BLOG
2024/12

Bespoke Tailor Dittos.
  • 【 SUMMER DONEGAL:M様の注文 】

    2024.12.24 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 SUMMER DONEGAL:M様の注文 】

              クリスマスシーズンのロンドンは綺麗なイルミネーションが街を灯す中、 仕立て屋通りで有名な Savile Row では裁ち挟の電飾 ‼ ストレートで良いですね。   今夜はクリスマスイブ、皆様はどんなクリスマスをお過ごしになられますでしょうか。 この度は今年最後のBLOG更新となります。                               名探偵ポアロの友人であるイートン校出身のヘイスティングス大尉。 立体的で横地の通った綺麗な上衿掛け、仕立ての良いクラシックな格子柄の スポーツジャケットはパッチポケットにボタンをあしらい 素敵なアクセントになっていますね。                 こちらの紳士はスポーツスーツで上着は四つのパッチポケット、 こちらもフラップ等でもなく 釦のみあしらって装飾兼実用となるディテールです。 ありそうで案外見ないですよね、格好良いのに!             さて、今週も大変な御贔屓を頂戴しております M様よりのご注文を紹介させて下さい。     この度のご注文は計3点口であり、それぞれが普段使いで楽しめるタウンスーツを始め、 三者三様の魅力を引き出すと共に、それらが全てにおいてリンク性が高く バラしてミックスコーデする事により多大なコーデのバリエーションを お楽しみ頂けるようご提案させて頂きました。   リクエストは春・秋がメインとなるシーズン物であり、プライベートな時間を装いと共に 楽しく過ごせる普段着との事、M様のリラックスされたオフ日に 過ごされるであろう数々のシーンが浮かびます。 リクエストにあがった様に年々春は短く、直ぐに暑くなって夏は長い、 更になかなか涼しくならない秋。 という近年の傾向により こういったポジションの服は大変重宝出来るはずです。 第一線でのご活躍を少しずつ整理され、装いも手持ちの充実したダークスーツから タウンスーツへとシフトされつつ御座います。   今回は第一弾となるスポーティーなタウンスーツ(スポーツスーツ)よりご覧頂きます。               STANDEVEN = SUMMER DONEGAL =   48% COTTON 25% SILK 10% LINEN 10% WOOL 7% NYLON   ABOUT 290g   http://dittos.seesaa.net/article/503308349.html 【 2024春夏 / お勧めファブリック 】       私も大好きなツィードの種は多岐に渡ります。 ドネガルツィードと言えば IRISH TWEED の代表格ですね。   暖かくて耐久性も高く、ネップやスラブ糸使いが魅力な平織地が典型的でしょう。 しかし、今回はなんと SUUMER DONEGAL 春夏地でこれを表現された生地と成ります。   サマーとはいえ日本で都会の盛夏では着用も厳しいですが、 避暑地であったり、それこそ春秋に一番適していると言えます。   5者混ツィード、主体は綿と麻なので スラブ糸の起伏あるその肌触りはまるでタオルのよう! 慣れ親しんだ落ち着く肌触り、素朴で快適な着心地をお約束いたします。                 ラムネ入りのソーダアイスキャンディーみたいで 如何にも涼しげで爽やかなカラーです。 トラウザースのスタイルは吊り用でいつも通りの IN-2プリーツ、 裾上げもマストなシングルでお仕立てさせて頂きます。 この日のスポーティーな格子のシャツが凄く合いますね、 ギンガムチェックなども是非お楽しみ下さい。                   M様におかれましては、初チャレンジとなる POST BOYスタイルのウエストコートは 身返し返しの本衿仕立てで御用意させて頂いております。 普段はお手持ちのジーンズなどもたまに穿かれるとの事で、 股上低き下物でも合わせられるこのスタイルは万能で御座います。     http://dittos.seesaa.net/article/449698302.html 【 POSTBOY WAISTCOAT 】                     上着は 3-パッチポケットにさせて頂きましたが、アクセントに釦をあしらいますよ!   背中は機能性重視にインバーテッドプリーツを畳みました。 ポケットにもプリーツを畳んでリンク性をだしても良いのですが、 春夏用ゆえ少し暑苦しいと思い 釦くらいのアクセントが丁度良いという判断で御座います。   バックベルトの下、腰はノーベント。 これも敢えて軽くサッパリと!                       釦はどんなものにしましょうか、、、ナット釦やプラ釦も軽めで良いのですが、 ツィードですのでホーンくらいの存在感も欲しいところ。 ですがホーンはナチュラルカラーのみで染色しませんから水色なんてありません。 ホーン自体では実のところ『 WHITE 』も存在しますが、昨今はかなり激減しています。   そんな時に代用となるのお勧めがコチラ! 爽やかで素朴なアイボリー、実は、、、、 ホーンではなくボーン、角ではなく骨なのですね。   角も骨も近いと言えば近いですね、ボーンは大抵ホーンの バリエーションにカテゴライズされています。 これは英国製ですが、国内では「焙り」を入れて焼き色を ほんのり入れた様な2次加工釦も御座います。   新品はこの様に綺麗すぎかも知れませんが、実はこのボーン釦 経年変化で凄く魅力的な味わいが出てくるのです! 欧州ではホーンやメタルなどと同様にヴィンテージ釦の類でも探す事が出来ます。   釦も決めたところで、微調整を加えて いざ FINISH へ。                           POSTBOY WAISTCOAT の最大たる特徴はウエストシーム、 このシームを利用して腰ポケット、更に第5釦のシームホールを作ります。   また、丈の長い事が特徴ゆえ シームから下のスカートは 腰に向かってややフレアさせます。 体型に合わせればそうなりますが、このシームを利用した ライン出しのテクニックがあるのです!                           白のスラブ糸にマッチしますよね、ボーン釦。 今は少し強めなアクセントにも感じられるかもしれませんが、 味が出てくるまでバッチリと着込まれて下さいませ。   インナーには やはりホワイトのポロシャツや、リネンでの オープンカラーシャツなどを合わせたくなりますが、 それこそ釦も活きます! お足元も色々合わせたくなりますが、敢えてネイビーの デッキシューズなんかも乙ですね。               御来店頂きました。 この日はシャンブレーのシャツに、ウールのモチーフプリントタイ。 LOVATのお仕立てさせて頂いた 4P-SUITS に COVERT COAT、、、 滅茶苦茶に格好良く、本当に素敵でした。   シャンブレーのシャツも こういったポジションには 万能ですから素晴らしい相性です。   限定品となるハンサムDUCK君のブレイシーズ 、御愛用 誠に有難う御座います。 ( 残り1本、『福』付きで在庫が御座います!)                       着慣れたウエストコートより結構長く感じられますよね。 それが特徴でもある訳ですが、 その長めな丈で確りと三つ揃いとしての調和も図ります。   涼しげで清涼感溢れる生地の個性をより活かすべく、 裏地も釦も始めから頭にご提案イメージが出来ていました。             M様、凄く素敵で御座います。 パドックカットではないクラシックな2釦の上着は当BOLG内では新鮮でしょう。 2釦は3釦と比べてVゾーンが深くなりますのでウエストコートも良く見えますし、 ほんのり涼しさもアップ、リラックスした雰囲気も感じられるのではないでしょうか。                           M様、この度も素敵なご注文を誠に有難う御座いました。 実はこの日、 2着目となるご注文分の仮縫いも一緒に行わせて頂いております。       コットン×リネン によるブルーの ODD WAISTCOAT が映えますよね。 2着目が組み上がりましたらミックスコーデもお楽しみ頂けますので、 もう少しお待ち下さいませ。                   ・・・・・如何でしたでしょうか。 TWEED好きな方々には春夏にも こういったサマーツィードをお勧め致します! TWEEDに合わせたいフェアアイルのニットベスト、これなんかも実は リネンでの展開もありますので最高に合いますが、 日本ではちょっと馴染み薄ですね。     早くも年の瀬であり、今年のBLOG更新は最後となります。   BLOG掲載に気持ち良くご協力くださる大切な顧客様方、 そしていつもご覧頂いております皆様へ心よりの感謝とお礼を申し上げます。 本当に有難う御座います、本年も大変お世話になりました。       新年は 1月4日(水)よりスタートとなり、 BLOGの方は 1月14日(火)よりのリスタートを予定しております。     では皆様、素敵なクリスマスを そして良いお年をお迎えくださいませ。   どうか来年も宜しくお願い申し上げます。                  

    Read more
  • 【 FOX SILVER SCREEN:H様のご注文 】

    2024.12.10 Bespoke Tailor Dittos. お客様のご注文

    【 FOX SILVER SCREEN:H様のご注文 】

          天晴れなり! (青山霊園にて)   暖かな秋が長引いて紅葉も遅れましたが、正にピークを迎えた銀杏。 そそり立つ大樹な銀杏、爽快な青い空に見事な金色、本当に圧巻です。           銀杏をはじめとする落葉樹は、綺麗な紅葉を魅せてくれたのち 今は静かに散り始めています。 葉の落ちた樹木はどことなく寂しさと、そして寒々しささえ感じられますね。 これからは乾いた落ち葉を踏みしめ、自然の奏でる音色を楽しみましょうか。   本格的な寒さの到来です。             さて、ここで当店の【 年末年始のご連絡 】で御座います。 年末は、12月28日(土)が最終営業日となります。 年始は、1月4日(土)より通常営業開始となります。   毎週火曜日、第4日曜日が定休日となります。 (完全予約制で御座いますので、お気軽にご連絡を頂ければと思います。)   皆様におかれましてはご不便、ご迷惑をお掛け致しますが、 何卒宜しくお願い申し上げます。                         ロナルド・コールマン氏はイギリスの俳優であり、 数々の映画に出演されてきたトーキー黎明期を代表するスターのお一人です。 氏の口ひげはトレードマーク、とてもエレガントで品のある俳優さんです。   チョークストライプのフランネルで誂えられたダブルのスーツは三つ揃い、 打合いも深めで美しきバランスは本当に素敵で私には模範解答の様です。 氏の他にも銀幕(Silver Screen)を飾ったスターたちの多くは、 やはりフランネルのスーツは欠かせぬゆえ 残された沢山の写真からも垣間見る事が出来ます。               フランネルスーツと言えば この御方にも触れぬわけには参りません。 エドワード8世(後のウインザー公)は 米国のファッションにも大きな影響を与えておりました。 スランネルはもともとカントリー(スポーティー)なポジションではありましたが、 その位置づけを上げたのも数ある功績の一つと言えます。 フラノのスーツにスェードの靴も当時は斬新だったことでしょう。 無造作にポケットへ突っ込む様も絵になりますね。                   銀幕のスターから王室、そしてチャーチル元首相を始めとした政治家含め フランネルの、更にチョークストライプのフラノは 愛されてきたクラシックなスーチングの一つであり それを支えていたのが FOX BROTHRS なのです。   当時を顧みれば、フェローズのイラストなどでも 直ぐにそれと分かる 魅力的なチョークストライプのフランネルスーツを見る事が出来ます。   ネイビー⁉ グレー⁉ 微妙に渋い色味のチョークストライプは ダブルブレストで仕立てられ、アクセントな赤いブートニエールがとても映えています。 このストライプ、良く見ればダブルストライプな縞柄なのですね!             今週は多大なる御贔屓を頂戴しており、確固たるご自身のスタイルを持たれた H様のご注文を紹介させて頂きます。                         FOX BROTHERS = FOX SILVER SCREEN = 100% WOOL ABOUT 545g     http://dittos.seesaa.net/article/501128125.html 【 FOX SILVER SCREEN:2023AW / DIRECTOR’S CUT 】 ( 生地の詳しきご紹介は、上記リンクよりご覧下さいませ。)     これぞ正しく往年のフランネル、FOXの真骨頂です。 縮絨され、密々で肉厚、起毛でボケた縞はチョークの線。 (奥に本当のチョーク線が見えますね!)   冒頭に登場してこられた方々の着用していたようなフランネルを、 Silver Screenの名のもと再現した企画シリーズです。 昨今のフランネルはこのシリーズから見ればみな子供の様です! ソフトでかつウエイトも軽くなり、それはそれで市場の声に耳を傾けたからこそ。   ですが、ダグラス氏が表現したかった生地、是非皆様に着て欲しい、 見て欲しいと具現化された拘りのシリーズがこの生地となります。 これまたダブルストライプがニクイですし、 こちらの色はグレイシュネイビーとなります!               日頃より御愛用されているボウタイが素敵です。 キュっと絞り過ぎない結び目だって意図的です。   ダブルブレストの堂々としたラペルは往年の時代を彷彿させてくれ、 短くコンパクトな丈こそがキモ、本当にエレガントです。 御機会があれば、マニアックに当時に見受けられた前身頃に柄合わせのラペルも乙ですね、 リクエストがあればいつでもお仕立て致します!                     上質なスェード⁉、バックスキンでしょうか。 これまた、、、、いつも素敵な靴ばかり、 それでフランネルの仮縫いの日に履いてきて下さる。 本当に誂えを楽しんでおられるお姿でもあり、ご注文時、仮縫い時、 そしてご納品時と各機会の楽しみを重ね御堪能頂いております。               拘りぬかれたバランス、些細なディテールが全て結合してまとまり 美しきバランスを生み出しています。 腰ポケットの絶妙なスラント角度も御指定通り、H様の求められている 美しきバランス(スタイル)は私の頭にも勿論確りと蓄積されております。                       いよいよお仕立てあがりです。 手前ミソながらとても良い出来栄えで御座います!                           日が暮れると既に寒いですから、先日より着始めたとのトップコートと共に ダークスーツにて御来店下さりました。   トラウザースの帯、上前持ち出しは通常前カンを使用しますが H様は釦仕様がご自身のスタイルです。 仮縫いでは既にご体験済ですが、このフラノがもたらす安心感、 守られている感は凄いですよね、とんでもない迫力です。 ツィード同等のウエイトですから馴染ませるまで少し時間もかかりそうです!                 お仕立て頂きました ACORN のP.O.Wチェックシャツ、 お決まりのフレンチカフスにボウタイ、 このフランネルのスーツにも凄く合います。   ウエストコートは生地もハードゆえ 微塵の皴も無く甲冑の様ででもありますね。 勿論 お身体に合っており、そのお身体の立体にそぐう仕立てがあってこそ。                   何も言う事はありません、、、凄く魅力的であり、 本当にH様らしさが滲み出ていて素敵です。 ダグラス氏もこの生地は『是非ダブルブレストで』との事でした様ですね。 仕立て上がったらお写真をお見せする約束です。               ブラックの靴はレイジーマンときましたね。 確かにお着換えがあるので好都合でもあります!               美しいスーツです。 打合い深く、コンパクトなVゾーンからウエストコートは見えません。 見えないからいらない、着ないという事ではありませんがご着用はご選択出来ます。   本当にエレガントで銀幕より出てきてくれたようです。   ただリアルに当時の服を再現しようとするなれば、 もう少し違う価値観を加える必要があります。 その価値観が必要か否か、そこがとても重要なのですね。 忠実に再現、復刻された様なOLD SUITSを求められている訳ではないからです。 時代は進むもの、生活や価値マンも変わりますし、技術だって進化します。   ご注文されるスーツに何を求められているのか、何を重要視するのか、 設計(型紙)から芯、パットなどの付属類、 更にはそれらをまとめる調理法です。 BESPOKEでは設計や中身も一律ではないという事ですね。               とてもお気に召して頂き、光栄にもご着用されたまま帰路につかれました。 この素朴なフラノの質感、どことなく懐かしさと安心感があり、 良き意味で「新品さを感じない!」とのお言葉を頂戴致しました。 本当はスーツも緊張状態ではあるものの、F.アステア氏の様に 仕立てあがったばかりのスーツを壁に投げつけ、、、、 なんて実際にはされませんよね。   新品の真っ白なスニーカーが気恥ずかしいのに同じく、 新品なのに今日着て来た服かのような馴染みというかシックリくる フィーリングのようなもの、それを感じさせてくれるスーツこそ 良い仕立てとも言われています。   もう何着もお仕立て頂いているからこそ 型紙の精度も高く、 着用実績は自ずと身体が覚えます。 基本的にいつもと同じバランス、サイズだからこそ その時に選ばれた生地の個性を十二分に感じる事が出来るのです。     H様、この冬よりガンガン着て下さい、ローテーションなんて考えなくても このフラノなら一晩寝れば全然大丈夫でしょう!   この度も素敵なご注文を誠に有難う御座いました。                   ・・・・・年末差し掛かる折では御座いますが、 来週のBLOG更新はお休みさせて頂きます。 次回は 12月24日(火)を予定すると共に、 本年最後の更新となります。   どうか引き続きよろしくお願い申し上げます。                

    Read more
1 / 212
Bespoke Tailor Dittos.