BLOG
生地に付いて

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 2020AW SHIRTING 】

    2020.09.08 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 2020AW SHIRTING 】

          スリムで背の高く魅力的なT様よりご注文頂きました COVERT COAT の仮縫いが準備出来ております。 生地は Taylor & Lodge製 のカバートクロス、ご覧の様に珍しくグレーです。 カントリー出身のカバートコートはカーキ系の色が定番ながら、 幾つかのカラーバリエーションも展開されております。   グレーですから より汎用性が高いですね。 仮縫いを経て、丈含め最終的なサイズが定まれば 裾や袖口にアイコンであるレールドステッチを掛けて参ります。   この秋冬、皆様はどんなご準備をされておりますでしょうか。             さて、クラシックなコートをご覧頂きましたが フェイントをかけて 今週はシャツ地の御紹介となります。   2020年AW用の新しいコレクションが届きましたので是非ご覧頂ければと思います。           様々な業種が新型ウイルスによる影響を受ける中、シャツ生地問屋さんも例外では無く、、、 今期はいつもより やや少ない展開となっているそうです。 とは言え、確りと楽しめますし ボリュームもたっぷりと御座います。   皆様がビジネスシーンでお召しになるクラシックな定番系は当たり前に揃っております。 強いて味わいのある、または愉快な生地達も含めてお楽しみ頂けましたら幸いです。                     【 伊:ALBINI 】 とても発色美しきロンスト、とにかくストライプの鮮明さが引き立ちます。 というもの実はAWらしく、ツイル(綾織)だからなのです。 色や線はよりくっきりと出て生地としても確りとした安定感が御座います。               【 伊:ALBINI 】 これも凄く綺麗で織り柄の独特な魅力に溢れています。 細かな幾何学模様であり、爽やかなトーンで展開されております。 見れば見る程に かなり複雑な織り柄である事がお分かり頂ける事でしょう。 技術の発達は凄いものです。                 【 伊:THOMAS MASON 】 『!!!』 目が覚める程にビビットな、、、、 パンチ力は半端ではありません。 この破壊力はイタリアではありませんね! 流石はもと英国を代表するシャツ地メーカーです。                 【 葡:SOMELOS 】 この織り柄も凄いです、配色が違えばデジタル・カモ柄にも見えなくもないです。 ノータイで楽しむスポーツシャツは この位元気な方が引き立ちます。                 【 瑞:WEBA 】 素晴らしく綺麗なピンヘッド調な織り柄です。 光沢感もあり、良い意味でリザードなどの 爬虫類系のレザーみたいな高揚感も感じてしまいます。                 【 瑞:WEBA 】 先にはピンヘッド!? これはまるでシャツ地のバーズアイみたい!? 渋くて控えめな主張が柄の売りで御座います。                 今回も様々なプリントシリーズがコレクションされています。 毎度見る度にファンの方々がそれだけ多いという事に頷くと共に楽しませて頂いております。                 【 伊:LEGGIUNO 】 ベースの織りはダイヤモンドウエーヴ、そこに様々な動物たちが色とりどりに! とても可愛い! 可愛いのですが我慢できずに言ってしまいますが、 ちょっぴりクッションカバーっぽいと感じてしまったのは私だけでしょうか(笑)。   TWEEDやBUSH JACKETに合せたら、 一周まわって逆にかなりのお洒落なのかも知れませんよ!                 【 伊:LEGGIUNO 】 懐かしい、、、懐かし過ぎる! 豆電球柄!? 理科や図工を思い出しますよね、電球にマジックで色を塗り、 このプリント地の様にカラー電球にカスタムしたものです。   これはかなり乙ですよ! (下にあるプリント柄が透けてしまっていますね。)                 【 豪:GETZNER 】 こういうのは個人的にあまり見たくはありませんが、、、、 このご時世 仕方が無いのかも知れません。 ベーシックなホワイト・ポプリンの抗菌生地です。   リヨセル、これは化繊などの石油原料では無く、 植物系天然素材を原料とする再生繊維となります。   人間である以上 誰しもが汗もかきますし、 そういう意味でも効果有りと言えるのではないでしょうか。                 【 伊:THOMAS MASON 】 ではAWらしくネルシャツ地も御紹介致します。 スポーティーなシャツ地であるネルシャツ(コットンフランネル)をラグジュアリーに! コットンが主体ながら、カシミアを15%もブレンドしております。   肌触りや暖かさは勿論別格です。 ソリッドと渋めの格子柄で如何でしょうか。                 【 豪:GETZNER 】 こちらはもう正にスポーツシャツ、肉味もあり本当に暖かいでしょう。 色味の綺麗な格子柄が揃っております。   シェットランドセーター含め、様々なニット類のコーディネイトに抜群です。 早くこのシャツが気持ち良く着られる寒さになってほしいですね。             ・・・・・以上となります。 皆様 楽しんで頂けましたでしょうか。   シャツ地のバリエーションは本当に多岐に渡りますので見ていて飽きません。 勿論クラシックな定番ものも当然ありますので御安心下さいませ。   この秋冬に向け、シャツの方も是非お仕込み頂けましたら幸いです。 どうかお気軽にNEW COLLECTIONを見にいらして下さいませ。   皆様とお会い出来る日を 心より楽しみにしております。           ・・・・・誠に恐縮ながら、来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。 次回の更新は 9月22日(火)の予定となります。   どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。 今週も最後までお付き合い頂きまして 誠に有難う御座いました。                      

    Read more
  • 【 HARRISONS : OYSTER 】

    2020.09.01 Bespoke Tailor Dittos. 生地に付いて

    【 HARRISONS : OYSTER 】

          英国を代表する俳優のお一人としてあまりにも有名な御方です。 氏の着用されているスーツも正に端正でエレガントである英国生地による英国仕立て、 このスーツの迫力を出すには やはり400gレベル以上のウエイトも必要な要素なのではないでしょうか。 そもそも昨今の様な薄くて軽い生地など昔はありません! 古着を見れば400~600gレベルの生地で仕立てられたスーツ等はごく普通です。   寒くなって コシのある生地で仕立てられた三つ揃い、早く着たいですね、、、。           皆様 こんにちは。 9月に入りましたが、まだまだ残暑もしぶといですよね。   今は秋冬に向け、仕込みや仕入れで妄想に深けつつ 気温が下がってくるのを楽しみに待ちましょう。     洋服好きな方であればある程 クールビズやノータイの期間はもどかしい限りではないでしょうか。 世界的な平均気温の上昇と共に、年々盛夏は酷い暑さですから否定ばかりではないものの、 期間は拡張されるばかりで疑問に思います。 楽に走り過ぎる辺りが日本での装いにおける 偏差値(意識)の低さを表していると思えてなりません。   そんな洋装根底無き日本の中では様々な国のスーツが楽しめる様になりましたが、 日本のテーラードはそもそも主として英国から学ばれて参りました。       ブリティッシュスタイルのスーツと言えば、皆様はどんなイメージを抱かれるでしょうか。 カチッと構築である事、、、そうですね、そもそもスーツのルーツは軍服です。 普遍的であり、控えめである事、、、正にクラシックたる所以です。 生地が確りとしていて長く付き合える事、、、 英国では誂えスーツは子の代、孫の代までとも言われておりました。   当然生地も丈夫でなければ成りません。 同時に、修理や仕立て直しが出来得る工夫が随所に施された技術の結晶でもあるのです。   反面、既製服というのはある意味使い捨てであり、 大量生産し消費されていく物ですから上記の様な結晶は手間も掛かりますし 意味の無い事ですから省かれて作られています。 流行も敢えて加味されるのは『もう古い型だよね』と成らなければ次が売れません。 どちらが良いかは様々な価値観がありますので 皆様が選択されるべき事柄です。   ですが、長持ちするスーツにおける絶対条件として クラシックであると共に、使われる生地も丈夫で確りとしていなければ成りません。     では、そんな典型的英国らしい生地というのはどんな物でしょうか。 それなりに重量的ボリュームも挙げられますが、 とにかく打ち込みが確りしてハリとコシがある、 だからこそ仕立て映えするのです。 解答となるべき生地は幾つもありますが、確実に答えの一つとして 自信持ってお勧めしたいシリーズを今週は御紹介させて頂きます。         LEAR BROWN & DUNSFORD OYSTER 100% WOOL 400g     正に英国的クラシック、素朴で肉味感じる程好いウエイトは 重過ぎないという意味で良い塩梅の生地です。 打ち込みが確りとして そのドライな感じはVINTAGEを彷彿させます。 老舗の名店並ぶサヴィル・ロウのTAILOR達からも 高い評価を受け続けているのは言うまでもありません。   奥に写るダブルブレストのスーツ、私の私物ですが この OYSTER で仕立てられております。 もう今年で17年選手です。 皺に成らぬ生地など基本的なスーチングでは存在しません。 しかし、こういったハリコシのある良い生地は粘りもあり 復元力がとても高く、 吊るしておけば殆どの皺は無くなってしまいます。   頼りになるスーツであり、スーチングです。       そんな OYSTER ですが、この度 2020年AWよりリニューアルされました。 今までは長きに渡り上記写真の様に L.B & D からでしたが、 何と HARRISONS からのリスタートです。 確かに同グループ内ではありますが、、、、     長年信頼し、贔屓にしてきたシリーズです。 まだ慣れず違和感がありますがバンチの中身(品質)は全く同じであり、 展開されるネームが変わっただけですので御安心下さいませ。                 変わらぬ品質、デザイン、正にクラシックであり あるべき物が内蔵されております。         不動の定番 PICK&PICK も勿論カラーバリエーション携え健在です。         ヘリンボーンだってなくてはならぬ存在ですね。 その他 多少モダンな新作柄もバンチ内には収録されております。               ・・・・・そんなシリーズの中より、 私が個人的にお勧めなスーチングを店頭在庫より2種ご覧頂きましょう。                 激渋です! モノトーンの ピンヘッド です。 絶妙なグレー地、独特の織り柄による表情が何とも堪らぬ逸品です。         この400gレベルのウエイトであれば ピンヘッド柄自体の存在感もありますのでご堪能頂ける事でしょう。 お仕立て上がりが目に浮かびます、、、、絶対に格好良いですよね!                         次の生地は正に直球勝負です。 チャコールグレーのソリッドです。 フォーマル度合いも高く、正にドレッシーなスーツに成ります。 ビジネスシーンは勿論、様々な畏まったオケージョンにも最適となります。         何の変哲もないダークスーツ、かつソリッドである事。 このポジションたる面子がワードローブにいるからこそ、 様々なバリエーションを楽しむ事が出来るのです。 英国的アンダーステイトメントを是非味わって下さい。                 中央に黒無地のスワッチが置いてあります。 この対比でどの位濃いグレーかお分り頂ける事と思います。   ダークスーツ、これは黒では無いという事がポイントであり、 ネイビーもそうですが黒に近付くにつれ濃ければ濃い程に ドレッシーなポジションとして高まります。       如何でしたでしょうか。 この2種以外にも勿論沢山のクラシックなスーチングが御座います。   このレベルだからこそ味わえる迫力と共に、英国らしいスーツを是非一着如何でしょうか。 どうかお気軽にご覧になりにご足労頂けましたら幸いです。   何卒宜しくお願い申し上げます。                 ・・・・・今年の晩秋位には 久しぶりに 当店オリジナルネクタイを御用意させて頂こうと準備を始めております。 実はずっとお世話になっていた小さなネクタイ工房さんが何とお店を畳まれてしまいました。 とても、とても悲しく残念で仕方がありません。   京都にあったとても小規模な工房で 素敵な方々が丹精込めて 1点1点手縫い仕上げで仕立ててくれていた逸品です。 最後のコレクションは定番品を相当量お願い致しましたが、 残念ながら最後の作品となってしまいました、、、。   http://dittos.seesaa.net/article/473296982.html 【 ネクタイ三銃士 】   親方のボヤキがもう聞けなくなってしまった事も寂しく思います。 次回より、新しい工房さんによる新作タイを是非お楽しみにして頂ければと思います。 良い意味で今まで以上にレベルアップを目指します。   仕立て上がりましたら当BLOGでも御紹介させて頂きますので、 こちらも改めて宜しくお願い申し上げます。       では、まだまだ残暑も御座いますので熱中症には十分にお気をつけ下さいませ。 今週も誠に有難う御座いました。                  

    Read more
Bespoke Tailor Dittos.