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Bespoke Tailor Dittos.

【 U様の御注文:VINTAGE MOXON 】

2021.01.19お客様のご注文

 

 

明日の20日は【大寒】であり、一年で一番寒い頃という事になります。

とは言え、先週の土曜日には東京で

単日のみ気温18度まで上がりましたので驚かされましたね。

乾燥もしておりますし、ご体調管理には十分にお気をつけ下さいませ。

 

 

 

 

 

 

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ご兄弟 仲良くクラシックなダブルブレストのスーツをお召しで御座います。

ケント公はロングターンでは無いところもミソですね。

6釦2掛け、御二人ともに確りと全留めされています。

 

お身体にピッタリと合い、

シルエットやバランス美しきダブルのスーツは重厚感のある独特な魅力があります。

 

 

 

 

皆様もダブルブレストのスーツやジャケットをご堪能されておりますでしょうか。

 

今週は激レアな VINTAGE MOXON のスーチングにて

ダブルの三つ揃いをご注文下さった U様のスーツを紹介させて頂きます。

 

 

 

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1970年代頃の生地だろうと言われております。

泣く子も黙る VINTAGE MOXONより、特にレアな極上ネタです。

 

SUPER 120 のウーステッドは当時としては最高レベルなスペックです。

SUPER換算で見れば100~120レベルが耐久性と共に美しいドレープを生みつつ、

皺にも比較的強くて一番実用的であり、お勧めな品質でもあります。

この原毛へ更に 最高級獣毛である VICUNA をブレンドしているのです。

当BLOGでも この当時の素晴らしいVINTAGE SUITINGを紹介して参りましたが、

やはりこちらの生地も耳には金糸使いであからさまなゴージャス感をアピールですね。

 

古着などはブランドネームやロゴ文字などの移り変わりで製造時代が分かりますが、

生地に置き換えるとミミがそんな役割をしている部分もあると言えます。

 

 

 

 

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コントラストの効いたクレリックシャツに深い赤色のタイが凄く映えますね。

この仮縫い時は約半年前となります。

フィッティングも慣れ親しんだサイジングであり申し分御座いませんね。

 

 

 

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打ち合いを確り重ね、ダブルブレストらしい重厚感、

そしてコンパクトなVゾーンが『らしさ』をそそります。

 

グレーの色加減も強過ぎず弱過ぎない ほど好さが使いやすそうです。

このくらい離れると微妙な織り柄は全て溶け込み、ソリッドのスーツに見えますね。

 

 

 

 

 

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さて、昨年は例のウイルスのせいで諸々御座いました事もあり

仮縫いより更に半年が経っての御納品となります。

 

御体型を維持されていると良いのですが、、、、。

 

 

 

 

 

このVINTAGEであるスーチングの柄ですが、ご覧の様にヘリンボーン柄をベースに

目の細かなピンストライプを重ねてあり、とても奥ゆかしい表情を持ち合わせます。

 

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低速織機でじっくりと織られ、風合いも豊かに素晴らしい生地である事は間違いありません。

 

 

 

 

 

 

いよいよご来店頂きました!

今回の裏地は、やや薄目のブロンズ色がVINTAGEの渋さにとてもマッチしています。

ペイズリーの織り柄も入り、とても優雅でゴージャス感が漂います。

 

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ここまで綺麗にフィットしています、背ベルトなどいりませんね。

 

 

 

 

 

 

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U様はとにかく動きます(笑)。

様々な動作、ポーズで御確認されて下さいませ!!

 

 

 

 

 

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昨年より様々なイベント含め行事が無くなり、

めっきりスーツ着用の機会が減ってしまったと残念がられておりました。

 

ジャケットスタイルならまだしも、三つ揃いはかなりお久しぶりとの事ですが

大きな体型変化も無く良かったです!

 

慣れ親しんだ革靴を半年間履かずにスニーカーで過ごしたとします。

久しぶりに履いた革靴、随分とキツくカタく感じられるのと同じように、

三つ揃いのスーツに対しても同様な感触がある事と思います。

人間は(身体は)楽であればある程 そちらに慣れてしまうので当然な感触でもありましょう。

 

如何ですか、三つ揃いのお味を改めてご実感され、噛みしめられて下さいませ。

こんなにもクラシックスーツがお似合いになるのですから是非ご堪能頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

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最後にはいつも通りモデルばりのポージングで決めて下さりました!

いつも感心してしまう程に素敵ですし様になります。

流石です、、、、滅茶苦茶にエレガントで本当に格好良いです!

 

U様、この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。

 

 

 

 

 

 

 

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1933年 LONDON

 

88年前です、カジュアル化が進んではいるものの

この紳士が今もそのままロンドンの街を歩いていても何の違和感もありません。

女性服と比べれば それだけテーラードの紳士服は既に完成されており、

クラシックなスタイルは長きに渡り練り上げられて現代に至ります。

 

シングルブレストよりも誤魔化しが効かぬダブルブレストは

既製服が主体となった昨今では難しいデザインでもあり、随分と影を潜めて長いですね。

 

 

恰幅が良い方が似合うなども誰が言ったのでしょう。

身体(体型)は個性であり、お一人お一人に見合う、似合うダブルブレストを

御用意させて頂くのがTAILORの仕事でもあります。

 

写真の紳士も決して恰幅が良い方では無いのですが本当に素敵に着こなされております。

TAILORの腕次第で御座います!

 

 

御自身の為だけに誂えられたスーツだからこそ、身体に合っていて当然です。

何度も何度も御着用されていれば着馴染み、

慣れと共に御自身の良き相棒となって寄り添い 溶け込みます。

この紳士にとっても単なる普段着であり、良き相棒であるという事です。

 

より多くの方々がダブルブレストもご堪能頂けましたら何よりです。

 

 

 

 

 

 

では、今月末頃には店頭の生地も春夏に切り替えようと思っております。

早期受注キャンペーンも御座いますし、

皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 

今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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