BLOG

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 ALBERT THURSTON / 2023 】

    2023.08.01 Bespoke Tailor Dittos. お勧め情報

    【 ALBERT THURSTON / 2023 】

            8月に入りました。 皆様 夏を満喫されておりますでしょうか。 むしろ7月中で十分に味わい過ぎましたよね。   湘南の海水浴場では夏休み期間中にも関わらず、 混み合うどころか むしろ寂しい状況になっているとのニュースがありました。 災害級の暑さ、、、なんでも度が過ぎればそれはそれで困りものです。                   さて、昨年末にA.THURSTONさんへ発注を掛けておりました 当店別注のブレイシーズが到着致しました。 コロナ禍による弊害は想像以上に大きいものであり、 厳しい状況下におかれるところは少なくありません。 そんな中で時間がかかっても大切に製作して下さりました。 ブレイシーズの雄たる同社が存続しておられる事が有難く、 感謝している次第です。                       ヴィクトリアンな時代のイラストにはブレイスを見せ合う紳士たち! 『 ゴムではないが伸縮性のあるサスペンダー 』とあります。   今でもバリバリに現役なエラスティックバンド(ゴムバンド)のブレイシーズ、 特にワーク系からサープラス系でのブレイシーズは多くがゴム主体であり、 当然スーツ用としても広く展開されています。 しかし ゴムの長所は良いのですが、 短所を見れば 迷わず劣化の速さが一番ではないでしょうか。 伸縮性が落ち、バカになってしまったゴムは使い物になりません。       こんな古き時代より伸縮の無い(ゴムではない)所謂 リボンタイプ の リジットバンドを主体としながら、極一部にゴムを取り入れ 動きに対しての追従性も担保された仕様が出ています。   こう見ると、現行のクラシックなスタイルの歴史は相当古い事が分かります。   リボンは幅が太い分安定性も高く、 楽であり 様々な装飾性も含めバリエーションが展開できます。 腰部など一部に使われたゴムは、劣化すれば そのゴム自体を交換も可能です。 そのゴム自体も幅広で太くなれば耐久性も増すという事になります。     背中のデザインは Y字体からX字体、そしてH字体などもありますが ベースは100年以上も変えようなき完成されたデザインであるとも言えますね。                 では、リジットシリーズよりご覧頂きます。 ソリッドカラーが5色、ストライプを2色での揃えとなります。             BLACK / SILVER   フォーマルにも対応できる万能な無彩色。 特にシルバーは当店にてベストセラーでもあり、 「先ずは」の一本に最適です。 シャツは白を主体に淡いブルーなどが多いと思いますので、 シルバーだとコントラストが弱めですから目立ちすぎる事もありません。   ブレイドからエンド、バックピース、そしてサイズに至る全てにおいて 当店別注のブレイシーズとなります。                     SMALT / CHAMPAGNE / CORINTH   基本は見えない、見せないブレイシーズ。 だからこそ 見えない拘りや、自己満な隠れオシャレを楽しむという要素のもとに デザインやカラーバリエーションは多岐に渡ります。   色味の綺麗なスマルトブルー、 日本では花紺青となるそうで漢字だとよりニュアンスが伝わります。 コバルトを用いて作られる色であり、 コバルトブルーと酷似しているのが分かります。   シャンパンカラーは上品で、繊細、とても贅沢な印象を与えてくれますね。 発色も大変綺麗でレザーパーツには淡いクリームを!   コリント(コリントス)、見た目はパープル(グレープ)ですよね。 コリントブドウ(CORINTH GRAPE)という葡萄があり、 古代ギリシャの都市コリントで大規模に生産されていた種だそうです。 多分 ここからの色イメージで呼称採用されているのではないかと憶測です。 そもそも高貴なパープル系は大人っぽくセクシー、 そして神秘的などの意味があるそうですよ。                   何気にブレイドやバックピース(レザー)の種類や色合わせが難しく悩ませます! アジャスターの金具は全てシルバーで統一しております。                           ストライプの2色。 先ずは左側、これは ETON STRIPE とあり 個人的には本当に惹かれる配色・デザインです。 ベースの引き締まったブラックが一層 この独特なブルーを引き立てます。 イートン校と言えば、、、、この位にしておきますね。   片や右側、こちらは固有な呼称無き数値品番のみ。 何ともこの英国ライクな配色、物凄く素敵です! グリーンが入るのでより幅広きスタイルに活躍してくれますね。                         1931年:G.クーパー氏も勿論ブレイシーズを愛用されております。 アジャスター金具が肩まで来てしまっていますね!? これでは鎖骨に当たって痛いですし、 上着は肩に乗るので金具など無い方が良いに決まっています。   同社のブレイシーズは多くのお店で展開されていますが、 実は確りとサイズ展開があるのです。 一つのデザイン・柄に対し 多くのお店は靴の様にサイズ展開仕入れしておりませんので、 ソックスやタイ同様 ワンサイズ展開が実情でしょう。 (良いお店はソックスもサイズ展開ありで扱っている所もありますよね。)   G.クーパー氏の様に背の高い方、身体が大きくボリュームのある方は 当然リボン長は必要になりますが、反面小柄な方にとっては この様に金具が肩まで来てしまいます。   本来ではブレイシーズにも適正サイズがありますので、 当店ではリボン(バンド)のサイズは全て L-SIZE発注をしております。 当然ながら必要であれば切る前提であり、 合わせるトラウザースで御試着いただき ベストサイズを導き出します。 これはバンド長だけではなく、背中の支点位置も重要です。   (故にONLINE含め 未試着で購入するのは危険を伴う事も、、、。 トラウザースの股上によりバランスも大きく違います。)               完売してご無沙汰であった BOXCLITH のシリーズです。 同ブランドの顔でもあり、大変クラシックなシリーズであって欠かせぬアイテムです。   御覧の様にフエルト調の確りとした生地であり、 身も厚くボリューム感がありますので往々にして秋冬用の側面が強くなります。 この身厚さですからリボンタイプの様に折り返したり二重にする事なく、 一重のままアジャスターはエンドの付近に付けられています。   肌あたりは優しく柔軟だからこそ、秋冬系の生地が厚く 重いスーツ(トラウザース)の場合は絶対にこちらの方が楽でありお勧めです!               実はボックスクロスに一番マッチするエンドがあり、 ヒツジ革を使って手縫い工程の入るハンドメイドエンド というのがありまして、 とても長い歴史があります。 ヴィンテージまで遡ると その手縫い率は更に高く、 本当に手間のかかる素晴らしき仕様でした。 昔と比べればかなり簡略化された側面もありますが、 存続している事を尊重していました。   しかし、同社において この現状ハンドメイドエンドを作る事が出来る 最後の職人さんが高齢な事もあり引退されました。 引継ぎ・継承されていなかったこの仕様は、 とうとう実質廃版となってしまうとの事。 こんな話ばかりで悲しき現実ですが、、、 なので今回の仕入れ分よりエンドの仕様が変わっております。   Runner Leather Endsと言って左右に動くようになっていますが、 それ自体は以前のハンドメイドエンドに同じ構造で御座います。   この小さなディテール仕様だけではなく、 現状での最高品質な物・仕様・アイテム たちは急加速で 手に入らなくなってきているのです。 A.サーストン社さん、少しでも末永く存続し、歴史を紡いでください!                 最後のご紹介は 恒例の LIMITED EDITION OF 500 より。   独特で個性的な絵柄、デザインたちはシルク地に織り込まれ、 各それらデザインは限定500本分のリボンとして織られています。 それぞれにはロットナンバーが付く付加価値も!   シルクリボン自体には耐久性を求められませんので、 それらリボンテープには裏側に全て力芯となる補強テープが 裏打ちされた二重構造となるリボンとなります。   この裏の力芯もマットで滑り止め効果も担い、 特別な限定シリーズとなります。               天才音楽家 モーツァルトが30歳の時に作曲したオペラである 『フィガロの結婚』 その楽譜柄 というデザイン! マニアックですね~、ベースはシルバーを尊重したモノトーンでまとめました。               ロットナンバー 448となっていますので、 このリボンは終わりが近そうです! 音楽がお好きな方は勿論の事、内から美しいメロディーを奏でてくれる様な ノリの良いブレイシーズは如何でしょうか。               因みに、この有名な肖像画はご本人の死後 数十年後に想像で描かれたそうです。 とても凛々しくハンサムですよね。                     ラストを飾るは最早定番!? でもあるダック君の登場です。 今回のダック君はシャキッと仁王立ち、 これまたハンサムで凛々しき姿を見せてくれておりまして 先のモーツァルトに全く引けを取りません!? すらりと長い首にはドット柄のボウタイを締めて とてもチャーミングです。   ネイビーベースにクリーム、イエロー配色がとてもキャラを際立たせます!                             ブレイドやバックピースもリボンに因んで配色を選びました。 この限定品たちは着用安定感が頗る高く、 遊び心な一手に 御一つ いかがでしょうか。   渋くまとめたエレガントでクラシックな装いにこそ、 内に秘めた『ユルさと余裕』をお持ちくださいませ!         では、お暑き中では御座いますが 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。 どうも有難う御座いました。                 ・・・・・明日の 8月2日より、25日まで HOUSE STYLE ORDER限定による 早期受注フェア がいよいよ始まります。   皆様とお会い出来る日を楽しみにしておりますので、 是非こちらも宜しくお願い申し上げます                          

    Read more
  • 【 BATEMAN OGDEN 】

    2023.07.18 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 BATEMAN OGDEN 】

              暑中お見舞い申し上げます。   厳しい暑さが既に続く中、来週には『大暑』を迎えますが 地域によっては既に災害級の暑さに見舞われております。 皆様、どうかお気を付け下さいませ。               ご連絡させて頂きます。   8月2日(水)~8月25日(金) におきまして HOUSE STYLE ORDER限定による【 早期受注フェア 】 を開催させて頂きます。   通常より工期を少し長く頂く分 ささやかながらお値引きをさせて頂くという趣旨となります。   ご注文内容は 春夏用・秋冬用 どちらでも構いません。 ODD TR / ODD WC のみでのご注文は対象外となります。 故に、2P・3Pスーツ、ジャケット、オーバーコート が対象となります。   お急ぎのご注文でなければ是非このご機会を利用して頂ければと思います。 ご新規様も勿論大歓迎ですし、皆様よりのご連絡を心よりお待ち申し上げております。         さて、今週は今月より当店に加わったバンチを二冊ご紹介させて頂きたいと思います。                 BATEMAN OGDEN     1881年 ヨークシャー州のブラッドフォードにて、 べイトマンさんとオグデンさんによって設立されました。 英国の伝統を重んじつつ、モダンでフレッシュなデザイン含め 企画多彩な高級マーチャントです。   展開されるバンチ数もかなり多く、大変見応えもあります。 その中で既に当BLOGでご紹介させて頂いたお勧め生地種も御座います!   では早速ご覧いただきましょう。             今回のバンチは BATEMAN OGDEN より APOLLO COLLECTION / THE UNION CLLECTION と冠した2冊となります。   マーチャントでは様々な生地を趣向によって用意されておりますので、 中にはイギリスの会社でもイタリア製の生地などを扱う事も今では珍しくありません。 しかし、今回の2種はしっかり英国製であり、 織りから仕上げ工程までハダースフィールドで生産されています。             べイトマンオグデンのバンチは当店でもそこそこ御用意があります。 クラシックなスーチングからジャケッティング、モヘア系、カントリー系、 フォーマルまであり、それらジャンルの中でべイトマンらしさを醸し出します。           APOLLO COLLECTION HOPSACK / SERGE / BARATHEA   分かりやすいですね、秋冬用のしっかり目であり クラシックなスーツからブレザー、トラーザースにもお勧めです。           欠かせぬド定番アイテムでもある ネイビーブレザー は このアポロから選べば間違いありません!               ホップサックという呼称 これはビールの原料でもあるホップを入れて運んでいた麻袋の様だという事です。 素朴で丈夫で、平織で糸も確りしていて このザックリとした感じこそホップサックなのです。   415~430g All Wool   とてもシッカリとした味わい、 これぞホップサックとご堪能頂けるでしょう。             ネイビーからブラック、グレー。 ベーシックカラーは当たり前に!             この辺りからマーチャントらしい豊富なバリエーションが強みとなります。 ブラウンからボルドー、グリーンとカントリー系にも合うような構成が奥深しいですね。             サージ、確りとした綾目(畝)が特徴で これまた丈夫な生地です。 綾織りの代表格でもあり、例外はありますが基本クリア仕上げで 表面は毛羽が無いからこそ綾目と共にじんわりとした光沢感があります。   このサージ、多くの方々も制服などでご体験済みでしょう。 サープラス含めユニフォームとして多いに使われています。   勿論スーツからブレザーまで、正に代表的なのスーチングと言えるでしょう。     415~430g All Wool                     この辺りはツィードやカシミアなどの上着へ合わせるべく、トラウザースにも最適です。 上着にパワー負けしない存在感とボリューム、そして下物には欠かせぬ丈夫さを兼ね備えます。   ミックスされた色味もあり、まるでツィードの様ですね。               このイラストは小格子柄のスーチングですが、 こんな感じでタウンスーツにも是非如何でしょうか。                         最後はバラシアです。 この生地もブレザーとしては好ましく、フォーマルウエアの生地としても有名ですね。   ななこ織りという平織からの派生変化織というポジションで 良く見ると菱形の織模様を見受ける事が出来ます。     415~430g All Wool           お気づきに成られましたでしょうか。 3種の織り方で全て色味は同じ展開、ウエイトも同じ。   これは3種すべて同じ糸を使い、織り地によって分けられ展開されているのでしょう。 唯一 最後のバラシアのみ JACKETING と区分けされています。 ウエイトがあるので やや打ち込みも緩くして風味を出したのか、 下物には心配かも、、、との先方ご判断だと思われます。     皆様でしたら どんな洋服を誂えますか!?                           THE UNION COLLECTION   Super 120‘s All Wool 270~290g     スーパー120を使い、縦緯双糸使いの英国地らしくとても綺麗な生地です。 日本では3シーズン用として一番幅広く使えるウエイトですね。           イラストにも拘らず、なんとも個性的な配色や 珍しい織地の様に見受けられます。 ヴィンテージの生地では このように今では見られなくなった複雑な織りや、 工夫された織りなど多彩に展開されていました。   スーツが当たり前に着用されていた時代を考えれば 生地という選択肢もそれだけ充実していたわけです。   今見ればモダンにも感じられる、そして色気のある生地、 ほんの少し 人とは違った差別化をされたい方など、 スーツに対し皆様個々の価値観やポジションがある事でしょう。   そんな価値観を持たれる方には是非一度 ご覧頂きたいコレクションとも言えるかも知れません。     妖艶な光沢感、色気を感じさせる配色や織柄の数々をご覧いただきましょう。               妖艶な強い光沢感を放つヘリンボーンに配色ストライプ。               これ、分かり辛いと思いますが、、、、 スーチングには珍しいほどに幅広なヘリンボーン柄です。 その織り目境界線に色糸を入れています。 織り糸が細いので綾畝も細かく、かつ幅広なので ヘリンボーン柄に見えないのですね。 それも、それがまた良し!             この配色センス、、、これではバンカーは着ませんから バンカーストライプとは呼べませんね(笑)。 ですがこういった個性的な生地がある事こそ、 マーチャントの強みとも言えます。               光沢感が凄いですね。 これもヘリンボーンですが、その畝織地の中に縞を組み入れています。 MOXONのヴィンテージでもありました!               超ベーシックでプレーンなソリッドもラインナップされていますし、 PICK & PICKも御座います。 ベージュのP&Pなんてあまり見る機会はないでしょう。             ・・・・・以上となります。   ご興味を持たれたお方は是非お気軽にお声かけ下さいませ! アポロとユニオン、それぞれに価値観の見合う顧客様がおられますので 今度早速ご覧頂こうと思っております。     では、酷暑の最中では御座いますが 店内は涼しいので寒き秋冬を妄想し、 または来年用に春夏ものを仕込まれに 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。   今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。                 ・・・・・来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。   次回は 8月1日(火)を予定しておりますので どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。          

    Read more
Bespoke Tailor Dittos.