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【 10th ANNIV.:F様のご注文 】
2024.10.08
お客様のご注文

0月8日 本日は24節季での『寒露』となります。 ~ 草木に冷たい霜が宿り 寒さを感じる頃 ~ 酷暑は落ち着きましたが、まだまだ寒さは感じさせてくれませんね。 温暖化による気候変動により 24節季 もズレてきているような、、、。 とはいえ、朝晩は随分と楽になりました。 今週はまた一段 気温も下がりそうであり、 やっとスーツが気持ち良く着用出来るようになってきそうですね。 3釦 本返りのノッチドラペル、ベーシックで飾り気も無く 正にクラシックです。 強いて感じられる、感じさせるのは 身体に合ったサイジングと美しきシルエット。 クラシックスーツは『額』であり、主役は貴殿自身ですから その主役を控えめでありつつも引き立ててくれる様な額を確りと選ぶべきです。 さて、今週は記念すべき初の BESPOKE SUITS となるご注文をくださった F様の素敵なスーツをご紹介させて頂ければと思います。 F様はとても温和な御方であり、装いもベーシックで落ち着きが御座います。 当店へは HOUSE STYLE ORDER よりご縁を頂戴致しました。 スーツの着用頻度が下がりつつある昨今、 であればその機会を最高のスーツで過ごされたい。 至ってシンプルでベーシック、かつダークスーツの様な堅苦しさを感じさせず ビジネス含め 普段より気兼ねなく着用出来るスーツをご所望です。 どんな生地を選ばれたでしょうか。 10th ANNIVERSARY CLOTH Taylor & Lodge 100% GOLDEN BALE:WOOL = Bird’s Eye = 360g http://dittos.seesaa.net/article/463655660.html 【 10th ANNIVERSARY CLOTHS 】 当店が開店より5周年、そして10周年時に Taylor & Lodge社へ注文し、織り上げてもらったオリジナルの別注生地となります。 生地屋さんが企画した生地ではなく、本当に洋服を裁断し縫い上げる いち仕立て職人 としての価値観による『良い生地』とは、、、 そんな価値観を最大限に表現した生地と成ります。 ゴールデンベールという希少かつ最高の原毛を使用し、 1950年代当時の確りした織密度により打ち込みに拘りました。 職人の施すアイロンワークを素直に受け取り、定着率も高く 所謂『 仕立て映え 』のする生地というのが要となります。 ウエイトは厚すぎず、薄すぎず、真夏以外はご利用頂ける 3シーズンウエイト にて具現化致しました。 このバーズアイは唯一5周年、そして10周年と2回に渡り仕込みましたが、 それだけバーズアイが好きであるという事です! ただし 少しは変えたいので、5周年時は320gの3シーズン用のド真ん中 10周年時の時は 秋冬寄りな ギリ3シーズン となる 360g にさせて頂きました。 この拘りのネームも、T&L社のVINTAGE NAMEより同社に リクエストしてアレンジ、復刻してもらったお気に入りのネームです! 生地ネームに限らず、昔の方が凝っていて魅力的なネームが多いですよね。 もうこのシリーズの生地はある意味実現不可能なレア生地と成ってしまいました、、、。 バーズアイは名の如く 鳥の目を表現した様な織柄であり、 その目は使用されている織り糸自体の太さに関係があります。 地厚な生地で当然織り糸も太ければ 鳥の目 も大きくなります。 そして重要なのは 確りと瞳がある事! 実際に瞳の無いバーズアイも見た事がありますが、 『目』になっていないので偽物感が凄いのです。 アイ自体が小さければ あまり見えませんし表現も大変ですが、 私にとってはとても重要なのです。 また、バーズアイは小格子柄でもあり、 生地の縦地・緯地が確りと目視確認出来ます。 これは仕立てる上でとても正確に作る事が出来るという事でメリットとなります。 ですが格子柄ですと柄合わせが必要となってしまい +α の工程が増えてしまいますが、 このバーズアイは無地範疇扱いなので デメリット無く メリットのみという美味しい柄でもあるのですね。 クラシックスーチングの代表メンバーでもある一人です! 本返りの3釦 ノッチドラペル、至ってベーシックにまとめます。 そして BLOG紹介では珍しい部類に入ると思いますが、 上下での 2P-SUITS であり、トラウザースはベルト用となります。 この仮縫い時、F様におかれまして 足を骨折されてしまいまして、 そんな御不自由ななかご足労頂きました。 当然革靴なんて履けませんからスリッパで確認させて頂きました。 F様、如何でしょう とてもお似合いで御座います! トラウザースはベルト用で 1プリート。 フロントは実用重視にファスナーとなります。 吊らないトラウザースは腰骨位置を意識した浅い股上となり、 ウエストのサイズもベルトを締めますからジャストサイズに合わせます。 尻ポケットは利き腕側のみ、バンドの後中心にはスリットを入れます。 スリットを入れるからこそ、後中心のベルトループは 自ずと跨ぎの2本となります。 とても良い感じです! 上下共に微調整を加え、いざFINISHへ。 バーズアイの独特で豊かな表情が大変魅力的です。 確りとクセ取りの効いたフォルムは掛け替えなきもの、、、、 背中は腰が括れ、その腰から上は 肩甲骨のボリュームを包みつつ 運動量的なユトリも加味。 腰から下はお尻の立体を包み込む分量が内蔵されていますので この様なコントラストになるのですね。 ベンツを切らないからこそ、背中自体もここまで立体に 表現された仕立てが活きるのです。 ではF様をお迎えで御座います。 まだまだ完全復活までには至らぬものの、 普段の生活にはほぼ支障がないくらいまで回復されたとの事で本当に良かったです。 きっと少しはご無理もされておられているのでしょうが、革靴でのFITTINGです! プリートによる優雅なユトリはありつつも、 太過ぎず 細過ぎないシャープなシルエットを構成しております。 裾上げはシングル、確りと前後の傾斜が付けられていますが その差は3㎝あります。 この裾口幅で3㎝ですから その効果と恩恵はご覧の通りで御座います。 冒頭のイラストのように至ってシンプル・ベーシック、 ラペルも主張無き程好いバランスですね。 魅せるべきは サイジングであり、美しきシルエット。 そして BESPOKE たる真骨頂でもあるのですが、 ピッタリと身体に寄り添っているにも関わらず動きやすい! 裁断(型紙)と仕立て、双方の意図する表現あってこそ成り得ます。 確りと前に回ったショルダーは前肩骨格にすんなりと 重さを感じさせずに乗り、ストレスを感じさせません。 内部の芯までONLY ONEのBESPOKEですから 胸部の立体的なボリューム感は見れば分かりますね! HOUSE STYLE ORDER とはステージが違うので比べる事は出来ません、 というか比べてはなりません。 それぞれのポジションがあり、双方にメリット・デメリットが存在しますので、 それらは皆様の価値観にてご選択されれば良い事です。 もし比べるのであれば、、、、 BESPOKEはBESPOKEのステージで、 HOUSE STYLE ORDERはイージーオーダーでのステージで比べなければなりません! バーズアイ、、、、とても魅力的です! F様、如何でしょうか。 そろそろデビュー出来そうですね。 こってりとプレスの効いた新品のスーツは ある意味とても緊張状態にあります。 F様がご着用を重ねる毎に その緊張はほぐれ、F様色に染まって参ります。 ハンドメイドの作品は、完成時が最高な状態ではないのです。 ある意味では最高な状態で私がお届けしている訳ですが ここから手作りは育つのであり、育てるのです。 気付けばきっと掛け替えのない相棒になっているのではないでしょうか。 F様、素敵なご注文を誠に有難う御座いました。 ・・・・・如何でしたでしょうか。 今年は例年以上にBESPOKEのご新規様が多く、ご了承頂く事が出来ましたら また素敵なご注文の数々をご覧頂きたいと思います。 御体型から価値観まで本当に人ぞれぞれあり、 唯一無二ですから全てのご注文が新鮮でもあります。 楽しく、やりがいを感じながらコツコツと仕立てて参ります。 どうか引き続き 宜しくお願い申し上げます。
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【 Beautiful SHIRTS 】
2024.10.01
日記

パーティー明けのひと時。 イヴニングシャツにブラックタイ、装いを脱ぎ捨て 色気のあるワンシーンですね。 Marcella Bib Bosom 、胸部にはマルセラと呼ばれるハチの巣織調の生地で ビブ(涎掛け)、ブザムは胸(胸元)を指します。 これはイブニングシャツ(フォーマルシャツ)であり、 boiled shirts や starched bosom とも言われます。 スターチは糊ですが、その糊でカチカチに硬くして 正装時に勲章などを付ける土台でもありました。 この当時は写真のようにプルオーバー型(かぶり型)の仕様は一般的であり、 その分 身幅もたっぷり目です。 昔のバリエーションでは、プルオーバーでも釦開閉が背中にある後開きのタイプや、 ビブ:前掛け自体が独立しているものもありました。 英国の古い裁断所にも掲載されています。 前掛けの下には小さな『タブ』が見えますね。 このタブに結合する釦はトラウザース側に付けられ、 前掛けを安定させる役割を担います。 当時のシャツはデタッチャブル型であり、 襟やカフスは取り外し式なので交換可能です。 故に襟はその土台となるバンドカラーが主体なのです。 プラスチックのように固い襟を カラースタッズを使用して前後中心の2か所で留めます。 このプルオーバー型から現代での一般的な フロント完全開閉型のシャツへと移行して参ります。 被り仕様の当時はタップリしていないと着辛いわけでして、 ガバっと今のように前が開閉するからこそ サイジングも もう少し身体へフィットさせるように流れて参ります。 昭和の時代では、ワイシャツをクリーニングに出せば 『糊仕上げ』は一般的であり、パリッとしていましたね。 今では糊を使わぬナチュラルな仕上げが一般的になりましたが、 反面フォーマルなシャツは襟やビブをカチカチにすべきものであり、 今でもお願い出来るのでしょうか、、、、。 さて、10月に入り 気温も徐々に例年並みに戻りつつある最中 装いに対する気持ちは大いに盛り上がりますね。 そんな折では御座いますが、先月の9月をもって 大変お世話になっておりましたシャツ工場さんが静かに閉幕となりました。 昭和34年に建てられ、約65年もの間 高品質で 素晴らしいシャツをずっと作り続けて参りました。 本当に面倒くさい⁉ 当店のシャツは BESPOKE同等の型紙をONLY ONEで作成し、 拘りぬいたカットと高度で手間のかかる縫製仕様、その手法には重衣料である テーラードのテクニックも落とし込まれています。 それらにも存分にご対応頂き 最高のシャツを顧客様方へお届けして参りました。 この機に伴い、当店のシャツ受注は一時停止となっております。 一時停止前にと 沢山の顧客様より膨大な数のご注文を頂戴致しました。 既に全てが仕立て上がり、その殆どは顧客様のお手元へとご納品されております。 この最後の機会には 『英国シャツ地フェス‼』 も行い、 やはり沢山の方々にご注文頂きました。 今週は ご注文という形で支えて下さった顧客様方、 そして常に最高品質で仕立てて下さった工場の皆様へ 心よりの感謝を込め、美しく素晴らしいシャツを極一部とはなりますが 皆様にもご覧頂きたいと思います。 RING HART社の英国らしいストライプシャツ。 片方はクレリックに! クレリックシャツとは和製英語であり海外では通じません。 英語ではカラーセパレイテッドシャツと言いますが長いですね(笑)。 因みに 襟やカフスが、 衿のみが交換できた時代を背景にこの様なシャツが生まれた訳ですが、 英国では国王含め 『襟のみ白』 というスタイルも見受けられます。 2点共にクラシックなブルーベースながら、 左のシャツはヘアラインストライプになっております。 左にRING HART、右にACORNの生地です。 英国ライクなダークスーツが本当に映えそうですね。 ACORNより、クラシックなEND ON ENDはフレンチブルーです。 この色味、たまりませんね! クレリックで誂えられた顧客様も少なくありません。 同じく ACORN:END ON END より、ライトグレー地です。 上品で落ち着きもあり、渋めなコーデをお楽しみ下さい。 この度のカントリーチェックな生地は全て RING HART の生地と成ります。 地厚過ぎず、されど綾織りで確りと織り込み、 表面は微起毛させた BRUSHED COTTON となります。 では次のご紹介ですが、実はデビュー間もない オープンカラーシャツ もご覧下さい。 こちらも是非 復活させたい、、、。 スポーティーな格子柄。鮮やかな色、半袖で 正に夏のリゾートシャツ! 他にも様々な生地で 半袖や長袖 にてご注文頂きました。 私自身も仕立てて頂いたのでご覧頂けましたら幸いです。 Spence Bryson = QUINTIN = Irish Linen http://dittos.seesaa.net/article/502921191.html 【 NEW OPEN COLLER SHIRTS ② 】 長袖でホワイトとネイビー、上着のインナー要素を強く 長袖にしています。 本当に暑ければ上着も脱ぎ、腕まくりです! イタリア製のリネン生地と違い、同社のアイリッシュリネンはパリッとしています! していますが、、、何年もかけて洗濯を繰り返し、 クタッと柔らかく馴染むころを楽しみに着用を重ねて参ります。 ホワイトシャツにありがちな透けが気になる様であれば、 胸ポケットの両側付けは有効的な手段です。 そもそもスポーツシャツ、リゾートシャツですからポケットは似合います。 エイジングされた Irish Linen は掛け替えのない魅力を奏でてくれるはずです。 春夏に大活躍なスーツやジャケット、アウターの類は強気日差しを避けるべく 淡い色目が主体になります。 故にこういったダークな色味がインナーには大変映える差し色になるのですね。 リネンのスーツはBUFF、BUSH JKはBEIGE、ネイビーのインナーはかなりお勧めです! ホワイトのシャツは白蝶貝釦、そしてネイビー(ダーク系)は黒蝶貝の釦にします。 黒蝶貝の釦、実際にはグレーですね。 ・・・・・以上で御座います。 皆様 本当に沢山のご注文を誠に有難う御座いました。 工場さんも日程がありますので、 あの膨大な量を物凄いピッチで仕立てて下さりました。 春夏用、秋冬用、そしてオールシーズン用のドレスシャツ含め 皆様方がご着用を堪能されている間に 次の一歩へと進んで参りますので、 暫しお時間を頂戴致します。 そしてお世話になりました工場の皆様へも本当に感謝しかありません。 長い歴史を刻んできた工場さんが無くなってしまうのは 本当に寂しく残念であり、日本の損失でもあります。 こういった高度な物作りが出来る工場さんを守っていく為には 需要が欠かせぬ事も否めぬ事実です。 カジュアル化の進行は止められませんが、、、。 またどこかでお仕事のご縁が授かれます事を願っております。 本当にお世話になりまして、誠に有難う御座いました。
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