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Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 BLAZER ② 】

    2021.03.09 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 BLAZER ② 】

        寒暖差も激しく安定しない3月らしいこの時期、着る服選びも難しいですね。 皆様 ご体調など崩されぬ様 どうかお気をつけ下さいませ。         さて、皆様にも身近なアイテムであるブレザーですが、 このアイテムが示す幅はかなり広い事がお分かり頂けた事と思います。       F.アステア氏もクラブブレザーをエレガントな着こなしで魅せてくれています。     様々なクラブスポーツより 所属やチームを表すユニフォームとして存在し、 カレッジカラーである色無地は勿論、ストライプ、 パイピング等のバリエーションが御座いました。   そして先週御紹介したボート競技だけでは無く、 クリケットやテニスなど多岐に渡ります。 まとめると日本語的には生まれの背景踏まえ クラブブレザー という括りがしっくりとくるかも知れませんね。   長き歴史の中で様々な解釈やアレンジなど微妙に変わりつつも、 これだけ一般的に認知・浸透しているのがブレザーなのです。           先週はストライプを主体に御紹介致しましたので、 今週は無地のブレザーに目を向けてみましょう。           ・・・・・BLAZER(ブレザー)の語源の一つとして 1829年のレガッタにて母校のカレッジカラーでもある『 燃える様な赤いブレザー 』を 着用していたクルーの様を見たインパクトによるとされています。   【 Lady Margaret Boat Club,Cambridge 】 ・・・上記インパクトを与えたケンブリッジ:ボートクラブの一つです。 (燃えるような赤 = blazing red , blaze:この語からblazerとなります。)         語源となった同校のブレザーは現在でも引き継がれている様であり、 パイピングも無く 帽子からストールまで全て単色統一のBLAZING RED! 確かに目を惹きますし、目立ちますね!   ( 因みに赤いブレザーのクラブは幾つかあり、 色目の違いやパイピング、エンブレム等で差別化がされています。)                   1931年 オックスフォードの学生さん達ですね。 パイピングがとても引き立ち素敵です。   因みに、20年代より流行した『オックスフォードバッグス:今でいう バギータイプのトラウザース』ですが、20年代後半にはかなりの誇張型まで出た 当時の流行型と言えます。   1931年  数人穿いている方もおり、正にリアルOXFORD BAGSですね。 オックスフォードの名を冠すものは結構あり、 シャツ地や靴、眼鏡まで、、、流石の歴史です。           現代の学生さん達、皆で応援でしょうか。 ボーターのリボン、ブレザーの色やパイピングテープ等でカレッジカラーを表しています。 ネイビー地に素晴らしく映えますね。     個人用でのブレザーを誂えるのであれば、何もパイピングに拘る必要も御座いません! 敢えてクラブブレザー風に誂えるならパイピングも魅力的なポイントとなるでしょう。     これから本格的に春夏を迎えるにあたり、 ブレザーに大変お勧めしたい生地を御紹介させて頂きます。           FOX BROTHERS & CO. = FOX SPORT =       織りの存在感が魅力的なBASKETWEAVE(バスケット織) これは濃すぎないネイビー地です。   BASKETWEAVE 100% WOOL ABOUT 300g       ザックリとした素材感がたまりません。 この独特な織は隙間をあけ、通気性に特化した性能と共に より柔軟性も活かされています。   これからの季節にスポーティーで最適なジャケッティングですね。 デニムにもかなり相性が良いでしょう。 ホワイト(クリーム)トラウザースは鉄板です!       強いて言えばですが、鹿の子織りのポロシャツをイメージして頂くとボチボチ近い感じです。 ベーシックなブレザーは勿論の事、 アンコン仕立てにして より涼しくカジュアルに仕上げても良いですね。           カラーバリエーションも豊富であり、カラーブレザーも素敵です! ビビットなカラーからカントリー系、そしてブルー系は更に中間色まで!                           HOPSACK 100% WOOL ABOUT 330g     このFOX SPORTというシリーズ(バンチ)には、2種が展開されており ホップサックも御座います。   バスケットと比べると やや大人しい感じであり、 もう少し織り密度が上がる分 それ故のウエイトとなります。   バスケット織は主張が強過ぎるという御方はホップサックがお勧めで御座います。 同じくカラーバリエーションは豊富なのでお好きな色を吟味されてみて下さい。   確かにネイビーは王道ですが、ネイビーだけがブレザーでは御座いませんね!             されどNAVY、散々シングルブレストをご覧頂きつつ ダブルがお好きな御方は是非ダブルで!   やはり御自身が使いやすく、重宝出来る事が一番であり 皆様ご自身なりの素敵なブレザーをお仕立て頂けましたら幸いです。             そして、合わせるトラウザースに最適なコットン地も同社は揃えております。     FOX BROTHERS & CO. = FOX KHAKI = Made in Italy   100% COTTON ABOUT 315g       FOXですから個人的には B.MOSS製で展開して欲しくもありますが、 B.MOSS製は他メーカーでも取り扱いがありますので 敢えて伊製を選んだのかも知れませんね。   ベーシックなツイル地であり、B.MOSS:TENNYSON(コットンドリル)に 少し似ていますが 驚くほどにソフトな風合いです。     また、圧巻のカラーバリエーション、、、 全てソリッドで揃え、どんな御方の好みにもお応え出来ますね。 この辺りの発色センスはやはりイタリアらしさが光ります。       暑き夏の日、上着が着られないほどでも トラウザースは欠かせません。 元気の出るビタミンカラーから、絶妙なペールトーンの色まで 是非お試し頂けましたら幸いです。                 ・・・・・如何でしたでしょうか。 ブレザーはかなり広範囲に使われる呼称であり、 メタル釦やエンブレムなどが無くてもブレザーですし、色もネイビーに限られません。     個人的な誂えの場合はユニフォームでは無いのでお好きな様にお仕立てに成られて下さい! やはりネイビー地が落ち着きますよね。         FOXファンの御方、このメタル釦も御座いますので改めて載せておきます。   その他 メタル釦の類は様々な種類をカタログでお選び頂けますので、 GOLD系、SILVER系含め色々と吟味されてみて下さい。             では、そろそろ春夏物の仕込みには良い時期です! シャツ地も今期のシーズンファブリックも入って参ります。   皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。 今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。          

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  • 【 BLAZER ① 】

    2021.03.02 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 BLAZER ① 】

        早くも3月に入りました。 今年の東京における桜の開花予想は 3月17日 との事。 卒業式まではギリギリもちますでしょうか。   もう春は目の前ですね。               Henley Royal Regatta   1839年に発足したレガッタ大会(複数人により漕ぐボート競技)であり、 イングランドにおける初夏の風物詩として あのテムズ川上流で開催されています。 この大会にはイギリスを中心とした世界各国のレガッタチームが 多数参加して対抗戦が展開されており、同国においてはウィンブルドン(テニス)、 ロイヤルアスコット(競馬)、全英オープン(ゴルフ)などと並び 夏の社交界、 スポーツ界最大級のイベントとともされております。         スポーツコート(ジャケット)という大きな括りの中に シングルブレストのブレザーも含まれます。 日本では『紺ブレ』のイメージ強きそのブレザーですが、 実はシングルとダブルとでは起源が異なります。   シングルブレストのブレザーを掘り下げた場合、 その起源は様々なカレッジスポーツから来ているとされています。 多岐に渡るクラブスポーツにはそれぞれのクラブジャケット(コート)が御座います。 テニス、クリケット、ボート、、、、挙げれば本当に沢山あります。   ブレザーはそもそも制服(この意ではシングルもダブルも同じですね)でもあり、 自身の属する学校や組織、チームやクラブの紋章を模ったエンブレムを付けたり、 スクールカラーを取り入れて上着(ユニフォーム)を作って参りました。 これはカラフルなレジメンタル タイの色柄に同じく、 スクールマフラー等でも見受ける事が出来ます。 (レジメンタル タイと言えば縞柄を想像する事と思いますが、 実は無地のレジメンタルタイも御座います。それこそレジメンタルの意という事になります。)         上記のヘンリーレガッタでは、様々なカレッジが参加し鎬を削り合います。 この時に各チームではそれぞれが一目でわかる様なある意味派手なストライプや、 カラーブレザーにパイピングを施し、胸のパッチポケットや釦には それぞれのエンブレムが付けられています。       今回は スポーツコート(ジャケット)> ブレザー > 【 ローイグブレザー(ROWING BLAZER)】にスポットを当ててみます。               1913年 オックスフォード大学のクルー。 ざっくばらんに歩いておりますが 、皆さん揃えたように右足で、、、。 歩調からもチームの息がピッタリですね!           1932年 オックスフォードのチーム。 エレガントなユニフォーム姿、、、制服の持つ魅力です。 カンカン帽(ボーター)にホワイトトラウザースはマストですね。           1921年 オックスフォード大学とケンブリッジ大学の 各クラブユニフォームがブレザーを含めて載っています。 ROWING(ボート)だけでは無く、ラグビーやボクシングなどもありますね。   この様に ブレザーはユニフォームでもありますし、どこの大学、チームなど 一目で直ぐに分かる様なカラーやディテールを携えられたブレザーとなります。           1957年 ローイングブレザーにボーターを被りレガッタ観戦です。       では現代でのストライプやパイピングのボーディングレザーを見てみましょう。                             ブレザーにはメタル釦や貝釦などが付けられますが、 それぞれのクラブによるオリジナルの釦もある訳です。           さて、ここまでが前置きです。 今週は素敵な生地を御紹介致しますが、 単に見た目だけでの表層的でファッション的な捉え方をされぬ為に この度の企画生地に繋がる歴史と意図を知る必要があった訳で御座います。       【 FOX BROTHERS & CO.】         夏の風物詩 ヘンリーレガッタやウィンブルドンなどの スポーツ観戦の場でも品位ある装いが求められる英国でもあります。 スポーティングストライプのブレザーを持つ事は『紳士の嗜み』だとも、、、。 同社 ダグラス社長の想いが詰まった魅力的なブレザー地です。   これでも見る御方によっては十分に派手に見えるかも知れませんが、 ネイビーとロイヤルブルーでの2トーンカラーですから使いやすく涼しげでもあり、 落ち着きと上品感を醸し出しております。   また、特筆すべきは春夏用にタウンやリゾートでの御着用を加味し リネン混紡での御用意です。     51% WOOL 49% LINEN ABOUT 245g       これは清涼感もあり、涼しく快適間違いなしですね。               ダグラス社長 自らも御誂え、一番伝わり易く分かり易いです。 そもそも御本人が格好良く素敵ですから、、、様になりますね。               正にエレガント! スペクテーターウェアとして、そして普段使いにも 是非 こんな洗礼されたブレザーは如何でしょうか。   やはりホワイト(クリーム)のトラウザースを合わせたい所。 春夏ですからコットンやリネン等で仕立てても良いですね。   ブルー系ですのでゴールドのメタル釦が映えます。         なんと オリジナル釦も作っちゃいましたよ! この釦は別途有料注文となりますが、 お気に召して頂けましたら勿論お選び頂けます。   その他のメタル釦でも良いですし、 少々控えめであればシェル釦もかなり様になり 春夏らしさが出ますので是非お勧めで御座います。           ・・・・・如何でしたでしょうか。 先週のミリタリーウエアや今週のカレッジスポーツなど 様々な英国の歴史ある装いが一般にも広がって参りました。   そんな起源にも思いを馳せつつ、素敵なスタイルをお楽しみ頂けましたら幸いです。   来週は引き続き FOX社より、ブレザーにお勧めの第2弾を御紹介させて頂きます。       では、今週もお付き合い頂きまして誠に有難う御座いました。          

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