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生地に付いて

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 BLAZER ① 】

    2021.03.02 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 BLAZER ① 】

        早くも3月に入りました。 今年の東京における桜の開花予想は 3月17日 との事。 卒業式まではギリギリもちますでしょうか。   もう春は目の前ですね。               Henley Royal Regatta   1839年に発足したレガッタ大会(複数人により漕ぐボート競技)であり、 イングランドにおける初夏の風物詩として あのテムズ川上流で開催されています。 この大会にはイギリスを中心とした世界各国のレガッタチームが 多数参加して対抗戦が展開されており、同国においてはウィンブルドン(テニス)、 ロイヤルアスコット(競馬)、全英オープン(ゴルフ)などと並び 夏の社交界、 スポーツ界最大級のイベントとともされております。         スポーツコート(ジャケット)という大きな括りの中に シングルブレストのブレザーも含まれます。 日本では『紺ブレ』のイメージ強きそのブレザーですが、 実はシングルとダブルとでは起源が異なります。   シングルブレストのブレザーを掘り下げた場合、 その起源は様々なカレッジスポーツから来ているとされています。 多岐に渡るクラブスポーツにはそれぞれのクラブジャケット(コート)が御座います。 テニス、クリケット、ボート、、、、挙げれば本当に沢山あります。   ブレザーはそもそも制服(この意ではシングルもダブルも同じですね)でもあり、 自身の属する学校や組織、チームやクラブの紋章を模ったエンブレムを付けたり、 スクールカラーを取り入れて上着(ユニフォーム)を作って参りました。 これはカラフルなレジメンタル タイの色柄に同じく、 スクールマフラー等でも見受ける事が出来ます。 (レジメンタル タイと言えば縞柄を想像する事と思いますが、 実は無地のレジメンタルタイも御座います。それこそレジメンタルの意という事になります。)         上記のヘンリーレガッタでは、様々なカレッジが参加し鎬を削り合います。 この時に各チームではそれぞれが一目でわかる様なある意味派手なストライプや、 カラーブレザーにパイピングを施し、胸のパッチポケットや釦には それぞれのエンブレムが付けられています。       今回は スポーツコート(ジャケット)> ブレザー > 【 ローイグブレザー(ROWING BLAZER)】にスポットを当ててみます。               1913年 オックスフォード大学のクルー。 ざっくばらんに歩いておりますが 、皆さん揃えたように右足で、、、。 歩調からもチームの息がピッタリですね!           1932年 オックスフォードのチーム。 エレガントなユニフォーム姿、、、制服の持つ魅力です。 カンカン帽(ボーター)にホワイトトラウザースはマストですね。           1921年 オックスフォード大学とケンブリッジ大学の 各クラブユニフォームがブレザーを含めて載っています。 ROWING(ボート)だけでは無く、ラグビーやボクシングなどもありますね。   この様に ブレザーはユニフォームでもありますし、どこの大学、チームなど 一目で直ぐに分かる様なカラーやディテールを携えられたブレザーとなります。           1957年 ローイングブレザーにボーターを被りレガッタ観戦です。       では現代でのストライプやパイピングのボーディングレザーを見てみましょう。                             ブレザーにはメタル釦や貝釦などが付けられますが、 それぞれのクラブによるオリジナルの釦もある訳です。           さて、ここまでが前置きです。 今週は素敵な生地を御紹介致しますが、 単に見た目だけでの表層的でファッション的な捉え方をされぬ為に この度の企画生地に繋がる歴史と意図を知る必要があった訳で御座います。       【 FOX BROTHERS & CO.】         夏の風物詩 ヘンリーレガッタやウィンブルドンなどの スポーツ観戦の場でも品位ある装いが求められる英国でもあります。 スポーティングストライプのブレザーを持つ事は『紳士の嗜み』だとも、、、。 同社 ダグラス社長の想いが詰まった魅力的なブレザー地です。   これでも見る御方によっては十分に派手に見えるかも知れませんが、 ネイビーとロイヤルブルーでの2トーンカラーですから使いやすく涼しげでもあり、 落ち着きと上品感を醸し出しております。   また、特筆すべきは春夏用にタウンやリゾートでの御着用を加味し リネン混紡での御用意です。     51% WOOL 49% LINEN ABOUT 245g       これは清涼感もあり、涼しく快適間違いなしですね。               ダグラス社長 自らも御誂え、一番伝わり易く分かり易いです。 そもそも御本人が格好良く素敵ですから、、、様になりますね。               正にエレガント! スペクテーターウェアとして、そして普段使いにも 是非 こんな洗礼されたブレザーは如何でしょうか。   やはりホワイト(クリーム)のトラウザースを合わせたい所。 春夏ですからコットンやリネン等で仕立てても良いですね。   ブルー系ですのでゴールドのメタル釦が映えます。         なんと オリジナル釦も作っちゃいましたよ! この釦は別途有料注文となりますが、 お気に召して頂けましたら勿論お選び頂けます。   その他のメタル釦でも良いですし、 少々控えめであればシェル釦もかなり様になり 春夏らしさが出ますので是非お勧めで御座います。           ・・・・・如何でしたでしょうか。 先週のミリタリーウエアや今週のカレッジスポーツなど 様々な英国の歴史ある装いが一般にも広がって参りました。   そんな起源にも思いを馳せつつ、素敵なスタイルをお楽しみ頂けましたら幸いです。   来週は引き続き FOX社より、ブレザーにお勧めの第2弾を御紹介させて頂きます。       では、今週もお付き合い頂きまして誠に有難う御座いました。          

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  • 【 秘めたる NAVY SUITING 】

    2021.02.09 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 秘めたる NAVY SUITING 】

          皆様、こんにちは。   当店では現在 HOUSE STYLE ORDER 限定による 【 早期受注キャンペーン 】を開催中で御座います。   顧客様方を始め、この機会にと御新規様との御縁も多く頂戴致しまして 誠に光栄であると共に、心よりのお礼を申し上げます。 どうか楽しみにお仕立て上がりをお待ち下さいませ。   このキャンペーンは 2月19日(金)までの開催となりますので 宜しければ是非この御機会を有効利用して頂けましたら幸いで御座います。           さて、店頭の生地やディスプレーも春夏用の生地へと入れ替えました。 毎年ながら この時期は見るだけで寒々しくなりますが、、、 誂え服は既製服と違い 仕立てる時間が必要となりますので、 ポカポカした小春日和をイメージしつつ どうかお気軽に遊びにいらして頂ければと思います。       では前回に引き続き 今週も素晴らしい春夏用のスーチングより、 ベーシックなネイビー地を御紹介させて頂きます。         私は仕事柄、皆様の何倍も生地との出会いや巡り合いが御座います。 メーカーさんの新作生地とは別に、出物生地の類は前触れも無く突然訪れます。   凄い子、珍しい子、賢い子、丈夫な子、 古株な子、個性強き子、、、キリがありません。 皆それぞれに魅力を備え、私とのお見合いがある訳です。   そんな折、極稀に驚くような子に出会う事も多々御座います。     例えばベーシックで当たり前なスーチングの代表格、 ネイビーの無地という範疇だけでも どれだけの種類があるのか定かではありません。 『 能ある鷹は爪を隠す 』という故事がありますが、正にそんな子がおります。   大抵は残量も少なく、レベルや品質、希少価値などを 度外視したお値段であったりもする訳ですね。 目の肥えた顧客様方のもとへと直ぐに嫁ぎ先が決まりますので、 当BLOGで御紹介する暇なく完売してしまった生地は数多く存在します。 (今週は2種御紹介致しますが、本当は3種ありました。 既に1種は御紹介を待たずに完売となりました。)   今週御紹介の生地も残量は少なく、 是非現物を直に見て、感じて頂きたい逸品となります。         ・・・・・無地のネイビースーツ、 当店でも一番需要の高いスーツであり、スーチングとなります。 色の主張も無し、柄の主張の無し、 極シンプルでベーシックだからこその意味と価値があります。   シンプルの極致であるが故に この類は誤魔化しの効かぬ『質』が自ずと滲み出るというものです。 そして 今週御紹介する こういう子達は本当に優等生であり、 裁ち鋏で切っていても心地良く、縫っても縫いやすく、 クセ取りなどコテを当てれば往々にして意図通りになってくれます。   肌触りが最高なのは勿論言うまでも有りません。 ドレープも美しく出るでしょう、滲み出る品も携え、 最高の生地は最高のスーツとなって嫁いで参ります。   ただし、こういう子達こそ 写真では その個性ある魅力を伝える事が出来ません。 見て、触って、感じて頂かなければ 分からないでしょう。 ご興味の無い方々から見れば、ネイビースーツとは 色がネイビーであれば良いかも知れません。   私が修行時代、そのお店の顧客様にネイビーのスーツだけで 100着以上お持ちの方が居られました。 同じ類を何着も、、、この御方の価値観が分かるというものであり、 ある意味ではスティーブ・ジョブス氏の意図的な 装いに対する価値観に共通する部分もありますね。 同時にそれだけ同じ類の中だとしても季節物含め、織りや仕上げ風味、 ネイビー範疇内での色味の差や混紡物など それぞれの個性的違いをも尊重されていた事でしょう。         今週御紹介する2種の生地達は、地味で控えめ、 主張も無く、大変おとなしい子達です。 だからこそ、過保護な私の言葉で後押しを、、、、、。   では、散々御託を並べた所で じっくりとご覧下さいませ。             【 HENRY LESSER & SONS 】 LUMB’S GOLDEN BALE 100%:WOOL 240g     この黒と赤のツートンカラー、名門H.Lesserですね。 しかも GOLDEN BALE です。 勝ち組なエリート集団で御座います。   最高原毛である GOLDEN BALE を使用した生地をコレクションしているマーチャントは 私の知る限り唯一 H.Lesser のみであり、 秋冬のフラノ地からご覧の様な春夏用のトロピカルまで全ての季節を網羅しています。   言うまでも無く最高の生地です、その代わり高額です! H.Lesserの生地は往々にして高額な生地商ですが、 その値段分の説得力(品質)は兼ね備えております。   センターのマーク、これはGOLDEN BALEの賞に授与されたであろう メダルに刻印されたG.BALEのシンボルマークであり、 このネーム自体もG.BALEの生地専用に作られている織ネームとなります。                     陰影美しき海原の様なネイビーブルー。 春夏らしく 青味の確りしたネイビー地と言えます。   トロリとしながら 滑らかでもあり、本当にサラサラしています。 GOLDEN BALEの原毛を強撚糸にして弾力のあるハリ・コシを持たせ、 皺にも強くしてあります。 平織で織られたトロピカルは通気性に優れ、正に春夏用スーチングの代表選手と言えます。 その代表選手団の中で更にトップに君臨していると言えるでしょう。         やや明るめなネイビーは春夏だからこそ映える訳です。 この生地のシリーズは現行でも織り続けられておりますが、この色はありません。 多分 廃盤色であるが故にお安く出物として巡り合ったという事かも知れません。   この絶好たる機会をお見逃し無き様 ! ネイビースーツはいつも時代でも、いつの季節でも欠かせぬ存在です。 その欠かせぬ相棒を最高の食材でお仕立てされてみては如何でしょうか。   スーツの御着用機会が減った方であれば、 尚更 着る機会の折には口角も上がる相棒を。 間違い無く 心底お勧めで御座います。           【 Taylor & Lodge 】 SUMMER KID MOHAIR & SUPERFINE WORSTED 60%:KID MOHAIR 40%:WOOL 280g   これまた顔立ち美しき綺麗なダークネイビーです。 やはり春夏用のスーチングには欠かせぬ最早定番の地位に君臨する KMメインとなる生地で御座います。   この6:4比率は長年に渡り実績高き黄金比率なのでしょう。 勿論混率自体の違いや、様々に他獣毛をブレンドされたりと バリエーション豊かな展開はされています。   ウエイトが280g、、、、   ここに目がいった御方はかなり生地好きかお詳しい御方でしょう。 昨今の同テイスト生地ではもっと軽いですね! 後程その秘密に触れて参ります。           とても深きダークなネイビー地であり、大変エレガントです。 モヘアの特徴たる光沢感とシャリ感は独特な魅力があります。   ヒヤッとした質感は暑い日にも重宝しますよね。 このシリーズも有りがちな生地である事は言うまでも有りません。 こちらも競技人口多きメジャースポーツの選手とも言えましょう。   では何故にこの子が特別なのか、、、、 実は結構な古株の選手なのです。         『 FLIER SPUN 』   わざわざ特別に表記されている、コレです、、、、、。 一昔前、OIL SPUNという糸で織られた生地は最高に素晴らしく、一世を風靡しました。 もう見る事は無くなってしまった生地種であり、糸でもあります。   羊毛や綿花、亜麻などの繊維自体は糸(YARN)に出来る程 長くはありません。 YARNにする為に 短繊維を揃え、引き延ばして撚りを掛け繋げます。 SPUNとは繊維の束を螺旋状にする(撚る)事でもあり、紡績工程としての可撚です。   織元工場(例えばT&L社など)は上記 織糸となった物を織機に掛け生地に織り上げます。 この生地の最大たる特徴は その織糸にあり、 それをT&Lが上手く生地に織り上げたという事になります。     詳しく語ると終わらないので割愛しますが、 要は昔ながらの製法で時間が掛かり不効率極める製造工程による糸であると思って下さい。 要は VINTAGE の風味や良さを最大限に再現された生地です。   今ではどこにでもコンピューターが入り、革新された機械類が導入され、 人の手を煩わせる事無くスピーディーに効率良く何もかもが生産されて参ります。 近代化による機械類の進歩はすさまじく、この波は少なからず織物産業にも言える事です。 これらを優先するあまり、羊毛本来の特質を減少させてしまう事は 残念ながら否めぬ所でもあります。   現代社会においてみれば、全てが早くなり、大いなるメリットも享受しつつ、 失ってしまう物・事が多い事を考えなければ成りませんね。   同じ6:4比率の同種 VINTAGEであるドーメルの名品 『 Super Brio 』は リアルにという意味では既に再現できません。   http://dittos.seesaa.net/article/467770520.html 【 SUPER BRIO】     今回のT&Lの生地は Super Brio 程に古い訳ではありません。 しかし、その古き良き風合いを求め 再現すべく 手間のかかった糸造りから攻めた生地という事になり、 この糸造りがVINTAGE:Super Brioの様なウエイトにもなっているのです。 (上記リンクのページより、古き良さをご確認下さいませ。)   マニアックですが、良い意味で昔ながらのソフトでふっくらとした 柔軟なウーステッドヤーンをキッドモヘアとブレンドしております。             こんな話こそマニアック過ぎて興味の無い方にとっては無意味でもあります。 しかし、少しでも良い生地を織り上げるべく 努力し、 工夫してきた織物業に携わる男のロマンと歴史が詰まっているのです!           因みに、上記ご説明させて頂いたフライヤースパンを作り出すべく 『 フライヤー精紡機:Flyer Spinning Machine 』は残念ながら 既に稼働中のマシーンはどこにも無く、英国はベッドフォードにある博物館に 唯一 一台のみ展示現存されているとの事です。   Super Brio同様に残念ながら既に手に入らぬ逸品になってしまったという事です。 手間暇かかって具現化された生地であり、ボチボチ古い生地でもあります。   当時は良いお値段だったそうですが、、、、最後の残りが当店にあります。 この生地はストーリーを聞かなければ ただの若干厚め!?な KM混のネイビースーチングです。   この子の生い立ちを、個性を御共感下さるお客様のもとへ嫁げます様に願いを込めて、、、、。           如何でしたでしょうか。 御紹介した 2種のネイビースーチングです。 上がH.Lesser、下がT&Lとなります。 色の比較にと ご参考になりましたら幸いです。     縁があり、私が見染め 当店にあります。 お店に並んでいれば 単にネイビー無地の生地です。   ですが、最高の逸材であり食材です。   当店では2種の調理法を御用意しております。 最高の食材は最高の調理と料理人の腕をもって初めて美味しい料理となります。   各ステージにおき、最高のスーツへと私が昇華させます。   この『 隠されている爪 』を御自身の目で確かめに、 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。     今週も最後までお付き合い下さりまして誠に有難う御座いました。 皆様とお会い出来る日を心よりお待ち申し上げております。            

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