップ寸といいます。 ここまでドロップ寸の大きな既製服はまず存在しません。 パターンオーダーや簡易なイージーオーダーでも ここまでの型紙は作る事が出来ません。   ですが、当店HOUSE STYLE ORDERであれば 私がやりたい様に型紙を引くBESPOKEとほぼ同等に型紙作製が可能です。 これは大いなるメリットであり、だからこそ忠実にその方へ合わせられるのですね。   しかし、ここまで強弱の激しい線は言い換えれば婦人服の様なものです。 紳士服の縫製工場さんでは この曲線 & ドロップ寸を 理想的に処理する術を持ち合わせません。 現場の皆様はそれぞれ卓越したスペシャリストですが、 TAILORではありませんし ライン生産ですから限界があります。   だからこそ、当店HOUSE STYLE ORDERでは 私自身が『クセ取り2次プレス』を施しているのですね。 N様のスーツもガッツリとクセ取りを施しているからこそ こんなにも立体的で丸く、背中のS字ライン美しく身体に寄り添うのです。   トラウザースではストローの様な直線筒の足をS字に曲げますが、 その技術は至る所で必要であり、このアイロンワークは 線(型紙)を表現するのに必須な技術となります。   縫い上げ、組み立てるだけではTAILOREDとは呼べません。 こういった所が当店HOUSE STYLE ORDERがイージーオーダー範疇でもありつつ、 それ以上でもある所以で御座います。   ですが、忘れてはなりません、、、土台となる正確な型紙、裁断、 そして縫製があるからこそ 私の2次プレスが活きるのであり、 ご協力工場さんには本当に感謝しかありません。         N様、上記 私のうるさき講釈を誠に恐縮で御座います。 立体的で逞しく、美しきボディーだからこそ 分かりやすく技術が垣間見ることが出来ますし、お伝えする事が出来ました。         N様には大変お喜び頂き私自身も嬉しい限りです。   沢山誂えて頂きました素晴らしい服の数々、 トラウザースは随分と一気にサイズ調整をさせて頂きました。 上着も順次調整しますので是非ご持参下さいませ。   ただし、N様には御説明済みですが 今回のスーツは型紙的に一新しているからこその精度であり、 『お直し』という範疇では触れぬ箇所がある事も事実です。 ですが、既製品より縫代スペックも高く 私自身の型紙的補正により 出来る限りバランスを崩す事無く 出来得る最高次元まで持って参ります。       N様、この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。 最近は御出社も少しずつ増えておられるとの事、 誂えられましたスーツやコートを存分にお楽しみ頂けましたら幸いです。               ・・・・・ご連絡が御座います。   当店の誂えシャツにつきまして、 ドレスシャツ地には欠かせぬエジプト綿ですが、中国のウイグル地区で生産される 新疆綿の問題を端に高騰しており、伊:ALBINI社も反映した値上げをされました。 上記に伴い、来年1月1日より 一部同社のシャツ地が値上がりになります事をご報告申し上げます。   もともと英国ブランドであったD.J&AやTHOMAS MASONも 今ではアルビニ社に買収されイタリア製となりますが、 同メーカーのJOURNEYやGOLD LINEは当店でも人気の高いシリーズです。   ドレスシャツは足りておりますでしょうか。 宜しければ年内に御注文を入れておかれます事をお勧め申し上げます。   尚、型紙ホルダーの顧客様方におかれましては メールオーダーでもご注文が可能ですのでお気軽にご連絡頂けましたら幸いです。                 ・・・・・年末年始のご連絡で御座います。   年内最終営業日は 12月27日(月)となります。 年始は 2021年1月5日(水) より通常営業となります。   皆様におかれましては大変ご迷惑をお掛け致しますが、何卒宜しくお願い申し上げます。     ここからはあっという間に日が経ち、気付けば年末を迎えているでしょう。 寒さも増しますし、皆様どうかご自愛下さいませ。 今週もお付き合い頂きまして、誠に恐縮で御座いました。              

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