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Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 至高たるストール:BEGG & CO 】

    2019.09.24 Bespoke Tailor Dittos. お勧め情報

    【 至高たるストール:BEGG & CO 】

        二週に渡って三連休でしたが、お天気の方はあまり優れませんでしたね。 そろそろ十月が見えて参りました。 陽が落ちるのも早くなり、朝晩はかなり過ごしやすい気温になって参りました。   皆様、秋冬の準備は如何でしょうか。 当店 HOUSE STYLE ORDER では旬の洋服を御注文出来る為、 正に良い仕込み時となってきました。 寒さ感じる気温が待ち遠しいです!             カントリーサイドでの一コマ。 ツィードやカバートコート、二人の紳士の首元にはストールで防寒と共に 素敵な差し色ともなった着こなしをされております。 これからはストールも欠かせぬ寒い季節がやって参ります。   今週は正に天女の羽衣を彷彿させるような 至高のストールを御紹介させて頂きます。             BEGG & CO ( ALEX BEGG )   1866年スコットランドの工業都市ペイズリーにてアレックス・ベッグにより設立されました。 クライド川支流のほとりで、スコットランドの風土、湖と海にインスパイアされ、地元の織元が小さなチームを組んで 最初のベッグ・ショールが生まれました。   1902年には50キロほど南西にあるスコットランドの西海岸の海辺の町であるエアに移転と同時に、生産設備を拡大して投資し、新しい技術も採用しながら発展を遂げます。     カシミアを扱う有名なメーカーはご存知の通り幾つかあります。 生地を織る事を主体としながらストールなどの 洋品アイテムを手掛ける有名ブランドもありますね。 しかし、BEGGは長きに渡り このストール(マフラー) というアイテムだけに絞り、愛情を注ぎこみます。   それだけに同社のストールには本当に様々な色柄、種類がありますが、 どれもこれも天下一品です。 餅は餅屋と言われますが、更にその餅を究極まで突き詰めた最高の逸品と 言わざるを得ぬ品質で御座います。             ・・・個人的に私はネックウエアが好きでスカーフやストールも沢山所有しています。 しかし、肌が弱い事もあり ウールのストールは巻く事が出来ません。 動物繊維で言えば やはりカシミアかシルクになってしまいます。     もう何年も前ですが、BEGGのカシミアストールに出会い かなり衝撃を受けました。 今でも大切に愛用していますが、正に別次元の感触に感動すらした次第です。 当店でもずっと御紹介したかったのですが、本年になってやっと その機会を得る事になります。             私は所謂マフラータイプは使いません。長いフリンジが付き、 フワフワと起毛された良く見るタイプですね。 見るからに暖かそうであり、防寒用と捉えれば こちらの方に軍配が上がるでしょう。   しかし、ボリュームがあり過ぎます。 都会の生活の中では 先ずオーバースペックであり暑すぎる事、 モコモコするので見た目もスマートでは無い事、 外した時には嵩張る事、、、、といった理由からです。   故に、地薄で向う側が透ける様な薄さの大判である事が選ぶ基準であり、価値観となります。 軽く暖かい空気を含み、大判なので様々な巻き方も楽しめつつ、 地薄なのでモコモコする事はありません。 とにかく軽くて、外して畳んでも小さく薄くなりますので バッグへ嵩張る事無くスマートに仕舞う事が出来ます。   このサイズであれば男女兼用使い出来る事も大いなるメリットであり、 女性であればケープの様に肩から掛けても良いでしょう。 ご夫婦での兼用も出来ます! 夏場 室内などで環境の空調が効きすぎている様であれば膝に掛けても良いですね。 嵩張りませんから引き出して仕舞っておいても邪魔には成りません。             カシミアの繊維は細く、ウールの様にチクチクしません。 何故でしょうか、、、、下記ページにて特徴な性能を詳しく御紹介しております。 http://dittos.seesaa.net/article/422289775.html 【 CASHMERE 】   しなやかで艶やか、しっとりとした肌触りは原毛が適度な油分を含み包み込んでおります。 保温性にも優れ、薄くても十分に暖かいのがカシミアです。   そうですね、、、花粉症の方々は良くご存知の事と思いますが 通常のティッシュと、カシミア・ティッシュ、あの風合い、 使い心地の違いといえば分かり易いでしょうか。   カシミアが伊達に繊維の宝石と呼ばれている訳ではありません。   私にとってカシミアの生地やストールは身近であり、 職業柄 皆様よりも触り慣れていると言えるでしょう。 そんな私が度肝を抜かれたのが BEGG のカシミアストールであり、 その膨大なシリーズの中でも この度御紹介させて頂くシリーズは特に絶品です。   品質に対する同社の拘りを考えれば勿論確りとした理由があり、 シャツ地でいう CARO RIVAやALUMO の糸作りに同じとお考え下さい。 徹底された最高の原材料を仕入れるのは勿論の事、 それを独自の技法により 生かし熟成させた極上の糸にあります。   それだけではありません、水や仕上げの工程でも膨大な拘りがそこに存在致します。 そうして至高にして究極のストールと成り得ます。 そんな BEGG のシリーズより、厳選した個人的な『 No.1 』を 是非御紹介させて頂きます。           ・・・・・この度は、計5色の御用意をさせて頂きました。 どれもこれも美しく、気品のある色出しです。             柔らかさと共に、その薄さが感じられると思います! 髪の毛より俄然細い繊維です。 その極上な細い糸を柔らかく、甘くツイルで織り上げ、洗いと共に丁寧にFINISHINGされます。   本当に凄いですよ、何故ここまでシットリしているのか、、、。 首が、肌が喜ばぬ訳がありません!             サイズですが   70㎝ × 200㎝ となります。 ( PURE CASHMERE )   長さは身長よりありますね! 大抵の場合は幅を半分に折り、お好みで様々に巻き付けて下さい。           最高の糸で 最高の生地として織りあげ、ただただ そのままです。 織物である以上解れてしまいますので、解れ止めとして縦横双方の裁ち端糸を抜き、 軽くフリンジ状にします。 あえて縫製しない、純粋な品質をそのままにご提供する為です。     では、5色それぞれをご覧下さいませ。         ① col. Granite グラニット(グラナイト)という色であり、花崗岩を意味します。 程好く霜降りの効いた 杢糸使いによる 単色ミディアムグレーです。 鉄板色ですね。 柔らかさ、優しさが写真から伝わりますでしょうか。                     ② Col. Dark Natural ダークナチュラル、正にカシミア山羊を思わせるナチュラルなベージュです。 ややくすませた色味にする事で落ち着いた印象を与えます。 ①に同じく、杢糸使いによる 単色ダークベージュです。 カシミア山羊さんを そのまま首元へ。                   ③ Col. Tiger's eye タイガーアイ(虎目石)という天然石に因んだ名称です。 ここからは美しい交織使いとなります。 経糸にカーキ、緯糸にオレンジで交織にして独特で幻想的な色味を奏でます。 私が初めて手にしたBEGGがこれでした。   所謂ソラーロの様であり、光の当たり方により 色味が変わります。 交織にする事で色の変化と共に深みが増します。 触り心地と共に驚くほどの色気があります。 この色は ONにもOFFにも使いやすい万能な色味と言えるでしょう!                 ④ Col. Pine Needle これは上手いネーミングです! パインニードル=松葉です。 松の葉は正に針の様であり、色味もそう言われれば成る程と。 経糸にモスグリーン、緯糸にくすんだロイヤルブルーの様な色を使った交織です。 この経糸グリーン系だけでは このくすんだ独特の色味は表現出来ません。 何とも深みのある色でもあり、青味もありますので比較的にグリーンも落ち着きます。 なんて上品な色でしょう。   この様に写真だけで見ると緑系という色味を強く感じますが、 実際に首に巻いてみると俄然印象は変わります。 是非店頭にて首に巻いて 色味や風合いをお確かめ下さいませ。                   ⑤ Col. Blackened Blue ブラッケンド=黒くする・黒ずんだ・焦げた等を表す形容詞です。 黒ずんだブルーという意味になりますね。 経糸にチャコールグレー、緯糸にネイビーの交織であり、正に名称のままの色です。 ネイビーが強く出ますので、使いやすい定番色に捻りの効いた やはり独特の色気と深みが奏でられております。                   単なる平置き写真だと全然色気が伝わりませんが、、、 左より ① Granite ② Dark Natural (写真よりもう少しベージュ味があります。) ③ Tiger's eye         右より ④ Pine Needle ⑤ Blackened Blue   計5色の御用意です、どれを選ばれても必ず重宝出来る逸品となる事でしょう。       例の如く、独特で微妙な色味なので 写真という事と、 皆様のモニターにより色ブレがある事でしょう。 風合いも実際に触らなければ分かりません。   是非お店で手に取って、そして巻かれてみて下さい! その圧倒的な説得力に驚かれると共に、 私の御説明がまんざらでもない事だと御理解頂けると思います。     これだけのクオリティー、そしてカシミア:100%です。 御安くはありませんが、この品質を考えれば決して高くもありません! だからこそ、まだ増税前にも間に合いますので御検討頂けましたら幸いです。   ご遠方の方々におかれましては どうしてもこのBLOG写真でのご判断とは成ってしまいますが、宜しければ御発送も喜んで承らせて頂きます。 (御予約が9月以内であればTAX=8%にて御対応させて頂きます。)   お支払に関しまして、お振込みか、クレジットカードでの御決済も承る事が可能です。 是非お気軽にお問い合せ頂ければと思います。     まだ少し早いですが、大切な方へのクリスマスプレゼントにもお勧めです! リクエスト頂ければプレゼント用のラッピングも致します。(ラッピングは勿論無料です。)   個人的に 史上最強となる至高のカシミアストールを是非とも宜しくお願い申し上げます。 皆様よりのご連絡を心よりお待ち申し上げております。          

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  • 【 Laurence Kerr Olivier 】

    2019.09.17 Bespoke Tailor Dittos. STYLE

    【 Laurence Kerr Olivier 】

            少しずつ暑さも和らぎ、秋らしさを感じられる様になって参りました。 皆様 三連休は如何お過ごしでしたでしょうか。 地域のお祭りも開催され、そんな行事も秋の到来を感じさせてくれます。   そして、何と来週も三連休ですね! 随分と連休が増えました。   当店におきましては通常営業となりますので、定休日のみのお休みとなります。 もう直ぐ増税もありますが、、、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。                 ローレンス・オリヴィエ ( Laurence Kerr Olivier ) 1907.5.22-1989.7.11   英国を代表する俳優であり、そのご活躍された功績より 1947年にはナイト位を授けられております。 翌1948年にはアカデミー賞も受賞し、 名実ともにイギリスを代表する名優にまで登りつめられました。   また、1970年には俳優として初めて一代貴族に叙され、 Baron Olivier of Brighton 『 ブライトンのオリヴィエ男爵 』となります。 そのご活躍ぶりは簡単に表す事が出来ませんが、正に名優である事に間違いはありません。   この時代にご活躍された様々な方々は本当にエレガントでお洒落な方が多いのです。 紳士服が一番エレガントであったと言われる時代の片鱗を 魅力的な氏の装いを通じて御紹介させて頂ければと思います。         三つ揃いはダブルブレストの上着ですが、 ラフにフロントを開けチラリと見えるアルバートチェーンがニクイですね。 ですが、当時は極一般的なスタイルでもある訳です。   ダブルのスーツはウエストコートが見えないので省かれるというものではありません。 勿論 季節やお好みにより省く事はあるでしょう。   ウエストコートはポケットウオッチ入れとしも機能してる訳ですが 上着がダブルの場合 釦を外さないと時計が見られないという事はありますね!   股上深きトラウザースを吊り、それに連動する丈で誂えられたウエストコートが クラシックな あるべきバランスでデザインされていれば、 大抵 第4釦ホールにT-Barを掛けると丁度良いバランスになります。 (決まりがある訳ではありません。) この様にフロントホールへ釦と共に通さない場合は 縦型にチェーン用のホールを敢えて開ける事も御座いますね。             リラックスされた一コマですが、愛犬でしょうか。 靴がとにかく目を惹きますね。今では一般的ではないディテールではあります。 同じくエレガントで有名な 伊:詩人であるダンヌンツィオ氏も このカットの靴を履かれていましたね。   かなり濃く見えるでしょうが、案外ボーダーのトップスと合いますね! コンビらしいコントラストが上下で凄く調和しています。   白黒写真ではありますが、、、コーディネイトでの使用色を抑えている事も功を奏します。 そもそもスペクテーターシューズはスポーツ観戦時等に好まれて履かれた靴でもあり、そういった背景も踏まえれば ダークなソリッドの靴よりスポーティーなポジションとも言い換える事が出来るでしょう。   しかし、格好良過ぎます!   ボーダーのニットやカッソーの着こなしに是非ご参考に如何でしょうか。 時代性もありますが、ジーンズではこうは決まりません! クリーズラインの入ったホワイト(クリーム)トラウザースなのです。   季節に応じ ウールだけでは無く、コットンでも良いでしょう。             時代を感じる『らしさ』満点のロングポインントカラーシャツです。 当時のネクタイは短く、芯も生地も薄く、現行品と比べれば それはもうペラペラです。   トラウザースの股上が深いという事は、その分 胴が短くなるわけです。 様々な周辺アイテムもバランスが全て連動しており、 ブレイシーズも現行品とは随分と仕様やサイジングが違います。                 ウエルトステッチの効いたスポーツジャケット、ドット柄のネックウエアが本当に素敵です。 結び方含め、この様に昔のお洒落な先人方より学ぶべき着こなしも本当に多くあります。                 袖丈も股下もかなり長めではありますが、お好みでしょうか。 氏のスーツはダブルブレストがお好みだった様子が写真の多さより窺えます。               ショールカラーでダブルのディナースーツです。 衿元のカーネーションが素敵ですね。 ショールカラーでもラペルにホールを開けていますね。 ショールカラーの場合は、ノッチドラペルの様に古の第一釦ホールの名残というよりは フラワーホールとして開けられている事になりましょう。               オーバーコートもダブルブレストです。 先ず間違い無く上等なカシミアではないでしょうか。 写真からでも垣間見られるうねりの効いたリップルフィニッシュが高級なオーラを放ちます。   袖口にはターンバックカフが見受けられます。 逆に胸ポケットはありませんね! 排除されたコートは結構あります。               このスーツはイギリスの名店 A&S製 のスーツだそうです。(1933年)   細めでシャープな胸の箱ポケット! 上品です。 右側胸部の着用皺を見る限りでも、使われているであろう確りとしたフランネル地であるにも関わらず A&Sらしく当時としては柔らかい芯を使用した仕立てであるという事かもしれませんね。             C.ビートン卿と共に。   C.ビートン氏のタイをご覧下さい。 大剣がVゾーンからこぼれております。 当時のタイは短いですから 古着でご存知の方々は『あるある~』な事でしょう。             お年を召されても品と共にエレガントさは変わりません。 こんな御上品な爺さんになりたいものです。                 ・・・・・如何でしたでしょうか。 先人方から学ぶべき事は沢山御座います。   今では失われつつある装いに対する『品』という部分をもう少し取り戻したくはあります。 世界中で進行するカジュアル化の流れは速く、 人間楽すれば もう戻らない・戻れないですから せめてTPOだけでも もっと重んじたいと思います。   装うという行為は相手あってこそでもあり、 敬意を払うという側面がある事も忘れてはなりません。   衣・食・住の『衣』 装うという行為を 少しでも多くの皆様が楽しんで頂けましたら何よりの幸いに思います。   では、今週も最後までお付き合い頂きまして誠に有難う御座いました。             ・・・・・ご報告申し上げます。 毎週当店のBLOGをご覧頂きまして、誠に有難う御座います。   多くの方々が既にお忘れかも知れませんが、、、 当店10周年記念に因み オリジナルの生地を御用意させて頂きました。 計4種の企画であり、3種は既にデビュー済みです。   4種目につき、唯一春夏用の生地であり もともと分納となる予定でした。 実は一度ミスがあり、織り直しとなりましたが 改めて再納品されました。 しかし、結論的に今回も大変残念ながら受け取れないという結果となってしまいました。   詳しくは割愛させて頂きますが、3度目の正直に臨むべく打ち合わせ中で御座います。 もし自慢出来るような4種目が上がった折には 勿論御紹介させて頂きますが、御紹介が無ければボツになったと思って頂ければと思います。   お気に掛けて下さった方々に関しましては心よりのお詫びを申し上げます。 3度目が織り上げるにしても来年となります。   詳しくは店頭にてお尋ね頂けましたら幸いです。 本当にご迷惑、ご心配をお掛け致しまして 誠に申し訳御座いません。                  

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