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生地に付いて

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 SUPER BRIO ② 】

    2021.03.16 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 SUPER BRIO ② 】

            フランスの超老舗であり名門マーチャント:DORMEUILは、 長き歴史の中で沢山の名作を生み出して参りました。   本当に沢山ありますが、春夏地でみればTONIK、 そして【 SUPER BRIO 】 が代表作である事は揺るぎない事実です。         この大変貴重なVINTAGEの生地を幸運にも入手し、 当店BLOGでも御紹介させて頂きました。 http://dittos.seesaa.net/article/467770520.html 【 SUPER BRIO 】   初めてでは御座いませんが、上記分入荷の御紹介からは もう約2年も経っておりました。 この激レアVINTAGEに関する詳しき内容は、 以前の上記リンクよりご確認頂けましたら幸いです。   この時は奇跡的でもある ネイビーのソリッド、 そして淡いベージュのソリッドと2種類仕入れる事が出来ました。 目の肥えた当店顧客様方よりご注文頂きました 羨ましいスーツ達を幾つかご覧頂ければと思います。               1930年代 英国のスタイルブックです。 紳士服のテーラードクロージングにおき、 源流であり模範たるブリティッシュスタイルの典型ですね。 イラストとは言え、全てにおいて美しくバランスのとれた正に模範解答の様なスタイルであり、 これを具現化すれば上記T様のスタイルと重複しているかの様に見える事と思います。   ゴージの位置も高過ぎず、低過ぎない。 ラペルも狭すぎず、広過ぎない。 細めでシャープな胸のウエルトポケット、 本返りの三つ釦、程好きカッタウェイ。 やはりシャープなスリーブ、 2面2ダーツ裁断にてクセ取りされ エレガントにシェイプされたウエストライン。   ファッションを超越しているのがクラシックです。     T様、いつも素敵な御注文を心より感謝申し上げます。 次のご注文も是非ご期待下さいませ。                     ベージュのソリッドにてシングル 1釦の三つ揃い、 御追加にてダブルブレストの上着と別デザインのウエストコート。 そしてネイビーではダブルのブレザーをご注文頂きました。   このベージュのスーツがあれば、生地がブレザーと色違いの兄弟ですし、 上下で組み合わせたスタイルとしても正にベストマッチングで御座います。 勿論 狙った上でのご注文であり、大いにSUPER BRIO をご堪能頂きました。   N様、長きに渡り本当にお世話になっております。 お次のご注文分ももう直ぐFINISHで御座います。       【 ネイビーは既に完売となっておりますが、 ベージュの方はもう少しだけ在庫が御座います。】           ダブルブレストも勿論欠かせぬスタイルです。 紳士服が一番エレガントであったとされる1930年代には 今も続くクラシックなテーラードクロージングがある意味完成された時代でもありました。 英国の影響力は頗る強く、この時代でのスタイルは イタリアやフランス、アメリカでもほぼ同じです。   この模範たるブリティッシュなクラシックこそ源流となります。   誂えですから当然お客様のお好みやご要望は最大限に尊重致します。 例えそれが個性的であったり、珍しいデザインや意匠であったとしても ブレぬ主軸が根底にあれば 生み出される服達に説得力が備わると信じております。           さて、この激レアVINTAGEですが 幸いにも他のバリエーションを入手する事が出来ましたので 是非とも御紹介させて頂きたいと思います。             先ずはご覧の様に正にベーシックなバンカーストライプ、 ネイビーとグレーの2色御座います。 ストライプならではのシャープさ、、、キレがあります!   モヘア独特の光沢感による光の陰影と共に、美しき貴重なVINTAGEをご覧下さい。                               ストライプのピッチや線の太さは ネイビー・グレー共に同じで御座います。             こんなにもエレガントなバンカースーツ、艶と品があり、 そして何故か落ち着き感も漂うのはVINTAGEなりの説得力と存在感からでしょうか。     紳士はやせ我慢も必要です、 多少暑かろうと 涼しき すました顔してお仕事に勤しまれて下さい。 バンカーストライプは必ずや出来る男を演出してくれます。           ・・・・・さて、最後にもう一種、、、、 これはもう見るからにVINTAGEです。 大変素晴らしいですし、貴重だと思います。         ネイビーのシャドーチェックです。 ほぼ無地範疇であり、少し離れれば織り柄は溶け込み見えません。 近くで見ると、、、、凝った織り柄による格子が見えて参ります。           ウインドペーンに複数のトラックストライプを織り交ぜ、 何とも豊かで味わいのある柄出しであり、デザインとなります。   現在、キッドモヘア混の生地は様々に展開されており 多くのメーカーがとり扱います。 しかし、、、こんなシャドーチェックなんて今は無いと思います。 昨今ではそこまでバリエーション展開されないのも現状と言えます。   当時はそれだけスーツの需要も高く、 バリエーションに富んだ展開をされていた訳です。 単純なソリッドより勿論手間も掛かりますし、 これは凄く貴重でもあり 本当に時代を感じさせてくれる逸品でもあります。   格子とは言っても、程好く浮き出る程度の控えめな感じであり 傍目には ほぼほぼ無地でのスーチングに見える事でしょう。   分かる人には分かる、そんな子でもありますね!             如何でしたでしょうか。 正にお宝です、、、、、。   VINTAGEにおき、こういったスター選手は 当然ながら滅多に手に入れる事は出来ません。 当然ながら有限在庫でもあり、減る一方である事は御理解下さい。 復刻品的な生地もありますが、復刻なんて本質的にはもう出来ないのです。   リアルな当時の生地であるVINTAGEだからこその価値であり、 その貴重なSUPER BRIO がこんなにもベーシックな色柄で 目の前にあるなんて、、、『縁』という事です。     是非 この往年の貴重なスター選手たちへ直に会いに来て頂けましたら幸いで御座います。   皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。             ・・・・・誠に恐縮ながら、来週のBLOG更新はお休みを頂戴致します。 次回の更新予定は、3月30日(火)を予定しております。 どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。       今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。                  

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  • 【 BLAZER ② 】

    2021.03.09 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 BLAZER ② 】

        寒暖差も激しく安定しない3月らしいこの時期、着る服選びも難しいですね。 皆様 ご体調など崩されぬ様 どうかお気をつけ下さいませ。         さて、皆様にも身近なアイテムであるブレザーですが、 このアイテムが示す幅はかなり広い事がお分かり頂けた事と思います。       F.アステア氏もクラブブレザーをエレガントな着こなしで魅せてくれています。     様々なクラブスポーツより 所属やチームを表すユニフォームとして存在し、 カレッジカラーである色無地は勿論、ストライプ、 パイピング等のバリエーションが御座いました。   そして先週御紹介したボート競技だけでは無く、 クリケットやテニスなど多岐に渡ります。 まとめると日本語的には生まれの背景踏まえ クラブブレザー という括りがしっくりとくるかも知れませんね。   長き歴史の中で様々な解釈やアレンジなど微妙に変わりつつも、 これだけ一般的に認知・浸透しているのがブレザーなのです。           先週はストライプを主体に御紹介致しましたので、 今週は無地のブレザーに目を向けてみましょう。           ・・・・・BLAZER(ブレザー)の語源の一つとして 1829年のレガッタにて母校のカレッジカラーでもある『 燃える様な赤いブレザー 』を 着用していたクルーの様を見たインパクトによるとされています。   【 Lady Margaret Boat Club,Cambridge 】 ・・・上記インパクトを与えたケンブリッジ:ボートクラブの一つです。 (燃えるような赤 = blazing red , blaze:この語からblazerとなります。)         語源となった同校のブレザーは現在でも引き継がれている様であり、 パイピングも無く 帽子からストールまで全て単色統一のBLAZING RED! 確かに目を惹きますし、目立ちますね!   ( 因みに赤いブレザーのクラブは幾つかあり、 色目の違いやパイピング、エンブレム等で差別化がされています。)                   1931年 オックスフォードの学生さん達ですね。 パイピングがとても引き立ち素敵です。   因みに、20年代より流行した『オックスフォードバッグス:今でいう バギータイプのトラウザース』ですが、20年代後半にはかなりの誇張型まで出た 当時の流行型と言えます。   1931年  数人穿いている方もおり、正にリアルOXFORD BAGSですね。 オックスフォードの名を冠すものは結構あり、 シャツ地や靴、眼鏡まで、、、流石の歴史です。           現代の学生さん達、皆で応援でしょうか。 ボーターのリボン、ブレザーの色やパイピングテープ等でカレッジカラーを表しています。 ネイビー地に素晴らしく映えますね。     個人用でのブレザーを誂えるのであれば、何もパイピングに拘る必要も御座いません! 敢えてクラブブレザー風に誂えるならパイピングも魅力的なポイントとなるでしょう。     これから本格的に春夏を迎えるにあたり、 ブレザーに大変お勧めしたい生地を御紹介させて頂きます。           FOX BROTHERS & CO. = FOX SPORT =       織りの存在感が魅力的なBASKETWEAVE(バスケット織) これは濃すぎないネイビー地です。   BASKETWEAVE 100% WOOL ABOUT 300g       ザックリとした素材感がたまりません。 この独特な織は隙間をあけ、通気性に特化した性能と共に より柔軟性も活かされています。   これからの季節にスポーティーで最適なジャケッティングですね。 デニムにもかなり相性が良いでしょう。 ホワイト(クリーム)トラウザースは鉄板です!       強いて言えばですが、鹿の子織りのポロシャツをイメージして頂くとボチボチ近い感じです。 ベーシックなブレザーは勿論の事、 アンコン仕立てにして より涼しくカジュアルに仕上げても良いですね。           カラーバリエーションも豊富であり、カラーブレザーも素敵です! ビビットなカラーからカントリー系、そしてブルー系は更に中間色まで!                           HOPSACK 100% WOOL ABOUT 330g     このFOX SPORTというシリーズ(バンチ)には、2種が展開されており ホップサックも御座います。   バスケットと比べると やや大人しい感じであり、 もう少し織り密度が上がる分 それ故のウエイトとなります。   バスケット織は主張が強過ぎるという御方はホップサックがお勧めで御座います。 同じくカラーバリエーションは豊富なのでお好きな色を吟味されてみて下さい。   確かにネイビーは王道ですが、ネイビーだけがブレザーでは御座いませんね!             されどNAVY、散々シングルブレストをご覧頂きつつ ダブルがお好きな御方は是非ダブルで!   やはり御自身が使いやすく、重宝出来る事が一番であり 皆様ご自身なりの素敵なブレザーをお仕立て頂けましたら幸いです。             そして、合わせるトラウザースに最適なコットン地も同社は揃えております。     FOX BROTHERS & CO. = FOX KHAKI = Made in Italy   100% COTTON ABOUT 315g       FOXですから個人的には B.MOSS製で展開して欲しくもありますが、 B.MOSS製は他メーカーでも取り扱いがありますので 敢えて伊製を選んだのかも知れませんね。   ベーシックなツイル地であり、B.MOSS:TENNYSON(コットンドリル)に 少し似ていますが 驚くほどにソフトな風合いです。     また、圧巻のカラーバリエーション、、、 全てソリッドで揃え、どんな御方の好みにもお応え出来ますね。 この辺りの発色センスはやはりイタリアらしさが光ります。       暑き夏の日、上着が着られないほどでも トラウザースは欠かせません。 元気の出るビタミンカラーから、絶妙なペールトーンの色まで 是非お試し頂けましたら幸いです。                 ・・・・・如何でしたでしょうか。 ブレザーはかなり広範囲に使われる呼称であり、 メタル釦やエンブレムなどが無くてもブレザーですし、色もネイビーに限られません。     個人的な誂えの場合はユニフォームでは無いのでお好きな様にお仕立てに成られて下さい! やはりネイビー地が落ち着きますよね。         FOXファンの御方、このメタル釦も御座いますので改めて載せておきます。   その他 メタル釦の類は様々な種類をカタログでお選び頂けますので、 GOLD系、SILVER系含め色々と吟味されてみて下さい。             では、そろそろ春夏物の仕込みには良い時期です! シャツ地も今期のシーズンファブリックも入って参ります。   皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。 今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。          

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