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【 2025 SS / SHIRTING 】
2025.06.24
生地に付いて
満開に広がるマゼンタ、圧巻なマゼンタカラー! 視界に強烈なインパクトを感じずにはいられません。 当店のすぐ近くでは『ブーゲンビリア』の花が とても綺麗に満開を迎えております。 花言葉は「情熱」や「魅力」、その美しき色よりつけられました。 その花色であるマゼンタですが、紅紫色とも言われ、愛情や幸せ、充実感、 そして次のステージに進む意欲などを象徴すると言われているそうです。 眺めているだけで元気と勇気が貰えそうですね! 反面、梅雨入りしたにも関わらず 何と梅雨前線が一時的に消滅! 先週は好天続きで強烈な暑さが続いておりました。 同じく満開な紫陽花は肩透かしですよね。 猛暑日の続出に伴い、早くもリネンのスポールシャツが活躍する事に、、、。 いよいよ7月より、シャツの受注がリスタート致します。 まだ日程は正確に言えませんが、もうご注文自体は受け付けさせて頂きます。 シャツ生地は取引先様も増やしサンプルバリエーションもパワーアップ、 全てお値付けも致しました。 リスタート前にご注文頂きましたら、生地を湯通しして準備をしておき 工場さんの受け付け開始日に伴い投入とさせて頂きます。 涼し気で爽やかなスカイブルーのオープンカラー・スポーツシャツは リネン製であり、イタリアは ALBINIの生地となります。 ハリコシのあるリネンは汗をかいても地肌にあまりペタッとしませんし、 放熱効果が高いのでやはり夏には欠かせぬシャツでもあるのです。 シャツの受注開始に伴い、先ずはドレスシャツと共にクラシックな 2枚衿のスタイル(長袖)より開始いたします。 オープンカラーシャツは同時進行で開発を進めておりますので、 受注開始が少し遅れます。 先日には工場さんにもサンプル作製を依頼させて頂きました。 INDIAN MADRAS COTTON 前回のBLOGでご紹介させて頂きましたね。 あえて このマドラスチェックでオープンカラーシャツのサンプルを仕立てて頂きます! レモンイエローにレッド、ネイビーのコントラストが美しいマドラスチェック。 湯通ししましたが、思ったより全然色落ちしませんでした。 その代わり 縮みについては他のシャツ生地に同様であり、当たり前に縮みます。 (色や品番により違いもあるでしょう。) 湯通しせずに仕立ててしまったら いくらオーダーとは言え、意味がありませんね。 例えばPOPLIN、OXFORD、そしてこのマドラスなど 縮率はそれぞれであり一律でもありません。 正確で意図のあるサイズを尊重しての型紙であるなれば、 生地の段階で縮絨して 既に縮んだ状態で裁断する必要があるのです! とても素朴な質感は親近感もあり、単糸で織られ薄くて通気性も高く これはとても涼しそうですね! 今期よりのデビューとなりますので 是非お試しになってみて下さい。 では、新たにシャツの受注開始という事で 2025年SSより シャツ生地をご紹介させて頂きたいと思います。 随分と久し振りなシャツ生地紹介となりまして、、、 大変長らくお待たせ致しました。 例の如く、クラシックな無地やストライプの類は 迷って決められぬ程に充実しておりますので、ご紹介は敢えて スポーティーな物を抽出してご覧頂きたいと思います。 伊:Carlo Bassetti 爽やかなシャーベットカラーが如何にも涼しそうです。 100% リネンであり、有色は掠れた様なまだら感がありますね。 伊:LEGGIUNO 同じく100% リネンで、上記には無い色を補完しつつ、掠れた感じはやや弱めです。 結構マニアックな色もありまして、このカラーバリエーションの豊富さは有難い限りです。 伊:PROFILO 同じく100% リネン、定番なストライプやギンガムも勿論揃います。 伊:LEGGIUNO 伊:CANCLINI 同じく100% リネン、大き目なギンガムに 個性的で主張の強いストライプも! 伊:Grandi&Rubinelli 65% COTTON / 35% LINEN コットンを主体にリネンを3割ブレンド、 リネンの清涼感や涼しさを感じさせてくれます。 この辺りはタイを締めるドレスシャツとしてもお勧めで御座います。 ソリッドからクラシックなストライプまで網羅しておりますので 夏には欠かせぬシャツとなるでしょう。 伊:CANCLINI 57% COTTON / 43% LINEN ピンポイントでお勧め! 先よりもう少しリネンの混率を増やした ピンポイントOXですかね! これは絶対に良いですよ。 伊:TEXTA 100% リネン地のプリントシリーズです。 動物や植物のモチーフなど 結構なバリエーションが御座います。 下のトロピカルなシャツ地でオープンカラーシャツなんて如何でしょうか! アロハ風にサラリと着こなして下さい。 墺:GETZNER カラフルで鮮やかな縞や格子柄が素敵ですね。 100% COTTON となります。 伊:TEXTA 100% COTTONのプリントシリーズです。 また凄いの、、、ご期待通り ありやした! あっち向いて ホイッ! ホイ、ホイ、ホ、、、 パット見 何柄か分かりませんでしたが、カラフルで大きなくちばしが特徴な 「オオハシ」さん達が あっち向いて大会 を開催中のようです! インパウンド需要も高まり 日本の食は賛辞の的ではありますが、、、 お寿司柄ですか⁉ しかもデザイナーはきっと日本人ではないですよね⁉ それにしても、、、凄い、としか言いようがありません(汗)。 左は陸の生き物、、、と思いきや シャチやクジラさんもいた! あれっ、オオハシさん こっちにも遠征されていますね。 右は海の生き物、これ 小さいのに良く描けておりまして、 シュモクザメさんの顔が凄いインパクトなのですっ! うへ~~っ、ワニさん達が凄く怒っています! 乱闘騒ぎです! 大変な事になっているようですが、その状況柄シャツって、、、 どんな顔して着こなしましょうか(笑)! うわっ、カラフルで綺麗だけど、、、 こちらはモノトーンなシマウマさん達をベースにカラーパレットに! このシマウマさん達がいるグランドにもストライプが描かれ、縞々、シマシマ馬です。 以上、プリント類は全て 100% COTTON 伊:TEXTA製でした。 これらのバイイングセンスが凄いですが、強い需要もあるからこそ ここまでラインナップも充実しているという事ですね。 では少し落ち着きましょう(笑)。 伊:Carlo Bassetti 薄地なデニム系もありますね、 通年通して愛用できる強い味方です! EUROPEAN FABRIC ソフトでしなやかなシャンブレーを発見! 写真色よりほんのりクリーム味を感じられる優しい色味。 こういうシャツが結局ヘビロテになりますよね、お勧めで御座います! EUROPEAN FABRIC 正に小豆色、あの人気で有名なあずきバー(アイス)を彷彿させます。 ソリッドなカラーバリエーションは随分と見てきていますが、 こんなにも見事な小豆色って、、、凄いインパクトでしたので掲載! EUROPEAN FABRIC いよいよ最後のご紹介です。 最後はクラシックなドレスシャツ地ですが、好みだったので! へラインをベースにオルタネートストライプ、色のトーンも淡くて爽やか、 SSであればキッドモヘアのスーツにお勧めで御座いますよ。 ・・・・・以上で御座います。 結構 沢山ご紹介したように感じますが、全体量から見れば極一部に過ぎません。 もう本当に沢山揃えておりますので、 きっと皆様のお眼鏡に叶う生地と巡り会う事が出来るでしょう。 シャツのご注文はフライングに受け始めさせて頂きますので、 是非お気軽にご覧に来て頂けましたら幸いです。 工場さんへの投入は7月、工期は投入から約一か月となりますので 夏の真っ盛りに仕立て上がってくる見込みで御座います。 まだ一応梅雨ですから雨も降りますし、 好天になれば既に厳しい暑さでもありますが お店を涼しくして皆様をお迎えさせて頂きますので 是非お気軽にお越し下さいませ。 では ご体調管理には十分にお気を付け下さいませ。 今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。
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【 INDIAN MADRAS COTTON 】
2025.06.10
生地に付いて
晴れれば日差しは強く、雨が降れば気温は落ち着くものの 湿度が高くて蒸し暑い。 いよいよ関東も梅雨入り、暫くは辛抱の時期で御座います。 日中の盛夏を顧みれば なかなか上着の着用は厳しく、 自ずと装いの主役は軽衣料へとシフトして参ります。 コットンやリネンの涼し気なシャツが大活躍しますね。 フレッピーなスタイルには欠かせぬマドラスチェックはお好きでしょうか。 今週はそのマドラスチェックに焦点を当て、歴史と共に 今一度その魅力を掘り下げ 皆様にもリアルなマドラスコットンをご紹介させて頂こうと思います。 = INDIAN MADRAS COTTON = 『マドラスチェック』は聞きなれた呼称でもあり、洋服好きな方であれば 頭には何となくでもイメージが浮かぶのではないでしょうか。 マドラスとはインド南東部のマドラス(現チェンナイ)に由来し、 ベンガル湾に面する港湾都市名であり 南インド東海岸の主要都市でもあります。 マドラスは正式には『インディアン マドラスコットン』と呼ばれ、 綿花の栽培、そして綿織物で長い歴史を持つインドにて 農民などの労働者が身に着けていた綿の単糸を使って織物にした布を指します。 かつて17世紀 イギリス東インド会社の貿易拠点として 商業や文化の中心地として発展致しました。 当時好景気に沸いたイギリスではマドラスから輸入される 綿製品により多くの富がもたされます。 そのマドラスから輸出される格子柄の生地を総称して マドラスチェックと呼ばれるようになったそうです。 故に、厳密にはインディアンマドラスコットンに マドラスチェックが含まれていると言えますね。 1947年 ヴィンテージ:インディアンマドラスコットン(チェック)です。 (The New York Public Library より) 「らしさ」がありますよね、多色使いで構成され 滲んでいるようでアンニュイな柄出し、 この素朴な感じこそ本来のインディアンマドラスコットンなのです。 マドラスコットンはスラブ(節)のある単糸を平織にした素朴な風合いの先染め織物であり 、通気性が良くて涼しく 乾きやすいので特に夏向けの衣料として歓迎されました。 当初のマドラスは手紡ぎの綿糸を植物の天然染料で染色し、 手織り(HAND WOVEN)されていました。 家内手工業な昔のホームスパンツィードに同じですね。 故に不均一な表情、そして洗濯による滲み(Bleed:ブリード)や褪色も大いなる特徴でした。 1902年 米:Brooks Brothrsが初めて夏のレジャーウエアとして採用・展開を始めました。 その後 徐々に人気を博し、シャツからショーツ、ジャケットなどにも流用されるようになり アイビーには欠かせぬポジションを築き上げます。 ただし、滲みや褪色などのマイナスな懸念材料はどうしたのでしょう、、、。 『 Guaranteed to bleed 』 ・・・このシャツ(手織り生地)は滲み保証付き‼ 敢えてそんな特徴を「売り」にする事で逆に流行を作り出す事に成功したとの事。 ジョーク好きなアメリカらしいのかも知れませんね。 確かに問題が起きても誰も文句が言えません(笑)。 ラルフローレンだって欠かせぬインディアンマドラス、 タグでさえ頗る格好良く 流石です。 どうですか、インディアンマドラスコットンに興味が湧いてきましたでしょうか。 しかし、昔の様に手紬の糸で天然染料のみで染色、そして手織りは流石に厳しいですね。 この独特な色彩感覚や格子柄の構成をアレンジしつつ、 イタリアやイギリスなど多くのシャツメーカーが マドラスチェックを織り上げるようになりました。 ですが、服好きな皆様であれば 敢えてインディアンな オリジナルマドラスコットンが着たくなってしまいますよね! では ご紹介致しましょう‼ 本当にリアルです、、、日本語が変ですね。 インドはマドラス製の 正に インディアンマドラスコットン で 皆様の洋服をお仕立てする事が出来るのです。 この掠れた感じと素朴感、単糸で地薄、 確かに絶対に涼しいでしょうし 直ぐに乾きそうです! 着込んでクタクタになったら相当な味が出るでしょうね。 これらリアルマドラス、 「全ての工程が稚拙である」とエージョントより注意があります! 旧式の織機を使いつつ、生地のキズや織ムラは当たり前。 それに単糸で色が芯まで染込み辛い上に、 染料自体も安定感が無く 色落ちもしやすいとの事。 なので汗をかいたりしますので、 他の衣類へ移染する可能性もあります。 格子柄のマスサイズは不安定であり、柄合わせ裁断にも限界があり なかば諦めて下さいと言わんばかりなのです。 実際 上記写真でも見受けられるように、下部 水色の2重縞は太さと共に 平行さえ保てていませんね、、、それでも良いんです‼ これら多大なる欠点は リアルなインディアンマドラスコットンである事を意味します。 でも尚着たい、着てみたい という御方のみ 恐れずにお仕立て下さいませ。 これだけリスキーな商材を敢えて扱うエージョントのオタク具合が素晴らしい。 私自身は喜んでリスキーなインディアンマドラスコットンをNEW FACTORYで シャツに仕立てて頂く所存ですが 皆様も如何でしょうか!? 比較的に「らしさ」を感じられる やや明るめなトーンのマドラスチェック。 「スゲ~良いっす‼」 1枚を選ぶには厳しい程に素敵な柄が揃います。 コレとコレは是非欲しい! 売り切れる前に調達しなきゃ! 渋いダークトーン、珍しいですか!? 80年代頃には流行っていたらしいのですが、、、 私はまだ意識出来ていない頃です。 流行は巡りますから 案外また来るかもですね! 渋くてこれはこれで魅力的ですよ。 これも素晴らしい、、、でも3枚目、どうしよう、、、欲しい(笑)。 ブラックウオッチもあります! インド、そしてイギリス、 マドラスチェックは歴史あるタータンにも影響を受けていた可能性もありますね。 変わり種、格子柄のみならず 植物モチーフなデザインも! 今回学んだと思いますが、マドラスチェックはマドラスで織られた格子柄の総称であり、 マドラスコットンは別に格子柄以外だってあるという事ですね。 これも凄く素敵です。 クラシックなモチーフに『ペイズリー』がありますね。 ペイスリー柄の発祥はインドのカシミール地方であり、もともとは 葉や花をモチーフにした植物を抽象化したとされています。 これ、凄くオールドチックでペイズリーのご先祖様みたい! 現代見受けられるペイズリーになる前のデザインっぽさがあって素敵ですが、 女性受けはしないかもです(汗)。 なんと既に作られて用意されたパッチワークなマドラスチェックも! そう言えば こういった既製品もありますよね。 これ、、、それぞれが それぞれに移染したら滅茶苦茶やね! というジョークながらも、手間が掛かっていますね~、でもお値段は一緒! 上手く余りや残りを有効活用したエコロジーなデザインでもあるのです。 洗濯もしますから それぞれのパッチは一つずつロックミシンが掛けられています。 一応デメリットをお伝えしておきますと、移染もそうですが 生地の他にミシン糸も縮みます、表からは見えぬ縫代が重なり 軽さ・柔らかさ・涼しさ はそれなりに犠牲となります。 だからこそ、洗濯を繰り返し、パッチワークの独特なエイジングを見せてくれるのでしょう。 ・・・・・如何でしたでしょうか。 質の高いシャツ地はイタリアやスイスに任せておけば良いです。 インディアンマドラスコットンは癖があり、手間で面倒のかかる子ほど可愛いとも 思って頂けましたら 今回の歴史的リアルなマドラスシャツをお楽しみ頂けます。 シャツであれば、リネンの上着やブッシュJKなどにも凄く相性が良いです! または H.S. ORDER で アンコンJK をお仕立てになるのも良いでしょう。 往年のマドラスチェックを是非ご堪能されてみて下さい。 さぁ、夏はマドラスコットンで少しでも快適に、 そしてほくそ笑みながら問題児と共に乗り切りましょう! ● 誠に残念ながら、固有の生地ネームがありません。 仕方がないので自己満でお願い致します。 ご了承の程、何卒宜しくお願い申し上げます。 では 今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。 ・・・・・大変恐縮ながら、来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。 次回は 6月24日(火) を予定しておりますので、 どうか引き続きお立ち寄り頂けますようお願い申し上げます。
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