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Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 H.S ORDER : N様のJACKET 】

    2020.12.01 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 H.S ORDER : N様のJACKET 】

            2020年もいよいよ本日より師走へ突入です。 今年は新型のウイルスにより とんでもない年でもあり、その影響は計り知れません。 一部のお仕事ではリモートワークへ急激なシフトを遂げた事も大きく 、スーツを着用される機会が減ってしまった方々もいらっしゃる事でしょう。     カジュアルなスタイルというのは ある意味では単純なスーツスタイルよりも幅が大変広いので難しいとも言えます。 故にそのカジュアルなスタイルに慣れぬベテラン上司の方々も多いとのお話も良く聞きます。 そもそもカジュアルという言葉、ましてやビジネスカジュアル!? もう私には意味が、、、定義すら分かりません! 装いには相手様への敬意を表すという部分でさえ希薄になり、 それを相手にも強要すらされてしまう事は残念で仕方ありません。 (ネクタイ然りですね。)   誰の為に、何の為にスーツを着て、タイを締めていたのでしょうか。 長きに渡る紳士服の歴史がウイルスのせいで大きく崩れてしまうなんて こんなにも悲しい事はありません。 人間は無い物ねだりですから、スーツから解放されれば逆にスーツスタイルの 良さや意味にも改めて気付く事もあるかもしれませんね。   TAILORED CLOTHING自体が無くなる事はありません。   正し 少なからず淘汰は進むでしょうから消費者目線で考えれば良い事も多々ある筈です。 スーツ含めた使い捨ての洋服などはそろそろ真剣に 見つめ直して考えるべきでもあると考えられます。   しかし、そうは言っても やはりカジュアル化の大いなる波は少なからず御座いますので 比較的にジャケットスタイルの充実化を図られる顧客様が増えているのは事実で御座います。   皆様におかれましては如何でしょうか。           さて、前置きが長くなってしまいましたが 今週は長きに渡り大変御贔屓を頂戴しております N様より、 魅力的なジャケットを誂えて頂きましたので その素晴らしいコレクションを御紹介させて頂きたいと思います。             男前で本当にナイスガイなN様より、2018年の秋冬用に HOUSE STYLE ORDER にてJK & TR を御誂え頂きました。 見るからに柔らかそうな風合いが伝わってくるようですね!           お選び頂きました生地ですが、クラシックなグリーン系のヘリンボーン柄であり、 そのカントリーな雰囲気は一見するとツィードに見えなくもないですね。 しかし 実はあの特別なウール、 ESCORIAL  なのです!   http://dittos.seesaa.net/article/455011187.html 【 ESCORIAL 】         型紙精度も高く、素晴らしいシルエットであり フィッティングです。 ハンドオプションもお付け頂き、 HOUSE STYLE ORDERの最高スペックにてお仕立てさせて頂いております。   そしてもう一つ、 HOUSE STYLE ORDERでも内部芯(キャンバス)をテイストによって変える事ができ、 このジャケットはエスコリアルのソフトな風合いを生かすべく、 薄くて柔らかい芯を選ばれ御仕立てしております。   生地の個性は勿論の事、芯地も柔らかいので 素材の持つその個性を 最大限に引き出させる柔軟性が直接的にリラックスした着心地へと繋がります。   とは言え、アンコンJKの様に全く芯を使わない訳では無いので テーラードたる顔つきは変わる事がありません。         メリハリの効いた男らしい背中、柔軟なエスコロアルが身体を包みます。 エスコリアルの持つ ナチュラルなストレッチ性を存分にご堪能下さいませ。           この年はジャケットがもう一着と、フランネルのトラウザースをお仕立て頂きました。 この発色美しきネイビーブルーのジャケットは、、、、、           泣く子も黙る VINTAGE MOXONより、 カシミアを混紡した 今ではなかなか見受けられぬ ロシアンツイル という織り柄によるジャケッティングとなります。   http://dittos.seesaa.net/article/453049453.html 【 VINTAGE MOXON ② 】         あっ、すみません、、、、。ピンぼけしてしまいました。 こちらのジャケットも 先のエスコリアルと同じ仕様・レベルにてお仕立てさせて頂いており、 柔かなお仕立ては最大限に その表地の個性を引き出します。   リラックスした着心地と雰囲気は ある意味ジャケットならではのポジションとも言えるのではないでしょうか。 大変お気に召して頂き 心より光栄に思っております。             ・・・・・これらのジャケットは2018年AW、 2019年AWはフランネルのスーツを御誂え頂きました。   そして今年の2020年 AW用として、先のMOXONによるネイビーJKを頗る気に入って頂き 今度はダブルブレストにて同じくネイビーJKを!                 ウインザー公の愛用するダブルは4釦の2掛けスタイル。 着こなしとして上釦を留めず、下で留めたロングターンで リラックスしたラフな雰囲気を演出していますね。               HOUSE STYLE ORDER D.B.6B-2 NAVY JACKET   この度もハンドオプションを付けられ、内部芯も柔かな仕様を選ばれました。 クラシックな6釦2掛けスタイルですが、 ウインザー公の様にロングターンでの着こなしもお楽しみ頂けます。   この度のネイビー地も最高なジャケッティングをお選び頂きました。           Taylor & Lodge LUMB’S GOLDEN BALE   http://dittos.seesaa.net/article/476210861.html 【 2020AW-JACKETING 】     最高原毛をソフトに仕上げたダイヤゴナルのジャケッティングです! 発色美しき素晴らしいバランスのネイビー地、 原毛の良さは勝手に品のある光沢感が滲み出て参ります。           よりソフトでファジーなロールを描くラペル、 スポーティーなウエルトステッチがジャケットにお似合いで御座います。           今回も腰のみパッチポケット、袖口には アクセントにと ターンバックカフ をお付けになりました。 このディテールはBESPOKEだけでは無く、HOUSE STYLE ORDERでもお選び頂けますので ご興味のある御方は是非リクエストを頂ければと思います。   このカフの仕立て方で幾つか手法がありますが、 当店の採用するこの一般的な付け方であれば 最悪外す事も可能です。 擦り切れたり飽きてしまわれたら外す事も出来ますのでお気兼ねなくお試し下さいませ!           ・・・・・ではN様がご来店されたようです!!         御当日はジーンズでのご来店です。 デニムにも是非合わせて楽しまれて下さいませ。   しかし、生地の滲み出る美しさ、N様の御体型からなるエレガントなシルエット、、、 勿論 ご協力工場さんの腕あってこそながら 間違い無く最高のD.B.JACKETとなりました。   私も真似したい、、、、惚れてしまいそうです(笑)。   どうかこの冬は これら素晴らしいジャケット達を満遍なくご愛用頂き、 トラウザースからインナーまで様々な着こなしを楽しまれて下さいませ。   N様、この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。             ・・・・・如何でしたでしょうか。 HOUSE STYLE ORDERでの高い可能性と共に、 ODD JACKETの魅力が少しでも皆様へ伝わりましたら何よりの幸いで御座います。   今年も残り1か月、ご健康に気をつけ 最後まで気を引き締めて頑張って参りましょう。 今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。             ・・・・・年末・年始のお知らせで御座います。   年内は、12月28日(月)が最終営業日となります。 年始は、1月4日(月)より営業させて頂きます。   皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。        

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  • 【 日本製の生地 】

    2020.11.24 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 日本製の生地 】

      皆様、こんにちは。 好天に恵まれた三連休は如何お過ごしでしたでしょうか。 恐縮ながら先ずはお詫びをさせて下さい。       先週の火曜日、予定通りのBLOG更新がされておりませんでした。 告知せずに休んだ事は このBLOGを始めてから初の事であり、 実は当店顧客様がご心配の連絡を下さり知る事となました。 お恥ずかしい話ですが、私が単純に勘違いをしていたのです、、、。   当店BLOGを毎週楽しみにして下さる方々に対し、誠に申し訳なく無駄なご心配まで お掛け致しまして 心よりのお詫びを申し上げます。 一日が、一週間が経つのが本当に早く、このご時世におき 忙しくさせて頂いている事には本当に感謝してもしきれません。 支えて下さる方々の為にも自分で掲げたルールは守らなければ成りません。 (油断していたとはいえ、無断欠勤してしまったのと同じ気持ちです、、、。)   また心を引き締め、皆様にご興味頂ける様なBLOGを書いて参りますので どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・               では、改めまして今週の話題に移りたいと思います。 今週のキーワードは【 MADE IN JAPAN 】です。         日本一の毛織物産地である『尾州産地』、皆様は耳にされた事があるでしょうか。 尾州産地は木曽川流域の豊かな自然環境に恵まれ、 昔から織物生産が盛んに行われてきた地域であり、 歴史を辿れば何と奈良時代まで遡るのだそうです。   その尾州で最も古い歴史を持つ毛織物メーカーの生地を御紹介させて頂きたいと思います。             【 中外国島株式会社 】 (近々にはKUNISHIMAと社名変更されるそうです。)   ペリー来航の3年前となる嘉永3年(1850年)国島武右衛門さんにより創業されました。 私が大変お世話になっている英国:Taylor&Lodge社が1883年創業ですから、 更に古き歴史のあるミル(機屋:はたや=織元工場)なのです。   日本の技術力の高さは言わずとも皆様の知る所です。 国内は勿論、海外からの評価は頗る高く 欧州の誰もが知る様な超高級メゾン等の生地も織っています。 これは案外有名なお話ですよね。 (生地は紳士物に限らず、婦人物服地も織り上げます。)     ミルは反物での単位がメインとなる商売となりますので、 国内での主な取り引き先は当然大手のアパレルメーカーや量販店、 チェーン展開されている様なイージーオーダー店などが主となります。 しかし、時代の流れと共に小ロット生産や、オリジナルファブリックを展開し 小規模なTAILOR等へも販路を広げつつあります。     当店におき 開店当時には国産生地を一部扱っていましたが、 早々に取り扱いを止める事になりました。 答えは単純です、、、ゼロでは無いものの、殆ど選ばれないからです。   また、国内ミルの腕が良いのは知っていながらも やはり洋装の歴史浅き日本人のミルが企画する色柄に関しても魅力を感じる事は少なく、 本当に素晴らしい生地は国産でも沢山ありますが インポートと同等レベルの価格帯になってきますので苦戦するのは明白です。   ですが、、、国内の様々なミルも本気を出してきておりますし、 自信をもって自分達を売りに走り出しております。   では、私が純粋に魅力を感じて仕入れた素晴らしい生地をご覧頂きましょう!         極ベーシックなネイビーのツイルです。 これは触らないと魅力が全く伝わらないのですが、、、 この美しき色味、陰影から見受けられる質の高さは見ればお分りの事と思います!   先ず 驚いて下さい(笑)。 私が興味を示さぬ高番手ものの生地なのですが、 これは何と SUPER 180という超極細原毛を使って織り上げられた生地なのです。   高番手のスーチングは繊細糸なので往々にしてウエイトも軽く、皺にもなる上に耐久性も低い。 艶やかで滑らかなタッチとは裏腹に、 実用的とは言い難いのが特徴であり 大変贅沢でもあります。 ですが、この生地の魅力は 真逆をつき、 天邪鬼でSUPER 180らしくない生地を念頭に作り上げたとの事です。           ● 超高番手にも関わらず、 梳毛(ウーステッド:一般的なサラッとしたスーチング)では無く、 紡毛(ウーレン:フランネルやツィード等の類)で太い糸に敢えて作り出し、 生地にボリューム感を持たせたのです。 これは言い換えると、新鮮で正に刺身で食べるべき鮮魚を 敢えて煮たり焼いたりと調理する事に近いでしょう!   ● もちろん 経糸・緯糸共に双子使いで出来る限り高密度に織り上げています。 縦の安定感とは裏腹に、横方向へはエスコリアルの様なストレッチ性もあり 柔軟で動きやすさにも直結する事でしょう。   ● SUPER表記はあまり好きではありませんが、 カシミアをSUPER換算すると160~210になるそうです。 この180の極細原毛は、極上な一部のカシミア以外には負けぬ細さでもあり、 それはもう自ずと品のある艶が出て参りますし、肌触りは正にカシミアの様です、、、、。   ● ウエイトは 390g、秋冬地です。 スーツやジャケット、そして軽めなコートまで対応出来ます。 仕入れたこの色味は正に NAVY JACKETにお勧めしたく仕入れました。         個性的で魅力的な生地です。 織糸が太いので綾目も立体的ながら、大変綺麗で発色の良いネイビー 実は経糸にブラック系、緯糸にロイヤルネイビー系の色目で配色にしている事も特徴です。 こうすると 織地にメリハリと立体感が生まれ、色味に深さ(奥行)が出るのです。   素晴らしいダイヤゴナルですね! 天邪鬼が高番手もののデメリットを多分に克服しつつ、メリットの部分は残ります。 これは自信をもってお勧めさせて頂きたい生地です。         ・・・・・では、その他のコレクションを見てみましょう。 大判の豪勢なBOX入りです!           開けてみると、、、、見慣れませんね! これ、とても斬新です!           取り出すと、一つ一つのサンプルが大きな生地見本となっており 大変見やすくなっていますね! バンチブックでは生地を引きはがせませんので、 候補を独立してピックアップする事も出来ますし、 このサイズであれば身体に当ててのイメージもつかみやすいでしょう。 勿論生地の持つ感触や魅力はバンチブックの何倍も感じられます。   お客様ファーストな見せ方であり とても斬新で素晴らしいアイディアです。 (その分メーカーさん側はコストが掛かっている事になります。熱意の表れですね。)           ソリッドだけでも豊富なカラーバリエーション! ブラックからチャコールグレー、ダークネイビーと共に絶妙なブルーグレー等も含まれます。           ソリッドだけでは無く、クラシックな格子などの織り柄も揃います。 ウインドーペーン柄を重ねないグレンチェック、渋くて良いですね、、、 お探しに成られている顧客様もおりますので こちら、お勧めで御座います!   このBOXには SUPER 180のバリエーションと、 180以外のレベル高きコレクションが内蔵されております。         ・・・・・同社には 通常のバンチブック形態も御座います。             春夏地から3シーズン物が主体となる極ベーシックで定番的な生地達で御座います。 国産ミルの大いなるメリット、 これは国内ですから発注が早ければ明日には届きますので インポートと比べものに成らぬ速さがあります。 また、海外メーカーからであれば送料や手数料などと共に、 中間業者さんもいないのでミルと直接取引=その分リーズナブルとなりますから、 お値段に対し純粋な品質を手に入れる事が出来ると言えます。   質を見れば大変リーズナブルな事も大いなるメリットなコレクションです。           ・・・・・最後にこんな取り組みも御紹介致しましょう。     北海道と言えばジンギスカンが有名ですね! 大自然の中、羊たちは美味しいラム肉を育んでくれております。 その多くは主に食肉用として飼育されておりますので、 羊君たちの羊毛は何と殆どが捨てられていたそうです。   良い意味でここに着目し、何と純国産のTWEEDを作り出したそうです。 (企画の詳しくは写真を拡大されてみて下さい!)   これはかなり凄い事だと思います。 やっと見本帳も出来た様なので、その内に届く事でしょう。 日本の羊飼いさん達の事も応援出来ます!           ・・・・・以上となります。 同社はかなり古い旧型織機も丁寧にメンテナンスしながら使い続けつつ、 時には現行の織機も使いながら技術と機械を使い分け、 クライアントの為に最高のパフォーマンスを届けます。   例えば 国産のデニムなどは最早世界一の拘りを見せつけ 既に世界を圧巻しています。   国産の生地は灯台下暗し的な部分も否めませんでしたが、 今後の更なる発展も期待しつつ皆様にも是非ご覧頂けましたら幸いです。 良い物は良ですから 目の肥えられた皆様にもきっとご納得頂ける事と思います。     では、いよいよ11月も終わりが近付いて参りました。 何かと御多用の事とは思いますが、どうかご体調には十分にお気をつけ下さいませ。   どうも有難う御座いました。 また来週も宜しくお願い申し上げます。            

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