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生地に付いて

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 10th ANNIV – SOLARO 】

    2020.01.14 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 10th ANNIV - SOLARO 】

        ・・・もし スーツをたったの5着しか所有出来ないとなった場合 皆様なら どの様な5着を選択されるでしょうか。       お仕事や生活スタイルなどにも密接に関わってくるでしょうし、 必要不可欠なスーツもある訳です。 当然お好みも反映される訳ですし、 シーズン物や着回しのローテーションも加味すれば私なら全然足りません。   されど5着、、、 私個人であれば必ずその中に入れたい1着、 それは SOLARO のスーツとなります。 このスーツのポジションは自分にとっては欠かせません。 それ程に好きなのです!           英国発祥たる歴史、特徴も実用的性能を重視の上 この独特で個性的な生地は生まれました。 経糸にオリーブグリーン、緯糸にスカーレットの糸を使い交織で織られたその生地は 独特の発色と共に、見る角度により色も変わって見えます。 そんな色気さえ感じられる生地は 交織により ベージュ系の色味に変貌します。   手に取る程に近くで見る色や表情と、 着用されて遠目で見るのではかなりの違いがあります。   ( SOLARO の詳しきお話は下記ページより御参照頂ければと思います。) http://dittos.seesaa.net/article/434408674.html 【 ORIGINAL SOLARO 】       SMITH WOOLLENS ORIGINAL SOLARO 100% All Wool 355g           さて、お陰様で10周年を迎えさせて頂きました当店ですが この度も5周年の時に同じく、当店オリジナルで最高の生地を今回も作らせて頂きました。 http://dittos.seesaa.net/article/463655660.html 【 10th ANNIVERSARY CLOTHS 】         計4種の企画ながら、既に3種はデビューしております。 皆様よりの素敵な御注文を心より感謝しております。   ラストの1種、これは当店オリジナルでは初めてとなる『春夏用』の生地であり 私の大好きな SOLARO にて織り上げて頂きました。   色々と御座いました、、、3種のデビューから遅れる事 約一年 やっとデビューさせて頂き、計4種が全て揃いました。   結論的には今回も素晴らしい生地を織りあげて頂き本当に良かったです。 一応10周年となる期間内ですし、丁度春夏へとシフトする時期でもありますから 仕切り直しも踏まえ 是非御紹介させて頂きたいと思います。         TAYLOR & LODGE Exclusively for Dittos. Lumb’s Golden Bale 260g     本当に肌触りが良く、なめらかで大変上品な仕上がりです。 左上に見えているのが裏側となります。   先ず前提として、この生地種は本当に写真の色出しが難しく 是非店頭にて現物を直にご覧頂きたいです。   経糸にオリーブグリーン、緯糸にスカーレット。 これをクラシックなヘリンボーン柄をベースに 独自にアレンジを加えた上で織り上げて頂いた Fancy Herringbone となります。 ヘリンボーン柄は綾織になりますので 表側には経糸が主体、 裏側には緯糸が主体となって表現されます。 ゆえに交織にするとこれだけのコントラストがつく訳です。     SMITH WOOLLENS のオリジナルと比べ、一番大きな違いはウエイトです。 355g もあるオリジナルは日本の春であればまだしも、夏ではとても着用出来ません。 せめて300gを切ってくれないと、、、   イタリア製の生地であれば幾らでも薄地がありますが、高番手で糸が細過ぎたり、 シルクをブレンドしたりと私の価値観とは異なる作りばかりです。   純英国製であり、300gを切るライトウエイト、 そしてやはり拘るべくは GOLDEN BALE という最高の原毛を使用する事。   とうとう具現化する事が出来ました。   これであれば春夏用ウエイトの標準レベルです! SOLAROのGOLDEN BALEなんて世界中どこを探しても無いのではないでしょうか。 しかもG.BALEは現在 T&L社しか扱えないですし、イタリア製には作り出せぬ代物です。   先にデビューしている3種と比べ、織糸をもう少し細くし このウエイトを表現しています。 それ故、S.W.のオリジナルと比べると 織り糸自体の太さが違う為 色味の表情=経糸の強調性 も変わりますので若干赤味が強く感じられるかも知れません。   という事は、オリジナルと比べ お仕立て上がりはベージュ系というより ブラウン系に近寄った色味となる事でしょう。   本当に色気のある生地です!         打ち込みは仕立て映えするよう 確りと密に打ち込んだ綾織りである事。 そしてクラシックなヘリンボーン柄ではありますが、 今回 私のリクエストで柄もオリジナルにして頂きました。   通常は等分の綾目が交互にだしてヘリンボーン柄であり、杉綾と呼ばれています。 しかし、敢えての非対称にし 4㎜ & 7㎜ で交互にする事で シャドーストライプの様な雰囲気も加味してみました。   ですが、織りはそうであったとしても 織り柄は殆ど沈み込んであまり目立つ事はありません。 ほんのりと微かに! ですね。   そうは言っても私達仕立屋は柄合わせが必要となります。 裁断も全くの無地と違い、純粋で正確な『地の目』を拾う事が出来ますので 服になった時の見栄え、歪みや落ち着き具合などにも影響すると言えるのです。   家の大黒柱が真っ直ぐな直立でなければどうでしょうか、、、。 服にとっても地の目はとても大切なのです。         柄がお分りになるでしょうか。 ご覧の様にかなり溶け込みますね。           この写真だと柄が分かり易いでしょうか。 裁端には時にオリーブグリーンの経糸が見えますね。 この経糸・緯糸の各色味は S.W社のオリジナルにJUSTで合わせてもらいました。 なので、織り柄や織り糸自体で生地になった時の印象や色の出方がある程度変わりますが、 冒頭写真と比べてみても基本的には同じである事が分かりますね。           自然光のもとで写真を撮ってみました。 左に見えるスカーレットは裏側ですね。   捲り上げ、表側を出しています。 対角線 右上は グリーン味が出ていますが、 それと比べ左下は同じ表側なのに スカーレット味が強く見えますね。   これが見る角度により 色の表情を変える交織の特徴です。           私にとって S.W社 オリジナルは若干グリーン味が強いと思っていますので 当店のオリジナル生地くらいでブラウン味を感じるベージュという感じになるでしょう。   ドレープには光の陰影が美しく表現されます。 それだけ原毛が良く、細いとも言えます。 細いといってもスーパー表記で換算すると S’100くらいなので高番手生地の様なヘタリはありません!   見本も踏まえ 私は必ず仕立てますので、 改めて服として出来上がったその様を御紹介させて頂ければと思います。         正にいぶし銀の様な御方であり、本当に素敵です。 しかし、ポートレート写真にソラーロを着用するとは氏もお好きなのではないでしょうか。   ソラーロの良さは沢山ありますが、 ドレスアップもダウンも自在にこなせるそのポテンシャルの広さにあります。   リネン等のスポーツシャツでノータイ、サラッとローファーで! または 色目の綺麗なカルロリーバみたいなシャツに麻混のタイ、 足元はフルブローグやエプロンフロント、コンビも良いですね、、、。   春夏だからこそ、綺麗目な色を取り入れたいですよね。 そんな時、この独特な中間色であるSOLAROは何でも引き受けてくれます。 強気日差しの中でこそ本領御発揮してくれるソラーロ、本当に楽しめるスーツでもあるのです!   こんなキャパの広さを持つスーツは そう多くはありません。   是非店頭にて現物をご覧になりにいらして下さい。 英国製のソラーロが春夏ウエイト、 かつG.Baleで織り上げられた最高の逸品は当店にしか御座いません!   前三種に加え、こちらも是非 宜しくお願い致します。   皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。             ・・・・・1月15日~2月14日まで HOUSE STYLE ORDER限定におき、『早期受注キャンペーン』を開催いたします。   ささやかながらお値引きも入りますので、 宜しければ是非この機会を有効活用して頂けましたら幸いです。 (今回デビューしたてのソラーロも 勿論対象となります!)           ・・・・・本年始まったばかりで恐縮では御座いますが 来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。 次は 1月28日(火)を予定しておりますので どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。         では、皆様とお会い出来る日を楽しみにしております。 どうも有難う御座いました。                  

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  • 【 Lumb’s GOLDEN BALE COATING 】

    2019.12.03 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 Lumb's GOLDEN BALE COATING 】

          先週は急に1月上旬の寒さまで冷え込みました。 長雨が続いたと思えば、晴れると乾燥もしまし、体調管理も大変ですね。   まだある程度気温の高低差はあるものの、 朝晩は本当に寒く オーバーコートが活躍する時期となって参りました。         もとイギリスの首相であり、大変エレガントな紳士であるアンソニー・イーデン氏。 氏のアイコンでもあるホンブルグハットは、 当時アンソニー・イーデンハットとも呼ばれていたそうです。   ピタリと身体に寄り添ったそのコートは、比翼仕立てのシングルブレスト。 打ち合いも深めです。 ピークドラペルはお好きだったようで このコートだけでは無く、 ダブルのスーツは勿論の事、シングルのスーツでも良く御着用されていました。   袖口は釦開閉のワーキングカフ、チケットポケッチも無く、 極サッパリとシンプルに仕上げられております。           ・・・・・・HOUSE STYLE ORDER より 御贔屓を頂いておりますM様より、 大変エレガントなチェスターフィールドコートのご注文を頂戴致しました。 手縫いやクセ取りによる部分ハンドメイドのオプションもお付け頂き、 当店HOUSE STYLE ORDERの最高スペックでのお仕立てで御座います。   偶然ですが、正にA.イーデン氏のコートと同じデザイン、仕様です。   お選び頂きました生地は、 Taylor & Lodge 85%:GOLDEN BALE 15%:CASHMERE 650g   正に極上のCOATINGであり、このレベルのウエイトならではの迫力と重厚感を兼ね備えます。   A.イーデン氏の様に身体に合いつつ、 エレガントなシェイプのチェスターフィールドコート、 これは誂えでなければ手に入りません!             さて、今週はこの寒き折 買い付けていた素晴らしいコート地が 良いタイミングで届きましたので御紹介させて頂きます。             来ましたよ、、、、 ヨダレが出そうなくらい魅力的で素晴らしき極上なのが、、、、。 美味しい料理を作るには 最高の食材が欠かせません。           TAYLOR & LODGE ≪ THE ICONIC COLLECTION ≫ ARCHIVE LUMB’S GOLDEN BALE LUXURY COATING 560g   もうネーミングからして王道的であり、 極上なコート地である事はお分かり頂ける事でしょう。     この度は、ダークネイビー そしてチャコールグレーの2色を御用意致しております。     じっくりとご覧くださいませ!!             ・・・・・DARK NAVY コート地ならではの大柄なヘリンボーン柄です。 本当にしっとりとしており、綾織りゆえの艶やかな光沢感は 原毛が本当に良いので何の仕上げや加工無くとも ここまで自然な艶やかさが出るのです。           カシミアは確かに素晴らしく、繊維の宝石です。 しかし、ウールと比べれば高価でもあり、デリケートな部分は否めません。 やはり持ち味である個性がそれぞれに違うという事です。   この肌触り、この柔軟性や粘り、、、そして品のある顔立ち。 この肌触りで WOOL:100% なのですから驚いて下さい!         3.5㎝×2のツイルで対を成すヘリンボーン柄となります。 柄が大振りなのはコート地だからですね。   しかし、かなり沈み込みますので遠目には無地に見えるでしょう。 近くであればシャドーストライプの様に光で陰影が浮き出て参ります。           凄い子です、、、是非目の前で見て、そして触って頂きたいです。 きっと一目惚れしてしまう方もおられる事でしょう。   そんな妖艶たる魅力をも放っております。 本当に綺麗です。           ・・・・・CHARCOAL GRAY   落ち着きもあり、とにかく激渋です、、、。         これら今回の、ダークネイビーとチャコールグレー、、、 選べません(笑)。         全くの単色であるネイビーと違い、 こちらのグレーは糸遣いに特徴があり、ほんの若干ですが霜降り感がありますね。 よりツイルの柄を引き立てています。           エレガントなコートを御検討の方、これは間違いありません!           ネイビーが結構明るめに見えますが、実物はもっと濃く深いネイビーで御座います。 こんな最高のコーティングがかなりリーズナブルにご提供出来るのも御縁と共に出物ゆえ! 量にも限りがあります。     HOUSE STYLE ORDER であれば、約一カ月で出来る事は大いなるメリットでもあり 旬の食材を直ぐに楽しめます。 BESPOKEであれば、来年の冬用へとお考え下さい。   とにかく、目の前にあるこの生地に魅力を感じて頂いたのであれば 是非とも直接会いに来て下さい。 (御予約も承りますので、ご連絡頂けましたら幸いです。)   オーバーコートは冬用であり着用期間としては長くありません。 基本的には外着ですから目的地に着けば脱がれるでしょう。 そうです、スーツの様に一日中着用している訳ではないので相当もちます。 寿命が著しく長いからこそ、お仕立てになる時には一切の妥協をする事無く 『これが良い!』と思える生地との出会いを大切にして頂ければと思います。           シングルブレストでも、ダブルブレストでも、 上衿にベルベットを掛けても掛けなくても、、、 皆様におかれまして 拘りの素晴らしいコートをお仕立て頂けましたら幸いです。       皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。 今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。              

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Bespoke Tailor Dittos.