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お客様のご注文

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 SUMMER KID MOHAIR:仮縫い 】

    2019.03.26 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 SUMMER KID MOHAIR:仮縫い 】

          皆様 こんにちは。 寒の戻りもあり、週末は結構寒くなりました。 着る服を選ぶのも難しい時期ですね。   桜は現在3割前後の開花といったところでしょうか。 もう少しで見頃を迎えますね。     3月も後半に入り、この春夏用の装いについては もう仕込み済みでしょうか。 HOUSE STYLE ORDER では旬の洋服を短期でお仕立て出来る事は大いなるメリットです。 シャツ地と共に(リネンシリーズも揃いました) 魅力的な生地達を是非お気軽にご覧頂ければと思います。             KID MOHAIR混紡のスーツです。 春夏用のスーチングとしては正に代表選手の一角であります。 そろそろ着用時期が視野に迫って参りました。   モヘアは アンゴラ山羊の毛になります。 独特の光沢感があり、ハリとコシが強く、 触り心地はサラッと滑らかで肌触りも良く、 ウールの様なチクチク感がありません。   これはウールとモヘアの毛において、 キューティクルの違いが多きく貢献しているのです。 春夏用の生地ですから生地は薄く、 特にKID MOHAIRであれば余計に繊維も細くなります。 ですが もともと強い繊維であるという事も 春夏用で生地が 薄くなるスーチングに向いていると言える訳ですね。       今週は、KID MOHAIR混紡のスーツを御注文下さった顧客様より 仮縫い(BESPOKE)をご覧頂きながら その生地の魅力をお伝えさせて頂きます。                 大変御贔屓にして頂いております T様より、 3P-SUITS でのご注文を頂戴致しました。 今回は春夏用です。 盛夏はもう何を着ても厳しい限りですが、 少しでも涼しく 快適に過ごせるようご相談させて頂きました。   裏地は限りなく面積を減らした 『 クォーターライニング仕様 』でのお仕立てと共に、内部に入る芯地においてもバス芯(馬の尻尾を使った胸増し芯)を排除し、よりソフトな芯で構築させて頂く事になりました。   バス芯が無くとも 胸部の隆起した立体的なボリュームがハンガー面でも見受けられますね。 立体的な仕立てとは、芯に頼る事ではありません。 先ずはカット(型紙)があり、それを生かすクセ取り、 そして立体を生かした芯据えにあり、総合的に作り上げられるものです。               今回は三つ揃いでの御注文です。 しかし、気温が上昇してくれば やはりウエストコートは着用が厳しくなります。   それを見越され、トラウザースは腰履きの『 ベルトレス 』スタイルをお選び頂きました。 吊らない、ベルトもしない、正にJUST FITでお仕立て致します。 (勿論アジャスターの類は後程お付けさせて頂きます。)                 本来あるべき三つ揃いのトラウザースはブレイシーズで吊るものであり、ハイライズ(深い股上)が特徴です。 吊らぬ腰履きの股上ではウエストコートの裾、腹部からシャツやタイが見えてしまいますね、、、有り得てはならない事です。   という事で、そこも見越し もともと長めの丈バランスで設計されている 『 POSTBOY STYLE 』 をお選び頂きました。 これなら理に適い、WCのON/OFFは自由に選択できますね。   http://dittos.seesaa.net/article/450128554.html 【 POSTBOY WAISTCOAT② 】     因みに、上着では背抜き仕立てなど 裏地の面積を減らす仕様があります。 実はウエストコートでも『 背抜き仕様 』があるのです! 今回は少しでも、、、という事で この仕様にて承っております。   ウエストコート単体で見れば、更に涼しき仕様もあるのです! これは今後ご紹介すると致しまして、 この『更に』の仕様はPOSTBOYには向かないのです。 故に仕様面では背抜きがベストとなるでしょう。             背が高く、スラっとしたT様はとてもシャープでスリムな体形をされています。 羨ましい程にウエストも細く、よりグラマラスなシェイプが大変美しく表現されるのです。   ハリコシ強きモヘアの生地は、その特性により融通が効き辛い生地でもあります。 そんな事は分かっている事です。 技術と経験でこの様に生地と対話をしながら表現して参ります。             T様、トラウザースの股下は気持ちお出ししましょう。   T様らしい とてもエレガントなスーツで御座います。               今回お選び頂きました生地は、   Taylor & Lodge 65% SUMMER KID MOHAIR 33% S’120 WOOL 2% CASHMERE   240g     渋くて表情のある顔立ちのダークグレーであり、 光栄にも私の私物KMスーツと同じ生地で御座います。 (冒頭の写真と同じ生地です。)   http://dittos.seesaa.net/article/456981020.html 【 KID MOHAIR混紡スーチング 】   T様におかれましては、仕立て上がり次第 御発送納品のリクエストを頂きました。 完成したスーツのフィッティングを拝見出来ないのは寂しいのですが、 ご遠方ですし それだけ信頼を頂戴しているという事に他なりません。   お任せ下さいませ。 自信持って御納品出来るよう丹精込めてフィニュシュさせて頂きます。 今暫しお待ち下さいませ。     T様、この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。                 ・・・・・では次の顧客様を御紹介させて頂きます。   X様にも大変御贔屓にして頂いており、心よりの感謝を申し上げます。 海外よりお越し頂きますので、そうそう気軽にはご来店頂けません。 X様におかれましては日本語がもうペラペラですから、より密なコミニュ二ケーションが取れる事も有難い限りです。   御家族とも大変仲が良く、小さい頃から父親のいなかった私にとって 父親像を重ねる事も しばしば御座います。 魅力的で素敵な紳士であり、X様の様に歳を重ねたいと思っております。     この度は 2P-SUITS でのご注文となります。 ベントも切らず、腰ポケットは蓋も付けず 極シンプルにまとめられております。             X様もトラウザースは 腰履きのベルトレススタイルにてご注文頂きました。 シャープなシルエットを好まれ、ベルトレスですから当然ベルトループもありません。 しかし、吊りたい時には吊れる様にとの事から いつも内側に吊り用釦はお付けさせて頂いております。   多くの方々は体型が非対称であり、例えばどちらかの肩が下がっていたりします。 度合いも様々ながら、利き腕やスポーツなども関係がある事でしょう。   そして、身体は非対称のバランスを取るべく 肩下がりがあれば それを相殺するよう腰高も非対称となります。 勿論度合いは様々であり、肩下がりの程度に比例するでしょう。   吊り用のトラウザースはウエストサイズにユトリを持たせます。 吊る事という事も含め、腰の左右高低差はキャンセルされると言えます。   しかし、腰履きであるベルトレスやベルト用のトラウザースはリアルに腰の高低差を受ける事になりますので、上着の肩傾斜非対称と同様に 腰高の非対称というのを度合いにより反映させる必要があります。     X様、今回のシルエットにおき この裾口幅であれば もう少し股下をお詰めし、スッキリさせた方が良さそうですね。               腰回りもスッキリとしつつ、ユトリも踏まえ、 動いても 座っても快適さを損なわぬバランスです。 お尻周りは まだ縫代が多く残っておりますので『もたつき感』があると思いますが、 お仕立て上がりは一切感じさせませんので御安心下さいませ。     ウエスト寸法の誤差修正と共に、バッチリと反映してフィニュシュへ向かわせて頂きます。             あまりタイトにせず、ナチュラルなシルエットと着心地を好まれます。 しかし、エレガントさを失ってはなりません。 優雅なドレープが活きる様バランスを目指します。   X様におかれましては、『当店のスーツは周りから良く褒められる』と言って下さります。 有難う御座います、光栄ではありますが、それはコーディネイト含め着こなされている X様の醸し出す装い自体が魅力的であり素敵なのだという事で御座います。   私自身もご期待を裏切らぬ様 全力で準備させて頂きます。               今回 お選び頂きました生地は   HARRISONS : SUMMER CAPE KID   60% SUMMER KID MOHAIR 40% S’100 WOOL   240g   MIDNAIGHT BLUE   写真ではダークネイビー位に感じられますが、本当に深き濃い色味であります。 目の前に見れば、普通に黒と間違える事でしょう。   本当に品がありますし、エレガントな色であり生地でもあります。   ご注文時に生地をお選びになる際、実はこの生地をお勧めされたのは御子息様であり、 大変お洒落で洋服好きな御方で御座います。 お父様に同じく大変お世話になっております。     X様、仮縫い時に頂戴致しましたシャツが仕立て上がる事には このスーツも仕立て上がる様 頑張ります。   暫しお時間を頂戴致しますが、何卒宜しくお願い致します。 この度も素敵な御注文を 誠に有難う御座いました。               ・・・・・如何でしたでしょうか。   日本の盛夏を考えれば、クールビズ自体は否定もしませんし、 そもそも根本的な発端は省エネによるものです。 しかし、無駄に期間もみるみる広がり、、、 ただ楽な格好を求めているだけの様な気がしてなりません。 大人の社会ですから 恰好などは自主性に任せるべきです。   装うという行為の根本を今一度見つめ直して欲しいと願うばかりです。       少しでも快適に過ごせるように考える事は自然な事です。 ですが、洋装に関しては 洋服屋に一役担わせて下さい。 それが仕事です。 生地、付属類、デザイン、仕様から仕立て方まで様々な工夫があり、 先人達が築き上げてきた古の知恵や工夫と共に、更に発展させた『今』があります。   大量生産により既製服が台頭した昨今、失われつつあるデザインや仕様等はキリがありません。 そういう物こそ手間と技術が掛かるという側面もこれまた事実です。 時代に抗えぬ部分も御座いますが、出来る限り私達の代で尽きる事無き様 素晴らしい先人達の知恵と工夫を御紹介させて頂きます。   技術者に終わりは無く、一生勉強が続きます。   少しでもお客様方に満足して頂く為に、、、。本当に遣り甲斐のある仕事です。     無理な事もあるでしょうが、先ずは何でもご相談下さいませ。 その為に 知識と経験を常に積み上げておりますし、これからも精進して参ります。   皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。             ・・・・・最後にお知らせで御座います。 4月1日 より、今年も 【 至高のシャツ地フェア 】を開催させて頂きたいと思います。   シャツは下着でもあり、直接地肌に密着するものです。 世界一のシャツ地とも称される生地達には それなりの理由が存在致します。 高額な事は否めぬ事実ですが、だからこそ普段は見本すら店頭にありません。   そんな素晴らしい生地をお得にお仕立て頂けるチャンスとなります。   http://dittos.seesaa.net/article/458692004.html http://dittos.seesaa.net/article/458837088.html http://dittos.seesaa.net/article/459929434.html   是非ともお時間をお作り頂き、これら素晴らしいコレクションをご覧にいらして下さいませ。 詳細は来週のBLOGでも御紹介させて頂きます。   今月末より準備が整い次第 店頭では静かにスタートさせて頂きます。     皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。                

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  • 【 DINNER JACKET② 】

    2019.03.19 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 DINNER JACKET② 】

          桜の開花予想日までもう少しです。 東京での満開を迎える見頃は今月末から4月の頭くらいだそうです。 毎年楽しみですね。             正に完璧でクラシックなブラックタイのスタイルです。 中にはチラリとドレスウエストコートも見受けられますね。 三つ揃いのディナースーツ、エレガントな夜の装いであります。             若かりし頃のC.ゲーブル氏もディナースーツをエレガントに着こなしております。 ウエストコートの衿にも拝絹があしらわれていますね。             ・・・・・現代におけるフォーマルウェアは、DAY FORMAL と EVENING FORMAL に分かれており、イブニングにおける正礼装がテールコート(イブニングドレス・燕尾服)であり、その準礼服にあたるのが ディナースーツ(タキシード)となります。   正式なパーティーでの招待状にはドレスコードが案内されます。 そこには 『 ホワイトタイ 』や『 ブラックタイ 』などと書かれており、分かり易く言えば そのパーティーの格を表しているとも言えます。   白や黒のタイを締めて行けば良いのか!? いや、これは服装スタイルを示し ホワイトタイは正礼装であるテールコートの着用を、 ブラックタイはディナースーツで来て下さいという事になります。   格式高き正式なパーティーではホワイトタイですから、ブラックタイでとの記載があれば 本来ではリラックスして砕けたディナースーツでお越し下さいという事になります。   ただし、昨今のカジュアル化を考えればブラックタイでも十分に格の高いパーティーとも言えるかも知れません。日本国内であれば尚更ですね。   日本では冠婚葬祭含め ブラックスーツ があれば良い。 独自のルールがすっかり浸透しております。 これはバレンタインデーにはチョコをあげる様にと企画された行事ではありますが、ブラックスーツもこれに同じく洋服メーカーが販促を目的に一石二鳥を謳う企画から始まったそうです。 確かに経済的には優しいでしょう。しかし、もしこの打ち出しがなかったら、、、 結婚式など含め御祝い事や式典などの行事ではもっとフォーマルウェアの着用が残っていたかも知れませんね。             大人の渋みが漂うC.グラント氏、流石は堂に入っております。           ・・・・・フォーマルの装いにはかなりのルールが存在致します。 ホワイトタイのスタイルでは、シャツの衿はウイングカラーです。   しかし、準礼服であるブラックタイのスタイルでは、C.ゲーブル氏の様にウイングカラーは勿論の事、レギュラーカラー等の折り返った二枚衿でも良いですよ となります。 C.グランド氏は二枚衿ですね!   その本来では砕けたポジションとなるディナースーツ、これにも様々な特徴がありますが、一番目立ち 特徴的なのはやはりラペルに被された拝絹となるでしょう。   では少しだけ歴史を遡ってみましょう!           ・・・その拝絹ですが、勿論テールコートにも、ディナージャケットにも付けられています。 そもそも何故シルクが、、、、。   これ、実は昔の服の名残から来ており 実際に裏地で使われていたシルク地からきています。 ラペル(下衿)が折返るという事は、内側が露呈する事になりますね。   今現在における正礼服はテールコートとモーニングコートです。 その昔には更に上の親玉がおり テールコートとモーニングコート自体が 準礼服であった時代があります。   その上位に君臨していたのが フロックコート となります。   モーニングコートが普段着であった時代、デザインと共に様々なバリエーションがありました。 スタイルとしてもビジネスモーニング、ハンティングモーニングなど ツィードで誂えられたモーニングコートだって有った訳です。           1900年の写真です。 これがフロックコートであり、ラペルの返り線側にはシルク地が見受けられますね。 (これはこれで意図して仕立てられたデザイン仕様であり、 やはり昔の名残より生まれ、シルクでラペルの全てを覆うテールコートや ディナージャケットより手前となる時代の仕様と言えます。 ラペルには剣先まで釦ホールが並び、両前仕立てのダブルでも 全て上まで釦を閉じられる名残を表しています。)   当時の裏地はシルク裏地が一般的です。 今みたいなキュプラとかは無いですから、、、シルク地はとても高価・高級な裏地です。     紳士服は歴史であり、ほぼ全てにおいて意図や理由、生い立ちの背景などを探る事が出来ます。 これがファッションでは無い本当の紳士服であり、リアルクロージングなのです。   長き歴史の流れとして 軍服はスーツに、馬は車に と、どれもこれも突然生まれてきた訳ではないのですね。     少し、ご興味が湧かれましたでしょうか!?     今週は HOUSE STYLE ORDER にて、Y様よりご注文頂きましたエレガントなディナースーツを御紹介させて頂きます。           背も高く、逞しいお身体をお持ちであるY様。 この日はお仕事帰りにお立ち寄り頂きましたので、コーディネイトはご了承下さいませ。   お仕事の関係上 海外の方々との交流も多く、ディナースーツはビジネス的にも必要ながら、なんとご結婚もお決まりに成られたそうで 本当におめでとう御座います!!   身体に厚みのあるY様はとてもスーツがお似合いです。 正統的なディナースーツは三つ揃いでの御注文を頂戴致しました。   しかし、シルエットがとても美しいです!               お選び頂きました生地は、これも当店自慢の最高たる生地で御座います。 10周年記念で御用意させて頂きました GOLDEN BALE : BLACK DOESKIN です。 http://dittos.seesaa.net/article/463655660.html   極上な原毛を確りと糸に引き揃え、ガッチリと打ち込み強く織り上げられた当店オリジナルの生地です。 優雅で美しきドレープをお約束致します。   フォーマル地のブラックとして正統的なドスキンを 3シーズン用のウエイトでお作りした逸品となります。 お値段も含め、これ以上の個人的お勧めBLACKは当店にありません!     生地が黒ければどれでも良いのか、いえ そうではありません。 色が黒いだけでは織りなどによっても向き・不向きが有りますし、 やはり正統的クラシックなブラックの生地が理想です。   ブラックスーツ含め、フォーマルウェアをお考えでしたら ベストな御選択だと心底思っております。               吊り用のゆったりとした股上に優雅な2プリーツをお選び頂きました。 トラウザースもさる事ながら、ウエストコートもC.ゲーブル氏に同じく シングルの衿付きを御選択されました。             バックスタイルも大変綺麗です。 特にハイバックにはされませんが、これがレギュラーとなるスタイルです!   尻ポケットは右側のみ、フラップも付けずに至ってシンプルに。             後姿も凄く綺麗です。 トラウザースとの連動もバッチリですね。   ウエストコートを着用すれば、トラウザースの帯部は隠れてしまいますのでハイバックかレギュラーバックのどちらでも見え方自体は変わりません。             光を吸い込む様なブラック、本来ドスキンはマットな表情であり 光沢感なども出ず、本当に落ち着きのあるエレガントな生地です。 光の陰影が写真によって出るのは原毛自体がハイクオリティーだからこそです。   Y様、本当にエレガントで素敵です!   三つ揃いなので、勿論ウエストコートも着用されております。ほんの少し見えますね。 (WCは写真を撮り忘れておりました、、、。) ドレスウエストコートであり、VゾーンはUネック型の衿付です。 シャツの胸元を見せつつ ウエスト部をホールドする役割となります。     では少しだけディナージャケットのディテールについても触れてみましょう。   ● ビジネススーツ等では良く見受けられる腰ポケットのフラップ。 ディナージャケットにはフラップを付けません! 付いていたら偽物です(笑)。 FLAPとは、洋服的に訳すと『 雨蓋 』 と訳されます。 室外着前提たるディテールですね。 室内着として生まれたディナージャケットには不必要な訳です。           ● 同じく皆様も良く見受けるであろう上着の背中にはベント(ベンツ)が切られている服が多いですね。 しかし、ディナージャケットは絶対に切りません!   例えば CENTER VENT 、これは洋服的強引に訳すと 『 馬乗り 』と訳されます。 お分りですね、室内着には不必要な切込みです。 因みに SIDE VENTS は軍服から来ており、サーベルに関係があります。 NO VENTはこういった事からも一番エレガントな仕様であり、 シルエットも一番美しく表現されます。             ・・・・・写真では撮っておりませんでしたが、、、 ● トラウザースの両側面にある外脇縫い目。ここには側章といってシルクのテープが 腰から裾まで付けられています。     その側章ですが、準礼服では1本、もしくは細目な物。 正礼服は2本並べて付けられるか、太めなブレードが付けられます。 ここでも差が付けられているのですね。   因みに、側章は何故付けられているのでしょうか、、、。   【 紳士の礼服には下着的な部分はなるべく隠すという原則がある。 例えばトラウザースの穿き口(フロント部や帯周り)というのも下着的な部分とみなされる。 故にそれを他人に見せないようにウエストコートやカマーバンドで腰部をホールドして隠す。 トラウザースの外脇縫い目、これも下着的な部分として他人に気付かせてはならぬ。 したがって側章でカバーしている。 】・・・男子専科様より   (日本最古のメンズファッション誌との事、 私が若い頃はDANSENですとかお世話になりました!)         ● トラウザースの裾上げは必ずシングルです。   今現在では、ビジネススーツでも折り返し付のダブルであげられる事は一般的です。 しかし、本来は裾が汚れるからと折り返した事が始まりであり、 ジーンズのロールアップと同じ様な行為です。   ダブルの裾上げは くだけたカジュアルな仕様でしたが、長い年月を経てそのポジションが上がり 今ではビジネススーツまではOKという事になります。 しかし、フォーマルに関しては絶対にNGであり 必ずシングルとなります。       履く靴にも決まりがあり、本来ではエナメルの靴となりますが 何故エナメルなのか、、、これにも理由があります。 キリが無いのでこの辺にしておきますが、特にフォーマルは正しき知識が必要です。 フォーマルな場において、装い含め 正しきルールを理解し、守る事は エチケットでありマナーなのです。     皆様に正しき御説明が出来るよう 私達側の人間は大いに勉強が必要です!     数十年先を見れば、現在における正礼装はフロックコートの様に引退し、 準礼装であるディナースーツとディレクターズスーツが正礼装に格上げされるかも知れません。   燕尾服を着用する機会、、、指揮者になりますか、ノーベル賞を狙いますか。 無くなって欲しくは無いのですが、順番的には上からです。 故にディナースーツとディレクターズスーツはまだまだ現役期間は長い事でしょう。         皆様も歴史のある正統的なフォーマルを踏まえ、 素敵なディナースーツを誂えてみては如何でしょうか。   当店では、お合わせになるドレスシャツの誂えと共に、ブラックのボウタイやカマーバンド、シルクのチーフなどの小物も御用意しております。     勿論 日本人として既に一般化し 浸透しきったブラックスーツ。 これも準礼服の下に位置します。 正統的経緯を踏むブラック地を使用したクラシックで エレガントなブラックスーツを御誂え下さいませ。   http://dittos.seesaa.net/article/146420653.html ( DINNER JACKET )         Y様、この度も素敵な御注文を頂戴致しまして誠に有難う御座いました。 機会が御座いましたら結婚式のお写真も是非拝見させて下さいませ!   また奥様とのご来店を心よりお待ち申し上げております。                 では、今週も最後までお付き合い頂きまして 誠に有難う御座いました。   皆様とお会い出来る日を心より楽しみにしております。                  

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