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Bespoke Tailor Dittos.

【 BESPOKE 5P-SUITS 】

2019.11.19お客様のご注文

 

 

11月も後半に入り、そろそろツィードやカシミアなども楽しめる様になって参りました。

 

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なんて格好良く、素敵な日常着なのでしょう!

ツィードやフラノがとても活きて似合うスタイルですね。

日常的な普段着だからこそ、その力み無き 様になるスタイルには魅力を感じます。

御二人ともタブカラーシャツというのも時代を感じますね。

 

頭には帽子、そして下物は機能性高き活動的なプラスフォワーズ。

古のフラットキャップ(ハンチング)はトップが一枚天井の円形であり歴代的正統派です。

正に英国的でもあり、私にとってはこれがフラットキャップ(ハンチング)です。

 

因みに、ロンドンにある老舗の帽子専門店『 BATES 』がフラットキャップと呼称している事からの引用となりますが、このスタイルは残念ながらプラスフォワーズ同様に今ではあまり見られなくなりました。

 

 

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フラットキャップに三つ揃いのスーツにて 4P-SUITS。

ブラウン系で落ち着きのある小格子柄の生地はツィードでしょうか。

上着はシングルのピークドラペルという所が乙ですね!

 

 

 

 

 

さて、今週は大変御贔屓を頂いておりますH様より、

BESPOKE による スペシャルな5P-SUITS を御紹介させて頂きたいと思います。

 

H様におかれましては この5P-SUITSオーダーは2回目となります。

とてもお気に召して頂き、使い勝手と共に欧州のカントリーをめぐる上では

正に最適との事で光栄にも生地を変え 2セット目となるご注文です。

 

この5P-SUITSの内訳ですが、上記紳士の様にコートにウエストコート、

そしてフラットキャップにプラスフォワーズ。

更にレギュラー型のトラウザース(長ズボン)を合わせて 5P となります。

気分やTPOに合わせて下物を変える事が出来ますし、そもそもツィードでのお仕立てですから

各アイテムを外して加えたり、それぞれも単体アイテムとしても大いに流用できます。

 

 

では、早速ご覧頂きましょう。

 

 

 

 

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お選び頂きました生地は、

カントリー系服地を得意とする W.Bill より、軽量級なツィードである

SUPERFLEECEというシリーズからお選び頂きました。

http://dittos.seesaa.net/article/461069973.html

 

 

ウエイトは400gさえも切った 375gであり、

今回の仕様はプリーツ類などが各所に施されるディテールとなりますので、

あまり生地が厚いとモコモコになります。

 

そういった意味では今回のデザインや仕様は 正に好都合極まりない生地でもあるのです。

確りとした打ち込みはコシもあり、皺にも強く、復元力も高い。

私自身分も色柄違いですが、ちゃっかりKEEPしているお気に入りのツィードです。

 

それにしても激渋で王道的なスポーツスーツで御座います!

 

 

 

 

 

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そもそもH様とのご縁は、冒頭の写真でもあった様な ゆったりとした

昔ながらのプラスフォワーズを求められ、御縁あって当店へお越し頂きました。

フロントは勿論2プリーツです!

(第2プリーツはまだ仮縫いなので閉じてあります。)

 

 

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カントリーサイドではサイクリングにも活用されるそうで有り、正に打って付けです。

完成時にはリクエストされた尻尾錠をお付け致します。

 

 

 

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上着の腰ポケットは敢えて優しい傾斜、H様お好みのアイコンでもあります。

 

 

 

 

 

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いよいよお仕立て上がりであり、H様に御連絡です。

H様も本当に洋服がお好きで拘り深く、洋装における知識は私など足元にも及びません。

いつも大変勉強させて頂いており、楽しい時間を過ごさせて頂いております。

 

 

 

 

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秋冬用のフラットキャップはライニングに薄い

ドミット(中綿)を噛ませたキルティングステッチが入ります。

成形を支えると共に暖かい仕様となります。

裏地自体は勿論スーツと同じ裏地であり、英国製ヴィスコースの裏地となります。

 

 

 

 

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衿付きのウエストコート。

今回のスーツにお付けする釦は革のバスケット釦をお選び頂き、英国より取り寄せました。

 

ツィードとは正にマッチしますし、よりカントリーテイストが引き立ちます。

雰囲気満点です!

 

 

 

 

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首元には取り外しの出来る スロートタブ。

そして各ポケットと背中にはインバーテッドプリーツが畳まれています。

 

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スポーティーなウエルトステッチが雰囲気を一層盛り上げます。

 

 

 

 

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袖口にはターンバックカフ、腰ポケットのみフラップをお付けに成られております。

フラップのRの具合や強さにも拘りがあります。

 

この腰ポケットに付くフラップ、ただ付ければ良いわけではありません。

腰ポケットとは腰骨をホールドする大変カーブの強い場所に位置します。

立体的に丸く包み込むように付ける為には それなりのテクニックを要するのです。

 

 

 

 

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インバーテッドプリーツは背中から裾まで開いています。

背幅の運動量、そして腰回りの運動量もエレガントに許容します。

 

 

 

 

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ファッションでは無い本質的なクラシックのテーラードです。

となれば このタブは『オマケ』ではありません。

スロートタブは飾りだけでは無く、あくまでも機能たるディテールでならなければ成りません。

 

ゴージラインは本来では衿ぐり線であり、

首元を上衿でホールドし、スロートタブで固定します。

故にゴージラインには本来適切な位置があり、それが正統的クラシックのバランスです。

仮に高過ぎたり低過ぎる衿ぐりを無視したゴージラインは

最早モード(ファッション)である事がお分かり頂ける事でしょう。

 

この首元、本当に締める事は無いかも知れません。

『 締められる 』という事が重要なのです。

袖口の本切羽(ワーキングカフ)に同じと言えますね。

 

 

 

 

 

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ご来店当日は凄い雨の日でした。

そんな日は潔くラバーブーツを履かれての装いでお越し頂きました。

 

やはり釦が本当に素敵なアクセントになっていますね。

 

 

 

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H様、本当にお似合いで素敵です。

今回の欧州ご出発に間に合って良かったです。

是非ご堪能頂けましたら幸いです。

 

この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・皆様も素敵なスポーツスーツやジャケット等は如何でしょうか。

共生地で合わせてフラットキャップも御誂え頂けます。

(勿論 帽子単品のみでも喜んでお受けしております。)

 

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秋冬の装いを存分に楽しみましょう。

 

皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 

 

 

 

 

 

 

 
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