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日記

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 Beautiful SHIRTS 】

    2024.10.01 Bespoke Tailor Dittos. 日記

    【 Beautiful SHIRTS 】

              パーティー明けのひと時。 イヴニングシャツにブラックタイ、装いを脱ぎ捨て 色気のあるワンシーンですね。   Marcella Bib Bosom 、胸部にはマルセラと呼ばれるハチの巣織調の生地で ビブ(涎掛け)、ブザムは胸(胸元)を指します。 これはイブニングシャツ(フォーマルシャツ)であり、 boiled shirts や starched bosom とも言われます。   スターチは糊ですが、その糊でカチカチに硬くして 正装時に勲章などを付ける土台でもありました。 この当時は写真のようにプルオーバー型(かぶり型)の仕様は一般的であり、 その分 身幅もたっぷり目です。   昔のバリエーションでは、プルオーバーでも釦開閉が背中にある後開きのタイプや、 ビブ:前掛け自体が独立しているものもありました。           英国の古い裁断所にも掲載されています。 前掛けの下には小さな『タブ』が見えますね。 このタブに結合する釦はトラウザース側に付けられ、 前掛けを安定させる役割を担います。   当時のシャツはデタッチャブル型であり、 襟やカフスは取り外し式なので交換可能です。 故に襟はその土台となるバンドカラーが主体なのです。 プラスチックのように固い襟を カラースタッズを使用して前後中心の2か所で留めます。     このプルオーバー型から現代での一般的な フロント完全開閉型のシャツへと移行して参ります。 被り仕様の当時はタップリしていないと着辛いわけでして、 ガバっと今のように前が開閉するからこそ サイジングも もう少し身体へフィットさせるように流れて参ります。     昭和の時代では、ワイシャツをクリーニングに出せば 『糊仕上げ』は一般的であり、パリッとしていましたね。 今では糊を使わぬナチュラルな仕上げが一般的になりましたが、 反面フォーマルなシャツは襟やビブをカチカチにすべきものであり、 今でもお願い出来るのでしょうか、、、、。                 さて、10月に入り 気温も徐々に例年並みに戻りつつある最中 装いに対する気持ちは大いに盛り上がりますね。   そんな折では御座いますが、先月の9月をもって 大変お世話になっておりましたシャツ工場さんが静かに閉幕となりました。   昭和34年に建てられ、約65年もの間 高品質で 素晴らしいシャツをずっと作り続けて参りました。 本当に面倒くさい⁉ 当店のシャツは BESPOKE同等の型紙をONLY ONEで作成し、 拘りぬいたカットと高度で手間のかかる縫製仕様、その手法には重衣料である テーラードのテクニックも落とし込まれています。 それらにも存分にご対応頂き 最高のシャツを顧客様方へお届けして参りました。   この機に伴い、当店のシャツ受注は一時停止となっております。 一時停止前にと 沢山の顧客様より膨大な数のご注文を頂戴致しました。 既に全てが仕立て上がり、その殆どは顧客様のお手元へとご納品されております。 この最後の機会には 『英国シャツ地フェス‼』 も行い、 やはり沢山の方々にご注文頂きました。     今週は ご注文という形で支えて下さった顧客様方、 そして常に最高品質で仕立てて下さった工場の皆様へ 心よりの感謝を込め、美しく素晴らしいシャツを極一部とはなりますが 皆様にもご覧頂きたいと思います。                 RING HART社の英国らしいストライプシャツ。 片方はクレリックに!   クレリックシャツとは和製英語であり海外では通じません。 英語ではカラーセパレイテッドシャツと言いますが長いですね(笑)。 因みに 襟やカフスが、 衿のみが交換できた時代を背景にこの様なシャツが生まれた訳ですが、 英国では国王含め 『襟のみ白』 というスタイルも見受けられます。   2点共にクラシックなブルーベースながら、 左のシャツはヘアラインストライプになっております。                         左にRING HART、右にACORNの生地です。 英国ライクなダークスーツが本当に映えそうですね。                 ACORNより、クラシックなEND ON ENDはフレンチブルーです。 この色味、たまりませんね! クレリックで誂えられた顧客様も少なくありません。                 同じく ACORN:END ON END より、ライトグレー地です。 上品で落ち着きもあり、渋めなコーデをお楽しみ下さい。                   この度のカントリーチェックな生地は全て RING HART の生地と成ります。 地厚過ぎず、されど綾織りで確りと織り込み、 表面は微起毛させた BRUSHED COTTON となります。                                           では次のご紹介ですが、実はデビュー間もない オープンカラーシャツ もご覧下さい。 こちらも是非 復活させたい、、、。                 スポーティーな格子柄。鮮やかな色、半袖で 正に夏のリゾートシャツ! 他にも様々な生地で 半袖や長袖 にてご注文頂きました。   私自身も仕立てて頂いたのでご覧頂けましたら幸いです。                   Spence Bryson = QUINTIN = Irish Linen           http://dittos.seesaa.net/article/502921191.html 【 NEW OPEN COLLER SHIRTS ② 】     長袖でホワイトとネイビー、上着のインナー要素を強く 長袖にしています。 本当に暑ければ上着も脱ぎ、腕まくりです!                   イタリア製のリネン生地と違い、同社のアイリッシュリネンはパリッとしています! していますが、、、何年もかけて洗濯を繰り返し、 クタッと柔らかく馴染むころを楽しみに着用を重ねて参ります。   ホワイトシャツにありがちな透けが気になる様であれば、 胸ポケットの両側付けは有効的な手段です。 そもそもスポーツシャツ、リゾートシャツですからポケットは似合います。   エイジングされた Irish Linen は掛け替えのない魅力を奏でてくれるはずです。                             春夏に大活躍なスーツやジャケット、アウターの類は強気日差しを避けるべく 淡い色目が主体になります。 故にこういったダークな色味がインナーには大変映える差し色になるのですね。   リネンのスーツはBUFF、BUSH JKはBEIGE、ネイビーのインナーはかなりお勧めです! ホワイトのシャツは白蝶貝釦、そしてネイビー(ダーク系)は黒蝶貝の釦にします。 黒蝶貝の釦、実際にはグレーですね。                   ・・・・・以上で御座います。 皆様 本当に沢山のご注文を誠に有難う御座いました。 工場さんも日程がありますので、 あの膨大な量を物凄いピッチで仕立てて下さりました。   春夏用、秋冬用、そしてオールシーズン用のドレスシャツ含め 皆様方がご着用を堪能されている間に 次の一歩へと進んで参りますので、 暫しお時間を頂戴致します。   そしてお世話になりました工場の皆様へも本当に感謝しかありません。 長い歴史を刻んできた工場さんが無くなってしまうのは 本当に寂しく残念であり、日本の損失でもあります。 こういった高度な物作りが出来る工場さんを守っていく為には 需要が欠かせぬ事も否めぬ事実です。 カジュアル化の進行は止められませんが、、、。   またどこかでお仕事のご縁が授かれます事を願っております。 本当にお世話になりまして、誠に有難う御座いました。                      

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  • 【 Bespoke Shoes 4 】

    2024.06.11 Bespoke Tailor Dittos. 日記

    【 Bespoke Shoes 4 】

                    ≪ 五十鈴川 御手洗場(内宮参道)≫       自然が豊かで空気も透き通るよう。 瑞々しき万緑の宮域林、五十鈴川の清流で身も心も清められ、、、、。 なんて美しいのでしょう。   この御手洗場に敷き詰められた石畳は、 1692年 徳川綱吉の生母が寄進されたと言われています。 ゆうに300年以上も この変わらぬ美しき情景、 感慨深く心に染みわたるようです。           皆様 こんにちは。 例年であれば関東甲信も既に梅雨入りしている頃ですが、 今年は随分と遅れているようです。 梅雨の到来まで 今を存分に春夏の装いをご堪能下さいませ。                     さて、今週は紳士の装いに欠かせぬ靴について。 当店に来て下さる顧客様方は革靴を数十足と お持ちである方も少なくはありません。 テーラードクロージングを愛する方々にとり、 やはり靴も欠かせぬ愛すべきアイテムである事でしょう。   私事で恐縮ながら、今や世界に名を馳せる 福田さん のところに頼んでいた靴が出来上がったとの事! 新しい靴が嬉しくて、、、是非 私の自慢にお付き合い頂けますでしょうか。 誂える意味と楽しみな期待感、ささやかながらも お楽しみ頂けましたら幸いで御座います。                       いよいよ、、、 この写真と共に、メールにて出来上りのご連絡を頂きました。 福田さんのインスタ写真だったのですね!                   名店G.CのBESPOKE SAMPLEには、 昔から一目惚れというか勝手に憧れていた靴がありました。 一足目から仕立てて頂く靴ではない事は重々承知ながらも、 いつかは履きたい、手に入れたい靴の一つでした。   既製靴では合わぬ私の足、特にスリッポンともなれば 尚更誂えでなければ満足に履く事さえ罷りならぬ足でもあります。 故にスリッポンへの執着は余計に強いのかも知れません。 此度の靴でBESPOKEとしては4足目、 気付けばその内 計2足がスリッポンでもあるのです。                   後に福田さんより教えてもらったお話ですが このベルテッド・ローファー(G.C)は、Baron de Redeというフランス人の貴族が A.クレバリー氏に依頼・製作してもらったモデルだそうです。 この方はなんと300足以上もBESPOKEで靴を誂えていたとの事、、、。                   革のイメージは有りましたが、その中でも2択でかなり迷いました。 そんな様子を見兼ねてか、 『じゃあ、左右で両方使って仮縫いを組みましょうか!』 えっ、そんな、良いのですか、、、 ではお言葉に甘えさせて頂き、宜しくお願いします!   仮縫い靴が組み上がり、印象も随分と違います。 仮縫い靴は内部を確認する為にナイフで切り刻まれてしまいます。 毎度勿体無いと感じてしまうのですが、 『破片、貰っても良いですか!?』   本縫いには直ぐに掛かれないでしょうから ゆっくり決めてくれれば良いと言って下さりました。 福田さん、、、ありがとうございます!                 決定に時間はかかりませんでした。 より迫力を感じられるコチラに!   イギリスで買い付けてこられた ヴィンテージのフランス産シボ革 であるとの事。   スリッポンはどちらかと言えば軽快でカジュアル、 春夏系なイメージもありましょう。 私は通年通して利用でき、かつリネンからツィードまで合わせられる 普段履きの様な存在として欲しかったのです。 クリームを入れると少し濃く色味が深まりつつ、 ややアンティーク調な仕上げで!                   スリッポンで2足目、仮縫いの時点で既に完璧でいつも通り ガシッと掴まれているかのような穿き心地。 ここから更に微調整を加えFINISHへ。   隙間の全くない靴、しかも それがスリッポンで! この感触(履き心地)、この感激が分かりますでしょうか!                                       美しきフォルム、存在感のある革、憧れていたデザイン、 もう言葉は必要ありませんね。 あとは履いて自分の靴へと育てるばかり、楽しみです!                   3足目のリザードのローファーと比べ、 今回はトゥもオリジナルの雰囲気を尊重しています。 案外違いますが、中身である足は同じ、職人さんである福田さんの お考えやセンスも反映されている事でしょう。                 福田さんのお店にて。 驚くほどの吸い付き具合、皴入れも行いました。 「慣らし運転もしてくださいね」 との事でウキウキと持ち帰りました。                   自店にて、早速慣らし運転も! ロングノーズでモダンな感じではなく、 少し武骨で野暮ったさが残っている所も願い通り。 素敵、、、、(笑) 大満足です。   また一足、大切な相棒が増えました!                     ・・・・・如何でしたでしょうか。 既製品の靴を履ける方々が長きに渡り本当に羨ましかったです。   ですが今はそんな事は思いません。 服もそうですが、誂えには誂えならではの価値観と満足があります。 昔から続くあるべき純粋な手作りによるBESPOKEは、 BESPOKEでしか辿りつけぬステージが存在します。     昨今では洋服も例外ではありませんが、革靴の値上がりも凄いですね。 有名な既製靴を手に入れるのであれば、 日本国内には腕のある靴職人さん方が沢山おります。 BESPOKEという最上級ステージ、 上がってみなければ分からぬそのステージさえ 視野に入りつつあるのではないでしょうか。   服も靴も この先数十年と付き合う相棒を求め、 最上級ステージを味わってみるもの良いのではないでしょうか。 謹んでお勧め申し上げます。       という事で、今週は私事に最後までお付き合い頂きまして 誠に有難う御座いました。   どうかまた来週も 宜しくお願い申し上げます。                      

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