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お客様のご注文

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 S様の御注文:FOX FLANNEL 】

    2022.10.11 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 S様の御注文:FOX FLANNEL 】

        先週は急に真冬の寒さに見舞われました。 その突然さに身体も 着用する服も戸惑ってしまいましたね。 その寒さが本格的に訪れるまでもう少し!   寒くなれば何を着ようかとワクワクしてしまいますが、 フランネルのスーツもそろそろ登場が視野に入ってくるでしょう。           ウインザー公は独自的着こなしのスタイルを様々に提示して参りました。 本当に沢山ありますが、タブー視されていた様な 『 Check on Check 』 による重ね着もそのうちの一つです。 着こなしも素敵なのですが、このウインドペーン柄のスーツがまた格好良くて、、 とても印象に残っている写真の一枚です。         さて、今週は長きに渡り御贔屓を頂戴しております S様の 3P-SUITS を御紹介させて頂きます。   S様は HOUSE STYLE ORDER と BESPOKE の双方を そのアイテムや拘り具合などで使い分けられています。 この秋冬については FOX FLANNEL をテーマに、 H.S ORDERでは ODD JACKET を、 そしてBESPOKE では3P-SUITS をご注文下さりました。   WOOLEN FLANNEL による激渋なチョークチェックで御座います。             FOX BROTHERS HERITAGE FLANNEL   480/510g 100% Merino Lambswool     確りと地のしを施し、一晩寝かせ、いよいよ裁断します。 紙の型紙(製図)は直角・平行とミリ単位で正確に作成されていますが、 布は動きますし歪みもある為 正確に整えて、、、、 裁断のズレや不備は結論的に縫製時に泣かされる事になります。 前中心線、ウエストラインを定め、先ずは前身頃を。 出来得る限りで無駄なきよう型紙をレイアウトして残布を残します。   昨今での多くの裁断(型紙)は前身頃を細腹と分断して 半身で見れば 3面1ダーツ のスタイルが主流の中、 昔ながらに2面1ダーツ のスタイルに拘ると その分前身頃自体が大きいという事になりますから、 より横地もシビアに気を付ける必要があると言えます。   身頃や袖などだけでは無く、残布からとるフラップや衿など各パーツ自体も ボディーに合せた柄合わせが必要ですから少しでも面積が残っていた方が良い訳です。           仮縫いも組み上がりました。 三つ揃いですからトラウザースは吊り用であり、 IN-1 PLETATでシャープなシルエットを御所望です。 裾上げは折り返し付きのダブルですが、 仮縫いでは長さや幅の確認となるのでシングルで上げられています。           ハイバックの仕様で特に尾錠類は無し! お尻のポケットは左側のみ、 フラップや釦を付けず シンプルで気楽に出し入れが出来る仕様ですね。             S様の靴は 福田さん(YOHEI FUKUDA)の所でBESPOKEされておられます。 ブラックスェードは正に今回のスーツにベストマッチです。 また羨ましい一足を、、、。         ウエストコートを着用して、、、 『!!』 気付かれた方はかなり目の肥えられたスーツ好きな方かも知れません。 ウエストコート、長いですよね!   本来では、吊り用の深い股上であるトラウザースの腰帯を 隠す丈で設定されるウエストコートですが、 例外となるスタイルとして POST BOY型 が挙げられます。   http://dittos.seesaa.net/article/449698302.html 【 POSTBOY WAISTCOAT 】   ウエストシームにより下部のスカートを別途繋ぎ合わせられる仕様であり、 もともとの丈設定が長いのですね。 これであれば吊り用ではない股上低きベルト用やベルトレスの 各種ODD TROUSERS 等とも合わせる事が出来ます。   この度の三つ揃いに伴うウエストコートは、 『ポストボーイ型にはしないロング丈』 とのリクエストを頂戴しました。   なので長いのですね! ですが、出来る限り違和感を感じさせぬよう私なりにバランスをとってデザインされています。 腰への繋がりがより顕著にラインとなって出ているのが見受けられると思います。               ウエストコートの丈が伸びれば、胸元のVゾーンは深くなります。 3釦でも本返りであれば あまり顔を出さないでしょうが、 S様の3釦は 段返り仕様で仕立てられているので こちら上着側もVゾーンが深くなります。   という事で、結論的には帳尻が合ってくるという訳ですね。             体型はずっと維持されておられるS様、基本的な型紙サイズは同じでも、 今回の生地のボリュームを考えると 洋服が筒になった時での 内径円周値は厳密には若干小さくなっていると言えます。 そんなところも踏まえ、色々動きながら着用確認です。             いよいよ仕立て上がりました。 縮絨・起毛されたウーレンフランネルは とても密で保温性にたけ、 独特の親しみさえ感じられます。 『フランネル』という呼称はその昔 FOX BROTHER が登録商標登録として保有していました。 FOX = FLANNEL という図式はそんな歴史もあるのですね。                 S様にお越し頂きました、先ずはトラウザースから。 腰から尻に掛けての身体のカーブへ添うようにハイバックがせり上がります。 この腰辺りの支えられている様なフィット感がクセになるんですよね!                 ロングバージョンのウエストコートも 出来る限り目立たぬようバランスを施しました。 S様はフロントにアルバートチェーンホールをお開けになるのがマストです。               では、上着をどうぞ!     S様、本当に似合いであり、とても素敵です、、、、。               鏡の前でも見栄えをチェック!             最後にまた例のスエードシューズと。 傾斜付きダブルの裾上げから除く素敵な靴がとても映えます。   フラノのスーツにスエードシューズを認知させたのも ウインザー公でした。 何かと繋がりのある大変素晴らしいフランネルのスーツとコーデで御座いました。   S様、この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。 このスーツのご活躍まで あともう少し、是非ともご堪能頂けましたら幸いです。             ・・・・・如何でしたでしょうか。 涼しくなって気分も盛り上がります。   皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。             ・・・・・大変申し訳御座いません。 来週のBLOG更新はお休みを頂戴致します。 お陰様で忙しくさせて頂いており、嬉しい悲鳴で御座います。 そんな時はいつもBLOGが犠牲に、、、。   次回は 10月25日(火)を予定しております。     どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。            

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  • 【 I様の御注文 : VINTAGE T&L 】

    2022.09.27 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 I様の御注文 : VINTAGE T&L 】

          二週に渡り三連休、二週に渡り台風の到来と 折角のお休みも行楽には全く向かぬ天候となってしまいましたね。 皆様はどの様にお過ごしになられましたでしょうか。   9月も後半に入り、朝晩は涼しくなって参りました。 やっと本格的に装いを楽しめる秋冬です!               THE ROYAL FAMUILY AT WINDSOR   クイーンエリザベス2世の国葬が行われ、とても感慨深い想いで拝見いたしました。 もし、キングエドワード8世(後のウインザー公爵)が退位されていなかったら、、、 ですが、女王が統治されていたからこその英国があった事は紛れもない事実であり歴史です。   キングジョージ6世の御着用されるエレガント極まりなきブリティッシュスーツ。 この時代の こんな美しき完成されたスーツに憧れを抱かれる方々は少なくありません。 どこからどう見ても全く突っ込みどころが無い程にクラシックでエレガントです。 この素朴で普通で当たり前なバランスやデザイン、 揺るぎなく説得力高きカットにより仕立てられています。               ・・・・・今週は I様よりご依頼頂きました BESPOKE 3P-SUITS を御紹介させて頂きます。 I様におかれましては当店H.S ORDERをお試しになり、 直ぐに BESPOKE へとステージアップされました。   沢山のイラストなどをお持ち頂き、イメージは十分に理解させて頂きました。 要は冒頭のキングが着用されていた時代でのエレガントなスーツを御所望で御座います。               さて、そんなスーツを どんな生地でお仕立てされましょう。 これまた大変貴重でこの上なき程のヴィンテージスーチングをお選び頂きました。   1883年創業の TAYLOR & LODGE 1983年の100周年に織られた生地と共に作られたネームでしょう。 かれこれ39年も前の事です。   70年代後期から80年代初頭といえば、 随分と貴重で贅沢な生地が沢山織られていました。 同社だけに限らず、様々なメーカーがこぞって競い合っていた事でしょう。 競争があるからこそ 負けじと発展が御座います。           VINTAGE TAYLOR & LODGE LUMB’S GOLDENBALE & VICUNA & CASHMERE   ABOUT 360g     ネイビーベースに、クラシカルなファンシーヘリンボーン柄。 絶妙なシャドーストライプの様に浮き沈み、独特の表情を浮かばせます。 正に贅沢極まりなき逸品であり、旧型の織機で 手間と時間の掛かるフィニッシング、もう復刻は出来ぬ生地です。   こんなにも貴重で最高な食材に調理で負ける訳には参りません!             当店では初となる BESPOKE SUITS です、期待と緊張も入り混じる事でしょう。 仮縫いを経ながらじっくりと打ち合わせを重ね、 型紙精度だけでは無く、I様と私との様々な誤差をも埋めて参ります。   先ずは 1st-FITTINGです、当然ながら誤差もありますが I様の型紙を引いて初めて立体になりました。 ここから様々に補正を加え、型紙を引き直します。   やはり形になり、実際に御着用されてみると更に気分も高まるというものです。 そのご期待に負けぬよう 全力でお仕立て致します。           2nd-FITTINGに入りました。 デザインや仕様は至ってベーシックです。 ブレイシーズは このスーツ用にリボンのパープルをお選び頂きました。 仮縫いを通してサイズ確認を同時に行い、必要があればカットして調整します。 そして、お仕立て上がり時の最終フィッティングにも使用し、 スーツと共に御納品とさせて頂きます。         ウエストコートも良いですね。 全てにおいて 1st仮縫いからガクッと精度が上がりますので 当然ではありますが、やはり嬉しいものです。               とても良い雰囲気で御座います。 I様のご期待感も次第に高まります。   鏡を前にされれば、、、、更にカメラまで構えられては、、、 誰だって緊張してしまいますし姿勢も無意識に良くしてしまいます。 リラックスして頂ける環境と空気感を作り出す事も私の重要な役割です。   BESPOKEでは記憶がホットなうちに その仕事へ仕掛かれれば理想的です。 ですが実際はそうは参りませんので、 補正メモと共に確認用の写真を必ず頂戴しております。   時間が経っても写真があると その時のイメージがリマインドしやすく、 改めて落ち着きながら最終判断を下す事が出来ます。 ですが、その写真に頼り切るのは絶対に禁物です。 一瞬の刹那である写真、そして緊張や無意識の姿勢など バイヤスが掛かっている事も念頭に入れなければ成りません。             いよいよお仕立て上がり、最終フィッティングの日が参りました。 トラウザースは IN-2 PLETATS、後はハイバックにされ、 アジャスター類も尻ポケットも排除です。 裾はシングルにてリクエスト頂きました。                   ウエストコートも申し分御座いません。 人によりそれぞれに度合いは違いますが、背骨はS字を描くような曲線となっています。   ウエストコートは吸い付くようなフィッティングでなければ成りません。 背中の丸味に、そして腰の括れへと綺麗に寄り添いトラウザースへと繋がります。 ハイバック仕様はウエストコートを着用されれば隠れます。   WCもTRも、アジャスター類は潔く全て無いので本当にサッパリとしています。 こんな仕様も誂えならではと言えますね。               如何でしょうか。 I様の御顔がほころびます! とてもお似合いであり、本当に素敵です、、、、。                       『 実はネクタイも一応持ってきたので、、、、。 』 そうでしたか、では改めてご試着されてみて下さい!   やはりタイがあると キリッと引き締まり、まとまりが出ますね。 そのプリントタイ、私も購入しましたし お気に入りです。   腰ポケットは敢えて蓋無しをご希望されました。 どこまでもシンプルに。 腰ポケットは中綴じしてありますが、当然 通常通りに作られておりますので 中綴じを外せばいつでも使える様になります。   I様のリクエストされたスーツは私も大好きであり、ベースでもあります。 お好きな方には 見えぬ、気付かれぬ所まで随所に拘りや気配りも内蔵されております。   I様の笑顔がとても嬉しいです。               『 身体にピッタリなのにキツさも無く、 しかも動きやすい。服が体の形になっている! 』   そんなご感想を頂戴しつつ、とてもお喜び頂き お持ち帰りになられました。 改めてご注文時にご持参されたイラスト類やイメージに見合うスーツになりましたでしょうか。         次は実際にデビューされて御着用であり、着こなしと共に是非楽しまれて下さい。 着れば着る程にスーツはI様に寄り添い、馴染んで参ります。     では、2回目の仮縫い時に追加にて御注文頂きました 秋冬用の ODD TROUSERS がそろそろ仮縫い準備が整います。 またお会い出来る日を楽しみにしております。   素敵な御注文を頂戴致しまして、誠に有難う御座いました。                   ・・・・・如何でしたでしょうか。 この時期は 先に御納品させて頂きましたW様、そしてI様と BESPOKE では同じく御新規様で同じニュアンスのスタイル、 そしてヴィンテージの生地と大変似ておりました。   御納品させて頂いたスーツの本格的な御着用もそろそろですね。 早く寒くなります様に!       つい先日には、2022年 秋冬用のNEWシャツ地が届きました。 暖かそうなネルシャツ地含め また魅力的な生地が揃います。 他にも質は高くもリーズナブルなコーティング含め お店の方も秋冬色に染まって参りました。     御多用の事とは思いますが、是非ともお時間を御捻出頂き 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。     今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。                

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