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Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 H.S ORDER:T様の1st-SUITS 】

    2022.07.12 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 H.S ORDER:T様の1st-SUITS 】

        7月も中旬に差しかかって参りました。 今日から暫く梅雨へ戻った様な天候が続きそうです。   さて、まだまだこれから夏本番という所では御座いますが 夏になってしまえば 既に秋冬も見据えておられる事と思います。   当店HOUSE STYLE ORDER限定 【早期受注キャンペーン】 の日程が決まりました。 8月1日(月)~22日(月)   宜しければ是非この機会をご利用頂けましたら幸いで御座います。 (今月末などでも、キャンペーンご利用の旨をお伝え下さればお受けさせて頂きます。)               後の英国王であるジョージ6世、あのウインザー公の弟君であり 今年96歳になられたエリザベス女王の父親でもある御方です。 映画『英国王のスピーチ』で御認識された方々もおられるかも知れませんね。 ウインザー公(エドワード8世)が もし退位していなければ 歴史も随分と変わっていた事でしょう。     氏の素敵な装いのなかで、時代的な側面もありますが パドックカットのスーツを多く愛用されていたお一人でもあります。 エレガントであり、本当に素敵な方です。     スーツの歴史を遡ると、その時代の特徴なども随所に見受ける事が出来ます。 古くなればなるほどに 上着のVゾーンは小さくなっていくという側面も見受る事が出来ます。 4釦や3釦、そして2釦であれば全留め。   昨今の2釦は上釦のみ留められ、下は飾りです。 3釦は今や段返りを軽々超え、第2釦まで返されたラペルも多く見受けられる中、 それなら もう第1釦は必要無いのでは!? とも。   本来スーツは前提として三つ揃いであり、打ち合いも確りと深く取られていました。 釦は留める為に付けられている訳ですが、外して羽織るだけでも 様になるよう打ち合いはどんどん浅くなり 現代に至ります。 良い・悪いでは無く、そんな所からも カジュアル化への流れが見受けられるかも知れませんね。     紳士をここまでも美しくエレガントに魅せてくれるスーツを これからも大切に捉え、お伝えしていく事が出来ましたら何よりの幸いです。               さて、今週は HOUSE STYLE ORDERにて 当店での1st-SUITSとなります一着をお仕立て下さりました T様のスーツを御紹介させて頂きたいと思います。   洋服がとてもお好きで拘りもあり、『美』に大変造詣が深く 衣・食・住含め 『想い』のこもった作品をこよなく愛される博識な御方で御座います。   いつか作りたい、着たいとの思いをこの度は 実現して下さったとの事で本当に光栄で御座います。         サンドベージュのリネン×ウール、この食材を大層お気に召され お仕立ては パドックカットで と既にお決になられておりました。   HOUSE STYLE ORDERではオプションとなる仮縫いをお付け頂きつつ、 部分ハンドメイドOPもお付け頂きましてH.S ORDERでの最高スペックです。 より御満足度の高いスーツをと御所望頂いた次第で御座います。       LAMOGE (by.MOON) 50% LINEN 50% WOOL ABOUT 280g     http://dittos.seesaa.net/article/418783730.html 【 PADDOCK CUT ② 】           仮縫いも勿論 ご協力工場さんが仕立てて下さります。 とてもガッチリとした体格の持ち主であるT様。 確りと具合を確認し、細かな打ち合わせを重ねます。   既に採寸して引かれたT様の型紙で仕立てられておりますので 非対称含め 基本的には身体に合っています。 しかし、ここから更に精度を高めるべく補正を加えると共に お好み的な御要望も伺って参ります。 着心地含めユトリ加減なども御確認頂きつつ T様の型紙:MY SIZEを更に育てます。             袖も外し、アームホールの深さや幅、位置など細かくチェックして参ります。 仮縫いは当然ながら修正出来るよう 様々な個所に余分な縫代・折代をふんだんに抱えています。 これらは着用感を邪魔しますし、裏地も無いので滑りが悪く大変動き辛くもあります。 丁寧で細かな御説明を加えながら打ち合わせを進めて参ります。             ・・・・・さぁ、いよいよ仕立て上がりました。 検品と共に クセ取り2次プレスも終わり 最終FITTINGの日がやって参りました。     暑き最中 ご足労頂きましたその日、スーツより先にお仕立て頂いたシャツは 名作でもある CARLO RIVA:INDIGO TERA そして昨年展開させて頂きましたスカーフを首元へ!   股下ですが、折り返し付きのダブルの場合でも仮縫いではシングルで上げられます。 また、FINISHとなる本仕立てでは裾上げに傾斜が付けられますが、 H.S ORDERの仮縫い裾上げでは直角で上げられております。 故に仮縫い時にはとても重要な打ち合わせ箇所とも成る訳です。   リクエスト通りの良い塩梅に仕上がりました。   合わせてお選び頂いておりましたドット柄のブレイシーズもサイズ調整済みです! 背中の支点位置、そしてアジャスターである金具が定まる位置 全てのアイテムには適正なバランス(サイズ)があるという事です。           トラウザース(長ズボン)の足筒ですが、 一般的にはストローの様に真っ直ぐな筒として作られています。 故に S字のクセ取りなどは HAND MADEのBESPOKE等の所業とは成りますが、 当店ではH.S ORDER(イージーオーダー)でも行います。   ≪ BESPOKEでは仮縫いの時点で既にクセ取り済みですが、 H.S ORDERの場合 仮縫い時はストローです。 先の仮縫い写真と比べてみて下さい! ≫   T様は これも楽しみにもされておりました!   足筒はシルエットが細ければ細い程 顕著に行われるので、 太くなる程 R(カーブ)の強いS字度合いは不必要となります。   ただ、それ以外にも その方々の姿勢具合も大いに関係しており、 こんな所でも『その方なりに』というニュアンスが加えられながら ラインをコテにより作り出す事になります。 シルエット、そして姿勢を判断材料にS字の具合を定めて参ります。   股上は深く、クラシックにゆったりとしたシルエットのトラーザースは ブレイシーズにより吊られています。 ふくらはぎ等 どこにも引っ掛からずにストンと 綺麗に落ちている様が見てとれるでしょう。   クセ取りという行為は何もS字だけでは無く、 全てのアイテムでそこら中に行われている技術でもあります。         優雅なユトリを踏まえたお尻周り、ハイバックのスタイルに尻尾錠。 エレガントなバックスタイルです。 この後姿でもセンタークリーズ線が曲線に曲がっているのが分かりますね!           素晴らしい育て方をされ、可愛がられているのが分かります。 写真ではいまいち伝わりませんが、 T様の拘りっぷりが見受けられる愛された靴ですね。 エプロンフロントダービーは このサンドベージュにもベストマッチングです。           ウエストコートも凄く綺麗です。 トラウザースとの連動性もパーフェクトですが、 誂えであり 仮縫いもしております。 当たり前ではあるのですが、、、一応言わせて下さい!           とてもお似合いで御座います。 確りとされた肩、堂々されたお身体、エレガントで魅力的なそのシルエットは T様のお身体に添って仕立てられているだけです。 カットにも往年の匂いを感じて頂けるよう 拘って設計されたパドックカットは如何でしょうか。   『 早くこのスーツを着て美術館にでも行きたいです! 』   これからはT様の相棒として、様々な場所やシーンへ連れて行ってあげて下さい。 本当に素敵ですし、とてもお喜び頂きまして私も嬉しい限りです。               ・・・・・無事に最終確認も終わり、この日はもう一つの目的へ! ご試着からお着替えになられ、次はBUSH JACKET をご試着されたいとの事で、、、 重ね重ね 光栄で御座います。         http://dittos.seesaa.net/article/488475454.html 【 BUSH JACKET ⑤ 】       サイズ感もバッチリに、今期の新作スカーフも共にお選び頂きました。 T様の事ですから、このBUSH JKもきっと 魅力的に育てつつお付き合いして下さる事でしょう。             T様、この度も素敵な御注文を頂戴致しまして誠に有難う御座いました。 お次に御検討されておられるスーツは欠かせぬポジションで御座いますね。     先ずはこの1stスーツとお付き合い頂き、 着用しなければ分からぬ事やお好み等をフィードバックしてください。 次のご注文へ型紙的に反映致しますので、 より御満足度の高い型紙へと昇華させるべく育てて下さいませ。               ・・・・・如何でしたでしょうか。 夏本番を迎える中、巷ではSALEも始まっておりますね。 そんな時期だからこそ、 そろそろ今期 AW用のお勧め生地なども徐々に御紹介していければと思います。   では、皆様のお越しを心よりお待ちしております。 今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。                        

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  • 【 Dittos. SCARF 】

    2022.06.28 Bespoke Tailor Dittos. お勧め情報

    【 Dittos. SCARF 】

          当店のお着替えスペースに飾られたボタニカルアート。 1861年 ジョセフ・ダルトン フッカー氏による石板 手彩色で描かれたシダの図譜。 これは『 キュー王立植物園 』の依頼により描かれたコレクションの一枚です。   この美しきグリーン、丁寧で精密なタッチ、 何より癒される植物の優しさを感じずにはいられずに購入した一枚です。     ボタニカルアート、耳にされた事が有りますでしょうか。 まだ写真が一般的では無い時代に描かれた植物学的な精密画であり、 それらが美術品としても注目された分野となります。   【 英国:キュー王立植物園 】 (Royal Botanic Gardens,Kew) 1759年に宮殿併設の庭園として始まり、世界最大級の規模と知名度をもつ植物園です。 是非一度は行ってみたい場所でもあり、今では世界遺産にも登録されているほどです。         こちらは別のシダ植物であり、瑞々しいグリーンがとても美しいですね。 シダ植物の歴史は相当古く、恐竜のいた時代にも生息していました。 因みに、山菜で有名なゼンマイもシダ植物の仲間ですよ。 先ずは縦方向に伸ばしてから両手を広げる様に葉を広げます。               さて、前置きはこの位にして 当店別注のスカーフが届きましたので 是非ご紹介させて頂きたいと思います。             ・・・・・スカーフは個人的にとても大好きな洋品小物の一つです。 差し色としても装いのアクセントには欠かせぬ魅力的なアイテムでもありますよね。 特にネクタイを外す機会が多くなる春夏での装いには必須ではないでしょうか。     今回のコレクションですが、 爽やかで綺麗な【 ボタニカルシリーズ 】として企画させて頂きました。           春夏の装いとなると、ウール系からコットンやリネン等の植物繊維も増えます。 ボタニカルは正に相性抜群な訳ですが、秋冬で考えた場合でも ツィード等のカントリーウエアとは絶対にマッチするに決まっていますよね。   春夏での使用をメインに企画しているので大変軽い 極薄ガーゼの様な生地となりますが 提案前提としては通年使用となります。   秋冬では、ウールのポロカラー含めたJ.スメドレーなどのニットに合わせたり、 様々なスポーツスーツやジャケット等の装いへ合されてみて下さい!     今回は 5種・5色、全てが違うデザインです。 色味優先で、もしくは絵柄で選ばれても良いので 是非素敵なコレクションをご覧下さいませ。                               英国シルク産業の聖地、マックルズフィールドの地に構えるアダムレイ社より 同社の膨大なアーカイブコレクションより抜粋したデザインたち。   素材は植物繊維のコットンが主体となる3者混となります。   78% COTTON 20% MODAL  2% CASHMERE   ABOUT 64×64(㎝)   四方は丁寧にロール手まつり縫い仕上げとなります。 ( モダールとはレーヨンだと思って下さい。 )     肌触りは優しくふんわり、痒くなったりもしませんので お肌の敏感な方でも安心です。 シルク製スカーフは夏ではやや暑いのですが これは植物繊維ですから快適です! コットンの素朴さと爽やかさに モダールが柔軟性とドレープ性を与え、 カシミアが更に風味付けとして優しさと高級なタッチを感じさせてくれます。   これらスカーフは、男女兼用であり 宜しければ奥様へのプレゼントや、奥様とのご兼用も有りで御座います。   そしてスカーフは大抵の場合、首へ直に巻きますので 汗は勿論、女性であれば化粧などが付く場合もありましょう。 ですが、皆様ご自身が家庭で簡単に手洗いできます。 慣れぬ方におかれましては『 巻き方 』なども含め、 店頭にて御説明させて頂きます!               【 A 】   深いダークネイビー地に、淡く色付いたランの花が美しく引き立ちます。 洋ランはイギリス発祥とされているそうです。   葉にはリアルに虫さんも参加中! ベースが濃い色は、明るめの色味なシャツや ニットと合わせるとバランスが良いでしょう。       一番ベーシックな結び方であり、 シンプルでありつつ無造作感が最大の魅力となり得ます。               【 B 】   優しいアイボリーをベースに、鮮やかなチューリップの花色が映える一枚。 四方エッジには、花と同じ色でパイピング。 ( Tulipa Gesneriana:チューリップの正式な学名 )   これ、特にお気に入りです! これは INDIGO TERA など色味が比較的強めなシャツや ニット等には正に打って付けです!       これは結んでいません、スカーフリングを使用しています。 結ばぬ分、エッジが長く表現されるのと、圧倒的に簡単で楽なのが売りです。 スカーフリングはサイズの小さな指輪で代用できますので 是非お気軽にお試し頂けます。 アンティークのリング等を探す楽しさも出来ますよ!   ただし、、、落としても構わない様なリングにしておきましょう!             【 C 】   これは グリーン を取り入れたくて選んだ一枚です。 赤いのは花っぽいですね。 清々しいグリーンはアクセントにも良いですし、 目にも優しい色ですね(笑)。   日差しの強い夏には特に映える一枚でしょう。         これも先に同じくスカーフリング(指輪)を使用しています。 因みに、Hermèsのスカーフ・カレは有名であり 同社では沢山のスカーフリングも展開されています。 しかし、あれはもっと大判の90㎝×90㎝レベルに合うサイズ(内径)ですので、 このサイズのスカーフでは緩くて落ちますからお気をつけ下さいませ!             【 D 】   これ、一押しであり 一番使いやすいでしょう。 ロイヤルブルーが美しく、マーガレットの花柄が可愛らしいですね。 色味は同系色のトーン違いで構成し、 とても落ち着いているので花柄ではあれど 全く派手さはありません。   清流に流れる花々のよう、、、 色味も涼しげでお勧めな一枚で御座います。       これは、エッジを長く出した先の優雅な巻き方とは敢えて逆です! 巻き方を工夫してエッジを小振りにまとめた巻き方となります。 合わせる上着のVゾーンや、シャツの釦を何番目まで外すかなど 巻き方によってエッジの長さによる演出を変えてみる というパターンです。             【 E 】   これは英国好きな方にはピンときそう!? Liberty な一枚です! ブルー系なのですが、ピンクの薔薇なども混じり 独特で複雑、 パープル系も印象に与える色味豊かな一枚です。   これこそ良い差し色に、アクセントに最適ですね。 小花の集合体ですから 千鳥格子柄の様なものです。   柄の主張がある A・C・D などはウインドペーン柄あたりとなりますでしょうか。       これも先の D に同じく、エッジを小振りにまとめましたが 巻き方がまた違います。 この様に、スカーフは所詮 四角の布切れに過ぎませんので 纏い方、巻き方は自由でいくらでも工夫が効きますし、その分楽しめると言えます。                     ・・・・・では、実際にコーデしてみました! テーラードのスーツやジャケットスタイルは勿論の事、ブッシュJKにも。 アウター(上着)が無くても当然様になりますので、 お気軽にお楽しみ頂けましたら幸いです。                   ・・・・・如何でしたでしょうか。 先にも触れましたが、Hermèsのスカーフに代表されるような大判サイズは より巻き方などのバリエーションは豊富となりますが、やはり女性的にも映りましょう。 紳士が使うなら これが一番使いやすい ベストサイズ だと思います!     では、早々に梅雨も明けて厳しい酷暑では御座いますが、、、、 皆様のお越しを心よりお待ちしております。   ご遠方の方やお時間をご捻出できない方々におかれましては お取り置きもさせて頂きますので お気軽にお申し付け下さいませ。   今週も誠に有難う御座いました。             ・・・誠に恐縮ながら、来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。 次回は 7月12日(火)を予定しておりますので どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。                

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