【 P&B:M様のご注文 】
2024.10.15お客様のご注文

随分と秋らしくなり、朝晩はかなり涼しくなりました。
陽が出れば秋晴れの清々しささえ感じられます、
が、まだ気温は高めですね。
やっとスーツが気持ち良く着られるようになりつつあります。
暑さを感じずにスーツを着られる事がとても嬉しく感じます。
とは言え、気温25度レベルではヘビーなリネンのスーツが丁度良い位でもあり
毎年残暑が長引くようになると共に
日本に最適なリネンの着用期間は伸びつつあるとうものです。

1957 HERBERT JOHNSON
(ハーバートジョンソン)
1889年創業の超老舗帽子店はロイヤルファッションにも欠かせぬ存在です。
数々のロイヤルワラントだけではなく、英国軍や景観などの制服用の帽子も手掛けています。
ダブルブレストのスーツを着込んだ紳士はロイヤルアスコットへの準備でしょうか。
この紳士ように、バッチリと決めてお買い物に出掛けたくもなりますね。
さて、今週はヴィンテージスーツの様なヘビーウエイトの生地でご注文を下さった
M様のご注文を紹介させて頂きます。

HARRISONS
UNIVERSAL
CHARCOALGRAY HERRINGBONE
100% WOOL
465g
旧 Pedersen & Becker Universal
通称 P&B のシリーズとして展開を続けていたヘビーウエイトまで揃う
超クラシックなスーチングのシリーズであり、以前はそのP&Bを傘下に収めた
LEAR,BROWN & DUNSFORD よりの展開でした。
http://dittos.seesaa.net/article/491416929.html
【 HERITAGE SUITING 】
素朴で飾り気など一切無し、ハリ・コシに富み
古き良き英国服地の生き残り⁉ の体を成し、
こういった生地でこそ『 誂え服は子の代まで 』と言えます。
「そんな生地でこそ是非BESPOKEで」 M様のイメージは固まっておりました。
男気に溢れたこの生地から見れば、シットリとした生地や高番手の生地などは
女々しくさえ感じてしまうのかも知れませんね。
このウエイトは軽量級なコート地クラスでもありますが、
P&Bには更に地厚の生地さえ御座います。
打ち込み強きこのレベルの生地は皴にも強く、復元力も高く、
メンテさえ必要最小限で賄えます。
M様より、ベーシックでクラシックな三つ揃いをご注文頂きました。
先週の顧客様に同じく、M様も当店とのご縁は H.S ORDER より始まりました。
当店での初となる BESPOKE SUITS です。
1st仮縫いを経て、2nd仮縫いよりご覧いただきましょう。

M様は背が高くてスリム、モデルのように足も長く
スタイルが良くてスーツも大変お似合いで御座います。
IN-2 PLEATS でFOBポケット付き、ゆったりとしたシルエットに
深き股上が一層足を長く見せています。
後はハイバック仕様にされております。
お尻も立体的で引き締まり 格好良くて羨ましいです。


ウエストコートもベーシックなシングルブレスト:6B-5掛けです。
撫で肩傾向はM様の個性、首周りのフィット感も良く、
トラウザースとの連動性もバッチリですね。

上着は本返りのノッチドラペル 3釦、そぎ落とされた
美しきベーシックなクラシックスタイルです。
この生地と御依頼のスタイルを反映させたスーツを纏えば、
英国的でエレガントな匂いが漂ってくるようです。
ストンと落ちたフロントカットは、スーツの先祖が軍服でもある証であり
昨今の国内市場ではほぼ見る事の出来ぬカットでしょう。
同じく軍服ライクで色気のあるウエストシェイプがそそりますが、
男性的ならではの色気(魅力)と美しさを感じさせてくれます。
鍛えられ 引き締まったお身体のM様にとてもお似合いで御座います。

では、微調整を加え FINISHへと駒を進めます。


いよいよお仕立て上がりです。
チャコールグレーのヘリンボーン、私も大好きですが
改めてエレガントな空気を纏っていますね。
コードストライプのモーニングドレストラウザースを誂え足せば
即BLACK LOUNGE STYLE にもなります。

生地の色味はダークグレー位に見えますが、
実物はもっと濃くて深きチャコールグレーとなります。
ヘリンボーンならではのシャドーストライプ的な縦縞織柄が
M様のシャープさを一層際立てます。

この日はホールカットですね!
シンプルの極地な靴もM様のお好みが伺えるようです。
(ご来店当日の装いに合わされたものです。)
トラウザースの裾丈も別妙なバランスでご判断いただき、
此度のシルエット(裾幅)には抜群なレングスですね。

しかしウエストが細くて本当に羨ましい。
ドロップ寸法(B 引く W 数値の半分)が大きければ逆三角形で格好良いのですが、
逆にスタイルが良すぎて既製服範疇ではM様の御体型にシックリとくる
サイズの服は先ず用意されていません。
大手テーラードメーカーであれば、同サイズ内でドロップ別、
そして丈バランスもS/R/Lなど幅広きサイズ展開もあり得るのですが、、、
揃えれば揃える程に在庫リスクとなりますので多くのお店では難しいのです。
だからこそ、昨今のアパレルメーカーは簡易だとしても受注生産となる
オーダーの対応を展開する事により在庫リスク軽減も担う為
ここまで広がったとも言える訳です。
ただ、オーダーでも簡易で安価であれば補える体型補正範囲も頗る狭く
やはりTAILORでなければ本当の意味での MY SIZE には辿り着けません。


吊る事を前提としたハイライズ(高い股上)のトラウザースのウエスト位置に
合わせてウエストコートの丈が設定されますので、
自ずとウエスト丈なウエストコートとなる訳でもあり、
各アイテム同士の調和をとる事が必須となります。
分かりやすいですよね、三つ揃いでは 全てのアイテムが連動し、
調和するよう設計されていなければなりませんし、
正に ONLY ONE ならではとなります。
この中下に伴うウエスト位置は上着にも当然連動しているので
三つ揃いでの美しきハーモニーを奏でる事が出来ますし、
それを生み出すのがTAILORの仕事でもあります。


M様、とてもエレガントで素敵で御座います。
大変お喜び頂きまして安心致しました!
長らくお待たせする分、この日を楽しみにお待ち下さっておられた事と思います。
しかし このスーツのデビューまではもう一段 寒くなってほしいですね。
古き英国の良心たるこのハードな生地を馴染ませる為にも是非沢山着て下さい。
ローテーションなんてあまり気にせずとも、
この生地のタフさがあれば余裕耐えられます(笑)。
お次のご注文も検討中との事で光栄な限りです、
いつでもご相談をお待ちしております。
M様、改めて素敵なご注文を誠に有難う御座いました。
・・・・・如何でしたでしょうか。
HOUSE STYLE ORDER と BESPOKE は
そもそもステージが違うので比べてはなりません。
それぞれのメリットがあり、デメリットがありますので
それらは皆様の価値観によりご選択されれば良い事で御座います。
先週のF様、今週のM様、お二人共に
H.S ORDER からのステージアップでした。
双方着れば様々な違い、気付きがある事でしょう。
着ていて気持ちが良く、気分も高揚してしまうような誂え服を
是非ご堪能頂けましたら幸いです。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
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