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生地に付いて

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 2018AW SHIRTING 】

    2018.09.25 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 2018AW  SHIRTING 】

        皆様 こんにちは。 二週に渡り三連休が続きましたが、如何お過ごしでしたでしょうか。   雨はよく降りますが、いよいよ上着を着ていても タイを締めていても心地良い季節に差し掛かって参りました。   10月も目前です。街では既に来年のカレンダーも発売されていますね。 毎年ながら焦ってしまいます。             1920年 衿型のバリエーションです。 まだまだスタンドカラーも多いですね。 しかし往々にして 衿腰高き ハイカラー である事が当時の特徴でもあります。   【 はいからさんが通る 】 ご存知でしょうか、耳にした事ぐらいはあるかも知れません。 大正時代を舞台に描かれたマンガであり、アニメ化もされているようです。   ハイカラとは、明治時代に西洋の格好を取り入れられた方や西洋帰りの方々を指して言われていたそうです。 そうです、皆 写真の様なハイカラーシャツを着用されていた方々の事を指していたのですね。   そしてハイカラな・・・等と形容的に使われ出し、大正時代には お洒落な方や 流行的な格好の方をハイカラさんと呼ぶようになったそうです。   ハイカラさん、、、お若い方々は聞いた事も無いかも知れませんね。         さて、まだ全てでは無いものの 今季秋冬のネタが揃いつつあります。 今週は 頼りにしている国内のシャツ問屋さんより、 2018年 AWのコレクションが届いておりますので御紹介させて頂きます。     先ずは寒くなると恋しくなる暖かなシャツ, コットン フランネルのシリーズよりご覧頂きましょう。               イタリアに買収されてしまった THOMAS MASON より 贅沢なネルシャツ地です。  コットン:85%  カシミア:15%   なんとカシミアがブレンドされていますね。 柔らかく、肌触りは最高ですし、天然繊維でもあるカシミアの暖かさは ほぼ化繊からなる有名なヒートテックとはある意味対極の暖かさと価値観とも言えましょう。   ご存知の通りシャツは下着です。肌に触れあう生地の風合いを直に感じて下さい。               スイスの名門 ALUMO より 上記に同じ混率で織られた カシミア混ネルシャツ地です。   合わせやすそうで 色も温かみを感じずにはいられぬキャメル色。 タイを締めても、勿論ノータイでのスタイルでも重宝出来る上品なシャツとなる事でしょう。                   同じく ALUMO より コットン:83%  ウール:17%   今度はカシミアをウールに置き換え、様々なカラーバリエーションを取り揃えます。 肌触りや保温性はカシミアに劣るものの、充分な暖かさと共に やはりお値段がカシミア混とは大きく変わって参ります。   淡いペールトーンのネルシャツを 暖かさと共に是非お楽しみ頂ければと思います。                     オーストリア GETZNER より コットン:100% での純粋なコットン フランネルであり、クラシックなヘリンボーン柄です。 こちらのシリーズは、先の上品シリーズと比べると肉身が確りとあり よりスポーティーでもありますので、デニムに合わせ ニットを合わせたスタイル等でも様になります。   この辺りは ノータイでのスタイリングがお似合いになるでしょうか。                     イタリアは  ALBINI より コットン:100% の同じくネルシャツ地です。   こちらは織り糸も細く、地薄で滑らかでもあり かなり上品に仕上げられています。 表情は刷毛目調な顔立ちであり、霜降り感がまた素敵! アイスブルーと、かなり薄いライトグレーの 2色展開です。 これは素晴らしい!                   ポルトガル SOMELOS より 上記にかなり同じテイストながら、ヘリンボーン柄が織りなされています。 よく見ないと分からぬ程度に沈み込んだ控えめな織柄となっています。 起毛感も主張も ほんのり程度で これまた上品さが滲み出ています。   センターの淡いベージュは鉄板ですね! 今期はこのシリーズが個人的に一押しです。                     イタリア ALBINIより コットン:100% のネルシャツ地です。   線もなかなか太くやや主張のある格子柄ですが、縞の境をグラデーションをかけて色糸をセッティングし、更に起毛加工により柄のボケ加減が際立つ 芸の細かな格子柄です。 肌触りも最高です!                     イタリア TESTA より 織り柄のベースに、小紋系のプリントを施したスポーツシャツ地です。   同じくコットン:100%であり、ネルシャツ地となります。                     ポルトガル SOMELOS より 親しみと落ち着きのある格子柄は、クラシックなタッターソールチェックをベースとしてデザインされた コットン:100% のネルシャツ地です。   ブルー系にグリーン系、間違いなく頼りになる存在であり カントリー系コーディネイトの為にも ワードローブに加えておきたいシャツですね。                   イタリア THOMAS MASON より モノトーンシリーズであり、ブラックの織り柄も揃えます。 ニヒルな感じが漂うこのテイストは一定の指示があるのでしょう。   さて、ネイビーのスーツにブルーのシャツ、そしてネイビータイ。 皆様もされるであろう これ以上無きミニマルでクラシックなコーディネイトです。 単にブルーのグラデーションですが、これをグレー版で行うと とても新鮮でありつつ落ち着きと共に洗礼された大人のコーディネイトとなります。   是非お試しに成られてみて下さい。                     イタリア THOMAS MASON より 大胆なストライプです! 配色やデザイン自体はクラシックながらも、ここまで大胆だと派手な部類に入るかも知れませんね。   良い意味でイギリス的な らしさも感じられますが、如何でしょうか。 個人的にはとても大好きです!!                     イタリア LEGGIUNO より カチョッポリのシャツ地コレクション同様に、やはりプリントシリーズも御座います。   パイプ柄!!、、、、パイプお好きな方はおられますか?                     オーストリア STORMTEX より   えっ、、、ダイス柄、、、、、目は4、全て4、、、、いかさま!?(笑) ダイスは対面との点の和は必ず 7になりますよね。                     ポルトガル SOMELOS より   クロ、黒、くろ、、、織り柄による表現で! 一定のファン層がいるのでしょうね。                     ポルトガル SOMELOS より   『 !!・・・ 君らは DASHING TWEED かっっ!? 』   と、ツッコミが入った所で今週は閉幕とさせて頂きましょう。   http://dittos.seesaa.net/article/461462399.html ( ↑ DASHING TWEED )               ・・・・・如何でしたでしょうか。 コレクションは勿論これだけではありません。 クラシックな色柄も豊富に御座います。   多岐に渡るこれらコレクションは見ているだけで楽しくなります。 様々な価値観と好みのお方が居られる訳です。   きっと皆様にとっても素敵な生地が見つかる事と思います。   是非とも店頭にて吟味されてみて下さい。 パイプやダイス柄であろうと、弊店拘りのフィッティング精度と仕立てによる最高のシャツへと料理させて頂きます。       皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。 今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。      

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  • 【 DASHING TWEED 】

    2018.09.04 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 DASHING TWEED 】

        皆様、また台風です。 21号:チェーピーが来ており、非常に強い勢力だそうです。 もう毎週の様に台風ばかりです。 どうかこの度も重々お気をつけ下さいませ。   いよいよ9月に入りました。 まだ残暑は御座いますが、気持ちの上では秋冬スイッチが入るのではないでしょうか。             レスリー・サルバーグ氏の描くイラストは描写が細かく、 本当に魅力的で素晴らし世界観が表現されています。 カントリーサイドでの一コマですが、 一人一人のスタイルが実に細かく素敵であり 学び多きものです。       さて、2週に渡り W.Bill からのカントリーテイスト溢れる生地を御紹介させて頂きました。 今週は、この秋より日本では本格デビューとなる 新しい生地メーカー を御紹介させて頂きます。             ブラウン系で落ち着きと温もりを感じさせる渋きツィード。 店頭に飾っておりますので、ご来店下さった方々におかれましては目にされた事でしょう。           DASHING TWEEDS   2011年 ガイ・ヒルズ氏(ファッション・フォトグラファー)とカーティス・マクドゴル氏が 作り上げるツィードとの出会いによって設立された新進気鋭のブランドとなります。   英国で製造される生地は長き目で見れば随分と減少しています。 彼らは伝統的な『らしさ』だけに囚われず、色や織り、そして素材含め 英国のスポーツウェアを 改めて発展させ モダンなデザインをタウンユースで楽しめる様にと考えました。   古き良き伝統と近代化の融合、それが DASHING TWEED のテーマでもあると言えましょう。   昔ながらのミルや、手織りからなる各種ツィードには、英国産の羊毛を主体としながらも、 ゴムやシルク、リネン、日本製の綿など含め 特殊な糸なども使用されています。             多色に撚り込まれた糸による ツィードらしい色使い。 ベースはブラウン系ながら、独特で緻密な織り柄を成しています。 素晴らしく凝ったデザインでもあり 本当に素敵です。           ケンプ糸が野趣溢れるツィードらしさを感じさせます。 こんなにも綺麗で緻密な柄を見ると、もう伝統工芸の寄木細工の様でもありますね。 かなり格好良く雰囲気のある生地であり、本当に惚れ惚れする生地です。 コートにも是非!!             待っていたバンチが英国より やっと届きました。 リボンで包み、なかなか可愛く お洒落にきましたね!   では、先ずは伝統を重んじるコレクションから見て参りましょう。 皆様、今日は度肝を抜かれる御覚悟を (笑)!           色味の綺麗なツィード、上手くグラデーションを生かした色彩バランスです。 正にスコットランドの素朴なカントリー風景を彷彿させます。           これまた 渋い! 単純なヘリンボーン柄ではありませんね。 クラシックながらも、捻りが効いています! 素晴らしい色出しと雰囲気であり、これまた ザ・ツィード です。             私も大好きなバーリーコーン柄を こんなにも綺麗な色で! 欲しい、、、着たい、、、、。 尖がり方の波長が個人的にとても合います!! しかも、かなりお安いでは無いですか!!               社名はTWEEDですが、もっと幅広く生地種は展開されています。 メリノウールで織られたクラシックなバスケット織りですね。             シンプルな平織を交織使いで!             それぞれの織り柄はクラシックなベースがありつつ、かなり変化を付けられています。 ある意味ヴィンテージの生地を見ている様な感じさえ受ける生地も結構あるのです。 織り柄もそうですが、色使いがやはり特徴的なものが多いのが分かります。               コレなんかは 爽やか系の色味ではありますが、かなり派手なデザインの部類に入るでしょう。 似寄りがヴィンテージでもありそうです。             如何でしょう。 何となく同社のイメージが湧いてきましたでしょうか。   ではここから本領発揮ですよ。 英国のパンクでサイケ、アバンギャルドなパワーを 是非ご堪能頂きましょう。                     これ、ダイナミック過ぎてバンチでは柄の全容がつかめませんね! 良く見て下さい、ベースは超巨大な千鳥格子です。           これ、青緑の糸、、、、光る糸です、、。 キラキラします。 この生地の固有名称は『 WIZARD 』 、なるほど、、、。           これ、、、コットンです! 柄合わせ、、、、どうしましょ??、、、、、             零号機、初号機、弐号機、、、、 エヴァが出揃った所で 閉幕とさせて頂きたいと思います!           ・・・・・皆様も力強きパンチを感じて頂けましたでしょうか!? 英国の服地業界も この様な新しい波だってあるのです。かなり注目されているようですよ。     同社は、ナイキやコンバースなどとコラボしたり、 『 オリエント急行殺人事件 』や『 パディントン 2 』などの映画でも服地が使われています。 ヒュー・グランド氏の装いを是非!       また、それ以外にも特徴は様々に御座いますが 本国のお店では、これらの生地を使ってクラシックからモダンなデザインまで 注文服さえ受けているようですし、 同社の生地が使われた小物類も作られております。 生地も通常のメーカーなら無くなれば織り足しますが、ここは反が無くなれば基本終わり! 新しい生地を生み出し、バンチに付け加えていくという 出し入れスタイルになります。     冒頭で御紹介した素晴らしいツィード、 【 JURA 】と名付けられた 100%:British Wool で織られています。   しかし、バンチに入っていないので既に完売済みという事になります。 因みに、個人的にほれ込んだ 綺麗なブルーのバーリーコーン柄、 これは 【 IONA 】と名付けられています。 イオナはハリス島で織り上げられたツィードとなります。         ・・・・・如何でしたでしょうか。 欧州の方々と比べ、もともと日本人は色使いが地味ですし、原色含め 派手な色遣いは苦手な方も多い事でしょう。   ですが、もっとご自身を演出され 装いをもっともっと楽しんで下さい。 チャレンジ無くして成功も、その先もありません!     皆様、英国の新しいツィードも是非ご覧になりに来て下さいませ。 企画者や織り手のパワーと、拘りを感じられる生地ばかりです。     皆様のお越しを 心よりお待ち申し上げております。   今週も誠に有難う御座いました。        

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