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お客様のご注文

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 T様の御注文:TOP COAT 】

    2022.02.15 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 T様の御注文:TOP COAT 】

          こんにちは。 2月は雪も降りますので油断出来ませんしまだまだ寒い日が続いております。   この冬は『 寒い!』という強いインパクトを与えてくれた事は経済的にも良い事であり やはり季節は季節らしさを感じたいですよね。   装う上でもオーバーコートは冬の欠かせぬアイテムであり、 ストールからグローブまで色々と重ね着こそ冬の楽しみでもある訳です。 ウール、エスコリアル、カシミアからキャメル、贅沢なグァナコからヴィキューナに至るまで 様々な獣毛の性能や個性を存分にご堪能頂ければと思います。   では、そんなオーバーコートにも様々なポジションが御座います。 どんなシーンで、どの様に着用されるのかによって生地は勿論の事、 デザインや仕立て、仕様等ふくめて吟味して頂けます。               さて、今週は素敵なコートをご注文して下さりました T様のTOP COATを御紹介させて頂きます。 ≪ TOP COAT・・・軽めで軽快なコート、合物のコート ≫     大変 御贔屓にして頂いておりますT様、当BLOGでも ご登場・ご協力頂いておりまして 誠に有難う御座います。 モデルさんの様に背も高く容姿端麗な御方であり、 T様レベルですと 良過ぎて適合する洋服を探すのは困難となる程でしょう。 羨ましいお悩みでもありますが、もう何を着ても格好良いわけです。   http://dittos.seesaa.net/article/479122563.html 【 T様の御注文:VINTAGE SUITING 】       T様はクラシックなスタイルを好まれつつ、スーツは2Pでの御愛用です。 この度 コートを仕立てるべく御要望をお伺いして参ります。   『 エレガントで重厚感のあるダークなチェスターフィールドコートは着ない! 』 車での御移動も多く、軽くサラリと軽快に着用出来るコートにしたいとの事。   そして、T様のお好きなこの御方、、、、 『 こんな感じなら良いかも知れない。 』           当店の顧客様も多くの方々がお好きなJ.ボンド。 ご要望を確りと打ち合わせの上、把握して参ります。   丈も短く、比翼仕立てではない貫通釦のフロント仕様、 打ち合いも浅く Vゾーンも大きく取られています。 もはやジャケットが長くなったという印象ですね。 だからこそ、ODD JKの延長線上として捉えられ、 お気軽で良い意味でのカジュアル加減が加味されるわけです。     オーバーコートの主体となる役割は防寒です。 打ち合いの広さや胸元具合、そして着丈などは防寒に直結するところで御座います。 それを敢えて逆行していくと こういった表現になり、 イタリア系の物に良く見受けられるでしょう。 ですが 今回はM16のエージェント、J.ボンドが御着用ですので!! (あっ、ボンドもBRIONIからイタリア製ですね、、、。)               ご要望を踏まえ、 T様のコートへと落とし込まれたTOP COATを具現化させて頂きました。 シンプルでさっぱり、丈はそれなりにありそうですが T様は背が高いので、 やはり御本人様が着用しないと雰囲気が出ないですね!   では、この度のコートにお勧めさせて頂いた生地は!?               Joshua Ellis   Pure ESCORIAL 475g     ダークコートの与える強さを避けるべく、 色は上品で柔らかい印象なミディアムグレー。 贅沢なエスコリアルで織り上げられたこの逸品は、起毛と共に長めな毛足を残しつつ、 しっとりとしたカシミアの様な肌触りを楽しませてくれます。   ウエイトもコート地としては軽量級であり、正に春秋をも含めて比較的に 広いシーズンを楽しんで頂けるウエイトで織り上げられております。   T様のご要望にピッタリ!  ですよね。 直ぐにお気に召して頂きました。     テーラードのコートとして 想定されるのであれば設計としても当然ながら スーツやジャケットのアウターとして仕立てますが、着こなす際には もっとお気楽にニットの上からでも軽く羽織って スポーティーに着こなされても様になる事でしょう。             T様が御着用されると 俄然 膝上丈であり、 打ち合わせ・リクエスト通りの丈で御座います!   丈が短ければ その分 足さばきなど機能性は高くなります。 丈や色による印象だけでも 堅苦しさ無き 良い意味で砕けた感じとなりますね。 無彩色なグレーで落ち着きもあり、ONタイムにも当然ご利用頂けます。             仕立て上がりました。 ウエストのシェイプと共に美しいシルエットを奏でます。 ウエストの絞り具合は T様のお好きなメリハリ具合にて仕上げさせて頂いております! 単にボクシ―やフレアのシルエットでは無く、そこはお好みが御座います。   そもそも論として、もともとドロップ寸の大きい逆三角形な御体型ですから 身体に合せれば自ずとこうなりますよね。   とても綺麗で インナーであるスーツの上着を着ていないかのように自然です。                 ご自身ではなかなか見る事の出来ぬ後姿、とても素敵です。 こんなにも身体のフォルムに寄り添ったコートは、、、 街中で婦人物だとしてもなかなか見受けられないでしょう。   背中に比べ、袖の脇下には少し皺が見えますね。 これは谷袖に型紙で意図的な運動量を少しだけ与えております。   こんな ほんのりとした些細な味付けが知らず知らずに着心地へも反映していると言えます。             毛並みをお見せしたかったのですが、、、、もっと寄らないと分かり辛いですね。 ですが、しなやかでシットリとした質感は感じ取って頂けるでしょうか。   お休みの日は このTOP COATを ODD JACKETの様にも楽しまれて下さい。   ご要望を最大限に尊重し、 最高の仕立てと素材にて具現化する、これが誂えで御座います。     T様、この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。 エスコリアルの温もりを存分にご堪能して頂けましたら幸いです。                   ・・・・・如何でしたでしょうか。 当店ではチェスターフィールドコートのご注文が多いながらも、 今回のような様々なるポジション、固有のイメージやご要望を お持ちであられる顧客様のコートも御座います。   ご注文されるにあたり、イメージとなる写真などがあれば確かに分かりやすいですが おぼろげで抽象的なお話だけでも構いません。 私自身も一緒にイメージを膨らませ、様々に御提案させて頂きますので 少しずつ形(デザインや仕様)にさせて頂ければと思います。   生地に付いても勿論同じです。 ご希望があれば探す事が出来ます。     ご自身様におかれまして 最高となる一着を是非御誂え下さいませ。                 では、今週も最後までお付き合い頂きまして 誠に有難う御座いました。 世知辛い状況化、寒さとの付き合いももう少し必要です。 皆様 どうかご自愛下さいませ。                

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  • 【 ZENITH:H様の御注文 】

    2022.02.01 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 ZENITH:H様の御注文 】

          皆様 こんにちは。 今日から2月に入りました。 すぐに節分、そして立春を迎え バレンタインと目白押しです。 今月は短いですから、気付けば あっ という間に3月を迎えてしまいそうです。   当店では H.S ORDER限定の『早期受注フェア』が バレンタインまでとなりますので、何卒宜しくお願い申し上げます。 ≪ 3月1日より価格改定となりますので、宜しくお願い申し上げます。≫               さて、1月18日の当BLOGにて 冬には欠かせぬツィードにて素敵な御注文を紹介させて頂きました。 http://dittos.seesaa.net/article/485242277.html 【 LOVAT TWEED:5P-SUITS 】     大変な御贔屓を頂戴しております H様よりの御注文であり、 この度もBLOG掲載にご協力頂いた次第で御座います。       ここで一つ、訂正とお詫びの御連絡をさせて下さい。   H様が御納品当日に着用されていたアンティークのカフリンクスに触れさせて頂きましたが、 私はガラスに彫り込んで、、、と申しましたが、正しくは水晶で御座います。 この場で訂正させて頂くと共にお詫び申し上げます。         ・・・・・正しき原料、そして呼称と共に 新しく写真も頂戴致しましたので、 改めてこの精巧な作りと共に魅力的なカフリンクスをご覧頂けましたら幸いです。         このカフリンクス含む同技法で作られた作品たちは【エセックスクリスタル】 と呼ばれているそうで有り、水晶に掘り込まれているとの事です。   (・・・この語を検索して頂くと、昔の美しく素晴らしい アンティークの小物類や詳しき歴史や説明もご覧頂けます!)   クリスタルとガラス、見た目は透明で大変似ていると言えますが別物です。 クリスタルは鉱石などの物質が結晶となった物であり、 片やガラスは人工的に生み出された工業製品であるという事です。 (主成分は同じく二酸化ケイ素となります。) また、厳密にはクリスタル=水晶でも無く、クリスタルとは結晶を意味する言葉であり 雪の結晶に対してもクリスタルとなるそうです。   水晶は石英と呼ばれる鉱物が結晶になる出来方で形成されたものとなり、 透明度が高く、結晶化したものを水晶と呼ぶそうです。 紫色の水晶はアメジストと呼ばれますね。   では、ガラスと水晶での大いなる違いとは、、、、 硬度や重さが全然違います。 そして価値(お値段)も当然違うと言えるでしょう。   例えばこの形状、半球体に彫り込む訳ですから強度はとても重要であり、 深く彫り込めば彫り込む程に難易度も高くなりますが モチーフの立体感が出る訳ですね。   これらエセックスクリスタルは、カフリンクスや釦、ブローチなどに施され、 時代が古くなればなるほどに精工・精密に作られている作品が多いとも言えるでしょう。 何でもそうですが、人間の手により生み出された職人技は感動すら与えてくれます。             ・・・・・私がこのエセックスクリスタルを知ったのは、 随分昔に大好きなアンティーク店でケースに入った ODD WAISTCOATに付けるであろう小さなボタンのセットでした。 中にはキツネが描かれ、きっと真っ赤なHUNT WCやタッターソール等に合せるのでしょう。   『なにコレ、どうなっているの!?』 誰しもが最初は不思議に思われる事ではないでしょうか。 私自身も初めて目にし、店主さんが嬉しそうに説明下さりました。 若かった私には眺めて感動するだけでしたが、、、、欲しかったのは言うまでもありません。 今は無き、表参道はMORI HANAEビルの地下には素敵なアンティークマーケットが 御座いまして、目の保養と共に 昔の素晴らしき手仕事の凄さや 美しさを学べる素晴らしい場所でした。 ささやかながら当時購入させて頂いた小物たちは今でも宝物です。     H様、大変失礼致しました。 いつもながら 学びのご機会まで頂きまして心より感謝申し上げます。           さて、ご自身のスタイルを確立されておられる博識なH様に再度ご登場頂きましたので 今週も是非お付き合い願えましたら幸いで御座います。             H様におかれまして、この秋冬シーズンでは2着のスーツをご注文頂いておりました。 その内の1着が 御紹介させて頂いたTWEED 5P-SUITS で御座います。 もう1着の方も是非この機会に御紹介させて頂きたいと思います。             H様の今季AWのテーマは『 PADDOCK CUT 』でした。 ツィードはノッチドラペルでしたが、当然ピークドラペルも御座いますね。         ピークドラペルのパドックカットと言えば、 服好きな方々がイメージされるエレガントな御仁、、、 やはり A.イーデン氏 ではないでしょうか。                   そしてウインザー公の弟ぎみにあたる 後の国王 ジョージ6世。 この御方もパドックカットをかなり愛用されておりますが、 当然 時代的な側面も御座います。 当時としては どれだけ普通のモデルであったかがお分り頂ける事でしょう。           ネイビー地の三つ揃い、上着はパドックカットのピークドラペル。 腰ポケットはH様拘りの優しい傾斜のスラントポケットです。 ツィードはカーブにされましたが、こちらはストレートでの傾斜付きとなります。     では、どんな生地をお選びになられたのでしょうか!?             激レアな VINTAGEのスーチングとなります。 70年代後期頃に織られたとされる逸品であり、 当時のメーカーがこぞって高級な生地を織り上げていた頃です。   この生地は当時の最高スペックで紡績された SUPER 120 に対し、 贅沢にカシミア、そして何とミンクまでブレンドされています。   混ぜれば表記出来ますので、希少価値の高い獣毛をブレンドしたりしつつ 他メーカーとの差別化を図ります。 当時 共通するのは生地の両織り端となる『ミミ』には金糸が使用され、 どこも このグレードの生地はピカピカとアピールしまくりです。   このゼニスは既に現存しないメーカーであり、貴重な逸品です。 (お店に他の色柄も御用意がありますので、ご興味のある御方は是非お声掛け下さいませ。)   ウエイト表記は 310g とあり、3シーズン物で着用期間も長くご愛用頂ける事でしょう。           ベーシックなネイビー地にかすれた細いストライプが密に織り込まれ、 独特の色味と表情を生み出しています。   このグレイッシュな縞色がネイビーに渋みを加えており、 絶妙にくすんだ色味を表現しています。 されど、離れれば縞柄は溶け込みますので 近付いてみると『おっ!』となる訳ですね!         パドックカットはシェイプされる位置に釦でのホールドがありません。 故に確りとクセ取り含めたライン出し、そして精度高く補正されたカットが欠かせません。           靴も常に魅力的で羨ましいコレクションばかり、、、 レイジーマンもいつかは履いてみたい靴です。 紐靴の体でありつつ紐でアジャスト出来ない、 だからこそBESPOKEの真骨頂を味わえる型でしょう。             はい、お仕立て上がりで御座います! ヴィスコースのライニングは この妖艶な光沢が大好きです。 ここまで綺麗に合った背中には、もはや背ベルトなどは不要です。   されど、ハイバックで仕立てられたトラウザースにはアクセントにバックアジャスターを!         ウエストコートはツィードに同じく こちらもシングルブレストの5釦-5掛けスタイルです。 H様、この度もバチッと決まっております!         自然な感じを撮りたかったのですが、ピンボケ!? 背景にピントが合ってしまいましたね。 洋服は動きがあった方が魅力や個性が出ますよね!           とてもエレガントです。 スーツがお身体に寄り添い、素直に馴染んでいます。   アームホールは御自身の腕位置に確りと合わせ キュッと小さめに、 されど深さも幅も多少のユトリは無ければなりません。 アームホール径が小さければ袖筒も細くなり、袖のシャープなフォルムと共に 腕の稼働に対する追従性・機能性が増します。   『大は小を兼ねる』で作られる既製品に慣れた方であれば 特にアームホールは小さく感じてしまう事でしょう。 袖のイセ込み量も既製品では少ない為、見栄えや着心地、機能性含めかなり違って参ります。   スーツは男の戦闘服とも言われたりする事もありますが、 たった一枚のこの写真からH様の御自身らしさが とても良く伝わってくるのです。 スーツを着こなされる御経験の高さが自ずと出ますし、 やはり そもそもお好きであるという部分も滲み出ている事でしょう。   知性や品さえ感じられる服、軍服にも共通する そんな力が 男の服(TAILORED CLOTHING)には必要だと思います。 ( 勿論 全てではありませんし、その服のポジションにもよりますね! )   本当に素敵な一枚です!       H様、この度も素敵な御注文を そして連投でのご協力を頂きまして誠に有難う御座いました。               ・・・・・大変恐縮ながら 来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。 すみません、、、まだ店頭の生地さえ入れ替えられておりませんので近々に!   次回の更新は 2月15日(火)を予定しております。   どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。     今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。                

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