【 WILLIAM BLISS 】
2026.08.25生地に付いて

英国王は素敵なツィードのスポーツコートを着て 羊さん達と共に。
ご着用されているツィードは落ち着いたグレー系ではありながらも、
溶け込む様な格子柄と共に多色使いされた 何色とも言えぬ複雑なミックスカラーですね。
独特な石造りの建築物を彷彿させてくれる様な色目であり、
流石は国王らしい渋いご選択で御座います。
今期 FOX BROS社がリリースした先週ご紹介のシリーズでも、
トスカーナの古きルネサンス建築をイメージされた色調の
魅力的な生地たちが展開されていましたね。
さて、今週も FOX BROTHERS がリリースした新しい
TWEED のコレクションをご紹介させて頂きたいと思います。
もう8月も終盤です、頭も身体も秋冬物を着たくて待ち遠しいですよね!

WILLIAM BLISS
Cotswold Country Tweeds


朝霧の残る幻想的な時間、、、とても神秘的でさえありました。
コッツウォルズと言えば、イングランドの中部に広がる美しい丘陵地帯であり、
はちみつ色な石造りの可愛いらしい家々と共に、豊かな自然が織りなす
美しき風景、本当に素晴らしいところです。
「コッツ(Cots)=羊の小屋・囲い / ウォルズ(Wolds)=丘・なだらかな高地」
名を冠しているように、古き時代のコッツウォルズは
質の高い羊毛の生産地でもありました。
今でも現地で見られるドライストーンウォール(セメントを使わずに石で積み上げた石垣)
ですが、もともとは羊の敷地(囲い)を区切る為に作られたものだそうです。


コッツウォルズ地方の美しい街、ピング・ノートンにて、
同社はイギリス羊毛産業の黄金期を築き上げた歴史のあるミルで御座います。
創業者一族のトマス・ブリスが布地商を始めたのが起源であり、
なんと1756年まで遡ります。
1810年 息子のウィリアム・ブリス1世が水力を動力源とする
紡績・縮絨工場「ロウアー・ミル」を設立しました。
その後、1839年よりウィリアム・ブリス2世が経営を引き継ぎ、
ビジネスを急成長させる事になります。
実は 1872年、元の工場が悲劇的な大火災にあい 何と全焼してしまいました。
W.ブリス2世は屈する事なく、ランカシャーの著名な建築家を起用して
翌年には壮麗な工場『ブリス・ツィードミルズ』を再建したのです。

この再建された工場は 世界で最も美しい工場の一つとして称されております。
W.ブリス2世はコッツウォルズの美しき田園風景を愛しており、
工場をただの作業場ではなく、地域の誇りとなる建築にするという
強き想いを胸に抱き続け、築き上げました。
工場に不可欠でありつつもイメージの良くない黒い煙を出す
「不気味な煙突」は隠す事無く、敢えて一番目立つポジションに配置し、
トスカーナ式の美しい円柱デザインに仕上げる事で
「煙突」を「古典主義建築の塔」へと昇華させたのです。
ゆうに150年以上も続いた Bliss Tweed Mills ではありましたが、
イギリスの繊維産業衰退に伴い 残念ながら1980年には
幕を閉じる事になってしまいました。
( この美しき象徴的な工場ですが、現在ではリノベーションされ
外側はそのままに、内部のみ改築され最高級なアパートメントとして
今でもコッツウォルズの静かな丘を眺めながら優雅に暮らす
セレブ用の高級住宅へと大転換を遂げているとの事です。)
実は 1920年より同社は FOX BROTHERS の傘下に加わっておりました。
Bliss Tweed Millsは一旦幕を閉じたものの、同社の膨大なアーカイブを元に
ダグラス社長率いるFOX BROSにて此度見事に復刻を遂げる事になったのです。
当時のミルでは一貫して地元産の羊毛(ローカルウール)を使い、
極上なツィードを織り上げるとされていました。
コッツウォルド種とチェヴィオット種の原毛を合わせ、今でいうLOVATの様な
ガチっとしたスポーツスーチングを織り上げていたであろうと推測できます。
この度 復刻するにあたり、アーカイブを完全に解析して色や柄出し、
織りなどを忠実に再現しているそうですが、生地質やウエイトまでをも再現しては
現代的な生活空間ではややハードすぎると考えられました。
試行錯誤の上 今の時代にいきる WILLIAM BILLS として新しく生まれ変わったのです。
ハード過ぎず、ソフト過ぎない、、、、トラウザースは
ゆったりとしたシルエットであるならば スーチングとしても利用出来そうです。
昔のツィードのように重過ぎない、されど当時の匂いを残すべく
それなりのウエイトはキープしておきたい。
結論は 16/17oz 475g という肉感で決定です!
では じっくりとご覧下さいませ!



グレナカートチェック、歴史のある古典柄の代表でもあり欠かせませんね。
結構なサイズ感です!
敢えての「はちみつ色」は W.BILSSのツィードであるからこその説得力!

スマートなヘリンボーン柄をベースにウインドーペーン柄、
これもマストですね。

タッターソール系も⁉
これはフィールドジャケットのライニングやライナーとかにも良さげですね。

なんて綺麗な色出し、、、陽を浴びる美しき草木や苔のようでもあります。

ガンクラブチェックも結構なバリエーション展開です。

渋い、いぶし銀的なデザインであり、控えめなお上品さは
冒頭の英国王が着ていたような雰囲気に近いかもです。

写真だとどうしてもリアルな色味が伝わり辛いですが、
なんてマニアックなブルーグリーン、結構なパンチ力の
デザイン・配色でもありますが、もとはアーカイブからですからね!

個人的にも大好きなヘリンボーンも欠かせぬ古典柄。
色バリエーションがとにかく充実しています!
ツィードたる複雑なミックスカラーが本当に魅力的!


はちみつ色もありますが、寒色系まで揃いますよ。
雪景色に保護色!
ブルーグリーン、そしてダークパープル、
これらも尖っていて惹かれますね~。


締めは究極のベーシック、ダイナゴナルのバリエーション。
これでツィード系はお終いなのですが、これらをスポーツコート(ジャケット)
とした場合に合わせるにお勧めなトラーザース地も内蔵されているのですよ!

CAVALRY TWILL
100% WOOL
500g
上着のパワーに負けぬ500g、名に恥じぬ耐久性のド定番ですね。
上は Ecru です!

CAVALRY TWILL
100% COTTON
480g
今度はコットンバージョンのツイル、B.MOSSで展開されているRYEですね。
コットンですから水洗い洗濯出来るのは大いなるメリット。


BEDFORD CORD
100% COTTON
530g
これは推し!
ベッドフォードは乗馬用のブリーチェスなどを仕立てたりされる
本当に頑丈でタフな生地の筆頭でもあります。
それのコットンバージョンであり、かつ530gです。
独特な縦畝は弱めなコーデュロイかの様、
でもツヤ感などはなくマットで素朴です。
ジーンズでのコットンピケ、実は同じ織りなのですが
やはりワークウエアなどに採用される程に強い生地という事ですね。
これは1本欲しい、、、!

・・・・・以上となります、お楽しみになれましたでしょうか。
ロンドンから直ぐに行ける距離なコッツウォルズに
こんな歴史や背景と共に素晴らしいミルがあったとは、、、。
秋冬の装いには欠かせぬツィード、是非楽しみたい訳ですが
もう種類も色柄もウエイトも 魅力的な生地が多過ぎて絞り込むのが本当に大変ですね。
先ずはスーツでも着たいのか、
それとも上着用として着たいのかで大きく分かれます。
また、スーツで仕立てておいて その日の気分やシーン、気温などでバラして
上着のみでの着用が選択できるのはスーツのメリットでもありますね。
雨や雪の日、上中はツィードで 下物のみ洗えるコットンのコーデュロイや
ベッドフォードコードのトラウザースなどでのコーデも魅力的な着こなしとなります。
また、これらとは全く別に 私が買い付けていたお勧め生地も入荷してきております。
そろそろ店内生地をAWと入れ替えなくては!
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。
・・・・・再開して間もなくであり大変恐縮では御座いますが
来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。
次回は9月8日(火)を予定しております。
どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。
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