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Bespoke Tailor Dittos.

【 H様の御注文:IRISH LINEN 】

2019.08.06お客様のご注文

 

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暑中お見舞い申し上げます。

毎日暑い日が続きますが、各地では様々な花火大会が開催されていますね。

 

やはり日本の夏は厳しく、既に冬の寒さが恋しくなっております。

明後日の8日には『立秋』を迎えますので 以降は残暑見舞いという事になります。

そうです、もうすぐ残暑です。 あとは涼しくなるのを待つばかり!

 

 

そんな暑い最中では御座いますが、

この季節ならではの装いを少しでもお楽しみ頂ければと思います。

 

今週は、いつもエレガントで博識なH様の御注文を紹介させて頂きます。

 

 

 

 

 

 

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リネンのスーツでしょうか。

左の紳士は渋いダブルのスーツ、

ボウタイとカンカン帽のリボンが揃えてありますね。

本来では その色柄が所属や出身などを表します。

正に英国らしく、歴史を感じさせてくれます。

 

奥のタバコブラウンのダブルはロングターンモデルです。

Vゾーンの広さも随分と変わりますね。

このイラストを良く覚えておいて下さい!

 

 

 

 

 

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SPENCE BRYSON

 

TROPICAL STRING

100% IRISH LINEN

380g

 

 

春夏と言えばリネンは欠かせぬ素材です。

リネンと言えば やはりIRISH LINEN が筆頭となるでしょう。

それにしても この不朽の定番色、エレガントですね。

 

当BLOGでも魅力的なリネンのご注文を沢山御紹介させて頂いておりますので

もう説明入らずではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

スーツとは三つ揃いが前提であり、

上着の打ち合い(シングルorダブル)に左右される事ではありません。

ただし ダブルの上着ではインナーであるウエストコートは殆ど見えません。

ですが、お持ちであれば御着用の有無を御自身で選択も出来る訳です。

 

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ダブルの上着に ダブルのインナー、通好みの御選択であり

胸元をスッキリとさせるべく、カラーレスでのダブルブレストで御座います。

3P全て微調整すら無く無事に仮縫いが終り、仕上げへと進行致します。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・いよいよお仕立て上がりです。

ダブルブレスト:6釦-2掛けとなります。

 

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正に英国的でクラシック、このエレガントなバランスはH様の御希望通り。

出来も最高に良く、お見せするのが楽しみです!

 

 

 

 

 

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お洒落なH様におかれまして、

ダブルはロングターンでの着こなしも楽しめる様にと芯作りも含め、

配慮の上でお仕立てさせて頂きました。

今でいう段返りですね!

柔らかな返りの具合が見てとれる事でしょう。

 

洋装史にも詳しい御方でしたらロングターンと言えば

ケント公が真っ先に思い浮かぶのではなでしょうか。

これは後に少し触れたいと思います。

 

 

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競馬場での一コマ、左の紳士も DB.4B:ロングターンでの着こなしですね。

紳士服には歴史という『歩み』がありますので、

知れば知る程に奥も深く そこが大いなる魅力でもあるのです。

 

 

 

 

 

・・・・・さて、H様にご来店頂きました。

いよいよ最終FITTINGです。

 

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2-PLEATSのゆったりとしたトラウザースが本当にお似合いです。

そのドレープは優雅であり、涼し気でもあります。

 

 

 

 

 

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クレリックカラーにボウタイ、カフは常にフレンチカフス。

手慣れたボウタイの結びを見れば どれだけの御経験値なのか直ぐに分かります。

 

ダブルの締まったVゾーンに、手結のボウタイ、、、とても素敵です。

 

 

 

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裏地は少しでも薄く、軽く、平織地のヴィスコースでシャンパンゴールドをお選び頂きました。

お身体に合ったウエストコートには背ベルトすら必要ありませんね。

 

 

 

 

 

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正にエレガントな夏の装い、紳士たるはこう有るべきを直球で。

腰ポケットの微妙な傾斜具合はH様のアイコンでもあります!

 

 

 

 

 

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BESPOKEで作られた、まだまだ受け取ったばかりのスペクテーターシューズに

やっと合わせて頂けますね。お待たせ致しました。

この度のスーツがデビューの折には最高の組み合わせを是非ご堪能頂ければと思います。

 

 

 

 

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後姿も素敵です。

サイドベンツをお切りになりました。

 

 

 

 

 

 

・・・・・さて、この御方もロングターンでの着こなし!

氏お気に入りの4釦-2掛けのダブルブレスト、

設計的には上側を止める様にデザインされています。

 

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あえて上を止めず 下掛けにより、段返りの止め方となります。

良い意味で脱力し 砕けた印象をも着こなしで表現する・出来るというスタンスですね。

この様な着こなしによる遊び心より、『であれば 始めからロングターンで!』

とデザインが派生した経緯もお分かり頂ける事と思います。

 

因みに設計では2掛けなので、下前の内ボタンは上段で止められています。

Vゾーンもコンパクトですね。

 

H様の様な 6釦2掛けと同じですが、胸部の飾り釦を取り払っての4釦となります。

 

 

 

 

 

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ロングターンと言えば この御方、 DUKE OF KENT。

ウインザー公の弟様で御座います。

ロングターンのダブルは ケントモデル とも言われたりする程に

インパクトと影響を与えたという事です。

 

 

 

 

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ケント公はオーバーコートまでロングターンですか!

本当にお好きですね。

 

見方によれば、とある時代のアルマーニ含め 80年代のダブル、、、、

思い出しませんか!?

紳士服のファッションに歴史は欠かせぬという事です。

 

 

 

 

 

 

・・・・・最後にH様にも!

 

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ここで細かな区別にはなりますが、仮にダブルの6釦で考えますと 縦に3列釦が並びます。

【 DB.6B-2 】 6釦2掛けのモデルは あくまでも胸部釦は飾りであり

2列目、3列目を止める様に設計されます。

これを着こなしによりロングターンでの着用はお遊びです。

 

では ロングターンを前提に設計された【 DB.6B-1 】下段のみ1掛けは、

基本下段のみしか釦が止められません。

 

これらは 2掛けモデルと釦配列の位置バランスや芯、仕立て方が変わります。

区別されたデザインでもありますので、どちらを御選択されるかという事になりますので、

これはお好みやスタイルで構いません。

 

2掛けであれば段返りの様な着こなしも出来る事になります。

 

1掛けの特徴として、ロングターンは釦を止める位置がどうしてもシェイプされる位置より

乖離しますので グラマラスなシルエットには不向きという側面があります。

Vゾーンも深くなりますね。

 

冒頭のイラストを改めてご覧頂くと良く分かると思います。

 

 

 

 

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別の顧客様のロングターンのダブルは ODD JACKET として。

段返り風 飾りのホールもリクエストされました。

こう見比べると違いが分かり易い事と思います。

 

 

 

 

 

 

 

如何でしたでしょうか。

紳士服は知れば知る程に旨味が滲み出て 本当に美味しく、止められなくなります。

 

H様、この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。

 

 

特に春夏のお洒落はある意味やせ我慢的な要素は否めません。

涼しい顔してリネンのスーツを着こなす大人になりたいです。

 

リネンは色によっても随分印象が違いますし、

このレベルのウエイトは このレベルにしか出ない・出せない味わいがあります。

3シーズンくらい着こなされたら 素晴らしい顔立ちに生まれ変わります。

 

そして新品の頃はハリコシを感じられますが、

着こなす程に本当に柔らかく、クッタリして参ります。

これがもう本当に掛替えの無い独特な魅力でもあります。

 

長きに渡り、相棒として是非育ててあげて下さいませ。

 

 

 

 

 

 

・・・・・誠に恐縮ながら 来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。

 

次回は 8月20日(火)の更新を予定しております。

何卒ご了承頂きたく、引き続き宜しくお願い申し上げます。

 

また、HOUSE STYLE ORDER限定にて 【 早期受注キャンペーン 】を行っておりますが

こちらは 8月21日(水)までとなります。

是非とも宜しくお願い致します。

 

 

 

今週も誠に有難う御座いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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