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Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 HOUSE STYLE ORDER:T様の御注文 】

    2020.04.07 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 HOUSE STYLE ORDER:T様の御注文 】

        新年度となる4月に入りました。 新たなスタートを切るべき月にも拘らず、 今年は何事においても難しくなってしまいました。         愛犬との散歩道にチャーミングなお花がとても綺麗に咲いていました。 春ですね!! 少しでも癒しのお裾分けを、、、。             さて、先月末の雪には驚きましたし 春は寒の戻りもありますので油断出来ません。     ADAM:1934年3月号 フランスのファッション誌ですが、アメリカではESQUIRE、 イギリスではTAILOR & CUTTERなどが有名ですね。 当時のエレガントなスタイルはお国柄に問わず 紳士達は同じ様なクラシックスタイルを嗜んでおりました。   大柄のヘリンボーンで誂えられたダブルのチェスターフィールドコート。 現代においても その系譜は引き継がれております。         今年の1月、2月にかけ 当店 HOUSE STYLE ORDER 限定による早期受注キャンペーンを行わせて頂き、 沢山の方々より素敵な御注文を頂戴致しました。 先月末より続々と仕立て上がってきております。   内容は特に春夏用とは限定しておりませんので、 この機会にとツィードやオーバーコートのご注文も頂戴しております。   今週は、HOUSE STYLE ORDER:T様のエレガントなコートを御紹介させて頂きます。               チャコールグレーの重厚感あふれるクラシックなダブルのチェスターフィールドコートです。 コート地らしく、大柄なヘリンボーン柄が渋くウットリする様な生地です。 シルエットも美しく、コテの良く効く この素晴らしい生地でのお仕立て上がりです。           Taylor & Lodge ≪ THE ICONIC COLLECTION ≫ ARCHIVE LUMB’S GOLDEN BALE LUXURY COATING   560g   http://dittos.seesaa.net/article/471939194.html 【 LUMB’S GOLDEN BALE COATING 】     シットリとして滑らかであり、大柄なヘリンボーン柄がとてもマッチしています。 アーカイブと謳うくらいです、冒頭ADAMの紳士が着用するコートに同じく 今でもクラシックなコーティングであり続けます。 ウエイトもコート地としてはライト級であり、 これであれば脱がれて手持ちされても重たくなく、 日本でのタウンユースでは十分なウエイトです。   カシミアにはカシミアたる圧倒的な魅力がありますが、デリケートな部分は否めません。 GOLDEN BALEはウールですから そういった意味では使いやすいと思います。 しかし、触ってみれば 誰しもが ウール:100% だなんて信じられない事でしょう。             オーバーコートを語る上では、インナーとなるスーツにも触れなければ成りませんね。   やや小柄であり、とてもスリムなT様、王道的で丹精な三つ揃いの着こなしです。 1stオーダーでは仮縫いも付けて下さり、初回より大変精度の高いFITTINGとなります。 こちらのスーツは二着目となるご注文であり、 このスーチング自体も極上で激レアな生地となります。         ピカピカな金糸で織られた生地ネーム、この生地はVINTAGEのMOXONであり、 当時としては最高スペックであった SUPER 120のウーステッドに、 なんと VICUNA がブレンドされています。   ネームのアピールも凄いですね、、、こんなネーム自体も初めて見ました。   Cloth of Distinction WITH Rare Fibres   http://dittos.seesaa.net/article/453386393.html 【 VINTAGE MOXON③ 】 (→ 項の最後に紹介した生地であり、当時はこのチャコールグレーが未入荷でした。)   細めのヘリンボーンに ピンストライプが重ねてあり、控え目な縞柄が印象的です。           キュッと小さく作られたアームホールは機能性も高く、袖筒も細くシャープになります。 写真で顧客様のサイズ感が認識し辛いのは、 それだけ洋服自体が顧客様のバランスで仕立てられているという事になります。   最高の生地です、手縫いを駆使したハンドメイド・オプションも付けられ、 当店HOUSE STYLE ORDER の最高スペックにてご注文頂いております。             では、いよいよオーバーコートの御納品です。 クラシックな膝丈でのお仕立てであり、エレガントなシェイプは インナーであるスーツのポジションに連動しています。   インナー自体の精度が高ければアウターとなるオーバーコートなど 採寸無しで完璧なサイジングで仕立てる事が出来ます。 ですが、丈含め お好みも御座いますので 確りと採寸・打ち合わせの上でお仕立てさせて頂きます。           撫で肩な事もT様たる個性の一つです。 既製服では根本サイズも展開少なく難しくもありますが、 それに加え肩傾斜が合わずにタスキ皺が出やすいとも言えます。 当然ながら非対称肩傾斜など存在しませんね。   普段 御自身で見る事が出来ない後姿は如何でしょうか。 男らしく堂々とした本当にエレガントなシルエットで御座います!   コートも勿論ハンドメイド・オプションをお付けになりました。 インナーがそのレベルであるならば、やはりアウターもお付けになるべきです。 双方の相性・連動性は設計(型紙)だけでは無く、 仕立ての部分でも高次元でリンク致します。             ・・・・・スーツとは上下揃いの生地で仕立てられた服が前提となり、 そのSUITSの古語となるのが当店の店名でもあるDITTOSとなります。   スーツを構成するアイテムですが、イギリス英語での呼称は 下物より TROUSERS、中衣が WAISTCOAT、そして上着が COAT と呼ばれます。 その上着の上から着用されるコート(アウター)ですので OVER COAT となる訳ですね。 CHESTERFIELDはもともと人名でもあり、 このスタイルのオーバーコートを指す固有名詞になります。   当BLOGでもコートの話題ではよくお話しておりますが、TAILORで誂える場合 アウターとなるオーバーコートの型紙は、 インナーであるコート(ジャケット)の型紙より展開されます。   その上着の型紙にはクライアント様の細かく様々な体形的、お好み的な情報が満載です。 丈や身幅だけに限らず、肩傾斜やアームホールの深さや幅、位置、 そして前後差や左右非対称など挙げ出したらキリがありません。   そんな精度高き上着の型紙に ユトリを肉盛りすれば、正にインナーとアウターが 100%の合致性をもってブロックの様に結合(重ね着)する訳です。     この写真は英国での1930年代に使われていたTAILOR(CUTTER)用の裁断書です。 裁断者(CUTTER)が違えば微妙にバランスや手法、ユトリ感なども違いますが、 根本原理は全く同じであり、正にTAILOREDの着用が日常であった時代における 先人達が残してくれた指南書でもあります。   写真を見ると、どちらもダブルのチェスターフィールドコートの製図ですね。 製図内に点線が見えますでしょうか、、、これがインナーであるコート(上着)であり、 それを覆う様に製図が引かれているのが見てとれますね。   オーバーコートにおき、この様な根本たる裁断術(型紙作り)は BESPOKE に限らず、 HOUSE STYLE ORDER でも正に同じ様に展開されています。   アウターはインナーのレベル次第で決まるという事に他なりません。 しかし、この根本技術が どこでも同じ様に行われている当たり前かと言えば、案外そうでもありません。           T様、本当にエレガントでありお似合いで御座います。   この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。             ・・・・・この度の御紹介は秋冬物のオーバーコートでしたが、 皆様が仕込まれた春夏用のスーツも続々と仕立て上がってきております。 是非ご期待下さいませ。         では、今週も最後までお付き合い頂きまして 誠に有難う御座いました。   皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。                  

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  • 【 Lumb’s Golden Bale & Summer Kid Mohair 】

    2020.03.31 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 Lumb's Golden Bale & Summer Kid Mohair 】

        週末はまた真冬の寒さが襲い、都心でも雪が降って一時的に積もりました。 春の陽気が続いていましたので急な真冬の寒さには桜もビックリとした事でしょう。     好天に恵まれた先週の朝、自店に向かう早朝に遠回りをして青山霊園の桜を見て参りました。 今年も本当に綺麗な花を咲かせ、心が洗われる様です。 まだ85%~90%と言う感じであり、今頃は正に満開を迎えているのではないでしょうか。     人類が新型ウイルスによって困惑するのをよそに、桜は粛々と今年も美しい花を咲かせます。 ただただ 癒しと共に、前向きなる気持ちを与えてくれているようにも感じます。             この度の新型ウイルスの影響により欧州では大変な事になっており、 日本でも他人事ではありません。 イタリアやイギリスでは 一部の生地メーカーが臨時休業に突入しました。 洋服を仕立てるテーラーにとって、食材である生地が調達出来なくなるという事は一大事です。   勿論 全てのメーカーと言う訳では無く、 既に国内にある問屋さんお抱えの生地なども御座いますので 選択肢が限られてしまうという状況になりますね。 当店におきましては バンチ(生地見本帳)の使用頻度が著しく低く、 主にオリジナルや買い付けた様々な在庫の生地を扱わせて頂いておりますゆえ 影響は最低限ではありますが、一日でも早く元の状態に戻る事を願うばかりです。       そんな折、先週には期中にて買い付けた魅力的で素晴らしい生地達が一気に届きました。 現状況を考えれば、胸をなでおろす心境でもあります。 春夏用に限らず、秋冬地も多く 少しずつ皆様へも御紹介させて頂ければと思っております。     その中で、正に今 ベストのタイミングで極上の春夏用スーチングを今週は御紹介させて頂きたいと思います。     一目惚れし、とにかく欲しい、、、仕立てたい、、、と思うその極上ネタは 欲しくても普通に展開されていない(売っていない)生地でもあり 本当に嬉しき出物となります。   では ご覧頂きましょう。             Taylor & Lodge 70% : LUMB’S GOLDEN BALE 30% : SUMMER KID MOHAIR 260g   正にエリートの様な生地で御座います。 どれだけ極上で高級な生地なのかお分りになりますでしょうか。 なんて別嬪さんで高貴な顔立ちなのでしょう、、、 ウットリせずにはいられません。           ウールと言う羊の原毛の中で最高品質でもある GOLDEN BALE は、 今では Taylor & Lodge しか扱えぬ希少価値性高き極上で最上級なウールです。   シットリとして弾力もあり、艶やかなオーラを纏います。 もう原毛が良いので、どんな生地に料理しようと勝手に品格が備わるというものです。 そこにアンゴラ山羊の毛としては、やはり最高品質となる SUUMER KID MOHAIR を3割ブレンドしています。   春夏となり、強き日差しを避けるべく 紳士のスーツはダーク系から 明るめな色味へとスーチングもシフトして参ります。   濃過ぎず、薄過ぎない ややライトグレー寄りなミディアムグレー地に クラシックなヘリンボーン柄となります。       なんて美しい生地なのでしょう。 光りの陰影が本当に素晴らしく表現されます。   モヘアはハリとコシ、そして光沢感が特徴となります。 涼しくて皺にも強く、盛夏を含めた春夏用スーチングには欠かせぬ存在です。   春夏用だからこそ通気性も重視して平織が多き中、 これはヘリンボーンですから綾織となります。 平織と比べ、織りとしての光沢感が出ると共に、確り感も出ます。   キッドモヘアの混率は3割と控えてではありますが、 そのキッドモヘア自体の光沢感と共に極上なGOLDEN BALEの糸、 そして綾織ときますので 品のある光沢感はキッドモヘアが3割とは思えないでしょう。   そしてキッドモヘアが入っているにも拘らず とても柔軟であり、、、、 個性溢れる凄い子なのです。           特筆すべきはまだあります! このエッジの際立ったヘリンボーン柄を良くご覧下さい。 交織により 綾目の柄を浮き立てているのも功を奏し、とても立体感を感じられる柄出しです。 こんなに美しくシャープなヘリンボーンはなかなか無いですよ。         シャドーストライプかヘリンボーンのスーツでしょうか。 織り柄による縦の縞柄はシャープな印象を与え、とてもスマートな印象を与えてくれます。 色味も明るめであり、正にこの紳士の様な雰囲気になる事でしょう。 エレガントですね。         約 9㎜×9㎜ のヘリンボーン柄です。 柄が細過ぎないので敢えて存在感を与えていますが、 あまり太過ぎてしまうと品がありません。 丁度良い塩梅であるという事です!           エッジの効いたヘリンボーン柄、御自身で着用された場合 こんな感じに見える訳です。 正にシャドーストライプの様ですね。 滅茶苦茶に格好良く、たまりません!   肌触りが最高なのは言うまでもありません。 ドレープも美しく、非の打ち所無き素晴らしい春夏用のスーチングで御座います。           ・・・・・こんな極上ネタが出物ですから リーズナブルに 手に入るチャンスでもあり、正に御縁と言えましょう。 在庫のある内は春夏用なのでスペアのトラウザースさえご注文頂けます。 先週入荷したてですが、既に嫁ぎ先が決まった子もおります。 総量は少ないので是非皆様の目で見て、触って、そして感じて下さい。 きっと私の様に一目惚れされる方は少なくは無いでしょう!   御予約も承りますので、どうかお気兼ねなくご連絡頂けましたら幸いです。         やはり明るめなグレーでのオルタネートストライプの三つ揃い、 見た目の軽やかさと共に涼しげな印象ですね。   当たり前の事ですが、スーツとは上下揃いの生地で仕立てられた服であり 御自身を上から下まで包み込みます。   ジャケットスタイルと違って総面積が広い分 色による印象は頗る大きいという事ですね。           では、こんな最中では御座いますが 皆様とお会い出来る事を心より楽しみにしております。   新型ウイルスに加え、三寒四温、、、 どうかご自愛下さいませ。   今週も誠に有難う御座いました。                  

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Bespoke Tailor Dittos.