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【 BATEMAN OGDEN 】
2023.07.18 生地に付いて
暑中お見舞い申し上げます。 厳しい暑さが既に続く中、来週には『大暑』を迎えますが 地域によっては既に災害級の暑さに見舞われております。 皆様、どうかお気を付け下さいませ。 ご連絡させて頂きます。 8月2日(水)~8月25日(金) におきまして HOUSE STYLE ORDER限定による【 早期受注フェア 】 を開催させて頂きます。 通常より工期を少し長く頂く分 ささやかながらお値引きをさせて頂くという趣旨となります。 ご注文内容は 春夏用・秋冬用 どちらでも構いません。 ODD TR / ODD WC のみでのご注文は対象外となります。 故に、2P・3Pスーツ、ジャケット、オーバーコート が対象となります。 お急ぎのご注文でなければ是非このご機会を利用して頂ければと思います。 ご新規様も勿論大歓迎ですし、皆様よりのご連絡を心よりお待ち申し上げております。 さて、今週は今月より当店に加わったバンチを二冊ご紹介させて頂きたいと思います。 BATEMAN OGDEN 1881年 ヨークシャー州のブラッドフォードにて、 べイトマンさんとオグデンさんによって設立されました。 英国の伝統を重んじつつ、モダンでフレッシュなデザイン含め 企画多彩な高級マーチャントです。 展開されるバンチ数もかなり多く、大変見応えもあります。 その中で既に当BLOGでご紹介させて頂いたお勧め生地種も御座います! では早速ご覧いただきましょう。 今回のバンチは BATEMAN OGDEN より APOLLO COLLECTION / THE UNION CLLECTION と冠した2冊となります。 マーチャントでは様々な生地を趣向によって用意されておりますので、 中にはイギリスの会社でもイタリア製の生地などを扱う事も今では珍しくありません。 しかし、今回の2種はしっかり英国製であり、 織りから仕上げ工程までハダースフィールドで生産されています。 べイトマンオグデンのバンチは当店でもそこそこ御用意があります。 クラシックなスーチングからジャケッティング、モヘア系、カントリー系、 フォーマルまであり、それらジャンルの中でべイトマンらしさを醸し出します。 APOLLO COLLECTION HOPSACK / SERGE / BARATHEA 分かりやすいですね、秋冬用のしっかり目であり クラシックなスーツからブレザー、トラーザースにもお勧めです。 欠かせぬド定番アイテムでもある ネイビーブレザー は このアポロから選べば間違いありません! ホップサックという呼称 これはビールの原料でもあるホップを入れて運んでいた麻袋の様だという事です。 素朴で丈夫で、平織で糸も確りしていて このザックリとした感じこそホップサックなのです。 415~430g All Wool とてもシッカリとした味わい、 これぞホップサックとご堪能頂けるでしょう。 ネイビーからブラック、グレー。 ベーシックカラーは当たり前に! この辺りからマーチャントらしい豊富なバリエーションが強みとなります。 ブラウンからボルドー、グリーンとカントリー系にも合うような構成が奥深しいですね。 サージ、確りとした綾目(畝)が特徴で これまた丈夫な生地です。 綾織りの代表格でもあり、例外はありますが基本クリア仕上げで 表面は毛羽が無いからこそ綾目と共にじんわりとした光沢感があります。 このサージ、多くの方々も制服などでご体験済みでしょう。 サープラス含めユニフォームとして多いに使われています。 勿論スーツからブレザーまで、正に代表的なのスーチングと言えるでしょう。 415~430g All Wool この辺りはツィードやカシミアなどの上着へ合わせるべく、トラウザースにも最適です。 上着にパワー負けしない存在感とボリューム、そして下物には欠かせぬ丈夫さを兼ね備えます。 ミックスされた色味もあり、まるでツィードの様ですね。 このイラストは小格子柄のスーチングですが、 こんな感じでタウンスーツにも是非如何でしょうか。 最後はバラシアです。 この生地もブレザーとしては好ましく、フォーマルウエアの生地としても有名ですね。 ななこ織りという平織からの派生変化織というポジションで 良く見ると菱形の織模様を見受ける事が出来ます。 415~430g All Wool お気づきに成られましたでしょうか。 3種の織り方で全て色味は同じ展開、ウエイトも同じ。 これは3種すべて同じ糸を使い、織り地によって分けられ展開されているのでしょう。 唯一 最後のバラシアのみ JACKETING と区分けされています。 ウエイトがあるので やや打ち込みも緩くして風味を出したのか、 下物には心配かも、、、との先方ご判断だと思われます。 皆様でしたら どんな洋服を誂えますか!? THE UNION COLLECTION Super 120‘s All Wool 270~290g スーパー120を使い、縦緯双糸使いの英国地らしくとても綺麗な生地です。 日本では3シーズン用として一番幅広く使えるウエイトですね。 イラストにも拘らず、なんとも個性的な配色や 珍しい織地の様に見受けられます。 ヴィンテージの生地では このように今では見られなくなった複雑な織りや、 工夫された織りなど多彩に展開されていました。 スーツが当たり前に着用されていた時代を考えれば 生地という選択肢もそれだけ充実していたわけです。 今見ればモダンにも感じられる、そして色気のある生地、 ほんの少し 人とは違った差別化をされたい方など、 スーツに対し皆様個々の価値観やポジションがある事でしょう。 そんな価値観を持たれる方には是非一度 ご覧頂きたいコレクションとも言えるかも知れません。 妖艶な光沢感、色気を感じさせる配色や織柄の数々をご覧いただきましょう。 妖艶な強い光沢感を放つヘリンボーンに配色ストライプ。 これ、分かり辛いと思いますが、、、、 スーチングには珍しいほどに幅広なヘリンボーン柄です。 その織り目境界線に色糸を入れています。 織り糸が細いので綾畝も細かく、かつ幅広なので ヘリンボーン柄に見えないのですね。 それも、それがまた良し! この配色センス、、、これではバンカーは着ませんから バンカーストライプとは呼べませんね(笑)。 ですがこういった個性的な生地がある事こそ、 マーチャントの強みとも言えます。 光沢感が凄いですね。 これもヘリンボーンですが、その畝織地の中に縞を組み入れています。 MOXONのヴィンテージでもありました! 超ベーシックでプレーンなソリッドもラインナップされていますし、 PICK & PICKも御座います。 ベージュのP&Pなんてあまり見る機会はないでしょう。 ・・・・・以上となります。 ご興味を持たれたお方は是非お気軽にお声かけ下さいませ! アポロとユニオン、それぞれに価値観の見合う顧客様がおられますので 今度早速ご覧頂こうと思っております。 では、酷暑の最中では御座いますが 店内は涼しいので寒き秋冬を妄想し、 または来年用に春夏ものを仕込まれに 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。 今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。 ・・・・・来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。 次回は 8月1日(火)を予定しておりますので どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。
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【 HARRISONS:SEA SHELL② 】
2023.07.11 生地に付いて
ブルー 海や青空をイメージさせ、 爽快感と共にやはり涼しげな印象を与えてくれます。 しかし、、、暑いですね! 雨が降らなければ酷暑、降れば九州の様に 大きな被害が出ておりとても心配しております。 これからの時期はどんな生地に触手が向くでしょうか。 何を着ても暑いですから 少しでも涼しげで快適なものが良いですよね。 7月も中頃に差し掛かり蒸し暑さも際立ちますが、 皆様がご注文下さった春夏用のシャツやスーツ、 そしてオッドアイテムのご納品が続いております。 一般的な会社ではクールビズの期間でもあり、 タイや上着を着用されない時期でもありましょう。 そんなこの頃の時期に需要が高まるのが ODD TROUSERS です。 トラウザースの着用は回避出来ませんし、、、暑さを少しでも凌ぎたい。 涼しさを求め、生地を薄くすればするほど 強度・耐久性は落ち、 皴になりやすくなります。 織りで通気性を高めたり、素材自体の性能に頼るという 方向性に流れる側面も御座いましょう。 選択肢は複数御座いますが、そんな中から一種 お勧めな生地をご紹介させて頂きたいと思います。 HARRISONS SEA SHELL 55% TERYLENE 45% LINEN 360g http://dittos.seesaa.net/article/456373692.html 【 HARRISONS : SEA SHELL 】 夏と言えばリネン、放熱効果が高く、涼しくて夏をイメージする代表格でしょう。 強度も高く、濡れると更に強くなるので洗濯にも強いという事であり、 人類と本当に長きを共にしてきた天然素材でもあるのです。 そのリネンの魅力の一つとして『皴』が挙げられます。 これが特徴であり味である訳ですが、それが苦手な方もおられるでしょう。 特に夏は暑くて汗をかきますし、クリーニング頻度は高くなるとも言えますね。 秋冬物と比べ、コストもかけ辛いとお考えになられる方もおられる事と思います。 それらをマルっと解決してくれるのが このSEA SHELL なのです。 混率表記のように、実は化繊が半分以上を占めています。 テリレンとは日本で言うポリエステルだと思って下さい。 化繊をブレンドする事により、強きリネンへ更に強度が増し、 味である皴もある程度抑えてくれるのでシワシワまで至りません。 されどリネンたる皴は十分に楽しめるのです。 平織でザックリとして通気性も良いです。 汚れも付きにくく 落ちやすい、 そしてリーズナブルである事、、、化繊の恩恵です。 肌触りは天然繊維100%と比べれば劣るのは致し方ありませんが、 もともとザックリとした生地・織地ですから全然気になりません。 SEA SHELLはスーチングですので、勿論スーツからジャケットのみ、 トラウザースのみでも良いですし、スプリングコートや ワークコートなどの類だって似合う事でしょう。 これらの特徴を考えると、ODD TROUSERS に向かぬわけがありませんね! 黒耳に黒字、ほぼ読めません(笑)。 やや明るめでくすんだネイビー、ブルー系は清涼感が御座います。 全てソリッドであり、色のバリエーションが本当に豊かです。 涼しげなブルー系も充実しており、一番左は極微妙に色付いたアイスブルーです。 鉄板なクリーム系からベージュ、ブラウンまで。 ミックスなメランジ調まで揃いますので、お好みにより選びたい放題です。 ミックス系はよりスポーティーな雰囲気が出ますので、 皆様の思い描くシーンや、合わせたいワードローブに合わせてお選びください。 では洋服(ODD TROUSERS)となった雰囲気をご覧いただきましょう。 紳士たる鑑のようなM様、このSEA SHELLでスーツも誂えられており、 とても素敵なオリーブグリーンでした。 IRISH LINENは更に前にお誂え頂いており、 それらにも合わせるべく 今回はODD TRとしてご注文下さりました。 M様は常にブレイシーズで着用されます。 シンプルでベーシック、一切の無駄なきデザインと仕様。 2プリーツでユトリもあり、余計に涼しいですよね。 未修正のままFINISHさせて頂きました。 鉄板のクリームは必ずや重宝して頂ける事でしょう。 S様よりのご注文です。 S様もスーツは基本三つ揃いであり 吊り用のトラウザースですが、 今回は真夏も視野にベルトレス仕様にてご注文頂きました。 お仕事帰りにご足労頂きましたのでコーデはお固いですが、 お疲れの中 誠に有難う御座います。 お仕立て上がりです。 RINGHARTのマドラスチェック、とても素敵です! 春夏らしさが満点ですね。 本当に爽やかです。 仮縫いでは付けておりませんが、 ベルトレスは何かしらのアジャスターをお付け致します。 吊らない、ベルトもしないベルトレスでは、やはり動きや空腹時など含め ウエストサイズは多少動きますし、状況により微調節機能を設けておくのですね。 お二方共に尻ポケットがありません。 その分軽く、通気性も良いですから使わないのであれば涼しい仕様とも言えますね。 お上品なタッセルスリッポン、絶妙な股下のレングスに丁度良いですね。 S様はフロントのフォブポケットを左側に付けられます。 その隣にはDカン付きの小さなタブを携え、ここには大事な、、、、、。 休日にはワードローブに加えて下さった BUSH JACKET も必ず合いますし、 むしろこの上から是非羽織ってくださいませ!! ・・・・・如何でしたでしょうか。 色味も豊富ですし、スタイルも皆様次第で 吊り用やベルト用、ベルトレスとご選択ください。 ODD TR向けの生地は他にも御座いますし、 皆様の価値観やお好み等でお勧めも変わります。 少しでも快適で性能高き素材を選び、夏をも楽しまれてください。 どうせ また残暑も長いと思いますので、、、、。 では、水分補給を確りとされ この暑さを乗り切りましょう。 今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。
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