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2022/10

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 オーバーコートは如何ですか 】

    2022.10.25 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 オーバーコートは如何ですか 】

        今週の金曜日、10月28日は当店が13歳を迎える誕生日となります。 この時期 洋服屋さんは忙しくなければ成らぬ時期でもあり、 自分が望んで生んだお店にも拘らず気付けば過ぎていたなんて年も。   そんな折、御贔屓下さるK様より とても可愛くて素敵な御祝いを頂戴致しました。 ご来店頂けるだけで光栄にも拘らず 誠に有難う御座いました。 今年はお陰様で当日前に気付く事が出来ました!     14年目を迎える事が出来るのも 本当に沢山のお客様方に支えて頂いていると共に、 沢山のご協力下さるお取引先様方にも多大なるお世話頂いているからに他なりません。 信頼する愛弟子や家族にも支えられながら、日々洋服に携わらせて頂いております。 改めて心よりの感謝を申し上げると共に、どうか引き続き変わらぬ御指導、 御鞭撻を賜れましたら何よりの幸いで御座います。   誠に、誠に有難う御座います。         さて、いよいよ朝晩は寒ささえ感じられる様になって参りました。 11月も目の前であり、そうで無くてはなりませんね! お陰様によりオーバーコートのご注文も増えてきております。     今週は、今期新しく取り扱わさせて頂くメーカーさん含め 今一度 コートの生地をご覧頂き イメージを膨らませて頂ければと思います。     1917年           1918年 約100年前のパンデミック時ですね、、、。           1931年     気付けば皆様 ダブルブレストを御着用でしたね。 オーバーコートには何か特別で固有な魅力を感じるアイテムでもあります。 皆様がお仕立て下さる身体に合った素敵なクラシックスーツに 見合うコートを是非ご堪能頂ければと思います。   長きに渡り人生を共にする事になるオーバーコート スタイルや生地も様々ですが、御自身の必要となるポジションや価値観で選んだり、 ごく単純に欲しいから、着たいからといったご要望含め 吟味の上でお選び頂ければと思います。           BRITANNIC COLLECTION Dolce Vita   当店では珍しいイタリア製の生地であり、 国内の生地商さんが在庫を抱えながらお勧めされているブックレットとなります。           100% カシミア、そして ウール&カシミアのラインナップ。 左には有名な LORO PIANA、そして右側に MTR と並びます。 色味も紳士服であり得そうな定番色は確りと抑えられています。         LORO PIANA 100% CASHMERE 480g   とてもレベルの高いまとまりで風合いも抜群です。 コート地としては軽量級に属しますが、都会使いではむしろ丁度良いウエイト感です。 お安くはないのですが、、、 そのお値段なりの品質と付加価値を確りと持ち合わせております。             MTR (Manifattura Tessile Risaliti) 100% CASHMERE 410g   トスカーナ地方に拠点をおく家族経営の会社です。 初めて耳にするメーカーでしたが、そもそもイタリア系は詳しくないので 私が知らなかっただけでしょう。   先ず特筆すべきは圧倒的にリーズナブルな価格設定です。 驚く程であり、ミミ表記が無いのもコストを省く為かもしれません。 既製服用など原反での流通物の場合、意味なきミミ表記は大抵省略されています。 お値段が安いからと言って品質レベルは頗る高く、この質にして このお値段!? というのが最大の売り文句にもなりましょう。   これは素晴らしい企業努力の賜物でもあります。   410g ですから、軽快なコートになりますでしょうし これでしたらジャケットを仕立てられても良いですね。           85% WOOL 15% CASHMERE 480g & 440g   上から2種は クラシックなヘリンボーン柄 その下4種はソリッドです。   ウールが主体であり、カシミアの優しさと暖かさ、 柔軟性が15% ブレンドされております。 触れば分かりますが、確りとカシミア感が伝わりますし、 100% WOOL ではこの感じにはなりません、         カシミア混のチャコールグレーです。 コスト重視の方におかれましては、最優先でのお勧めとなるでしょう。   100% カシミアの方は写真を撮り忘れておりました、、、。           ・・・・・このブックレットにまとめられた上記 LORO PIANA / MTR は、 既に国内在庫としてストックして有り、頼めば明日には届く代物です。 これも大いなるメリットですね。     では、ここから以降は当店のお勧め在庫生地も見てみましょう。                   Joshua Ellis  PURE ESCORIAL 475g   http://dittos.seesaa.net/article/482531122.html 【 ESCORIAL:OVER COATING 】   詳しくは上記リンクにてご覧下さいませ。 こんなにも贅沢な生地が出物価格で、、、 BLACK のみ、在庫としてご覧頂けます。           Joshua Ellis  PURE CASHMERE ABOUT 500g   http://dittos.seesaa.net/article/482432560.html 【 ROYAL CASHMERE:OVER COATING 】       J.エリス製の極上カシミア、さざ波のようにうねるリップルフィニッシュ。 間違い無き一生物のコートには打って付けな極上品で御座います。 DARK NAVY のみ、在庫保有となります。                 そして ラクダ君が鎮座する PURE CAMEL の2種であり、 BABY と ADULT 、LIGHT と HEAVY です。 お仕立てになるアイテムに合わせてお選び下さい。   http://dittos.seesaa.net/article/451881466.html 【 ラクダの親子 】   今年もポロコートのご注文を頂戴しておりますが、ポロコートとなれば J.ELLISが定番で織り続けている 640g のボリュームある このキャメルのコーティングで是非誂えて頂きたい所です!   カシミアは勿論、キャメルも高級獣毛です。 この円安の最中 価格が上がり続ける生地値を見れば見る程、 『買っておいて良かった、、、』 と胸を撫でおりしております。   バンチからの購入も出来ますが、既に当店在庫と随分 価格差もありますので 現在庫がある内に御検討頂けましたら幸いです。             他にもVINTAGE含め 様々にお勧めのコーティングが御座います。 生地達も 見初めて下さる顧客様に巡り合う日を楽しみに、私と店頭にてお待ちしております。             ・・・・・以上となります。 もう10月も後半ですが、HOUSE STYLE ORDER でのお仕立て上がりに際し レギュラーメイドで そろそろ年内納めがギリギリであり、 ハンドメイドOPを付けられますと 大変恐縮ながら年を越してしまいそうです。 お陰様により、殆どのご注文は ハンドOPをお付け下さる顧客様が多く 光栄な限りで御座います。 ただ、出来得る人材が限られるOPなので常に一杯一杯で奮闘して下さっております。 故に少しお時間が余計にかかってしまう状況である事はご了承下さいませ。 一切の妥協無く、丹精込めてお仕立て下さっております。   BESPOKEの方も勿論 来年用に、、、、。     では、まだまだ気温の差が激しくもありますが どうかご体調には十分にお気をつけ下さいませ。   皆様とお会い出来る日を楽しみにお待ち申し上げております。                

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  • 【 S様の御注文:FOX FLANNEL 】

    2022.10.11 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 S様の御注文:FOX FLANNEL 】

        先週は急に真冬の寒さに見舞われました。 その突然さに身体も 着用する服も戸惑ってしまいましたね。 その寒さが本格的に訪れるまでもう少し!   寒くなれば何を着ようかとワクワクしてしまいますが、 フランネルのスーツもそろそろ登場が視野に入ってくるでしょう。           ウインザー公は独自的着こなしのスタイルを様々に提示して参りました。 本当に沢山ありますが、タブー視されていた様な 『 Check on Check 』 による重ね着もそのうちの一つです。 着こなしも素敵なのですが、このウインドペーン柄のスーツがまた格好良くて、、 とても印象に残っている写真の一枚です。         さて、今週は長きに渡り御贔屓を頂戴しております S様の 3P-SUITS を御紹介させて頂きます。   S様は HOUSE STYLE ORDER と BESPOKE の双方を そのアイテムや拘り具合などで使い分けられています。 この秋冬については FOX FLANNEL をテーマに、 H.S ORDERでは ODD JACKET を、 そしてBESPOKE では3P-SUITS をご注文下さりました。   WOOLEN FLANNEL による激渋なチョークチェックで御座います。             FOX BROTHERS HERITAGE FLANNEL   480/510g 100% Merino Lambswool     確りと地のしを施し、一晩寝かせ、いよいよ裁断します。 紙の型紙(製図)は直角・平行とミリ単位で正確に作成されていますが、 布は動きますし歪みもある為 正確に整えて、、、、 裁断のズレや不備は結論的に縫製時に泣かされる事になります。 前中心線、ウエストラインを定め、先ずは前身頃を。 出来得る限りで無駄なきよう型紙をレイアウトして残布を残します。   昨今での多くの裁断(型紙)は前身頃を細腹と分断して 半身で見れば 3面1ダーツ のスタイルが主流の中、 昔ながらに2面1ダーツ のスタイルに拘ると その分前身頃自体が大きいという事になりますから、 より横地もシビアに気を付ける必要があると言えます。   身頃や袖などだけでは無く、残布からとるフラップや衿など各パーツ自体も ボディーに合せた柄合わせが必要ですから少しでも面積が残っていた方が良い訳です。           仮縫いも組み上がりました。 三つ揃いですからトラウザースは吊り用であり、 IN-1 PLETATでシャープなシルエットを御所望です。 裾上げは折り返し付きのダブルですが、 仮縫いでは長さや幅の確認となるのでシングルで上げられています。           ハイバックの仕様で特に尾錠類は無し! お尻のポケットは左側のみ、 フラップや釦を付けず シンプルで気楽に出し入れが出来る仕様ですね。             S様の靴は 福田さん(YOHEI FUKUDA)の所でBESPOKEされておられます。 ブラックスェードは正に今回のスーツにベストマッチです。 また羨ましい一足を、、、。         ウエストコートを着用して、、、 『!!』 気付かれた方はかなり目の肥えられたスーツ好きな方かも知れません。 ウエストコート、長いですよね!   本来では、吊り用の深い股上であるトラウザースの腰帯を 隠す丈で設定されるウエストコートですが、 例外となるスタイルとして POST BOY型 が挙げられます。   http://dittos.seesaa.net/article/449698302.html 【 POSTBOY WAISTCOAT 】   ウエストシームにより下部のスカートを別途繋ぎ合わせられる仕様であり、 もともとの丈設定が長いのですね。 これであれば吊り用ではない股上低きベルト用やベルトレスの 各種ODD TROUSERS 等とも合わせる事が出来ます。   この度の三つ揃いに伴うウエストコートは、 『ポストボーイ型にはしないロング丈』 とのリクエストを頂戴しました。   なので長いのですね! ですが、出来る限り違和感を感じさせぬよう私なりにバランスをとってデザインされています。 腰への繋がりがより顕著にラインとなって出ているのが見受けられると思います。               ウエストコートの丈が伸びれば、胸元のVゾーンは深くなります。 3釦でも本返りであれば あまり顔を出さないでしょうが、 S様の3釦は 段返り仕様で仕立てられているので こちら上着側もVゾーンが深くなります。   という事で、結論的には帳尻が合ってくるという訳ですね。             体型はずっと維持されておられるS様、基本的な型紙サイズは同じでも、 今回の生地のボリュームを考えると 洋服が筒になった時での 内径円周値は厳密には若干小さくなっていると言えます。 そんなところも踏まえ、色々動きながら着用確認です。             いよいよ仕立て上がりました。 縮絨・起毛されたウーレンフランネルは とても密で保温性にたけ、 独特の親しみさえ感じられます。 『フランネル』という呼称はその昔 FOX BROTHER が登録商標登録として保有していました。 FOX = FLANNEL という図式はそんな歴史もあるのですね。                 S様にお越し頂きました、先ずはトラウザースから。 腰から尻に掛けての身体のカーブへ添うようにハイバックがせり上がります。 この腰辺りの支えられている様なフィット感がクセになるんですよね!                 ロングバージョンのウエストコートも 出来る限り目立たぬようバランスを施しました。 S様はフロントにアルバートチェーンホールをお開けになるのがマストです。               では、上着をどうぞ!     S様、本当に似合いであり、とても素敵です、、、、。               鏡の前でも見栄えをチェック!             最後にまた例のスエードシューズと。 傾斜付きダブルの裾上げから除く素敵な靴がとても映えます。   フラノのスーツにスエードシューズを認知させたのも ウインザー公でした。 何かと繋がりのある大変素晴らしいフランネルのスーツとコーデで御座いました。   S様、この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。 このスーツのご活躍まで あともう少し、是非ともご堪能頂けましたら幸いです。             ・・・・・如何でしたでしょうか。 涼しくなって気分も盛り上がります。   皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。             ・・・・・大変申し訳御座いません。 来週のBLOG更新はお休みを頂戴致します。 お陰様で忙しくさせて頂いており、嬉しい悲鳴で御座います。 そんな時はいつもBLOGが犠牲に、、、。   次回は 10月25日(火)を予定しております。     どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。            

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