BLOG
2021/08

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 2021 AW:新作生地 】

    2021.08.31 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 2021 AW:新作生地 】

          今日で8月も終わります。 いよいよ9月、2021年もあと4カ月です。   最近は春秋が短くなっていますが、 今年は残暑も長引かずに涼しく成ってくれる事を願うばかりです。         9月とも成れば流石に秋冬を意識し始めますよね。 この秋冬用の装いについても仕込みには丁度良い時期となって参りました。   今週は、今季秋冬より展開される新作生地を一部御紹介させて頂きます。                 1772年創業の老舗ミル、凛々しきキツネさんでお馴染の FOX BROTHERS です。 なんと来年の2022年は250周年を迎えます。 きっと様々な記念生地含め企画生地が出てきそうですが、まずは先発隊として!       【 1772 FLANNEL 】   FOXといえばやはりフランネル、250周年に先駆け 極上のフランネルを織り上げて参りました。             無地:7色、ストライプ:1色  計8種の展開です。             鉄板のネイビー、スーツからブレザーまで欠かせぬカラーです。 そして明るめなブルーにライトグレー、 これらは ODD TROUSERS としても使いやすいですね。               ライトグレーのチョークストライプ、そして無地のダークグレーです。 唯一のストライプはライトグレーを選ばれた様です。               この3色がまた素敵です! ベージュにグリーンの2色、これもスポーティーなスーツからジャケット、 そしてトラウザースにも最適です。   有りそうで なかなか織られていない色味であり、 カントリー系の装いにもピッタリですし、差し色にウエストコートにも良いですね。             フランネルは同社の顔ですから 様々なフラノが展開されています。 ですが、これは差別化を図ってきているのでしょう。   ウエイトは 415g前後、やや確り目なウエイトであり、トラウザースの場合 パワーのあるツィードの上着に合わせても負けませんね。   そして、かなり贅沢なのです。   Merino Lambswool : メリノ種の羊で、贅沢に生後6ヵ月未満の子羊の毛となります。 人間もそうですが、赤ちゃんの毛は細く綺麗で柔らかく、肌触りも最高な贅沢ウールです。   そこに やはり贅沢に Cashmere を10%もブレンドし、 更にソフトな風合いと肌触りを高めています。 こうなるとソフト過ぎて頼りなさを心配されるかも知れませんが、そこはフランネルです。 確りと縮絨され、安心してスーツを仕立てられるレベルでまとめられています。   贅沢な分 少し高級なお値付けは否めぬ所では御座いますが、 フラノの代名詞である同社の意気込みを感じさせる 最高のフランネルをご堪能下さいませ。                 では次に参ります。 カントリー系の服地に特化したマーチャントである W.Bill より、 今季素晴らしいコレクションが出て参りました。           【 WHIPCORDS & CAVARY TWILLS 】   当店BLOGをご覧下さる皆様におかれましては、 これらヘビーデューティーな生地種はご存知の事と思いますし、 当店BLOGでもかなり御紹介させて頂いております。   コートからスポーツスーツ、スポーツジャケットやトラウザースに至るまで カントリー系の装いには欠かせぬ存在であり、 それをまとめたコレクションンとなります。             ブルー地のミミにイエローの文字、W.Billのブランドカラーですね。 ガチっと密に織られ、クリアカットされた表面は艶やかな表情となりつつ、 埃や汚れも払いやすい事に繋がります。   上着はカシミアからエスコリアルなどの優しくソフトなジャケット地から、 ハードなツィードに至るまで、上着がどうであろうと下物の生地は確りとしたコシが必要です。   WHIPCORDの特徴である杢糸使いによる表情は、 どんな ODD JACKET でも受け入れてくれますね。               【 WHIPCORD 】   ALL WOOL 380g   色味の展開もかなり充実しており、 皆様のワードローブに合わせ 必ずベストな色が見つかる事でしょう。 また、WHIPCORDはCOVERT CLOTHと兄弟でもあり、 これらのシリーズから厳選してカバートコートを誂えられるのも素敵ですね。             【 CAVARY TWILL 】   ALL WOOL 380g   キャバルリーツイルも大変強い生地です。 ウエイトは中肉位ですから とても使いやすき頃合いです。   WHIPCORDもCAVARY TWILLも 同じ綾織りです。 ただ、少し織り方が違いまして 綾織独特な斜めに入る畝、 これがCAVARYの方は2重畝になるのが特徴です。               拡大写真だと分かり易いと思います。 そして、実は初めて見たのですが、、、、   WHIPCORDやCOVERT CLOTHの特徴は何といっても『杢糸』使いにあります。 (色の違う糸を撚り合わせ、独特な霜降り感を出します。)     CAVARY TWILLは大抵単色使いの生地で、 色やウエイトのバリエーションが豊富という認識です。 ですが、CAVARY TWILLで杢糸を使用している生地が見受けられますね。 確かに やれば出来る事柄ではありますが、見た事がありませんでしたので新鮮です!                 【 CAVARY TWILL 】   ALL WOOL 600g     こちらこそ、正にヘビーデューティーなシリーズです。 乗馬服レベルは 1000gとかありますが、それに近い程にゴツくて確りとした生地です。   オーバーコートは勿論、ハードなスポーツスーツやジャケット、 トラウザースを御所望の方は この昔ながらの600gシリーズは欠かせぬ存在です。   もうこのレベルになると皺になりませんし、なっても戻ります。 タウンユースでは上記380gがベストではあるものの、 本当に野山などのカントリーサイドや野外スポーツ観戦、雪降る真冬の寒さなどの時は このレベルは普通であり、とても頼りになる生地となります。                   独特の2重綾による畝が立体的で迫力があります。 下半身を暖かく、タフさを重視するのであればトラウザース等から付き合われてみると、 このシリーズの意味と説得力が必ず伝わる事と思います。               ・・・・・今週は 2社・2種のNEWシリーズを御紹介させて頂きました。 段々と暑さも落ち着き、秋冬へと盛り上がって参りたいと思います。   皆様とお会い出来る事を楽しみにしておりますので、 是非お気軽にお声掛け頂けましたら幸いです。   今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。                 ・・・・・誠に恐縮ながら、 来週のBLOG更新はまやもやお休みを頂戴させて頂きます。 また皆様に楽しんで頂ける様なBLOGを引き続き書いて参りますので どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。                          

    Read more
  • 【 HOUSE STYLE ORDER:10th-ANNIV. BK DOESKIN 】

    2021.08.17 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 HOUSE STYLE ORDER:10th-ANNIV. BK DOESKIN 】

          静かだったお盆休みも終わり、昨日の月曜日より 普段の生活へと戻られた方は多いのではないでしょうか。 工場さんや生地屋さんも稼働再開です。             1910~20年代頃でしょうか。 エレガントで隙の無い三つ揃いのブラックスーツ、 その着こなしはため息が出る程に素敵です。イラストでは御座いますが、 醸し出される この普段着感こそが更に説得力を感じさせます。   シングル・ブレスト:ノッチドラペル、パドックカットの2釦2掛けスタイルです。 全体的にシャープで細めの印象もその時代らしさです。 アームホールはキュッと小さく、伴う袖筒も細く、袖口の釦は2個釦です。 これまたイラストですが、細身で頭身から背も高く、 手足も長そう故 より袖筒やトラウザースが細く見える事になります。 全体の細目な感じに対し、ボリューム感のある堂々とした上衿や下衿(ラペル)が印象的です。   トラウザースもかなり細めであり、裾は折り返しで上げられています。   ホワイトシャツはウイングカラーであり、スーツに同じくブラックの結び下げタイが ストイックで 正にモノトーンで洗礼されたスタイルです。             今週は御新規様となるUKK様よりご注文頂きました HOUSE STYLE ORDER:3P-BLACK SUITS を御紹介させて頂きます。   普段は殆どスーツを着用される事は無いそうですが、 この度はある御機会の為に当店へお越し下さりました。   冒頭のイラストにあったスーツを、スタイルをお気に召され、 目指して誂えたいとのご要望を頂戴致しました。 日本的な冠婚葬祭用たる礼服のブラックスーツとは 一線を画すポジショニングという所がポイントですね。   大変分かり易く、追い求めやすくは御座いますが 身長も体型も違いますし、あくまでもイメージやスタイルを尊重して UKK様なりの、UKK様だけのBLACK SUITSを全力持って御用意させて頂きます。 どうかご期待下さいませ。           お選び頂きました生地は、当店10周年記念生地のGOLDEN BALEシリーズより BLACK DOESKIN をお選び頂きました。 間違い無き御選択であり、当店の在庫生地では 一番コストパフォーマンスにも優れた最高の逸品シリーズで御座います。     着用期間も一番長き 3シーズン用です。 この度のオケージョンだけでは無く、 これを機に更にとTAILORED CLOTHIMGへお袖を通し、ご堪能して頂けましたら幸いです。   http://dittos.seesaa.net/article/463655660.html 【 10th ANNIVERSARY CLOTHS 】               体型は個性であり、本当に千差万別、様々で御座います。 当店での1stスーツ御注文の初回よりハンドメイド・オプションも取り入れた H.S ORDERの最高スペックにてお仕立て頂きました。   如何でしょう、イメージに出来る限り寄り添うよう 型紙作りと共に精度高き補正を加えてお仕立て上がりです。 検品、2次プレスも終え、いよいよご来店を待つばかりです!             シャツの方が先に仕立て上がり、既に御納品済みで御座いました。 モノトーンのクラシックなストライプ、THOMAS MASONのポプリンでお仕立て頂きました。 ブレイシーズもブラックで統一され、スーツのお仕立て中に長さも最適へ修正済みです。   1-PLEATで結構細いシルエット構成で設計されています。 股下のレングスは足筒が細い程に短くなる傾向になりますが、 加減はお好みも反映されるところでもあります。 裾上げは折り返し付きのダブル、この折り返し幅も当店なりの レギュラー幅がありますが、その幅自体もお好みや御体型バランスに応じて調整します。           とても綺麗に収まった腰回り、ハイバックスタイルはお初との事ですが 安定感と共に程好く腰から背に寄り添い 穿き心地も良いと思います! 吊用のトラウザースは どんなに動かれようと帯の位置は絶対に変わりません。 常にクリーズラインを吊上げ、シルエットを美しく奏でてくれます。   ベルト用と違い ウエストサイズもJUST+ユトリ で仕上げますので楽さも御座いますね。   尻ポケットは両側に! (写真のピントが背景に、、、すみません、良くある失敗です。)             ウエストコートは極プレーンなスタイルにて。 身体のラインに寄り添い、釦を留めればピタッとフィットするのが前提となるサイジングです。 トラウザースとの連動性も重要となり、誂えならではのバランスやフィッティングとなります。   シャツですが、実はウイングカラーです! 敢えて白ではなく、かつ捻りをも。 街で着る時には目立ちはしますが、私も同様にブルーやピンクなどのスーツに合せる デイリーなウイングカラーシャツを時々楽しんでおります。 とても新鮮であり、エレガントさが増しますよね。             ライニングはシルバーグレーを御選択です。 モノトーン範疇であり、かなり反対色となる配色ではありながら、 実は大変エレガントに合うのです!   シャツのウイングカラーですが、後中心にはループが付けられています。 折り返される2枚衿のタイプと違い、 タイの上下移動を制限・安定させる為には必要となるディテールです。           UKK様は比較的に小柄な顧客様ですが、 全てのバランスはUKK様の為だけに合わされた正統的クラシックなバランスです。 バランスが調和していると、個人写真では身長なども分かり辛くなります。 それだけONLY ONEたる皆様それぞれに応じたバランスがあるという事で御座います。           バックは勿論ベントを切りません! 着丈は印象を大きく分けますが、 クラシックなバランスでは その方に見合う・似合う丈が御座います。 あとはお好みがあればご反映を!   なかなか御自身の後姿は見る機会が無い事でしょう。 エレガントにシェイプされたシルエットは設計(型紙)と縫製による賜物です。 こんなスーツ、どこにも売っていませんね。   ここまで綺麗にフィットしていれば、 誰しもがお誂えであると思われるのではないでしょうか。 普段は古着も御愛用との事です。 古着には古着の価値観と揺るぎない説得力含めた良さが存在します。 反面、サイズ的適合性には目をつぶる事も御座いましょう。   リアルな MY SIZE は如何でしょうか、これをお身体にメモリーされて下さい。           パドックカットのカチッと定まる独特のフィット感。 UKK様、とてもお似合いであり本当に素敵です。 周辺アイテムも御用意され、あとは御当日を待つばかりですね。         左右の肩へ均一に乗っているのが分かりますが、 良く見ると右肩が下がられている事も確認出来ます。   中身のお身体がそうなのですから、覆う洋服自体もそうでなければ成りません。 一見ピッタリフィットの様に見えますが、 適正なユトリは加味され 内蔵されております。   生地は多少の融通性はあれどストレッチではありません。 撮影用としての皺無き動けぬフィッティングでは無く、 あくまでも常用着として設計されます。   当たり前ですが高度で手間暇かけたハンドメイドであろうと、 身体に合っていなければ そのポテンシャルは活かされず 単なる付加価値に過ぎなくなってしまいます。 良い仕立ては高度なフィッティングがあって活きるのです。   ウエストコートから上着、インナーであるシャツに至るまで 筋の通った同じ価値観とレベルにより 全てが連動して設計されております。             UKK様、リクエストされたイニシャル、初の3文字リクエストです(笑)。 今回のBK SUITSに限らず、 普段着含め 季節に応じたスポーティーな装いも是非お試しください。 こんなにもTAILORED CLOTHINGがお似合いなのですから勿体無いです。   この度は素敵な御注文を頂戴致しまして、誠に有難う御座いました。                   ・・・誠に虚位宿では御座いますが、来週のBLOG更新はお休みを頂戴致します。 次の更新は 8月31日(火)の予定で御座います。   どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。                

    Read more
1 / 212
Bespoke Tailor Dittos.