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Bespoke Tailor Dittos.

【 2019 春夏生地 】

2019.03.05生地に付いて

 

 

 

イングランド南部 シーフォードとイーストボーンの間に位置し、

イギリス海峡に面したこの場所には 白亜系チョークからなる海食崖があります。

穏やかな起伏の丘が削り取られて形成された圧倒的な白い壁。

その起伏ある丘の形状より【セブンシスターズ】と名付けられています。

 

1ss

 

それぞれの丘、そして谷には各名称も付けられており、

その圧倒的な絶景は 死ぬまでに一度は訪れたい絶景スポットとしても有名だそうです。

 

2ss

 

大自然の力強さ、そして歴史、とにかく全てが正に圧倒的です。

2月の寒い時期、特に波風も強く吹き飛ばされそうな日でした。

正に崖っぷち、直角に真っ逆さまです。

ロープや安全策の類は皆無であり、本当に先端まで行けます。

が、とても怖くていけません!

 

海から吹く強き海風に『来るな!』と言われんばかりに押し戻されますが、

もし急に風向きが変わったら落とされてしまいそうです。

 

しかし、なんて美しき光景なのでしょう。

 

柔らかい石灰岩は波の力により、ほんの少しずつ削り取られています。

足元が削られれば その上部は耐え切れず崩れ落ちます。

そうやって少しずつ陸地が後退しているのだそうです。

 

この日は本当に波も強く、削り取られた石灰岩によるのか

海の色は鮮やかなブルーというより、乳白色が混ざった様な色を感じました。

 

3ss

 

小さなお土産屋さんの前には石を積んだ盾の様な柵が、、、風よけでしょうか。

 

4ss

 

海とは逆の丘側は何もありません!

のどかで素晴らしき光景です。この写真を拡大すると見えるのですが、

左側中腹部には白い粒々が写っています! 羊君達です。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、本題に入りましょう。

いよいよ3月にも入り スーツ地やシャツ地なども新作が充実して参ります。

今週は 2019年春よりデビューの2種含めたお勧めの生地を御紹介させて頂きたいと思います。

 

 

 

 

 

5ss

 

凛々しきキツネ君がトレードマークでおなじみ、

1772年創業の老舗ミル FOX BROTHERS より今期の新作です。

 

 

6ss

 

【 FOX AIR 】

 

300g前後でまとめられた Wool:100% のその生地種は、

所謂フレスコ地のシリーズとなります。

有名なフランネルだけでは無く、春夏の生地も率先して

様々に魅力的な生地を打ち出して参ります。

 

7ss

 

一昨年デビューの春夏生地も御紹介しましたね。

FOX BROTHERS & CO:春夏

http://dittos.seesaa.net/article/446720901.html

http://dittos.seesaa.net/article/446967833.html

 

 

 

 

 

 

8ss

 

これはその新シリーズより、ミディアムグレーのヘアラインです。

フレスコは通気性に特化した織りであり、

起伏に富んでザラザラした質感となります。

強撚糸で織られた そのフレスコ織りはシャリっとハリコシが強く、

皺に強き生地種でもあります。

 

 

 

 

 

9ss

 

当店買い付けの新着生地、

遠目にはグレーに溶け込みますが、ヘアラインたる この極細の縞柄により

とても表情の豊かな顔立ちとなります。

スーツでのお仕立てだけでは無く、オッドトラウザースとしても使いやすい逸品であり大変お勧めです。

 

 

 

 

 

10ss

 

クラシックな格子柄も結構な色バリエーションで展開されていますね。

 

 

 

 

11ss

 

勿論ソリッドも欠かせません。ネイビー系からグレーのグラデーション、

爽やかなベージュから、ブラウン、グリーンまで。

 

 

 

 

 

12ss

 

こういった小格子柄も使いやすく、スーツでお持ちであれば

単品ずつで崩しても使えるのはコーディネイトの幅が広がります。

 

 

 

 

 

13ss

 

クラシックなストライプも欠かせません。

その他 モダンな格子柄など多彩に展開されております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

14ss

 

次は、真っ赤なバンチでおなじみ HARRISONSより

【 INDIGO 】という今期デビューの新シリーズです。

 

 

 

 

15ss

 

HARRISONSの織りネームはベースが黒なのが定番ですが、

これは名に因んでか ダークネイビーですね。

主としてジャケッティングとしての生地となります。

ウールを主体とし、清涼感溢れるリネンをブレンドいたしました。

 

 

 

16ss

 

ウエイトは230gと軽く、

80%:Wool

20%:Linen

と、ウールにリネンの味付けを施されたブレンド具合です。

ウールの柔軟性やナチュラルなドレープ感が生かされつつ、

涼しげで独特なリネンの持つ清涼感が程好く生きています。

 

 

 

 

17ss

 

当店買い付けの生地はネイビー地で 白っぽいスラブ糸が大変涼しげであると共に、スポーティーな印象を与えてくれています。

 

 

 

18ss

 

こんな生地で 先週御紹介させて頂いた アンコンJACKETでの仕様でお仕立てになると抜群の相性でしょう。

ジャケッティングだからこその織り地は柔らかく、

通気性と共に軽い仕上がりとなっております。

 

 

 

 

19ss

 

ソリッドだけでは無く、こういった格子柄も展開されています。

鮮やかな色目もジャケットなら楽しめるというものですね。

 

 

 

20ss

 

落ち着いた色目と共に、クラシックなウインドーペーン柄も目を惹きます。

サラリと軽い上着になります。暑き夏も こんなインディゴシリーズで涼しき顔してお過ごし頂ければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

21ss

 

最後に単発での御紹介です。

カントリー地を得意とする W.Bill より、廃盤種を買い付けました。

 

 

23ss

 

これは同社がまだHARRISONSの傘下になる前に展開されていたシリーズです。

 

【 FEATHER TOUCH 】

240~260g   100%:Wool

 

 

 

 

22ss

 

強撚糸で織られた平織地であり、大変サラサラした気持ちの良いスーチングです。

 

杢糸の様な複雑で細かな表情をしており、この生地の最大の魅力は色です!

しかし、写真では頑張って加工しても そのリアルたる色味を出せません、、、、。

(こんな色では無いのですが、、、)

 

薄めのグリーンに少し茶味があり、スモーキーなトーンでまとめられています。

くすみがかったオリーブ色と言えば近いでしょうか。

 

これは、、、、店頭にて現物を見て下さいませ!

 

グリーン味で味わいのあるスーチングはそうそう御座いません。

くすんだ感じが落ち着きも与え、グリーン味が涼しげで爽やかな印象を与えてくれます。

 

日本ではグリーンを上手く使う方々は少ないですが、欧州ではもっと効果的にグリーンが愛用されていますね。

本当に素敵ですから是非現物をご覧頂きたいと思います。

廃盤種ゆえ、お値段もお手頃な事もお勧めどころです!

 

 

 

 

 

・・・・・今週は以上となります。

シャツ地含め、またお勧め生地が入荷次第 御紹介させて頂きます。

 

3月にも入り、そろそろ春に向け 仕込みには良い時期となって参りました。

ご多用の事とは思いますが、どうかお時間を捻出して頂き

素敵な生地達を見にご足労頂けましたら幸いです。

 

皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 

 

 

 

 
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