BLOG

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 H.S ORDER:ODD JACKET 】

    2021.08.03 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 H.S ORDER:ODD JACKET 】

      暑中お見舞い申し上げます。     8月に入りました。 東京オリンピックもいよいよ終盤戦ですね。 アスリートの方々や各関係者の方々は 先ず湿度高き日本の夏の暑さと 対峙しなければ成りませんので さぞ厳しい事と思います。   今月7日には立秋を迎えますが、まだまだ残暑は続きますので 皆様ご体調管理には十分にお気をつけ下さいませ。             浜辺でしょうか。淡いトーンで構成された爽やかな春夏らしいカラーコーデです。 格子柄のスポーツジャケット(ODD JACKET)はパドックカットですね。       さて、今週は HOUSE STYLE ORDER より 春夏用にと御注文頂きました爽やかな ODD JACKET を2着御紹介させて頂きます。   長きに渡り大変御贔屓を頂戴しておりますM様よりのご注文となります。 ご遠方の顧客様であり 近々では御上京の機会がないとの事で御発送納品となりました。 お会い出来ないのはとても寂しいのですが、型紙精度も高いですし 御体型も維持されておりますのでお互いに安心して御納品させて頂けます。           HOUSE STYLE ORDER:PADDOCK CUT   もはや古のデザインとは成りますが、 最大の特徴はご覧の様にポジションの高い2釦2掛けとなります。   http://dittos.seesaa.net/article/418036041.html 【PADDOCK CUT①】 http://dittos.seesaa.net/article/418783730.html 【PADDOCK CUT②】 http://dittos.seesaa.net/article/423099786.html 【PADDOCK CUT③】 http://dittos.seesaa.net/article/432428515.html 【PADDOCK CUT④】   PADDOCK CUTのお話は4話も書いていました。 宜しければ詳しき情報含め 是非ご覧頂けましたら幸いです。         生地はご覧の様に 春夏には欠かせぬド定番、シアサッカーで御座います。 が、、、実はこちらの生地、ウールで織られたサッカー地となります。         VITALE BARBERIS CANONICO 100% WOOL 270g   http://dittos.seesaa.net/article/474802386.html 【 2020年 春夏お勧め生地:伊② 】     コットン・サッカー地のシャワシャワした独特な感触と違い、 ウールですから かなりソフトです。 勿論シワにもなり辛く、そもそも皺だらけであり それがサッカー地ですね。 清涼感があって、見た目にも大変涼しげです。     HOUSE STYLE ORDERにおき、通常の TAILOR MADE たる仕立ては前提ながら、 前身頃内部に入るキャンバス芯は強弱を選ぶ事が出来ます。 H.S ORDERでのレギュラー芯は、柔軟でありつつも ソフト過ぎない位の程好い弾力を持ち合わせます。 これに対し、更に薄く柔らかい芯の種類で組み上げた芯を選ぶ事ができ より軽快でソフトに仕上がりますので あまり内部芯を感じる事無く、 選ばれた生地の個性を存分に楽しんで頂けます。 (今回のJKは そのソフトな芯で仕立てられております。)           春夏用ですが 敢えて背抜きでは無く総裏仕立てを御選択です。 背の裏地一枚減らす涼しさを犠牲に、総裏仕様は幾つかの大いなるメリットが御座います。           とてもシボシボ感があって写真では ウールのサッカー地とは分かりませんね。 M様におかれましては お仕立ての『ハンド・オプション』も付けられ、 常にH.S ORDER最高スペックにてお仕立て頂いております。   シアサッカーのスーツやジャケットは やはりワードローブに入れておきたいですよね。               お次で御座います。 こちらも PADDOCK CUT のデザインがベースながら、 アンコン仕立て でのリクエストを頂きました。       http://dittos.seesaa.net/article/464309357.html 【 HOUSE STYLE ORDER:アンコンジャケット 】 http://dittos.seesaa.net/article/467433762.html 【 HOUSE STYLE ORDER:アンコンジャケット② 】     大変綺麗なラベンダーカラーです。 遠目には結構沈み込みますが 実はグレンチェックであり、 素材は贅沢に4者混となります。       ARISTON 50% WOOL 30% LINEN 17% SILK  3% CASHMERE   260g     混紡生地はそれぞれのメリットや特徴をミックスし合い、デメリットを相殺し合います。 シルクやカシミアまで、本当に贅沢な生地で御座います!   http://dittos.seesaa.net/article/480965775.html 【 春夏用のお得なお勧め生地 】         アンコン仕立てですから基本的に芯や裏地、 肩パッドなどを出来る限り排除した最小限で仕立てられ、 その選ばれた生地のみを纏う様な着心地はブルゾンやカーディガンの様でもあります。   M様はセンターベントがお好きなので こちらでもお切りしております。           芯などの支えが無いので当然シャツの様に皺が入り易くなります。 既製品でのアンコンJKはどことなく いまいちシックリとこない感じは否めぬところでもあったりしますが、 定めたる流行への意識や御体型FITに対する誤差がそのイメージを与えてしまう事でしょう。   そんなアンコン仕立てでも 御自身の型紙で仕立てられたアンコンJKは、 触ればフニャフニャでありつつも 着用すると身体に合っているので余計な皺が出ません!   肩パットや裄綿(袖の内部芯)も無く、袖山や肩周りはシンプルで素朴な袖落ちとなります。 良い意味でリラックス感を演出してくれますね。           ・・・・当店HOUSE STYLE ORDERは工場さんで確りと仕立て上がり、 当店へ納品されます。皆様より御注文頂いたその全ての服は責任もって再検品し、 そしてクセ取りを含めた2次プレスを必ず行っています。   http://dittos.seesaa.net/article/457158952.html 【 HOUSE STYLE ORDER①】 ≪ この項では、トラウザースの2次プレスを御紹介させて頂きました。≫     縫製工場さんにおかれまして、上着のプレスは山谷の起伏に富んだ専用プレス機や 肩・衿周りのプレス機など 専門のプレスマシーンがあり、 一律に同じレベルで確りとしたプレスが行えます。 あとは部分的にハンドプレスを加え、完成です。   これが普通です。 クリーニング屋さんでも設備を導入している所はあります。   良くも悪くも 皆同じ顔立ち(仕上がり具合)になります。 当然です、そもそも縫製工場さんは大量生産を行う為の場であり、 みな同じでなければ成りませんし、効率化も図る必要があります。   ですが、個々の方々へONLY ONEの服を作る訳ですから 様々なサイズや体形的個性もある訳です。 工場さんから納品頂きましたスーツたち、 私にとっては満足に至りません、、、、足りなければ自分で行えば良いですね!   シェイプなどのシルエットは根本的には型紙が決めます。 大雑把に言えばダーツであったり、各シームによるバランスや加減です。   ですが、『クセ取り』という行為は、立体的な身体に合せつつ その型紙のシルエットをより美しくバランス良く表現する行為でもあり、 型紙通り裁断を組み上げただけでは無くて 更に立体的に成形する事が目的です。 その加減次第でカット(型紙)への考慮や、 その顧客様の体系的個性をもイメージ持って行うのです。 また、クセ取りという行為は そのプレス術によって 型紙以上のシルエットを作り出す事も可能でもあると言えます。   2次プレスを施された服たちは 当たり前ですが立体度合やフィット感が全く変わります。 こんな所も当店 HOUSE STYLE ORDER の大いなる特徴の一つとなっております。     上着の項はまだ未掲載でしたが、今回一部を垣間見てみましょう!         上衿の殺し込みですが、そもそもM様はハンドOPで仕立てて下さるので もともと理想的であり 本当に少し触る程度で済みます。 むしろレギュラーメイドの上衿は作り方が違いますので気合が必要です! 格子柄ですがエッジラインに横柄が並行で綺麗に合っていますね。 クセ取り処理された上衿を据え、全て手縫いで上衿掛けという工程が成されております。   http://dittos.seesaa.net/article/390404956.html 【 衿 ② 】           上衿を表側から掛けると、衿腰のアタリや跡が多少付く事になります。 それを裏側から消してあげるのですが、同時にエッジラインの距離を適正に定めつつ、 返り線付近の安定性と共にイセ込まれた皺なども綺麗に致します。   こんな話は専門的過ぎて分かり辛いでしょうから流し聞きして下さい! 一着一着が皆様の大切な御注文服であり、 仕立て上がりを楽しみにお待ち頂いている事と思います。   ご期待に添えられる様 丁寧に専門技術と手間を掛けてプレスさせて頂きます!         写真では分かり辛いですが、左側の背脇縫い目付近です。 写真左下に袖、右下に腰パッチポケット、そして少し裾が見えますね。 柄物なので生地の流れが分かり易いと思いますが、各シームでは横柄が合うよう裁断されます。 ウエストのシェイプを作り出す為にダーツで絞りつつ、脇縫い目でも絞ります。 これを確り処理しないと美しいフォルムは出ません。 背中の縦柄がグニャリと曲がっているのが見えるでしょうか。 このクセ取り処理が無ければ、これら起伏のボリュームは全て縫目に出てしまいます。   それでは駄目です。 (理想に遠い=お身体に寄り添わない)   例えばアワーグラスの様なシルエットは勿論カッティング(型紙)も必要ですが、 アイロンで伴う様に作り出すのですね。       背中ですが、写真左側が裾、右側が肩方向となります。   クセ取りで作り出された山脈が見えますでしょうか。 左の山脈はお尻の立体的なボリュームをホールドします。 ウエスト部では山が無く谷になっていますが これが括れであり、S字の背骨=背中のフォルムに寄り添うのです。 そして次の山脈は肩甲骨や広背筋などを包み込むボリュームとなります。   このクセ取りプレスが有るからこそ背中に寄り添い、 美しいカーブを伴うシルエットを生み出すのです。 これらはどんな工場さんでも求めるには無理があります。 この次元はTAILORにお任せくださいませ!         前身頃です。 胸ダーツ、そして脇ダーツや細腹など この部分も背中に同じです。 脇の縦柄が かなり強制的に曲がっているのが見えますね。 フロントの地の目はシャキッと真っ直ぐ通し、 ウエストの括れ(絞り)に脇側を追従させています。   胸ダーツの縫い目線がやや『く』の字になっていますが、クセ取りによりさせています。 生地は種により違いがありますが、基本的にウール含む獣毛は復元力がありますから クセ取りする時は確り目に行っておく事も必要です。   他にもプレスを掛ける箇所はまだまだ御座いますが、大変なのでこの辺で失礼致します(汗)。   M様、この度も大変素敵な御注文を誠に有難う御座いました。 是非ご堪能頂けましたら幸いです。               ・・・如何でしたでしょうか。 上着のプレスは胸部のボリュームやダキなど もっと沢山掛ける箇所が御座います。 この様に私の、Dittosのフィルターを介して皆様に御納品させて頂くのが 当店HOUSE STYLE ORDERとなります。   BESPOKEが凄いのは当たり前です。 知識や技術、時間を惜しみなく注ぎ込みますので当然高額であり時間も相当掛かります。 ですが、そのノウハウが確りとフィードバックされ、 HOUSE STYLE ORDERと成り得ています。   車のレースに例えると分かり易いと思いますが、 FerrariやHONDAなどが参戦する最高峰たるF1は 洋服で言うBESPOKEのステージです。   レースはF1だけではありませんね、様々なカテゴリーや車によるレースもあります。 それだけステージがあるという事であり、最終的には大衆車へ  川下へと受け継がれます。   皆様より頂戴致しました大切な一着は、BESやHSなど仕立てられるステージが違えど そのステージでの最高を目指し、 御満足を頂けるよう全力を注ぎこむことに変わりはありません。       素敵な一着を誂えに、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。 この暑き中 店内は既に秋冬模様へとシフトしております。 涼しき店内で 寒い秋冬をイメージし、個性豊かな素晴らしい生地達を吟味されて下さい。     今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。              

    Read more
  • 【 ESCORIAL:OVER COATING 】

    2021.07.20 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 ESCORIAL:OVER COATING 】

        皆様 こんにちは。 先週には関東地方もいよいよ梅雨明けいたしました。 してしまいました、、、、 これからは酷暑と向き合わななければなりませんね。   夏です、明後日には『大暑』を迎えます。 夏となれば既に待ち遠しい秋冬シーズンに向け 仕込みの時期で御座います。           1949年 ダブルのコートをお召しのウインザー公は4釦であり、 スーツのダブルブレストも4釦を好まれていました。           さて、先週はエレガントなチェスターフィールドコートと共に 最高のオーバーコーティングを御紹介させて頂きました。 しかし最高の生地はカシミアだけではありません。   今週はレアで希少価値性高き最高のウールで織られた ESCORIAL のオーバーコーティングを御紹介させて頂きます。   http://dittos.seesaa.net/article/481995724.html 【 ESCORIAL:JACKETING 】 ↑ 極上のエスコリアルウールによるジャケット地もご覧下さいませ。           先ずは 既に夏の暑き最中、エレガントな顧客様のオーバーコートをご覧頂きながら 寒い冬をイメージして頂きましょう。                   皆様におかれましては、シングルブレストとダブルブレスト どちらがお好みでしょうか。 どちらにも良さがあり、魅力的ですから悩みますよね。   生涯の伴侶とも成り得ますので、吟味に吟味を重ねて食材を選びくださいませ。 その味を最高値まで引き出せるよう 丹精込めて調理、お仕立てさせて頂きます。       Joshua Ellis   PURE ESCORIAL 475g             ウール(羊の毛)にも関わらず、その原毛はカシミアに匹敵する程に細く、 美しい艶とシットリした肌触りを持ち合わせます。 特に原毛の特徴たる縮れ毛は ナチュラルなストレッチ性を生み、動きやすさにも直結致します。 エスコリアルは正に特別な羊であり、ウールです。           ブラックとダークネイビーの2色を御用意させて頂きました。 最高レベルのドスキンであり、ウエイトも500g以下で 軽やかに御着用頂ける事でしょう。 先週のカシミアは加工でリップルフィニッシュされ、 さざ波の様なウネリと濡れている様な光沢感に満ち溢れていました。   こちらはベーシックで控えめ、クラシックで王道たるドスキン仕上げ。 されど原毛の品質は頗る高いので シットリとした風合いと共に 滲み出る光沢感が大変上品で御座います。           DARK NAVY   普通のようで 全然普通ではない、能ある鷹は爪を隠します。 圧倒的なポテンシャルを秘めているのが この ESCORIAL COATING なのです。                       BLACK   やはり黒という存在感とエレガントさは他を寄せ付けません。     ドスキン仕上げにより、ミミ文字もぼやけているのが見てとれますね。 素晴らしい肌触りですが、 エスコリアルは着心地でこそ真骨頂を発揮してくれるのです。             ブラックとダークネイビー、最高にエレガントな生地を使って どんなコートを誂えるでしょうか。 何もチェスターフィールドコートだけに拘る必要は御座いません。   ドレッシー過ぎず、ビジネスは勿論タウンスタイルでも リラックスして着て頂ける様な価値観のコートを御所望であれば、 丈のバランスやフロント比翼の有無、そしてバックベルトやプリーツなど 多彩にバリエーションは御座います。   素敵な伴侶を是非この御機会に如何でしょうか。             チャーチル元首相もダブルのコートをお召しです。 ウインザー公に同じく ダブルの4釦-2掛けスタイル。 胸ポケットが無いですね。 昔は結構排除されているコートも多かったのです。             ・・・・・如何でしたでしょうか。 今年はカシミアにエスコリアルと素晴らしいコーティングを手に入れる事が出来ました。   素敵なコート地との巡り合いをお待ちの方が居りましたら心底お勧めで御座います。   店頭では HOUSE STYLE ORDER:早期受注フェア も開催中ですので全て対象となります。 秋口には仕立て上がりますので、寒くなってきたら直ぐに御着用頂けます。 ( 7月30日 受注分までとなります。)   BESPOKEのご注文であれば 晩冬ギリギリ間に合うか、、、、 活躍は来年用とは成ってしまいますが、これからずっと長いお付き合いをしていく相棒です。       思い立ったが吉日、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。             ● HOUSE STYLE ORDER限定の【早期受注フェア】ですが、 来週の30日(金)受注分までとなっております。   宜しければ是非お気軽にお声掛け頂けましたら幸いです。 暑き最中、お店を涼しくしてお越しをお待ちしております。           ● 誠に恐縮ながら、来週のBLOG更新はお休みを頂戴致します。 店頭の生地もそろそろ秋冬地へ入れ替えたい所です。   次回は 8月3日(火)の更新予定となっております。   どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。                      

    Read more
Bespoke Tailor Dittos.