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Bespoke Tailor Dittos.

【 180 】

2018.07.31日記

 

 

東から西へと異例のコースを辿った 台風12号。

西日本の方は大雨の被害が出たばかりにも関わらず 心配が募るばかりです。

 

今日で7月も終わり、いよいよ8月を迎えるわけですが

今年の夏は異例尽くしです。 どうか皆様ご体調管理含め、十分に御注意下さいませ。

 

 

 

さて、今週は少し洋服から離れまして 靴のお話でも書かせて頂こうかと思います。

 

 

 

 

 

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有名な写真の一枚です。

愛犬を連れ、パドックスーツに身を包んだウインザー公の足元はコンビのローファーです。

風になびくドレープが豊かで優雅、そしてエレガントな公のスタイルに憧れたものです。

 

こう暑さが続くと、足元は楽なスリッポンに頼りがちになる方々は少なくないでしょう。

 

 

 

 

私の足はとても華奢であり、様々なメーカーで展開される殆どの既成サイズはまず合いません。 もう随分前より諦めています。

紐靴であれば、中敷き含めある程度の調整や我慢があれば履けない事もありません。

しかし、紐でアジャストする事の出来ぬスリッポンだけは 手を出す事が出来ません。

余計に履きたい靴でもあり、憧れも強くありました。

 

 

その夢は素晴らしい感性と腕を持つ福田さんにより叶えて頂きました。

作って頂いたその靴は、革の仕入れにも相当時間が掛かり ご苦労をおかけしましたが

心底お気に入りのパートナーとなりました。

とても大切しながら活躍してもらっています。

 

 

スリッポン(ローファー)なら、せめて最低でももう一種は欲しいところ、、、。

いつかは手に入れたいと思っていたコチラにオーダーをさせて頂きました。

 

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J.M.WESTON 180 シグニチャーローファー

 

1891年創業のフランスの老舗であり、様々な名作を生み出して参りました。

180は1946年に生まれたそうで、その当時より変わらぬ同社の顔の一つと言えるでしょう。

 

また ここの特筆すべきはサイズ展開がハンパじゃない事も有名ですね。

ワイズが4㎜ピッチでAからFまで揃います。

ここであれば私の足に合うサイジングが望める筈です。

 

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どうしてもコンビのローファーが欲しかったのですが、やっと手に入りました。

今年の春より ついに私のワードローブへ仲間入りを果たしました。

 

 

 

 

 

 

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爪先には予めスチールをお願いしておきました。

 

福田さんにローファーを作って頂いた時には様々な事を教えてもらいつつ、やはりフィッティングは難しいデザインでもある事は重々承知の上です。

先にも触れましたが、紐で縛る訳でもなく 基本タイトフィットで確りと合わせなければ成りません。

 

福田さんの靴は完璧だと思っています。

その作って頂いたローファーも、ある時はもうパンパンでかなりキツさを感じる時もあれば、薄い中敷きくらいは入れられそうに感じる時もあります。

それだけむくみ含めて足のサイズが変わるという事実、、、つくづく驚きました。

洋服は必ずユトリを入れます。好みも含めそれら量は一律とは言えませんが、逆に靴はピッタリとさせる分 難しさも伴いますね。

 

革は布の様に柔らかくはありません。小さく、合わなければ痛いですし、大きければ足は靴の中で泳ぎ、踵はカパカパです。 本当にシビアなフィッティングと言えましょう。

 

 

 

 

J.M.WESTONの青山店に足を運び 早速フィッティングです。

確りと足を計測して頂き、幾つかのサイズを試し履きしました。

 

同社のワイズは A より揃います。

私は自分での予想として Cか、キツめでBかな と思っておりました。

 

試し履きしつつ、店員さんに『 Aとかの方もいらっしゃるのですか? 』と。

『 稀にいらっしゃいます! 』との事。そんなに細い方もいるのだな~と思いながら試し履きを進めます。

同社のタイトフィッティングは有名ですね、愛用者からはよく修行とも揶揄されます。

 

結局、結論出した自分自身のサイズはなんと 5-A !!!

 

5、、、しかもA !?  私自身が稀でした。自分自身もかなり驚きました、、、。

 

 

踵の浮きなどを考えれば、このサイズで無ければダメだと自分でも思いました。

履き込み、馴染む頃にはインソールも沈み、革もそれなりに柔らかくなり、ソールも返りも随分と楽になるでしょう。 それら全てを見越してサイズ決定しなければ成りません。

 

これがBESPOKEであれば仮縫いがあります。

ある程度の期間を仮縫い靴で試し履きも行える訳です。

ステージが違いますから比べても仕方がありませんね。

 

 

 

 

 

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オーダーで作ってもらうと、シューツリーが付いて参ります。

オーダーの場合 既製靴よりお値段は多少上がりますが、ツリーは必要ですし、とにかくコンビが欲しかったので 既成ではなかなか展開されていないサイズ、配色ゆえ 私にはオーダーが前提と考えていました。

 

靴は私のサイズになりますが(5-A)、流石にツリーは同社の既製サイズのものです。

なんとツリーは 4 ですよ、、、、。

多分 5 では横幅が入らなかったのでしょう。流石にツリーまでワイズのバリエーションは揃えていないという事なのでしょう。

 

4 だとスカスカです。 4って婦人サイズの範疇では(汗)。

まぁ、それなりに機能してくれれば良しとするしかありませんね。

 

 

 

 

 

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かなりのタイトフィッティングです!

でも格好良い!! イメージ通り!! 欲しかった 180 の顔です。そしてコンビです。

色は写真だと上手く出ていませんが、クリームとチョコレートブラウン!?のコンビとなります。

 

店員さんにアドバイス頂いたように、始めはほんの数十分ずつで慣らして欲しいとの事。

自身の店内履きで少しずつ慣らします。

 

返りは本当に堅く、馴染むまで時間も掛かりそうです。

良かれと思った 数日後、いよいよ外履きデビューしてみました!

 

見事に踵は酷い靴擦れをおこし、ベロっと皮がむけてしまいました(泣)。

本当に久しぶりの体験です。 福田さんの靴は全てにおいて靴擦れなんておきません。

 

改めてステージの違う靴ですから比べられないのは百も承知です。

 

踵は低めの設定です。

私はくるぶしの位置が低いのか、大抵の靴は当たります。これも多少当たりますが、頑張ります!

 

 

 

 

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いいですね~~、大変満足していますし、凄く嬉しいです!

 

欧州ブランドは少しずつ値上げしています。同社も例外ではありません。

そう考えると早くに手に入れた方が良いのでしょうね。

 

10年前、20年前と比べて革質は、作りは、、、これも抗えぬ事であり、今更話しても仕方がありません。

 

 

 

 

 

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福田さん製 エキゾチックレザーによるローファー。

これは本当に欲しかった、、、、。 大切な相棒です!

もう随分とこなれてきました。

 

 

 

 

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J.M.WESTONの180、しかもコンビ。

これも欲しかった靴です! これからの春夏は特に この2足の靴で活躍してもらいます!

 

 

 

 

 

 

 

洋服は作れますが、靴は作れません!

既製靴が買えない、SALEも勿論利用できない。仲間を増やすには自ずとコストがかかります、、、。

欲しい靴は沢山ありますが、今いるパートナーたちを大切に履き続け、ほんの少しずつ仲間を増やせていければと思っております。

 

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皆様の靴、足事情は如何でしょうか!

 

 

最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。

 

 

 

 

 

 

・・・・・大変恐縮では御座いますが、来週のBLOG更新はお休みをさせて頂きます。

次回は8月8日(火)を予定しておりますので、引き続き宜しくお願い申し上げます。

 

まだまだ暑い日は続くかと思いますが、どうかご自愛下さいませ。

 

 

 

 
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