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生地に付いて

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 2020.SS – SHIRTING 】

    2020.03.17 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 2020.SS - SHIRTING 】

        暖冬であったこの冬、 先週には東京でも一時的に雪が降りましたね。 同じくして桜の開花宣言も、、、。 急に真冬へ戻ったような寒さにも驚き、やはり春は油断出来ません。   皆様もご体調にはお気をつけ下さいませ。         スポーティーで上品なリゾートスタイルです。 素材もコットンやリネン等の植物繊維ものが大活躍でしょう。 マドラスチェックのシャツはワードローブの中に 是非とも加えておきたいアイテムですね。           さて、3月も後半に入り 2020年 春夏用シャツ地のシーズンファブリックが届いております。 今期も見応えがあり、素晴らしい生地が揃っております。   当店お誂えシャツのご注文は 現在受注を一時的にお受け出来ませんが、 新たにご協力下さるシャツ工場さんとの準備も着々と進行しております。   そろそろ受注再開の目途が立って参りましたので、生地だけでもいち早く御紹介させて頂き 迎える春夏への妄想を膨らませて頂けましたら幸いです。   では早速ご覧頂きますが、 無地含めクラシックな色柄、品質の高い物などそれぞれに揃います。 それは前提の上で 私個人が勝手に楽しみ、 そしてお勧め・お見せさせて頂きたいシャツ地をピックアップしております。 御紹介させて頂く生地は一部に過ぎず、まだまだ沢山御座います!   是非お楽しみ頂けましたら幸いです。             伊:ALBINI 白のドビー織機による多彩な織り柄の共演です。 どれもこれも本当に綺麗であり、光の陰影で織り柄も大変引き立ちます。 70番や80番の単糸を使い、やや薄く柔らかく仕上げております。 一番右下側の斜線に見える柄(実は升柄)などは 経糸・緯糸共に80番双子と100番双子を織り交ぜる事により升柄の強弱を表現しています。 今はこんな事も出来るのですね、、、。           伊:THOMAS MASON 細めの糸を使ったOXFORDのシリーズであり、 これも豊富なソリッドカラーのバリエーションと共に、 発色の綺麗でクラシックなストライプです。 程好くスポーティーでありつつ、小奇麗なこのOXFORDは 汗も良く吸い とても着心地が良さそうです!           伊:THOMAS MASON とても英国ライクで『らしさ』溢れるストライプです。 ALBINIが同社を買収したのは こういったアーカイブに眠るコレクションが欲しかったのであろうと思わせますね。 ベースがEND ON END(刷毛目)であり、それがまた良い。           伊:ALBINI クラシックなグラフチェックの御紹介です。 本来ではややスポーティーな格子柄ではありますが、 このグラフチェックはビジネス用ドレスシャツとして御着用頂けるデザインとなります。 几帳面さが滲み出るようでもあり、 デザインや設計を生業とされる方々におかれましては こういった方眼紙は見慣れた柄でもありますね。 誇張し過ぎぬ柄でありつつ、薄地の綾織ゆえ ほんのりと光沢感も踏まえ とても上品です。           伊:MONTI 強烈なキャンディーストライプの登場です。 目が覚めるようですね! 英:RINGHARTのコレクションにも多分に含まれておりますが、 サイケな着こなしには欠かせぬ存在となる事でしょう。           墺:GETZNER スラブ糸を使ったコットン:100%で通気性も良く、涼し気な生地です。 ややザックリ目でスポーツスーツやジャケットスタイル等にお似合いであり、 ノータイでのスポーツシャツ用となります。 本当に淡い色は見る側も 着る側も爽やかな清涼感を感じられる事でしょう。           伊:MONTI 南国の鳥さんプリントです。 ベースがシボシボとシアサッカー地の様になっています。 こんなに起伏があっても綺麗にプリント出来るのですね。           伊:LEGGIUNO 同社はプリントシャツ地には欠かせぬメーカーであり、 毎回多彩なコレクションで目を楽しませてくれます。 なんと、、、馬術競技の柄もありますね。           伊:LEGGIUNO キャンディーストライプのベースに、カラフルなカモメさん、ヨット、そして灯台! 何と、この縞柄もプリントです!           伊:LEGGIUNO イルカ君!? グラン・ブルー!? かと思いきや、、、 何とシャーク君、、、、、 色柄による涼しさと共に、サメの大軍を身に纏う 違った涼しさも味わって頂きましょう!           伊:LEGGIUNO 『Hey,TAXI !! 』 こんなに来られても 乗れるのは一台だけだよ、、、。 これ、シンプルで可愛いですね! 所々にイエローが効いています。           伊:LEGGIUNO 人体標本、、、理科室!? でもスーツケース、、、 マジマジと見つめ考えました。 あっ、『 X線透視 』による写真を集めた柄ですの!? マニアック過ぎです(汗)。           伊:CANCLINI これは爽やかで珍しい リネン混棒のOXFORDですね。 57%:COTTON  43%:LINEN となります。 リネンの程良いハリもあり、大変気持ちが良さそうな生地です。           伊:MONTI 62%:COTTON  38%:LINEN 6割がコットンですから色味によっては ビジネスシャツとしてもお使い頂ける涼しき生地です。 発色も良く、多彩な色バリエーションです。 イタリアらしい色もあり、カプリ島でも行きたくなりますね!           伊:GRANDI&RUBINELLI  伊:TESTA 65%:COTTON  35%:LINEN 盛夏を含むドレスシャツ地として、このシリーズは欠かせません。 クラシックなストライプのシリーズは今回も必見です。           土:SOKTAS  瑞:WEBA (SOKTAS)66%:COTTON  34%:LINEN (WEBA) 70%:COTTON  30%:LINEN 綺麗な色味のロンストと、白縞を強調した爽やかなストライプ。 それぞれにリネン混で涼しさと爽やかさをご堪能下さいませ。           伊:ALBINI 100% リネンのシャツ地、ソリッドシリーズです。 流石は大手ALBINI社ゆえのカラーバリエーションと言えます。 これは夏の定番ですね。           伊:ALBINI 上記に同じシリーズであり、一枚の写真では収まらぬ程の展開です。 こんなにも綺麗な色味まで揃います。           伊:ALBINI 待っていました!! 待望のリネンによるマドラスチェックが 今期はかなり久しぶりに加わりました。 言うまでも無く 春夏には欠かせぬ格子柄でもあり、 コットンも良いですが やはりリネンで着たいですよね! 大変お勧めです。           伊:LEGGIUNO 同社のプリント地はリネンでも多彩に展開されています。 毎度感心する程に様々なデザインを考えてきますね!   リネンプリントシリーズだけでも まだまだ沢山御座います。             ・・・・・如何でしたでしょうか。 着たいと思うシャツ地は御座いましたでしょうか。 この度 シャツ生地のみ先に御紹介させて頂きました。 しかし、まだシャツとしての御代金設定には至っておりませんので 価格についてお応えするにはもう少しお時間を下さい。   ただ、これらシーズンファブリックの類は 多くの種が品切れ=終了となる生地が多く、 人気の高い生地ほど『 もう品切れ!?』という事も有り得ます。   皆様におかれまして、もし『 これは是非作りたい!』との生地が御座いましたら 予め確保も致しますのでお気軽にご相談頂ければと思います。     型紙ホルダーの顧客様におかれましては、当然今まで通りメールオーダーも喜んで承ります。 また進捗状況も当BLOGにてご連絡させて頂きますので、 受注リスタートまで引き続き宜しくお願い申し上げます。           ・・・・・誠に恐縮ながら次週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。   次回は 3月31日(火)を予定しております。 改めて宜しくお願い申し上げます。   今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。                

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  • 【 SPENCE BRYSON 】

    2020.03.10 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 SPENCE BRYSON 】

        春分の日も間近に控え、 そろそろ春の装いが恋しくなる時期でもありましょうか。 今年は暖冬のせいもあり、桜の開花が観測史上 最も早い開花になるであろうと予想されています。   さて、春夏には欠かせぬ素材(生地)を念頭におけば リネンを抜きには語れません。 今週は早々にリネンの御紹介をさせて頂きたいと思います。           SPENCE BRYSON   1891年創業 アイルランドの老舗ミルです。 リネンを語る上では欠かせぬメーカーであり、 アイルランド産 IRISH LINEN は不動の地位を築いております。 品質の高さは言うまでも無く、シャツ地やチーフ類(当店にも御座います)などの薄地から、 勿論スーチング、インテリアに至るまで 様々に最高級のリネンを供給しております。           昨今展開される沢山のシリーズの中で、古よりエレガントな紳士達がこよなく愛した 不朽の定番シリーズでもある “TROPICAL” というスーチングがあり、 これはウエイトが約370gあります。   上品で緩やかな表情を醸し出し、コシのある確りとした織りで知られるこのシリーズは 着皺の迫力もあり、丈夫な生地でもあります。 まだ洋服が新しい頃は このコシが強い為にゴワゴワと感じられるかも知れません。   しかし、リネンは着込めば着込む程に柔らかくなって味わいが増すばかりです。 独特の着皺も革靴に同じく、エイジングも楽しめる最高の生地です。     ただし、、、このTROPICALですが、夏は暑い! ウエイトだけでみれば秋冬地レベルのウエイトであり、 放熱効果高きリネンと言えども 高温・多湿な日本の盛夏には厳しい事は否めません。   故に春と秋がメインでの着用となるでしょう。   スーツだけでは無く、上着やトラウザース、ウエストコートなどの 単品仕立てでも良いですし、スプリングコートに料理しても素敵ですね。   皺の入り方も堂々としてリネンらしく、このウエイトながらの魅力を享受する事が出来ます。 IRISH LINEN の代表的な顔である事は間違いありませんね。           当BLOGでも以前に御紹介させて頂きました S様の上着です。 お気に召して頂き、後日にはWCとTRを誂え足し 都合三つ揃えとされました。 色味も使いやすく、仕上げプレス仕立ての新品らしき綺麗なジャケット、 今ではS様の御着用により 随分と味わいを増した素晴らしい雰囲気を醸し出している事でしょう。   S様、今年もそろそろ御着用シーズンで御座います!         このシリーズは様々なマーチャントでも扱われておりますが、 同社のストックでもこれだけのカラーバリエーションを揃えております。 タバコブラウンも素敵ですね! 昔ながらのリネンに思いを馳せるのであれば、 是非こちらのシリーズをお試し頂ければと思います。             さて、先のシリーズ(TROPICAL)は 約370gです。 良さは分かっても もう少し涼しく、かつIRISH LINENらしさを味わいたい御方へ。     御座います! W.Bill よりの仕入れでしたが、ヘリンボーン柄で淡くスモーキーな色味も魅力な 300gというシリーズがあります。           同じく当BLOGにて御紹介させて頂きました U様よりのご注文です。 エレガントに三つ揃いを着こみ、ポーズも正にモデル級で御座います! リネンの魅力に溢れ、清涼感のあるスーツの御姿が本当にエレガントで素敵です。   このウエイトであれば まだ春夏用と言って良いでしょう。 スーツでのお仕立てであれば、盛夏はそれぞれ単品でのコーディネイトもご堪能頂けますね。   リネンらしい皺、、、同じ植物繊維であるコットンとも違う独自の雰囲気を奏でます。           このシリーズも 実は、いや、当然ながら SPENCE BRYSON が織元で御座います。 これだけの色バリエーションが揃いますので、 皆様であれば どの色をチョイスされるでしょうか。 因みに、U様セレクトのお色は右側:一番下のラベンダー色が同色となります。         先ず色が涼しげで良い!! 経糸に色糸と 緯糸にアイボリーでの交織にしてあり、これが薄く淡いトーンを表現し クラシックなヘリンボーン柄を浮き立たせています。                 では、皆様へ IRISH LINEN の魅力をお伝えした所で 今週の目玉、マニアックなリネンを2種 御紹介させて頂きます。                   冒頭に紹介した TROPICAL のシリーズに酷似していますが違います! 何と ウエイトは約430gもあるのです、、、。   そして色がとにかく良い!! 独特で絶妙なカーキ色、TROPICALより更に地厚ですが あえて織り密度はほんの若干緩く、通気性も少しだけ高い事でしょう。   織り密度は生地の風合いや柔らかさと密接な関係がありますので、 着込んだ頃のクタリ感を想像するだけで楽しみな生地と言えます。         仕立て上がりは 一体どんな迫力が出るのでしょうか。 どんなエイジングをしてくれるのでしょうか。   楽しみでしかありません! しかし、涼しさを求めてはなりません。         こういう生地、私なら 敢えて一重仕立てにします。 少しでも軽く、涼しく、、、という要素もありますが、 ヘビーウエイトのIRISH LINENたる魅力を存分に発揮させる為でもあります。   例えばサファリジャケット(ブッシュジャケット)なんかは最高でしょう。 芯も裏地も付けず、水で丸洗い洗濯出来るようにしたいですね。 ( リネンは水に濡れる事で更に強度を増す素材でもあります。)   度重なる洗濯によるヨレ感や クタリ感なども魅力的であり、 そもそも汗はかくでしょうから気持ち良く水洗いしたいですよね。   一重仕立て、 アンコンジャケットやサラッと羽織れるワークコート系含め スプリングコートの様な調理も良いでしょう。 スポーツジャケットなら、ピンチバックにしたくなりますね! こういう類はハンドステッチよりミシンステッチの方が様になりますし、 相性も良い訳です。               最後の御紹介です。 ラストは更にヘビーウエイトですよ。   これも色が本当に素敵です。 こちらは約490gとなります。             絶妙なウォールナット。 日本でいう『 胡桃色 』ですね。   乾いた感じで薄めの茶色、調理法は先のヘビーウエイトに全く同じです! この子も、、、スゲー奴です(笑)。   個人的には作業用の Plus Fours にしても良さげです。 上はハリントンジャケット(スイングトップ)もお似合いですね。           色の対比として並べたヘビーウエイトの両雄です。 ですが本当に写真では色出しが難しく、是非実際に皆様の目で見てご確認下さい。   そして触って、握って、感じて下さい。 きっと皆様にも素敵なイマジネーションが浮かんでくるのではないでしょうか。   IRISH LINENの魅力を存分に味わうには それなりのウエイトがあった方が より『らしさ』を味わえる事でしょう。           ・・・・・私が生地を仕入れる際、 その生地の種により様々な判断がある訳ですが やはり その生地と対峙した時に 魅力的であればある程に様々な調理法が思い浮かび ワクワクしてくるものです。 コレでこんな形で、こんな仕様で、こんなスタイルで、こんな着こなししてみたい、、、。 生地が語りかけてくる様な気すら致します。   絶対に格好良い服になってくれるでしょう。 そしてツィードの様に長きに渡り相棒として付き合ってくれる事でしょう。           良い生地と巡り合い、良い仕立てのもと 長く付き合える相棒を探しに是非いらして下さいませ。   皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。     今週もお付き合い頂きまして 誠に有難う御座いました。                

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