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Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 Laurence Kerr Olivier 】

    2019.09.17 Bespoke Tailor Dittos. STYLE

    【 Laurence Kerr Olivier 】

            少しずつ暑さも和らぎ、秋らしさを感じられる様になって参りました。 皆様 三連休は如何お過ごしでしたでしょうか。 地域のお祭りも開催され、そんな行事も秋の到来を感じさせてくれます。   そして、何と来週も三連休ですね! 随分と連休が増えました。   当店におきましては通常営業となりますので、定休日のみのお休みとなります。 もう直ぐ増税もありますが、、、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。                 ローレンス・オリヴィエ ( Laurence Kerr Olivier ) 1907.5.22-1989.7.11   英国を代表する俳優であり、そのご活躍された功績より 1947年にはナイト位を授けられております。 翌1948年にはアカデミー賞も受賞し、 名実ともにイギリスを代表する名優にまで登りつめられました。   また、1970年には俳優として初めて一代貴族に叙され、 Baron Olivier of Brighton 『 ブライトンのオリヴィエ男爵 』となります。 そのご活躍ぶりは簡単に表す事が出来ませんが、正に名優である事に間違いはありません。   この時代にご活躍された様々な方々は本当にエレガントでお洒落な方が多いのです。 紳士服が一番エレガントであったと言われる時代の片鱗を 魅力的な氏の装いを通じて御紹介させて頂ければと思います。         三つ揃いはダブルブレストの上着ですが、 ラフにフロントを開けチラリと見えるアルバートチェーンがニクイですね。 ですが、当時は極一般的なスタイルでもある訳です。   ダブルのスーツはウエストコートが見えないので省かれるというものではありません。 勿論 季節やお好みにより省く事はあるでしょう。   ウエストコートはポケットウオッチ入れとしも機能してる訳ですが 上着がダブルの場合 釦を外さないと時計が見られないという事はありますね!   股上深きトラウザースを吊り、それに連動する丈で誂えられたウエストコートが クラシックな あるべきバランスでデザインされていれば、 大抵 第4釦ホールにT-Barを掛けると丁度良いバランスになります。 (決まりがある訳ではありません。) この様にフロントホールへ釦と共に通さない場合は 縦型にチェーン用のホールを敢えて開ける事も御座いますね。             リラックスされた一コマですが、愛犬でしょうか。 靴がとにかく目を惹きますね。今では一般的ではないディテールではあります。 同じくエレガントで有名な 伊:詩人であるダンヌンツィオ氏も このカットの靴を履かれていましたね。   かなり濃く見えるでしょうが、案外ボーダーのトップスと合いますね! コンビらしいコントラストが上下で凄く調和しています。   白黒写真ではありますが、、、コーディネイトでの使用色を抑えている事も功を奏します。 そもそもスペクテーターシューズはスポーツ観戦時等に好まれて履かれた靴でもあり、そういった背景も踏まえれば ダークなソリッドの靴よりスポーティーなポジションとも言い換える事が出来るでしょう。   しかし、格好良過ぎます!   ボーダーのニットやカッソーの着こなしに是非ご参考に如何でしょうか。 時代性もありますが、ジーンズではこうは決まりません! クリーズラインの入ったホワイト(クリーム)トラウザースなのです。   季節に応じ ウールだけでは無く、コットンでも良いでしょう。             時代を感じる『らしさ』満点のロングポインントカラーシャツです。 当時のネクタイは短く、芯も生地も薄く、現行品と比べれば それはもうペラペラです。   トラウザースの股上が深いという事は、その分 胴が短くなるわけです。 様々な周辺アイテムもバランスが全て連動しており、 ブレイシーズも現行品とは随分と仕様やサイジングが違います。                 ウエルトステッチの効いたスポーツジャケット、ドット柄のネックウエアが本当に素敵です。 結び方含め、この様に昔のお洒落な先人方より学ぶべき着こなしも本当に多くあります。                 袖丈も股下もかなり長めではありますが、お好みでしょうか。 氏のスーツはダブルブレストがお好みだった様子が写真の多さより窺えます。               ショールカラーでダブルのディナースーツです。 衿元のカーネーションが素敵ですね。 ショールカラーでもラペルにホールを開けていますね。 ショールカラーの場合は、ノッチドラペルの様に古の第一釦ホールの名残というよりは フラワーホールとして開けられている事になりましょう。               オーバーコートもダブルブレストです。 先ず間違い無く上等なカシミアではないでしょうか。 写真からでも垣間見られるうねりの効いたリップルフィニッシュが高級なオーラを放ちます。   袖口にはターンバックカフが見受けられます。 逆に胸ポケットはありませんね! 排除されたコートは結構あります。               このスーツはイギリスの名店 A&S製 のスーツだそうです。(1933年)   細めでシャープな胸の箱ポケット! 上品です。 右側胸部の着用皺を見る限りでも、使われているであろう確りとしたフランネル地であるにも関わらず A&Sらしく当時としては柔らかい芯を使用した仕立てであるという事かもしれませんね。             C.ビートン卿と共に。   C.ビートン氏のタイをご覧下さい。 大剣がVゾーンからこぼれております。 当時のタイは短いですから 古着でご存知の方々は『あるある~』な事でしょう。             お年を召されても品と共にエレガントさは変わりません。 こんな御上品な爺さんになりたいものです。                 ・・・・・如何でしたでしょうか。 先人方から学ぶべき事は沢山御座います。   今では失われつつある装いに対する『品』という部分をもう少し取り戻したくはあります。 世界中で進行するカジュアル化の流れは速く、 人間楽すれば もう戻らない・戻れないですから せめてTPOだけでも もっと重んじたいと思います。   装うという行為は相手あってこそでもあり、 敬意を払うという側面がある事も忘れてはなりません。   衣・食・住の『衣』 装うという行為を 少しでも多くの皆様が楽しんで頂けましたら何よりの幸いに思います。   では、今週も最後までお付き合い頂きまして誠に有難う御座いました。             ・・・・・ご報告申し上げます。 毎週当店のBLOGをご覧頂きまして、誠に有難う御座います。   多くの方々が既にお忘れかも知れませんが、、、 当店10周年記念に因み オリジナルの生地を御用意させて頂きました。 計4種の企画であり、3種は既にデビュー済みです。   4種目につき、唯一春夏用の生地であり もともと分納となる予定でした。 実は一度ミスがあり、織り直しとなりましたが 改めて再納品されました。 しかし、結論的に今回も大変残念ながら受け取れないという結果となってしまいました。   詳しくは割愛させて頂きますが、3度目の正直に臨むべく打ち合わせ中で御座います。 もし自慢出来るような4種目が上がった折には 勿論御紹介させて頂きますが、御紹介が無ければボツになったと思って頂ければと思います。   お気に掛けて下さった方々に関しましては心よりのお詫びを申し上げます。 3度目が織り上げるにしても来年となります。   詳しくは店頭にてお尋ね頂けましたら幸いです。 本当にご迷惑、ご心配をお掛け致しまして 誠に申し訳御座いません。                  

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  • 【 2019 AW:FOX BROTHERS 】

    2019.09.03 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 2019 AW:FOX BROTHERS 】

          可愛くも凛々しき顔して フォックス君! ご来店下さるお客様方をいつも見守ってくれております。     いよいよ9月にも入り、新作の生地バンチなども届き始めております。 今週は、ここ数年で頗るパワーで展開を広げている FOX BROTHERS より、 今季AWデビューの新シリーズを御紹介させて頂きたいと思います。             このフォックス君こそ凛々しいですね。 今年のSSでは『 FOX AIR 』 という所謂フレスコ地も 新たなラインナップとして加わったばかりです。 http://dittos.seesaa.net/article/464461223.html     AWでは、同社の顔でもあるフランネルのシリーズに WORSTED FLANNEL、 そして何とTWEEDが加わりました。 (TWEEDは2部構成となっております。)         FOX BROTHERS   1772年 ENGLANDのサマセットにおき、トーマス・フォックスさんにより創業されました。 FOXは創業者のお名前でもあったのです。   品質の良い同社の堅牢なサージは王立陸軍に納入されるまでに至ります。 1950年代頃までは『 FLANNEL 』という商標をも保有していました。 ウインザー公やチャーチル元首相、ケーリー・グランドなど名立たる方々が 同社のフランネルを身に纏い 愛用されていた事は有名なお話です。           【 WORSTED FLANNEL 】   290g 100% Super Fine Merino Wool     フランネル、もともと同社にとっては顔でもある生地種であり主力商品です。 フランネルとは加工を意味するものであり、その加工をもってフランネルとなります。   そのフランネルには大きく分けると 『 WORSTED FLANNEL 』と 『 WOOLEN FLANNEL 』に分けられ、 昔ながらの素朴で野趣味溢れるフランネルは WOOLEN の方となります。   今回の新作は WORSTED の方ですね。 何が違うのか、、、下記ページに分かり易く説明しておりますので 宜しければ覗かれてみて下さいませ。   http://dittos.seesaa.net/article/452503990.html 【 CHALKSTRAIPE FLANNEL 】       では、魅力的なコレクションを早速ご覧頂きましょう。             WORSTED FLANNELは とても小奇麗で品のあるフランネルです。 WOOLEN FLANNELは起毛する事により 随分と色柄がボケます。 典型的なのはチョークストライプですね。   WORSTED FLANNELは起毛されているものの、 ほんのりと織り柄も感じられ、程好いボケ感で収まります。   大柄の格子に配色のウインドーペーン(窓枠柄)を重ねた二重格子柄は 大胆さと共に 程好いスポーティーな印象を与えます。   タウンスーツとしても良いですし、オッドジャケットとしても このくらい柄のサイズがあった方が映えますね。               ウエイトは300gをきっておりますので 起毛生地ゆえの秋冬感はあるものの、 春秋メインで軽快に着用出来るスーツやジャケットになる事でしょう。   細かで細い縞を5本のトラック縞として ウインドーペーン柄を表現しています。 配色バランスも素敵ですね。             クラシックなウインドーペーン柄ではありますが、その縞自体は配色二重線になっており、 その色味による独特なスパイスを与えております。   こういった些細なデザインが印象に大いなる影響を与えているのです。 グリーン系はカントリーな雰囲気が満点ですね。   ツィードでもありがちな色柄ではありますが、何といってもWORSTED FLANNEL ですから 触り心地や着心地などは全く別物の世界観を持ち合わせます。             やや大き目のガンクラブチェックは カントリーファブリックのデザインには欠かせぬクラシック柄の一つです。   見ていて落ち着きます!           ウインドーペーン等の重ね格子無き クラシックなグレンチェックです。 格子ながら 遠目には溶け込んでしまう控えめな柄出しです。 だからこそ合わせるアイテムも あまり気を遣わずに合わせ易いですね。             無地は勿論、クラシックなピンストライプも当然ラインナップに加わっております。   とにかくベースの色が本当に良いです! らしい霜降り感と共に、絶妙な中間色もあって とても素敵です。         ある意味 野暮ったさも売りであるウーレン フランネル、 洗練感のあるウーステッド フランネル、皆様はどちらがお好みでしょうか。                 【 FOX TWEED 1・2 】   480~510g 100% Wool   これらツィードも、同じくサマセットにある同社工場内で織られています。 歴史ある同社のアーカイブよりインスパイアされつつ、サマセット周辺の豊かな自然、 湿原の色彩を表現すべくデザインされたツィード達という事です。   スーツも御注文頂けますが、細目シルエットのトラウザースは避けた方が良いですね。 理想的には上着用であり、ジャケットかコートが主体となるでしょう。 同社も 下物(トラウザース)はFOX FLANNELがパーフェクトに合うとの事です!             この複雑に絡み合った色出し、そして風合いや雰囲気、正にツィードですね。 私の大好きな Two & Two も確りとカラーバリエーションと共にコレクションされております。                     何色と例えましょう、、、。   レンガ色の様で、熟れたトマトの様な赤も混じり 独特の赤茶系なのですが クラシックなヘリンボーン柄がとても引き立ちます。   これは素晴らしい、、、。                 これも凄く魅力的な色なのですが いまいち写真では上手く出せません! 寝転がりたくなる様な芝生を感じさせるイエローグリーンですね。   単純な草色では無く、そこには土のブラウン味や、 なかには枯れ気味の草だって混じっている訳です。 ツィードの表現は絵画でもあるかのようですね。   モスグリーンのコーデュロイ:トラウザースを思わず合わせて作りたくなります。               激渋、、、ベースはクラシックなダイヤゴナル柄です。 大人の渋みを感じさせる色であり、本当に深みが違います!               グレンチェック柄を随分と巧みに操ります! ツィードたるフィールドだからこそ、ベーシックな柄も引き立ちます。               クラシックなガンクラブチェックですが、良くご覧ください! 更に配色糸を織り交ぜ、ピリッとオリジナリティーのある風味を生かしてあります。   伝統的な味に今なりのスパイスを! 食す客側の舌を飽きさせませんね。                 これも捻りが効いていますね。 ガンクラブチェック、、、の体を持ち合わせつつ 配色でウインドーペーン柄を内蔵しています。   古き良き伝統を理解し、尊重しつつ新しい息吹をかけられたデザインです。 老舗FOXが行うと流石に説得力がありますね! 英国らしさを失わせません。                 このガンクラブは敢えて やや大柄で表現されています。 先の様に多色使いではない分 落ち着きがありますが、 伝統柄もサイズが大きくなるだけで大胆さが増しますね。   これはツィードコートにしても絶対に格好良いでしょう。                 一見には ブラックウオッチを思わせる配色バランスですね。 ネイビーとグリーンを上手く掛け合わせ、正にFOXの意図するタウンとカントリーの融合配色ともみてとれます。               ・・・・・如何でしたでしょうか。   老舗もただただ同じ事の繰り返しではなく、良い意味で伝統を尊重しつつ現在に見合うセンスを上手く表現してスケールアップを図る同社。 世界中からの高い評価も頷けるところです。   FOXならではの魅力、そして世界観は素晴らしく ファンの方々、そしてファンでない方々でも一見の価値ありでしょう。     ツィードも早く着たくなって参りました! 皆様 お下見兼ねて是非お気軽にお越し頂けましたら幸いです。   皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。             ・・・・・誠に恐縮ながら 来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。 次回は 9月17日(火)を予定しております。   どうか引き続き 宜しくお願い致します。            

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