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2020/07

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 2020AW-JACKETING 】

    2020.07.14 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 2020AW-JACKETING 】

        皆様 こんにちは。 7月も中盤に入り、流石にそろそろ梅雨明けも見えてくる頃となって参りました。 今度は本格的な暑さと闘わなければ成りませんね。     さて、その本格的な夏を迎えるにあたり 恒例の行事となりました HOUSE STYLE ORDER限定 における 【 早期受注キャンペーン 】のお知らせで御座います。   7月15日(水)~8月20日(木)   上記期間内のご注文につき、秋冬物としては少し早めのご注文となりますので 通常より工期を多少余分に頂く事で ささやかながらお値引きをさせて頂くという工場さんの企画となります。 (お仕立て上がりは 9月中旬以降となりますので、秋の入り口ですから丁度良い頃合いです。)     対象は秋冬物に限りませんので、春夏物のご注文でも構いませんし、 早々にオーバーコートも良いでしょう。コート地も素敵な生地が揃っております。   どうかこの機会を有効活用して頂けましたら幸いで御座います。 何卒宜しくお願い申し上げます。             既に今季秋冬用に買い付けた生地も順次届いております。 BESPOKEの方は秋冬用が勿論の事、 HOUSE STYLE ORDERでも少しずつ入り始めております。   店内に並ぶ生地やディスプレーも 今月末までには全て秋冬用に入れ替える予定では御座いますが、 既に店頭へ並ぶ前に完売してしまった今季仕入れ分の秋冬生地も御座います。   切り替え前でも秋冬用の生地はいつでもご覧になれますので どうか是非お気軽にお声掛け頂ければと思います。       今季秋冬地の仕入れ分より既にSUITINGは先に一部だけご紹介させて頂いております。 http://dittos.seesaa.net/article/475392665.html 【 2020AW  NAVY SUITING 】       今週は JACKETING を紹介させて頂きましょう。       ・・・・・スーチングとジャケッティング、 一応区別されている訳ですが その大いなる違いとは何でしょうか。 ご存知の通りスーツは上下揃いの生地で仕立てられますので、 トラウザースというアイテムが必須となる訳です。 トラウザースは運動量と共に可動域も広く、 更に上着と比べ高い頻度で摩擦も受けるアイテムとなりますので、 それなりに強度や耐久性も加味されていなければ成りません。   経糸と緯糸から織りなす それら生地ですが、 スーチングの場合は打ち込み(織り密度)を確りと密に織り込み、ハリとコシを持たせます。 反面、上着のみであれば下物ほどの強度を加味する必要は無くなりますので 先に触れた打ち込みを甘くして柔らかい風合いを優先したりと出来る事になります。     同程度のウエイトによるスーチングとジャケッティングを触り比べた場合、 ハリやコシの違いと共に 生地厚の違いにも気付かれる事でしょう。 スーチングの方が薄く感じるのは 織り密度が高い分 それだけジャケッティングより比重が大きいと言えます。   ですので、ジャケッティングは織り糸自体もふっくらとさせていたり、 織り密度も甘い分生地厚が出るという事になります。 そんなに大きな差ではありませんが、理屈としてですね!   仮にジャケッティングでスーツを仕立てた場合、 直ぐにトラウザースが駄目になってしまいます。 特に細いシルエットを好まれた場合、より顕著に膝が抜けたり、 尻縫い目がスリップしたりという事も有り得てしまいます。   好きな生地で選べば良いのではなく、 目的のアイテムにより向き・不向きが生地にも御座います。   そして、単品となるジャケッティングだからこそ スーツと比べればカジュアルに位置する事になりますので、 色も柄もクラシックからファンシーまで多彩な世界観を魅せてくれるのです。           それぞれにクラシックなジャケットスタイルを着こなしたご両人。 白黒のイラストではありますが、左の紳士はダブルのネイビージャケットでしょうか。 右の紳士はスポーティーな格子柄、腰ポケットはフラップドパッチポケットにされています。   この様にジャケットスタイルを着こなされる場合は、 上下アイテム同士のカラーコントラストをそれなに加味してあげると 各々のアイテムがとても引き立たせ合います。       では早速ご覧頂きましょう。           欠かせぬネイビージャケットは紳士の装いにおけるマストアイテムです。 先ずは外せないポジションですから 極上な GOLDEN BALE でのジャケッティングを御紹介致します。         織元は勿論 Taylor & Lodge 製となります。 現在では唯一同社しか極上の GOLDEN BALE を扱う事は出来ません。   個性と魅力に満ち溢れた生地ですが、先ずは色味、 ビジネススーツに採用されるネイビーとは差別化されておりますね。 トーンも明るめで赤味帯びたネイビーであり ロイヤルブルー寄りと言えるでしょう。   そして織りはクラシックな DIAGONAL です。 当たり前な綾織りながら、斜めに入る畝を敢えて強調した織り柄となります。   この美しい光沢感、光の陰影が素晴らしく これも偏に原毛のクオリティーが直接的に反映されおり、 素晴らしい仕上がり具合へと調理されております。   肌触りはシットリとして柔らかく、見れば、触ってしまえば 仕立てたくなってしまう極上な逸品を出物として巡り合う事が出来ました。           斜めに入る畝が確りと確認出来ますね。 本当にシンプルな織地だからこそ、 原毛の、そして生地としてのクオリティーがより引き立つと言えるでしょう。         Taylor & Lodge   DIAGONAL 100% Lumb’s Golden Bale Wool About 320g     ウエイトだけでみれば、当店のオリジナル記念生地(スーチング)あたりのウエイトです。 ですが、織り密度も甘い分 こちらの方が厚みを感じられる事でしょう。   だからと言って秋冬物のジャケット地としてみれば まだまだ中量級ですから 秋口から寒さ残る春先まで 幅広くご愛用頂けます。           ジャケットスタイルでの着こなしですからシャツやタイに固執せず、 タートル等のニット類でも楽しめますね。 この生地で仕立てられたそのネイビージャケットは、 エリートな万能選手である事に間違い御座いません。   この生地が当店に来たのも縁であり、 ここからは皆様との御縁をお待ち申し上げております。                 小格子柄の ODD JACKET をメインとした装いは、 全体的にモノトーン調でまとめるなか コルク色のグローブが良いアクセントになっています。   ニットでラフに着こなされた様は正にOFFでの装いにピッタリです。             次の生地は、出ました、巡り合いました、、、、格別なジャケット地に! エスコリアルのジャケット地です。         もう生地ミミにレアでラグジュアリーと書いてありますね! モノトーンでまとめられた やはりクラシックな BARLEYCORN で御座います。   肌触りは まるでカシミアの様でもあります。           このバーリーコーン柄は私も大好きな織り柄の一つであり、 良いのがあればつい仕入れてしまいます。   エスコリアル種の羊毛は細く縮れ毛が特徴です。 コントラストを効かせた織り柄も美しく、 縮れ毛によるナチュラルなストレッチ性は動きやすさに直結致します。         素晴らしい の一言に尽きます。 無彩色であるグレーですので、着こなしに合せるアイテムは 色を気にする事無く何でも許容してくれます。   ドレープ美しき上着になる事でしょう。 この品のある艶感と良い、エスコリアルを未体験の御方は 是非こちらの上着で試されてみては如何でしょうか。   きっと虜になる事でしょう、、、。       Joshua Ellis   BARLEYCORN PURE ESCORIAL About 340g     極上なカシミアやキャメル等を得意とする J.Ellis製です、間違いないクオリティーです! 遠目には溶け込む織り柄であり、ミディアムグレー位に感じる事でしょう。           トラウザースは敢えてホワイト(クリーム)フランネルの様に明るめも良いですし、 濃い目のダークグレーやダークブラウンなどで下半身を引き締めても良いでしょう。         昔はスペインの王族が独占していたというのも頷ける程の特別な種であり生地です。 一度は絶滅されたとされるエスコリアル種(マーグレップ羊)、 今では大切に育てられ 少しずつ増やされております。 洋服地だけでは無く、ストールやソックス、ニット類にも使われる様になって参りました。 高級な服地だからこそ、今回の様な出物との御縁を是非とも尊重して頂けましたら幸いです。 スペインの王族が独占したくなる気持ちをきっと御理解頂ける事でしょう。             ・・・・・如何でしたでしょうか。 最高の食材を使って、御自身の為だけに最高のジャケットをお仕立て下さいませ。 BESPOKEでも、HOUSE STYLE ORDERでも 最大限に食材を活かして調理させて頂きます。   写真では魅力を半分も伝えられていないと思います。 是非とも御自身の目で見て、触って、そして纏ってみて下さい。 必ずや口角が上がると共に、 御自身様が最高に気分良く着用される御姿を想像出来る事と思います。     今回ご紹介の生地も勿論 早期受注キャンペーン対象で御座います。 皆様のお越しを心よりお待ちしております。     では 今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。            

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  • 【 M様の御注文:春夏 】

    2020.07.07 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 M様の御注文:春夏 】

        昨日をもって 至高のシャツ地フェア は閉幕となりました。 梅雨の最中にも関わらず、 最終日まで沢山の方々にお越し頂きまして本当に光栄で御座います。 残念ながらご来店叶わぬ型紙ホルダーの顧客様におかれましては、 BLOG写真よりお選び頂きました。   沢山の方々より素敵な御注文を頂戴する事が出来まして 心よりの感謝を申し上げます。 誠に、誠に有難う御座いました。   世界最高峰のシャツ地を使い、御自身の為だけに誂えられた 掛替え無き至高のシャツを是非ご期待下さいませ。 お仕立て上がりまで暫しお時間を頂戴致しますが、何卒宜しくお願い申し上げます。           さて、7月に入り 2020年もいよいよ後半に入りました。 湿度も高く過ごし辛き時期では御座いますし、 梅雨が明けてしまえば夏が到来する訳です。 少しでも快適な装いが望まれますが、 皆様におかれましては春夏用にと何か仕込まれましたでしょうか。 今週は清々しい春夏用のスーツをご注文下さりました M様の御注文 を紹介させて頂きます。           癒しと共に気分を和ませてくれるグリーンという色、見るからに爽やかで涼しげです。 このグリーン系での独特な色味を持つ生地でのご注文と共に、 ウエストコートの背中などライニングには同系色にて若草色をお選び頂きました。   グリーンという色を装いに取り込まれる方々は日本ではそう多くは無いかも知れません。 ましてや面積の大きなスーツ、ツィード等の カントリーウェアであれば欠かせぬ定番色でもありますね。 こんな魅力深き素敵な色を取り入れないのは勿体無くもあります!         お選び頂きました この生地、 カントリーな服地を得意とする W.Bill の春夏用スーチングです。 同社がまだHARRISONSの傘下となる前に展開されていたシリーズであり、 既に廃盤となってしまいました。   強撚糸を使い、通気性の良い平織で仕上げられています。 多色の色味を感じられる敢えて染めムラのあるグリーン系の織糸は、 渋くくすんだ落ち着きのある独特な色味であり、 グレーとグリーンを混ぜ合わせた様な英国らしいアースカラーが表現されています。     W.Bill = Feather Touch = About 250g 100% Wool   http://dittos.seesaa.net/article/464461223.html 【 2019年 春夏生地 】           男らしく羨ましお身体の持ち主であるM様、三つ揃いにてご注文を頂戴致しました。 御当日は今回のスーツのイメージ合わせ、 淡いペールグリーンのシャツを着てご来店下さりました。 爽やかさが倍増ですね!           M様におかれましては、今回のBESPOKE SUITSが2着目となります。 既に型紙精度も高く安心感が御座います。 胸板厚く本当に逞しい、、、立体に仕立てられた洋服が本当に活きます!             いよいよお仕立て上がりです。 この日もペールグリーンのシャツを御着用してきて下さりました。 こう見て頂くと、グレー味が入っているのでグリーン系が先行するばかりでは無く むしろ落ち着いた印象も与えてくれますね。       素敵にエイジングされたフルブローグ、 このポジションの靴は是非ワードローブに入れておきたいですよね。           春夏用ですから生地だけでは無く、袋地含め様々な付属類も薄地を使用し 少しでも軽く・薄く・涼しくを念頭に組み上げられています。   ウエストコートとトラウザースとのバランスもバッチリですね。 M様も吊って穿くトラウザースの大いなる魅力に 深き御理解をされたとの事で嬉しい限りで御座います。           ため息が出る程に素敵です、、、、 本当にクラシックで格好良く、そしてお似合いで御座います。 今回 ラペルの帰りは敢えて段返りでのリクエストを頂戴致しました。                 リンゴを潰せそうな手、大きく厚みがあり相当パワーがありそうです(笑)。 逞しいM様に大変御満足を頂戴致しました。   雨が多い時期ではありますが、チャンスを見て是非デビューされて下さい、 1st SUITSは秋冬用ですから、 今回の春夏用とで様々な違いを含めてご堪能頂けましたら幸いです。 この度も素敵な御注文を頂戴致しまして 誠に有難う御座いました。           では、蒸し暑いこの季節 ご体調を崩さぬ様 お気をつけ下さいませ。 皆様とお会い出来る日を楽しみにしております。   今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。      

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