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【 LOAVT TWEED:I様のご注文 】
2025.07.22
お客様のご注文

皆様 こんにちは。 先週には関東甲信も梅雨明け宣言されましたが 、既に6月から実質梅雨明け状態ですよね。 7月も後半です、これから厳しい酷暑が続きますが その先の秋も見えてきました。 街のウインドーでは秋冬の装いがディスプレーされ、 それらが気持ち良く着用出来る秋を心待ちにしております。 英国王のカントリースタイル、上品にまとめられ とても魅力的です。 ツィードのスポーツジャケットにコーデュロイのトラウザースは鉄板ですね。 その正にブリティッシュなカットの上着が本当に素敵、、、 本帰りの三つ釦、袖口にはカフを携えております。 ツィードのスポーツジャケットは様々なシーンで活躍してくれます。 自然に溶け込むようなアースカラーで兎に角タフであると共に 防寒着でなければなりません。 お二人揃って フライフィッシング ですね。 英国の老舗釣具店なんて それはそれは夢のような世界が広がっております。 勿論最新でハイテクなロッドやリール、ウェアも当然素晴らしいのですが やはり伝統的でクラシックのもつ独特な魅力だけは再現できません。 職人さんが手作りしたバンブーフライロッド、、、憧れです。 様々な分野でBESPOKEも残り続けているのです。 これまたクラシックなハウンドツゥースのスポーツジャケットを着たG.クーパー氏。 時代性も感じられるカットに良い仕立て、 上襟のエッジには綺麗に地の目が通っていますね。 スーツではなくジャケットであれば柄物は少し元気で派手なくらいが丁度よい! こんな魅力的なスポーツジャケットが欲しくなりませんか⁉ 今週はI様よりご注文頂きました TWEED の スポーツジャケットを紹介させて頂きます。 Lovat Mill (James Purdey & Sons別注) 1814年創業のパーディーはロンドンのメイファにて もう軽く200年以上の歴史を積み上げる銃器、ライフル製造店です。 BESPOKEと共に手作りのそれらは数千万円から億まで、、、凄い世界です。 英国王室を始め欧州王室、貴族などのカントリーライフには欠かせぬ名店であり、 ライフルなどの銃だけではなく その他必要な 周辺アイテムまで展開された素晴らしいお店です。 そんな名店の手掛けるカントリーウェアに使用された 別注生地が長きに渡り同社の倉庫で眠っていました。 在庫整理⁉にあたり、こちらはその内の一つでもあります。 随分と沢山の量を入手しましたが いよいよ最後の着分をお選び下さりました。 http://dittos.seesaa.net/article/426884860.html 【 TWEED FESTIVAL① 】 ⇒ もうかれこれ10年前の仕入れであり、BLOGでもご紹介した生地です。 因みに、TWEEDの語源はツィードリバーという説の謂れをご紹介しておりますが、 JOHN G HARDY を調べていたら「リバー説は違う!」と共に「こうだ!」 というお話も。 今回は割愛しますね。 もう柄合わせで目がチカチカしますよ、、、、 裁断も縫製も目には酷、されど滅茶苦茶に格好良く素晴らしいTWEEDです! 仮縫いの日は以前誂えて下さった三つ揃いで御来店頂きました。 既にTWEEDは見るだけでも暑苦しくもありますが、I様や私にとっては大いなる楽しみ! 凄く良い感じですね! 前から見ればプレーンな三つ釦ですが、バックスタイルは背ベルトに インバーテッドプリーツを畳んだスポーツジャケットらしい ディテールにてリクエスト下さりました。 仮縫い時にはまだプリーツが閉じてあり、 柄も合っているので まるでワンピースバックの様ですね。 そのプリーツの恩恵はお仕立て上がりまでお楽しみです! I様はかなり柄合わせに拘りがあり 一層気合を入れなければなりません(笑)。 いよいよお仕立て上がりです。 柄が合い過ぎて胸ポケットが無いみたい! 腰ポケットの玉縁・口布、背ベルトなど 全て縦地の身頃合わせで揃えてあります。 上衿のエッジも柄が綺麗に通って気持ち良いですね。 クセ取りで成形されたカーブが分かりますでしょうか。 腰ポケットも無いみたい! 口布は縦地で縦柄を合わせます。 実はターンバックカフもリクエストされております。 袖丈が確定し、そのポジションで柄が合うように裁ち合わせて 仮縫い後に仕立てられます。 カフだって柄が合い過ぎてこれまた無いみたい(笑)。 I様、如何でしょうか! 釦は英国より仕入れたホーン釦、 マーブル柄が丁度生地側のテイストにマッチしますね。 ベルトも縦地、上襟も縦地、特に上襟は背中心部で縦の縞だけではなく、 横縞も後身頃に連動するように合わせて裁ち合わせます。 上襟のエッジライン、背中心の縫い目、これら線の交差がTの字を表しますが このポイントでJUSTにします。 背中心のプリーツは途中から開くわけですが、閉じられていれば シームを感じさせない位に正確な仕立てを前提に合わせるのですね。 センターのインバーテッドプリーツ、その両サイドには背ベルトを挟み 上下にプリーツ(ダーツ)、これも開きます。 背中心のインバーテッドプリーツは直下線にして畳みます。 本来 背縫い線は背骨に合わせS字の様なカーブ線で製図されます。 そのカーブ線のままプリーツを作る事も可能ではありますが、 やはり見栄え的な側面と共に、無駄な縫い代を省き、 縦地が素直で伸びる事なく落ち着くという事で直下線なのですね! 背中心から両サイドのダーツは背中心を直線にする事で もともとシャクレていた分量を出してしまう事に繋がりますので ダーツでその分量を取って相殺表現しています。 故にS字に曲がった背骨に対しても直線な背中心が、 後身頃が背中の曲線へ綺麗に馴染むのです。 既に厳しい暑さの中 ご足労頂き誠に有難う御座います。 まだまだデビューはお預けですが、 「楽しみにしていました!」と御来店下さりました。 ジャケットも大変喜んで頂き本当に光栄な限りです。 プリーツの恩恵による運動量、何度も試されておりました! 分量も贅沢にとってあるのでその分 腕が前に稼働する訳です。 当たり前なのですが、、、有るのと無いのでは頗る違いますよね。 別名アクションプリーツとも呼ばれ、これはセンターですが 両サイド(両肩)にプリーツを畳むバージョンも御座いますし、 長き歴史の中ではバリエーションも多岐に渡ります。 キュっと引き締まったクビレ、美しいシェイプであり後姿です。 I様、とても素敵ですしお似合いで御座います! 此度は上着単品ですが、お手持ちのアイテムに合わせ、 そして新たにウエストコートやトラウザースの誂え足しも楽しまれて下さい。 差し色となる色味綺麗な ODD WAISTCOAT、 そしてコーデュロイのトラウザースも合わせたいですね。 POST BOY STYLEでウエストコートを誂えれば 吊り用ではないローライズなトラウザースも活躍できます! http://dittos.seesaa.net/article/449698302.html 【 POSTBOY WAISTCOAT 】 クラシックなフェアアイルニットもセーターではなく、 袖の無いベスト型であれば十分にお楽しみ頂けます。 もしセーターをも着用前提とするなれば、 その場合は先にリクエストを頂かなければなりません。 セーターのそれなりに深いカマ深に伴うよう 上着のアームホールも深さや幅、そして 袖筒の太ささえ加味する必要があります。 今回 I様は袖付き(セーター)は前提にされないとの事でした。 フェアアイルセーターは結構なローゲージですからね。 しかし、逆にシャツの代わりにタートルネックなどニットなどの着こなしは⁉ その場合、ハイゲージでピタッと クラシックフィットなニットであれば全然イケますよ、 J.スメドレーなど! 故にローゲージなセーターをインナーに着込むには 見越したサイジングで仕立てる必要があります。 既製服であればもともとドデカいアームホールですから 重ね着出来てしまうという事ですね。 I様、この度も素敵なご注文を頂きまして 誠に有難う御座いました。 冬が来るのが待ち遠しいですね、私もです、、、暑いのは無理です、、、(笑)。 どうか皆様も十分にご自愛くださいませ。 それでは今週も有難う御座いました。 ・・・・・HOUSE STYLE ORDER限定による 【早期受注キャンペーン】がいよいよ始まります。 約一か月に渡り行いますので、お暑き中では御座いますが どうかこの御機会を有効利用して頂けましたら幸いで御座います。 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。 ・・・・・誠に恐縮ながら 来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。 次回は 8月5日(火) を予定しておりますので、 どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。
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【 HARDY MINNIS:AWお勧め到着! 】
2025.07.15
生地に付いて

皆様 こんにちは。 いつも当BLOGへお立ち寄り頂きまして、誠に有難う御座います。 先週ご紹介させて頂きましたFOX:ベビーキャメルですが、 沢山のお問い合わせを頂くと共に お陰様により 木曜日には仕入れ分の全てがご予約含め完売となりました。 光栄なるご注文を賜りまして、重ね重ねお礼申し上げます。 目の肥えた顧客様方にお喜び頂けるよう今後も精進して参ります。 では今週も 2025 AW お勧め新入荷生地をご紹介させて頂きたいと思います。 ですが 今週の子達の背景や個性、魅力を知るには 少し歴史にも触れなければなりませんので暫しお付き合いくださいませ! ご興味のない方々から見れば相当オタクな話ではありますが、、、 ご覧下さる皆様はお好きですよね‼ と、信じております(笑)。 秋冬と言えばツィード含め カントリーなスポーツスタイルは欠かせません。 こう暑さが続くと「早くツィードが着たい」と思います! ツィードはスコットランドの自然を表現した服地でもあり、 とても美しき自然由来の生地なのです。 それは環境や用途によりとても丈夫で耐久性も高く温かです。 乗馬、ハンティングやシューティング、 フィッシングとスポーツには欠かせぬ服地ですね。 キーパー達にとっては不可欠なワークウエアでもあります。 JOHN G HARDY ブリティッシュを、特にカントリースタイルも お好きな方にとっては最早懐かしいかも知れません。 カントリー系ファブリックと言えば代名詞のような生地メーカーですが、 ロイヤルワラントも授与されています。 古いネーム(手前)では2つのロイヤルワラントが見受けられますが、 エリザベス2世女王陛下、そして母君であるエリザベス皇太后陛下より授かっております。 母君が天国へ召されてからは一つ減る事になります。 ジョン・G・ハーディーの創業は1890年とされていますが、 既に約100年前よりカントリーファブリックの供給において 誰もが認めるマーケットリーダーの地位を築き上げていたそうです。 1829年 ヨーク公(後のジョージ5世)は、近衛旅団連隊の軍服に 同社の生地を使用しました。当時ヨーク公は連隊長だったそうです。 これは1950年代の広告ですが、キング・ジョージ6世からの ロイヤルワラントを授与されていた事が分かりますが、 ロイヤルファミリーのハウスチェック生地も任されておりましたので 後にはエリザベス女王のロイヤルワラントを所有し続けておりました。 そんな同社の展開するTWEEDには 『 ALSPORT 』というシリーズがありました。 本当にガッチリと密でヘビーなチェヴィオットツィードであり、 リアルなカントリーライフには欠かせぬ素晴らしいシリーズなのです。 ウエイトは500~900gまでに渡り 、スコッチツィードの本質を貫き続け人気を博しました。 また、エドワード8世(後のウインザー公)がまだ皇太子だった時代に 独特なチェック柄の生地を入手し仕立てて着用していた訳ですが、 後にその生地は氏の名を冠す事になります。 有名な PRINCE OF WALES CHECK ですね。氏の愛用されていた 多くのカントリースタイルは同社より調達されていた事が窺えます。 J&J MINNIS 1874年 James Egbert Minnisさんが設立、その後 John Minnisさんと パートナーシップを結び J&J MINNIS となります。 1902年にはロンドンのサビルローに拠点を移し大いなる発展を遂げます。 同社は日本の市場へ初めてサビルローの服地を紹介したとされています。 やがて、1969年 JOHN G HARDY と J&J MINNIS は合併する事になりました。 この時より J&J MINNIS もロイヤルワラントを保有する事になります。 その後は 両社の名をとり 【 HARDY MINNIS 】の誕生となります。 HARDY MINNIS 長かったですね、、、お付き合い有難う御座いました。 長き歴史の中での移り変わりを追わなければ、 JOHN G HARDYは知っていても、HARDY MINNIS ⁉ となる訳です。 新しくなった同社は大人気で欠かせぬ ALSPORT(by. John G.Hardy) は引き継がれ、展開され続けております。 その ALSPOTシリーズへ新たな展開を試みる事になります。 そもそも TWEED は紡毛糸(WOOLEN)で織り上げられ、 丈夫で野趣に富んだ生地です。 その世界観をそのままに、『TOWN TWEEDS』を新しく提案・展開したのです。 カントリーサイドでも勿論、都会の普段着としても 多彩なツィードの世界観を纏える服地です。 これらは 梳毛糸(WORSTED)の糸を使いますので小奇麗で さっぱりとしたタッチとライトなウエイトで賄える為、 広い季節を網羅できる事が可能にもなります。 これら開発に携わっているのは人気と実績の高い テキスタイルデザイナーであるNigel F. Hardy さんといい、 偶然なのか必然なのか 何と John G Hardyさんの子孫なのだそうです! Worsted Alsport Ⅱ 女王陛下のロイヤルワラントが引き継がれていますね。 Alsport 2 ですよ、歴史あるJOHN G HARDYの世界観をそのままに タウンユースでも楽しめるように開発されたシリーズです。 100% WOOL 370g 英国生地がお好きな方々にとり、このウエイトは 夏以外の3シーズン範疇となるでしょう。 とても新しいポジションを築き上げた訳ですが、同社の展開に同じく 英国のカントリースタイルに特化したマーチャントの POTER & HARDING(1947~)では、『GLORIPUS TWELFTH』が 同じ価値観と内容で展開されていますね。 ですが、歴史的背景から見れば やはり JOHN G HARDYの粋を継ぐ ALSPORT 無くしては語れないのです。 (現在 同メーカーは、Huddersfield Fine Worsteds社 という大きなグループに属しています。) ふぅ、これでやっと当店のお勧め生地がいよいよ登場致します。 この ALSPORTⅡ より、魅力高き出物を仕入れる事が出来ました。 勿論バンチよりお選び頂いても良いのですが、 当店在庫の色柄が気に入って頂けるようでしたら かなりお得にご提供可能で御座います! ウーステッドですが、ツィードらしいMIXされた糸による複雑で奥深い色出し。 ベージュ系、カーキ調、そんな色味をグランドに、 赤系の暖色なウインドーペーン柄をのせています。 そのペーンは赤茶と朱赤、太さも違い 単純な窓枠柄に表情を加えております。 綾織りで確りと密に織られ、とても仕立て映えしそうです! 生地は地薄なのでポケットや背中にプリーツなどを畳んでも 嵩張らずスマートに出来る事でしょう。 長身で甘いマスク、ジミーの相性で人気を博した俳優ジェームズ・スチュアート氏。 ウインドーペーン柄のスポーツスーツが大変お似合いですね。 三つ揃いで仕立てればこんな感じでスマートに着こなしたいものです。 時代性もあり、とてもスポーティーエレガンスを感じさせてくれるスーツです。 三つ揃いで仕立て、バラしてそれぞれのアイテムを活かして着るも良し、 始めから ODD JACKET としてのご注文も喜んで承らせて頂きます。 仮に ODD WAISTCOAT を加えるのであれば、 こんなスカーレットの HUNT WAISTCOAT は如何でしょうか。 格子柄の色目にも合い、目を引くスカーレットはHUNT COATの色ですね。 カントリースタイルにはド真ん中で刺さるお勧めで御座います。 http://dittos.seesaa.net/article/482103137.html 【 ODD WAISTCOAT:HAINSWORTH 】 では次の生地に参りますのでご覧下さいませ。 個人的に私の大好きな織り地 TWO AND TWO です。 先の生地に同じくMIXな色糸で奥行きのある複雑な色味、グリーンを感じる色味です。 黄味のある緑に灰味を混ぜた様な色、セージグリーンは近いでしょうか。 ですが、カーキと言えばカーキ範疇、オリーブグリーンにも近いかも、、、 ツィード系はMIXされているので特に色味の表現が難しいですね。 ただ TWO&TWOの特徴としては濃い色糸と共に織り上げる事で この独特な織り柄を出しています。 エレガントなA.イーデン卿の着用する三つ揃いのスポーツスーツ。 TWO&TWOは正にこんな雰囲気です。 氏の着用される生地はTWEEDなので、これがもう少し大人しく 優しい表情で表現されるのがウーステッドで織られた ALSPORTⅡ となります。 私の好きなイラストの一枚、色柄はさておき 正にこんな感じで日常使いにと企画されたのが ALSPORTⅡ なのです! イラストではそれなりの軽快さがドレープより感じさせてくれています。 こちらも ODD WAISTCOAT を合わせるなら 欠かせぬクラシックな 定番 タッターソールチェック がお勧めで御座います。 上着は無地範疇なため インナーになる タッターソールチェックがとても映えるのです。 (by. Abraham Moon) 現在 一番揃うタッターソールチェックは W.Bill です! 皆様の配色センスで、お好みで如何様にも! 以上となります。 如何でしたでしょうか、今は暑くとも、いや暑い時期だからこそ 涼しい秋冬をイメージして仕込んで頂ければと思います。 秋冬になれば上のイラストの様に様々な重ね着や着こなしの幅が広がりますね! 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。 今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。
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