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【 A&W W.Bill ② 】
2018.08.21 生地に付いて
残暑お見舞い申し上げます。 お盆休みは如何でしたでしょうか。 皆様、ご存知の事とは思いますが また台風が近づいております。 19号、そして直ぐに20号と連続で向かってきております。 どうか十分に警戒、御注意下さいませ。 歓迎せぬ台風では無く、秋の到来を心待ちにしております。 スーツと比べ、ジャケットスタイルはコーディネイトの幅も広く ONのスタイルでは味わえぬ リラックスした装いをも楽しめるスタイルですね。 左側の立っている紳士は、小格子柄のスラントポケットをあしらえたジャケットをお召しです。 よ~く見ると、袖口はターンバックカフになっていますよ! ・・・・・いよいよ本格的に秋冬シーズンの到来です。 さて、ご注文される際に生地をお選び頂く上で、大抵の生地は スーツ地【 SUITING 】と ジャケット地【 JACKETING 】に分かれています。 (明確に区切られていない物、区切り辛い物などの例外は勿論御座います。) ご希望であれば スーツ地でジャケットやトラウザースなどの単品での ご注文を頂く事は良く御座いますし、大いに結構です。 しかし、ジャケット地でスーツへのご注文は、、、 誂える事自体は可能ながら基本的にお勧め出来ないのです。 では、何を基準にそれらは分けられているのでしょうか。 それは、『その生地がトラウザースに対応出来るか、否か』とお考え下さい。 故にジャケット地は上物用と捉えますので、オーバーコートも範疇に入ります。 ● スーツを御着用されていると、上着を脱ぐ事はあっても トラウザースは自宅に帰り 着替えるまでずっと着用されています。常に一日中の着用に耐えなければ成りません。 ● 運動や行動を考えてみて下さい。仕事でも食事でも座りますね。 お尻には体重が常にかかりますが、それはデスクワークなどで掛かる 肘の摩擦や負担などの比ではありません。 歩行もそうですね、屈伸運動なども含め、足の動きを考えれば 常に腕をぐるぐると振り回している様なものです。 相当な摩擦や負荷が掛かるのが下物なのです。 故に、スーツでのダメージはトラウザースからきますので 誂えであれば スペア・トラウザース を付けるご注文は少なくありません。 スーツ地はビジネス用やフォーマル用などでは制服的な要素もありますし、 当然ながら上下セットで着用されます。 だからこそ、往々にして生地は確りと織られています。 片やジャケット地は上着のみです。 上物とは別生地を合わせる事が前提となり ジャケットスタイルになります。 スーツと比べればジャケットはカジュアルなアイテムでもあり、 ビジネスでのシーンというよりは、 リラックスしたオケージョンでの着用が主体と考えられます。 なので『確りと!』という価値観よりも、例えば敢えて 柔らかく、軽く、 風合い良く、しなやかで、という価値観も意図され 企画されています。 という事は、素材の種類や毛質、糸の作り方、そして当然ながら織り密度なども甘めに 織られている事もしばしば見受けられる訳です。 もうお分りですね、ジャケット地では下物が頼りなく、、むしろ耐えられないのです。 膝は直ぐに抜け、お尻周りやモモ周りの生地は伸び、 摩擦により毛玉も発生しやすくなると言えます。 スーチング、ジャケッティング、そしてオーバーコーティングは それぞれの価値観や意図により分けられているのです。 先週は W.Bill による、最高に魅力的な TWEED SUITING を御紹介させて頂きました。 今週は 同じくW.Billより、 素晴らしい風合いのクラシックな JACKETING を御紹介させて頂きます。 W.Bill LAMLANA 10/11ors 320g 75% Lambswool 23% Angora 2% Cashmere 主体はウールであり、アンゴラとカシミアがブレンドされています。 先ず、この生地の個性を知る為には主体となる 【 ラムズウール 】 を 御理解頂かなければ成りません。 当店BLOGでは、ベビーカシミア や ベビーキャメル の御紹介をさせて頂きました。 http://dittos.seesaa.net/article/451681604.html ( ↑ 至高のベビーカシミア ) http://dittos.seesaa.net/article/451881466.html ( ↑ ラクダの親子 ) また、MOHAIR(モヘア:アンゴラ山羊)は KID MOHAIR (生後約6カ月程度のアンゴラ山羊)と区別されています。 http://dittos.seesaa.net/article/321867264.html ( ↑ 新旧 KID MOHAIR ) 当然ながら赤ちゃんたちの毛は細くてしなやか、本当に綺麗でとにかく素晴らしい訳です。 この生後半年位に刈られる毛、その子から一生に一度きりしか採取出来ない事になります。 採取量も少なく、当然高級になってしまうのは致し方ありません。 ラムズウールとは、羊の赤ちゃんです! 生後5~7カ月までのメリノ種の仔羊から刈り取られる羊毛なのです。 大人のウールよりも繊維が細く、光沢感も有りしなやかで保湿性も高いそうです。 繊維が細いので軽く、ウールよりもチクチク感が少ない。 その分 肌触りも良く、柔らかくてふんわりとしています。 クリンプ(繊維の縮れ)が多いので、空気をより含み 暖かい。 更には弾力性も高く(さすが赤ちゃん!)皺にも成りにくいというのです! マフラー(ストール)で考えてみて下さい。 やはり最高なのはカシミアであり、揺るぎません。(その上もいるにはいますね。) しかし、高級な事は否めず 比較的にバランスの良いラムズウールが それに代わり多く使用されていますね。 如何でしょう、やはり赤ちゃんは良い事尽くめなのですね。 そしてもう一種、約1/4ブレンドされている『 アンゴラ 』です。 実は、ウサギちゃんなのです! (アンゴラ:これはヤギとウサギがいるので混合されがちです。) 写真のように、全身が長い被毛で被われた長毛種のウサギであり、 最も古いウサギの品種でもあるそうです。 かなりモフモフです!! 顔すら見えません、、、抱っこしたくなりますよね! 繊維が細いので滑らかで肌触り良く、気持ち良く、軽くて温かくもあり、 更には保湿性も優れているとの事で とにかく最高という事ですね。 (このモフモフなアンゴラの毛は ニットやマフラーにも使われております。) ラムズウールにアンゴラとカシミアですよ、この子達の三者共演ファブリックです。 肌触りと共に風合いが良いのは当たり前ながら、PURE CASHMEREよりも リーブナブルですから そういった意味でも嬉しい事です。 こんな素晴らしいジャケット地となりますが、逆を言えば冒頭でお話したように 上物用として企画され、それぞれの毛質や特徴を最大限に生かして表現されているのです。 日々ビジネスで戦う皆様はONであれば確りとビジネススーツ、そしてOFFの日含め、 週末などはリラックスされ優雅なジャケットを羽織って頂くのです。 どうか優しさに包まれて下さい。 ・・・・・品の良い濃い目のブラウンは、落ち着きと安らぎを感じさせます。 土の色だからでしょうか。 秋冬の印象も与えてくれますね。 ・・・・・細かな柄はクラシックな バーリーコーン です。 その名の如く、大麦を摸してデザインされた柄であり、 カントリーファブリックには欠かせぬ古典柄の一つです。 案外 小さく上品にまとめられ、表現されています。 これがツィードだと もっと大きく大胆な柄となりますが、 柄の大小は 織り糸の太さに関係しています。 赤ちゃん羊の毛ですから、迫力のあるツィードとは別物ですね。 織り柄ですが、ほぼ無地としてお使い頂けますので 何にでも合わせ易く、 使いやすい上着になります。 ・・・・・バーリーコーン柄、好きなんです! もう一色、とても爽やかで綺麗な 若草色 、 本当に綺麗なグリーンであり、ほんのりと黄味も感じられます。 ・・・・・柔らかさが伝わってくるようです。 こんな綺麗な色味を生かしたコーディネイトで清々しくお出掛けされて下さい。 バーリーコーン柄は昔と比べると随分と減っているようです。 生地種自体も全体的に画一化されつつ、展開自体も減る傾向にある中、 この柄は綺麗に織りだす事が難しく面倒でもあるとの事。 良いバーリーコーンが手に入るうちに是非!! ・・・・・これまた渋いヘリンボーンですが、 柔らかく 薄めのトーンでまとめ上げた上品なヘリンボーン柄ですね。 遠目ではベージュ、、、ミルクティーのような 甘い綺麗なジャケットに見えるでしょう。 ・・・・・優しく淡いクリーム色に確りとした落ち着きのある経糸のブラウン糸で コントラストの綺麗な柄を生み出しています。 柄自体も小振りだからこそ、先のバーリーコーンに同じく品が感じられ 無地のジャケットの様に着こなして頂ける事でしょう。 ・・・・・こんな素敵なジャケットには、どんなトラウザースを合わせましょうか。 冒頭でも御説明致しましたが、下物はそれなりに強度が必要であり、 頼りになるタフな生地をお選び下さい。 秋冬物であれば、冷たい北風をも通さぬ生地も欲しいところです。 デニムからフラノまで、もう何でも良いですが 私のお勧め地を合わせて御紹介させて頂きます。 WHIP CORD ( DORMEUIL:CASUAL CHIC ) http://dittos.seesaa.net/article/444422429.html ( ↑ 詳しき生地の御紹介はコチラです。 ) これは間違いありません。 皺にも強く、復元力も高く、とにかくタフガイなODD TROUSERS として手に入れるべきネタでもあります。 かなり頼りになります! 追加も入り、計5色の御用意があります。 BRISBANE MOSS コットンのトラウザース地は年中通して欠かせませんが、やはり秋冬であれば コーデュロイやモールスキンは外せぬ存在です。 水洗い出来る事も嬉しいですし、カラーバリエーションも充実しております。 http://dittos.seesaa.net/article/374366447.html ( ↑ 詳しき生地の御紹介はコチラです。 ) 先ずは一本、しかし、、、所有すれば必ず2本、3本と数色 誂え足したくなります。 その使い勝手と魅力を知れば、1本で満足出来る訳がありません! ・・・・・3番目に御紹介した ヘリンボーン柄に、 ブラウンのホイップコードを合わせてみました。 先ず、スーツと違い ジャケットスタイルの場合は、 それなりに上下でのコントラストを付けることが重要です。 あとは上下でのパワーバランス(ウエイトなど)も考えると良いでしょう。 ベタですが、ブラウンのハーモニーが美しい! ・・・・・2番目に御紹介した 若草色のバーリーコーンには、 ダークオリーヴのコーデュロイを! 間違い無き選択ながら 凄く魅力的、、、、、。 ・・・・・最初に御紹介した ブラウンのバーリーコーンには、 鉄板のグレーフランネルを! http://dittos.seesaa.net/article/455162460.html ( ↑ コチラのページも是非! ) 兎に角、グレーのトラウザースは鉄板であり グレーだけで3種のトーンを持てとも言われます。 そしてフランネルですよ、、、多くは語りませんので 上記リンクより御参照下さい。 ありふれた昨今のフランネルでは無く、 この別注フランネルだからこその価値と魅力があります。 ・・・・・ブラウンの上着にグレーのトラウザースはフラノでしょうか。 皆様におかれましては、正に左の紳士の様にインナーにも拘りたいところですよね。 タッターソール・チェックは手に入れておくべきアイテムでもあります! ウエストコート、そしてシャツも欲しい。 ・・・・・カントリーファブリックに特化した W.Bill だからこそ、 タッターソール柄だけで こんなにもバリエーションが御座います。 POST BOY STYLE でのウエストコートも乙ですよ! http://dittos.seesaa.net/article/449698302.html ( ↑ POST BOY ① ) http://dittos.seesaa.net/article/450128554.html ( ↑ POST BOY ② ) ・・・・・如何でしたでしょうか。 秋冬へと気分は盛り上がってきましたでしょうか。 今回御紹介させて頂きました TRやWC での生地は、先週御紹介のツィードに それぞれODDで合わせて頂いても良い訳ですし、 むしろその様に幅広く着こなしを存分に楽しんで頂ければと思います。 今週も写真で生地色を表現するのは本当に難しく、 是非店頭にて直接ご覧頂けましたら幸いです。 特に今回のジャケット地は、その風合いと温もりをBLOGでは伝える事が出来ません。 触ればきっと優しい気持ちになるでしょう! 心底 お勧めで御座います。 また、ジャケット地は カシミアやエスコリアル含め、他にも色々と御座いますので是非吟味され 素敵な一着をお選び頂けましたら幸いです。 ( HOUSE STYLE ORDER限定のキャンペーンも、いよいよ今週末までとなります。 ) 皆様のお越しを心よりお待ちしております。 どうも有難う御座いました。 ・・・・・誠に恐縮ながら、来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。 次回は 9月4日(火)を予定しておりますので、どうか宜しくお願い申し上げます。
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【 A&W W.Bill ① 】
2018.08.14 生地に付いて
多くの方々は お盆休み中の事と思います。 帰省含めご家族で大切なお時間を過ごされている方々も多い事でしょう。 今年の夏は暑過ぎるので 遊ぶのも大変です。 当店におきましては、定休日以外は通常営業となりますので お時間のあるお方におかれましては 是非お気軽にお越し頂けましたら幸いです。 既に暑さに疲れ、涼しき秋冬が待ち遠しくなっているのは BLOGをご覧下さっている皆様も同じではないでしょうか。 今週は、高揚が止まらぬような ツィード を御紹介させて頂きます。 ツィードは本来 カントリーサイドで着用される洋服です。 乗馬や各種スポーツ含め、活動的な洋服であるからこそ 生地もタフでなければ成りません。 こちらはゴルフウェアとしての御着用ですね。 昔の天井の大きなクラシック・フラットキャップ、やはりコレです! http://dittos.seesaa.net/article/428951218.html ( ↑ FLAT CAP ) ツィードはハンティングやフィッシングなどにも着用されます。 狩猟用として身を守る為にも丈夫であり、体温も逃がす事なく暖かいうえ、 デザイン的な配色などもカモフラージュ出来るように作られています。 大地たるブラウン、草木のグリーンが主体であり、 自然から採取されるもので染色されたアースからでもある訳です。 そんなツィードは 花の色なども含めて多彩な色に染め上げられた糸を紡ぎ、 何とも言えぬ魅力的な色柄を生み出して参りました。 現代で言う迷彩服でもあるわけですね。 また、ツィードには様々な格子柄も見受けられます。 歴史を探れば 『 ESTAIT TWEED 』に辿りつくのですが、 紳士服は それだけ長い歴史のもとに今があるという事です。 何故 こんなにもツィードに高揚し、惹かれるのでしょうか、、、。 きっと、身体のどこかに眠る男性たる狩猟本能をくすぐるのかも知れませんね。 ツィードは野良着でもあり、ワークウェアでもあります。 タフな一着をデニムの様に着込み、育てる事より 掛替え無き味わいや着心地と共に エイジングをじっくりと楽しむ事も出来る 頼りになるギヤでありつつも、パートナーなのです。 多少の雨など傘さえ不必要です! W.Bill (William Bill) 1846年創業の老舗マーチャントであり、カントリー系の服地に特化した 素晴らしコレクションを展開している事で知られています。 同社の逸話を語る上で一番有名なのは、人類初のエベレスト登頂を成し遂げたヒラリー卿が W.Bill の服地を着用されていたとの事。 現代の登山ウェアを考えれば とんでもない歴史を感じますね。 今週は W.Billの素晴らしいコレクションの中より 厳選したTWEED:4種を御紹介致します。 SUPERFLEECE 12ozs 375g 100% All Wool ガッチリと密な打ち込みでおられた チェビオットツィード。 このSUPERFLEECEの特徴として挙げられるのがウエイトです。 企画は375g とありますが、触った感じでは400gはありそうですね。 これはツィードとしては軽量級となります。 日本で街着を主体とするのであれば これで十分です! P&H HARTWIST:560g も愛用していますが、個人的にはこれがMAXであり、 これ以上のヘビーウエイトも沢山ありますがオーバースペックだと思います。 SUPERFLEECEは、そういう意味でもタウンユースをも意識された企画でもありましょう。 こういったツィードは、やはりスーツで誂えておくべきであり、 基本はスーチングの生地となります。(勿論ODD用でも大いに結構です。) スーツで仕立てておけば、着こなしの幅もかなり広がります! 雪が降り積もる本当に寒き日、このウエイトで心配であれば インナーにニットベスト、 トラウザースにはコットンで洗う事も出来るハードなコーデュロイやモールスキンで挑みましょう。 三つ揃いを暖かなタートルネックのニットで着こなすのも乙です。 三つ揃いで暖かさに不安があれば、それこそオーバーコートが気持ち良く着用出来る事でしょう。 軽量級なりの選択幅が広がる訳です。 ヘビーウエイトなツィードであれば日本では正に真冬用ですが、 このシリーズなら秋口から直ぐにでも頼る事が出来ますね。 更に利点があります。 こういったスポーティーなバックデザイン含め、ポケット等にもプリーツを畳む様なデザインを仕立てる場合、あまり地厚過ぎる生地では プリーツが畳まれる生地同士の重なりで どうしてもモコモコになってしまいます。 SUPERFLEECE、これくらいが一番作り易く、モコモコに成らず スマートな感じで表現出来ます! 軽量級だからこそのメリットは着こなしの幅が広がるだけでは無く、こういった部分にも恩恵があるのです。 ・・・前置きが随分と長くなってしまいました(汗)!! ツィードは語り始めると止まらなくなるので困ります、、、。 ではご覧くださいませ。 写真では 色出しが難しいのですが、それもツィードの特徴と言えます! ツイルの織り地に、赤系のウインドーペーン柄がとても映える 素晴らしい生地です。 なんて素敵なのでしょう、、、。 生地方向は 写真のままであり、縦に綺麗な赤。 横には赤系と紺系の二重ストライプになって ウインドーペーン柄を織りなしています。 とにかく地の色もたまりません! ツィードらしく、複雑に色が絡み合い 何とも言えぬ色調です。 これ、「何色」って言い辛いですね。 多くの方々は、洋服として仕立てられた上で生地をご覧になられます。 現物生地の置いてある TAILOR では、生地の段階で様々な個性や特徴を垣間見る事が出来る事は大いなるメリットです。 この写真は生地端でありコーナーの部分です。 上部に見えている解れた糸(ワザと解れさせています。)が経糸です。 右側にブラウンのケバケバが見えますね。 生地の両端であり、ミミと言います。 これが緯糸です。 経糸はグリーン系が主体ながら、様々な色糸を撚り交ぜた杢糸を使用しているのが見てとれます。 草木のグリーン、大地のブラウンを経糸・緯糸で交織にして この魅力的な色を出しており、 そこに杢糸たる絶妙な色糸の風味が重なり合うのです。 正にツィードカラーとも言えますね! 右のグリーン系ツィードを着こなす紳士、なんて素敵なのでしょう。 グリーンはツィードに欠かせぬ色であり、魅力が濃い色味でもあります。 Bellows Pocket(ベロウズポケット:側面、底辺がマチ付き)がまたそそりますね。 次です。 先の生地に少し似ていますが、現物で見ると全然違います! もう少しグリーン味が強く、地がヘリンボーン柄になっています。 クラシックなヘリンボーンにウインドーペーン柄を重ねています。 地の色味には、ヘリンボーン柄から垣間見える黄色糸の風味を感じられます。 緑×赤の配色はクリスマスカラーっぽくもありますが、凄く相性良く仲の良い鉄板配色でもあるのです。 横ストライプには赤系と黄系での二重ストライプになっていますね。 これも写真では色出しが難しい!! グリーンベースに もう少し黄色の糸が出るので、写真より黄緑っぽい印象です。 ツィードはそれだけ複雑で絶妙な色出しという事ですね。 生地端 コーナーの写真ですが、失敗です! 緯糸がボケて見えませんね、、、。 緯糸は 結構濃く出たお茶(グリーンティー)の色、渋茶色に対し 経糸は複雑な杢糸が見えます。 写真だと分かり辛いですが、経糸に黄色み帯びた黄緑が生地のベースに上手く表現されています。 次に参りましょう。 これも激シブな やや濃いグリーン系です。 グリーンのベースは これもヘリンボーンです。 黄系と青系のウインドーペーン柄が引き立ちます。 (写真より格子の青線はもっと大人しい感じです。) 皆様、絵の具を使っていた頃を思い出してみて下さい。 格子の青と黄、これらを混ぜると緑になりますね!! 相性が良い訳です。 そこまで考えているのか分かりませんが、魅力的なデザインである事に変わりはありません。 この写真も、、、現物の生地で青縞はもっと鈍くてベースに馴染んでいるのですが、写真ですとクッキリ浮き上がってしまいますね。 ウインドーペーン柄はもう少し大人しい感じです! この生地端は分かりやすいですね。 経糸が黒、かな!? 緯糸にカーキグリーンです。 経糸と緯糸のコントラストが強いですね! なので、よりヘリンボーン柄がクッキリと出ますし、生地色に締まりが加わります。 左の紳士、ブラウンベースのヘリンボーンスーツ。 中に合わせているのはタッタソール柄でしょうか。 右の紳士が着用するヘリンボーンのツィードコートも激渋です。 やれたツィードコートを着込む洒落たジジイになりたいです。 最後です。ベーシックなブラウンのヘリンボーン柄、これも欠かせません。 こういったシンプルな生地であるからこそ、格子柄のシャツやタイ、タッターソール柄のインナーが映えるのです。 単純にブラウンと言っても、赤やオレンジ、グリーンも些細に感じられる綺麗なダークブラウンです。 ヘリンボーン柄も太過ぎず、細過ぎず、正に丁度良い塩梅ですね。 見て下さい! 深みがあって本当に綺麗ですね、、、、。ツィードは見ているだけで楽しくなってしまいます。 こういうシンプルな柄こそ スーツで仕立て、オッドに崩した時に汎用性が高く重宝出来るものです。 これも渋くて本当に格好良いです。 髭の様に解いた糸、これが緯糸であり 本当に濃いチャコールグレー!? 経糸に多色使いのブラウンです。様々な色糸と混ぜて茶系の杢糸にしていますね。 似た感じも多かった事と思いますが、こう並べると ぞれぞれの色味や個性が感じられる事と思います。 それにしても今週は生地の色を出すのに苦労しました。苦労しても上手く出ない自分の腕も悲しいですが、、、。 それだけツィードは本当に複雑で深みがあります。 是非、是非 現物の生地をお店でご覧になられてみて下さい。 拙い私の写真では この子達の魅力は半分しか伝える事が出来ません。 皆様なら、どんなデザインで、どんな仕様で仕立てますか? 考えただけでワクワクしてしまいます。 何年ぶりになるのか、、、私も新しいツィードの仲間をワードローブに加えるべく 今回はちゃっかり自分の分も購入してしまいました。服になるのはいつの事やらですが! お値段も元値よりダウンしております。 事情がある訳です。 この御機会を是非お見逃し無きよう 皆様のお越しをお待ちしております。 今月の25日までは、HOUSE STYLE ORDER限定に置き キャンペーンも行っておりますので 今の内から是非仕込まれて下さい! では、素敵な休暇をお楽しみ下さいませ。 今週も誠に有難う御座いました。
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